赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

米朝首脳会談の本質は対中戦略 コラム(261)

2018-05-25 08:13:20 | 政治見解




コラム(261):米朝首脳会談の本質は対中戦略

野党の国会議員が安倍おろしに狂奔している間にも国際情勢は激動しています。国会内の瑣末な問題よりも日本人の安全保障に関わる米朝首脳会談について考えてみたいと思います。


米朝会談は必ず開催される

6月12日の米朝会談の中止が発表されましたが、米朝首脳会談はさまざまな紆余曲折があろうとも開催されるのは明らかです。アメリカのトランプ大統領は力づくでも北朝鮮の非核化を実現しようとするし、北朝鮮の金委員長にとってはアメリカから「経済制裁の解除と体制維持の保障」の確約をしてもらうことが目的だからです。

しかも、両国に共通しているのは、「目障りな中国の存在」です。アメリカにとってはパクス・アメリカーナを脅かす存在であり、北朝鮮にとってはいつまでも宗主国ぶる中国が邪魔で仕方がありません。反中は共通の利益なのです。


米朝会談を内心否定する人たち

ここにきて、「米朝首脳会談はない」と予測するメディアや評論家が出てきました。また、米朝合意の可能性を示唆しながらも「北朝鮮に再び騙される」と予測する言論人もいます。このような否定的意見を述べる人の多くは、米朝が親密な関係になることを望まない人たちです。なぜなら、米朝が対立していたからこそ、彼らは評論することが出来たからです。

要は、反北朝鮮の立場の人は北朝鮮を批判することで、また、反米の立場の人はアメリカを批判することで、それぞれの北朝鮮問題の論評が成り立っているのです。結局、彼らにとって、「対立」は飯の種になっているのです。

このことは、日本共産党や朝日新聞を例にとればよくわかります。日本共産党は「問題の解決は話し合い以外にない」と主張し、安倍総理にも「米朝対話の実現」を要請しましたが、会談の実現が決まった途端、北朝鮮問題を語らなくなりました。また、朝日新聞は、米朝会談決定後からは、「北朝鮮との対話をしようとしないアメリカは悪い」という図式を描けなくなり、現在は、米朝会談延期を暗に期待する記事を出し始めています。

結局、米朝会談を批判的に論ずる人たちは、批判をするために米朝が対立関係のままであってほしいという切実な願望を持っており、その願望を打ち砕く米朝会談や米朝合意が実現することは、どうしても避けたいのです。


アメリカの戦略はしたたか


さまざまな思惑があるなかで、アメリカは会談とその後で起きるであろうさまざまな局面を想定しています。

5月16日に太平洋軍司令官のハリス海軍大将を韓国駐在大使に指名し、22日には、13隻中7隻が弾道ミサイルに対応できる最新のミサイル防衛能力を備えたイージス艦の横須賀基地への追加配備に注目すべきです。

これらの意味するところは、米朝会談が決裂した場合の対北朝鮮戦略と、米朝合意がなされた場合の対韓、対中戦略の両方を考慮に入れているということです。すなわち、北朝鮮との話が上手く行かなければいつでも北朝鮮への攻撃体制に入ることを示し、米朝合意がなされれば、韓国の駐留米軍を縮小しつつ、中国への睨みを強化するシステムを構築しているということなのです。

アメリカにとっての米朝会談は一つの通過点に過ぎず、その後に起きる東アジア情勢の変化を見越した上で、対中戦略を練っているのです。


中国の本音

中国にとっては、北朝鮮の核弾頭が北京を狙っている以上、北朝鮮の非核化を強く望んでいます。中国の機関紙でもある朝日新聞(4月22日付)の社説には「北朝鮮の決定 完全な核放棄の追求を」と述べていますが、開催が決まった翌日(5月11日)の紙面では、その歴史的意義よりも非核化を強く迫る内容となっているように、中国にとっても北朝鮮の非核化が重要であることがわかります。

しかし同時に、中国にとっては、米朝合意がアメリカ主導の下で達成され、北朝鮮がアメリカ側につくことになることは避けなければなりません。そのため表向きは、大国としての面子を保ち賛成のポーズを示していますが、裏では北朝鮮に食料や石油の援助をチラつかせては、米朝会談の妨害を図っています。現在、米朝会談の有無が取り沙汰されはじめたのはこのためです。

ただ、早急な援助が求めている北朝鮮にとっては、中国の意図を承知の上で中国に同調するそぶりを見せていますが、米朝会談が実施されれば、瞬時に手の平を返すと思われます。


米朝会談の本当の目的


アメリカが北朝鮮との対話を検討しはじめたのはトランプ政権になってからです。トランプ大統領は「民主主義や人権の尊重などを共有する国家との関係強化」という安倍総理の外交姿勢を基本的な外交基準にしています。そのためトランプ大統領は日米豪印によるインド太平洋戦略の構築を急いでいる最中です。

