赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ポピュリズム論の裏側 コラム(198)

2017-01-18 00:00:00 | 政治見解



コラム(198):ポピュリズム論の裏側



1月20日にドナルド・トランプ氏が第45代大統領に就任する予定です。
彼は全米メディアを敵に回しながら、メディアの予想を覆して大統領選を勝ち抜きました。そのため、メディアはこれまで低い評価に留めていたオバマ大統領を持ち上げて、相対的にトランプ氏の評判を貶めようとしています。


ポピュリストという評価は正しいのか?

全米メディアはトランプ氏を「排他的な主張で大衆を扇動するポピュリスト」とのレッテルを貼っていますが、その言葉の奥には、「トランプはファシスト」とのイメージを植え付け「民主主義の敵」として、大統領の罷免にまで持っていきたいようです。

しかし、米国民は、トランプ氏を閉塞された米国の現状を改革する変革者と認識しています。大統領選挙を勝利したことが何よりの証拠です。であるならば、全米メディアの物の見方は、極めて主観的なものであり、トランプ氏に激しい攻撃を加えるのは、彼ら自身が何かを守ろうとする力が働いているのではないかと思われます。


メディアに潜む中国の影

中国のメディア戦略は狡猾です。海外メディアを買収し、知識や経験のある人間をメディアに送り込み、あたかも中国の影響下に無いよう装い、中国政府の意向に沿った情報を発信し、世論操作を試みるのです。

トランプ政権の国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長に就任したマシュー・ポッティンジャー氏は、かつて、ウォール・ストリート・ジャーナルを買収したマードック氏を「マードックのメディアは中国政府に協力している」と暴露したことがあります。全米メディアがハリウッドの映画スターを巻き込んで、反トランプ一色になった理由に中国の影響があることは否定できません。


日本のメディアの現状

一方、日本のメディアには二つの欠点があります。一つは米メディアのバイアスがかかったが情報をそのまま流していること、そして、中国政府に遠慮して知らせるべき情報を出さないことです。

前者は取材能力が著しく低下しているため、全米メディアの記事を翻訳するだけです。
後者は組織ごと中国に篭絡されているため、中国に不利になることは報道しないように心がけています。また、報道せざるをえないときでも「そもそも日本が悪いから」との論理にすり替えます。

よく注意してみると、日本のメディアが発した見解と、数日たって中国の国営通信が発した見解が奇妙に一致することがあります。これは中国が日本のメディア見解をそのまま流したのではなく、最初から同じ見解で日本メディアに情報を発信させたと考えた方がわかりやすいと思います。また、メディアのみならず、政府批判ばかりする政党の発言と同じ内容を中国の国営通信が発信していることがあります。


このように世界中のメディアを含め、メディアから流される情報を鵜呑みにすることは極めて危険なことだと考えます。


(『リアル・インテリジェンスの時代』につづく)





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