徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

広重 蒲原 初摺と後摺

2007-11-11 | 美術
歌川広重 東海道五十三次内 蒲原。雪景色で有名だが、太田記念美術館で開催されている「肉筆広重展  -初代から四代まで-」にて、初摺と後摺があるということを知った。、「天ぼかし(天一文字)」が初摺、「地ぼかし(ぼかし上げ)」が後摺と考えられているとのこと。太田記念美術館では、夜の雪として叙情があるのは「地ぼかし」だろうと解説であった。インターネットで調べると、こちらの解説が詳しい。

後日、東京国立博物館を訪れると何と、初摺が展示されているではないか。個人蔵とのこと。何も説明なしで展示してあるとは、東京国立博物館も、人が悪い。11月18日まで展示。

記念切手の蒲原は、「地ぼかし」。

なお、下記の本に初摺と後摺は詳しいとのこと。
保永堂版 広重東海道五拾三次
鈴木 重三,木村 八重子,大久保 純一
岩波書店

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肉筆広重展  -初代から四代まで-
前期11月1日から25日 後期12月1日から16日
太田記念美術館

天童織田藩が借金の形に配ったという天童広重と呼ばれる肉筆の風景画が並ぶ。200点あまりが知られている。内藤 正人「浮世絵再発見―大名たちが愛でた逸品・絶品」に工房作もあるのではということもあったが、三幅対の「日光三滝」(1849-51)などは、悪くはない。

このほかに広重の遺言状(安政五年1858 日付なし)は3つ現存して、その1点が展示されていた。はじめに書いたのが太田記念美術館所蔵、あと2通は江戸東京博物館所蔵で、はじめに書いたものとは多少内容を改めてあるとのこと。あと初代広重十歳の絵、2点が展示されている。(前期のみ)
  • 三保松原図  1806か?
  • 琉球人来貢図巻 紙本一巻  1806か?
    10歳で琉球人来貢図巻とは、やはり絵師になりたかったのか?(3日)

    浮世絵再発見―大名たちが愛でた逸品・絶品
    内藤 正人
    小学館

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    浮世絵
    常設展 2007/10/23から11/18
    東京国立博物館 本館10室

    さて蒲原の初摺以外にも、こんな作品を楽しみました。

  • 見立反魂香 1枚 鈴木春信筆 江戸時代・明和2~7年(1765~70) A-10569-1288



  • 風俗三段娘・上品之図 1枚 喜多川歌麿筆
  • 風俗三段娘・中品之図 1枚 喜多川歌麿筆
  • 風俗三段娘・下品之図 1枚 喜多川歌麿筆 A-10569-522から524

  • 瀬川菊之丞の大原女 1枚 勝川春章筆 A-10569-255 細判 錦絵; 勝川春章の役者絵には、渋谷区立松涛美術館でめざめました。見得を切った表情がよく描けています。(写真の画面に蛍光灯が写ってしまっていますが)



  • 重美 立姿美人図 1幅 喜多川歌麿筆 江戸時代・18世紀 個人蔵

  • 北楼及び演劇図巻 1巻 菱川師宣筆 江戸時代・17世紀 A-59

    (8日)

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    2 コメント

    コメント日が  古い順  |   新しい順
    蒲原 夜の雪 (とら)
    2007-11-15 22:25:46
    TBありがとうございました。先日郡山市美術館でみた米国のコレクション展では、初摺と後摺の《蒲原 夜の雪》が並べて展示してありました。(TBしてみます。着けばよいのですが。)地ぼかしの後摺は全体に黒が濃くドラマチックな感じでした。わたしは全体的に明るい初摺のほうに一票投じます。
    返信する
    Unknown (ak96)
    2007-12-02 20:37:19
    ミネアポリスの蒲原も初摺でした。

    返信する

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