一方、中国としては、一帯一路計画が包囲されるわけだから承服できないのは明らかです。したがって、中国はニューヨークタイムスや朝日新聞などのメディアを使ってトランプ叩きや安倍叩きをやらせて、米朝会談が不調に終るよう言論操作を画策しているのです。

しかし、冒頭で述べたように米朝は共通の利益を優先させるので、米朝会談は必ず実施され、中国が最も恐れる米朝の友好関係が実現する可能性が高いと思われます。

今後、国際社会の相関図は激変すると考えられます。

私たちは、思惑だらけのメディアや評論に惑わされず、推移を冷静に見守っていく必要があると思います。



※なお、韓国については、当ブログのcurrent topics(311)~(314)をご覧下さい。


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国会での裏取引きをやめよ コラム(260)

2018-05-25 00:00:00 | 政治見解



コラム(260):国会での裏取引きをやめよ


国会では、森友・加計問題の蒸し返しが行われています。大多数の国民はうんざりしているのですが、実は野党には安倍政権が続く限り追及の手を緩めない特別な理由があるのです。


攻めあぐむ野党

野党に見られる悪い癖は、朝日新聞が報じた問題に条件反射的に飛びついて、問題の本質を精査することなく政府追及をすることです。

もともとメディア頼みで自分たちのしっかりとした調査に基づかないので、「愛媛県から提出された加計学園に関する文書」、「財務省から提出された3000ページにも上る森友文書」、そして、「防衛省から発表された日報問題に対する見解」などの膨大な資料に対し、何をどこから処理すべきかわからず大混乱になっています。

しかも、野党議員にとって文書の活字を読む気力さえ失っている状態で、朝日新聞がダイジェストにして問題点を指摘してくれるのを待っているだけなのです。つまり、朝日新聞の能力の限界が野党議員の能力の限界になっています。

さらに、彼らにとって困ったことは、北朝鮮問題や国内でのスポーツ関係の事故や事件が相次ぎ、なかなかニュースとして扱ってもらえないことです。彼らは、彼らのパフィーマンスが映像として報道されるのを期待して、カメラの前で虚勢を張るのですが、その唯一の手段が他のニュースによって削除されたり薄められたりすることを非常に悔しがっているのです。


立憲民主党だけを支援するメディアと捏造される世論調査の根拠

パワハラ同然の国会追及が支援者から顰蹙を買い自重している議員もおりますが、大半の議員は、左翼メディアの世論調査を頼みとして、「モリカケを追及すれば支持率が上がるはずだ」と思い込んでいます。しかも、彼らは世論調査の数字がメディアの捏造であり、彼ら自身がメディア詐欺の被害者であることには気づいていません。

立憲民主党は、過激派出身ともいえる枝野幸男氏を代表に、周りを中国出身の福山哲郎氏や蓮舫氏、在日出身の辻元清美氏で執行部を形成しています。このほかにも菅直人氏や、白真勲氏などの国籍変更者や日本共産党を除名された有田芳生氏などがいる極左政党です。

これに強烈な親近感をいだいているのが日本のメディアです。九州国際大学長の西川京子氏が「テレビ局は中韓に乗っ取られている」と語るように、メディアの内部は同胞が多くいる立憲民主党の支持率を意図的に高くし、同じ野党の国民民主党は無視されているのです。


国民を欺く国会の裏取引き

立憲民主党は安倍政権がこれからも続くことを承知の上で、安倍総理のイメージを貶めることだけを目的として攻撃しています。

実は、政権を激しく批判し、国会を停滞させる理由は、自民党からの国会対策費が目当てだからです。野党議員には繰り返し政権に揺さぶりをかけることにより裏でばらまかれるお金を得ようという卑しく浅ましい考えがあるのです。

筆者はかつて自民党の派閥の政策スタッフでしたが、国会対策では酒席での接待や裏金を握らせることなど当たり前のことでした。今でもその悪しき慣行は続いています。とくに、各党の国会対策委員長や幹事長には手厚いもてなしをすることは紛れもない事実なのです。

たとえば、自民党の森山裕国対委員長と親交のある立憲民主党の辻元清美国対委員長を観察すると、最近ではヒステリックに騒ぎ立てる彼女の姿はなく、上機嫌に微笑んで政権批判している姿があります。野党側の国対委員長には私たちが想像もできないほどの多額な金銭が流れているからです。 


国民が国会議員を信頼できない理由は、彼らの政治目的が国家や国民のためではなく、単に政権を維持したり、倒したいだけのエゴを目的に国会議員をやっているからです。すでに国民の誰もが気がつき始めていることです。

国会議員はいまこそ襟を正して、政治家の本来の使命と目的に立ち返るべき時に来ていると考えます。

そして、メディアは、新聞倫理綱領にある「報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない」との基本精神が全メディアに要請されるものであると自覚し、世論調査を含めて、客観的事実のみを報道することに全力を傾注すべきです。




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