赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

国連を利用して日本解体を目論む反日左翼

2024-10-30 14:00:00 | 政治見解
国連を利用して日本解体を目論む反日左翼




国連の女性差別撤廃委員会の勧告

10月29日夜、日本テレビの『news zero』を見ていましたら、藤井アナウンサーが困ったような顔をして「国連の女性差別撤廃委員会は29日、日本の女性政策に関する最終的な見解を発表し、選択的夫婦別姓の導入や男系男子のみに皇位継承を認める皇室典範の改正を勧告しました」と報じました。その要旨は以下の通りです。

——国連の女性差別撤廃委員会は29日、日本の女性政策に関する最終見解を公表しました。その中で、男系男子のみに皇位継承を認める皇室典範について、「皇位継承における男女平等を保障するため」に他国の例も参考にしながら改正するよう求めました。

また、選択的夫婦別姓の導入に向け法改正するよう勧告しています。委員会は、過去3回にわたって夫婦同姓を義務づける日本の民法は「差別的」だとして改正を要請してきました。――


朝、X(旧ツイッター)を確認したら、すべてが「国連女性差別撤廃委員会」を批判していました。主な発言をピックアップします。

・でも国連ってすごいな、間違っても独裁国家を批判しない!見事に自由主義先進国だけに偉そうに当たる

・なんだそりゃ!内政干渉だろ!もう国連とか脱退でいいよ。常任理事国の拒否権がある限りまともな結論なんて出ない。

・イスラム教の女性差別の方が命に関わるほど酷いけれど。そちらに取り組むのが先だろう。

・国連人権理というのは「国連」本体ではなく、国連の離れの掘っ立て小屋にアッチ系活動家が集まって、日本向けのプロパガンダを発表しているだけ。まずは「大きなお世話だバカヤロウ。イランやバチカンへ勧告してこい」と啖呵を切って、国連人権理を脱退すればよい。


国連を利用する悪意ある反日勢力

戦後の日教組教育で、国連を理想形態と教え込まれた高齢者世代の多くは「国連」と聞くと、さも権威あるものと捉えがちになるのですが、若い世代にとっては、国連との冠を付した組織であっても意に介さないようで、実に頼もしく感じています。

今回、日本に内政干渉してきた「女性差別撤廃委員会(CEDAW)」はスイスのジュネーブに本拠を構える国連の国連人権理事会が設置している外郭組織です。女子差別撤廃条約の履行を監視することを目的としていて、条約の締約国は189カ国。そのうち115カ国が批准しています。(なお、日本とアメリカはこの条約を批准していません。)

女性差別撤廃委員会は毎年、各国政府の報告審査を行っていますが、日本に対する審査は、8年ぶり、10月17日におこなわれました。そこには、女性差別撤廃委員会の委員約20人、日本政府代表約20人、さらに傍聴をした日本のNGO約100人が参加したと伝えられています。

この会合はパフォーマンスに過ぎず最初から「結論ありき」であったことは間違いありません。なぜなら、日本政府代表団の主張【※1】や、NGOとして参加した「皇統を守る国民連合の会」会長・葛城奈海氏の35秒の発言【※2】はまるで無視され、日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)の主張が全面的に取り入れられたからです。

【※1】日本政府代表団:皇位継承のあり方は国家の根幹をなす。委員会がわが国の皇室典範について扱うのは適切ではない。

【※2】葛城奈海氏の主張要旨:天皇は祭祀王;ローマ教皇やイスラムの聖職者、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ法王はみな男性なのに、国連はこれを女性差別だとはいわない。なぜ日本にだけそのように言うのか。世界にはさまざまな民族や信仰があり、それぞれ尊重されるべきだ。内政干渉すべきではない。

女性差別撤廃委員会に悪意ある意見を吹き込んだ元凶は、日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)です。この日本女性差別撤廃条約NGOネットワークは、様々な組織が集合する連合体ですが、一覧表を見ると、構成組織には、反日団体が数多く存在しているのがわかります。(一番下に掲載)

事実、9月4日の『しんぶん赤旗』にはこんな記事が掲載されています。

——女性差別撤廃条約選択議定書批准必ず 田村委員長とJNNCが懇談

10月にスイス・ジュネーブで開かれる国連の女性差別撤廃委員会で日本報告審議が行われるのを前に、日本共産党の田村智子委員長と倉林明子副委員長・ジェンダー平等委員会責任者は3日、日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)の共同代表ら6人と党本部で意見交換しました。

ジュネーブには、日本から85人が参加し、8年ぶりに国連の同委員会委員に直接面会する予定です。NGOとして文書を提出し、直接現状を訴えるロビー活動を行うことで、総括所見に反映させる取り組みを展開します。――

これだけでも、日本女性差別撤廃条約NGOネットワークという団体の本質がわかると思います。反日左翼お得意の、嘘をついて世界中を欺き、日本を破滅させる方向に誘導するいやらしい戦法を使っているわけです。


過去にも、反日左翼は国連で反日を叫んだ

読者は、クマラスワミ報告という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

このクマラスワミ報告は、国際連合人権委員会の決議に基づいて提出された「女性に対する暴力とその原因及び結果に関する報告書」の通称です。

日本に対しては「戦時の軍事的性的奴隷制問題に関する報告書」で戦時下における慰安婦を、「従軍慰安婦」、「性奴隷」として認定し、日本を激しく断罪しました。これにより、日本は国際社会からの強い批判を浴びることになりました。

この原因を作ったのが、日本人弁護士の戸塚悦朗です。1992年2月国連人権委員会で、朝鮮・韓国人の戦時強制連行問題と「従軍慰安婦」問題をNGO「国際教育開発」の代表として初めて提起し、日本政府に責任を取るよう求め、国連の対応をも要請した人物です。

また、慰安婦の呼称として「性奴隷(Sex slaves)」を提唱し、日弁連や国連に使用を働きかけました。彼の内縁の妻は、元挺対協(現:正義連)山下英愛です。


反日左翼は、なぜか、海外で反日工作を施し、それを日本に輸入させる手法を取ることを得意としています。「国連とか国際社会がこう言っている」といえば、評判や外面を気にする日本人にとっては気になるからだろうと思いますが、その弱点を巧みに突く作戦だと思います。

このような反日左翼が国際社会の場で、日本の悪口を言い続ける限り、日本は辱められるばかりです。

そして最大の問題点は、日本の外務省が有効な手を打とうとしないことです。慰安婦問題のときも、国際社会から白眼視されても、長い間放置してきました。日本の世論が慰安婦問題の是正で大騒ぎするまでは何も手を付けようとしなかったのです。本当に役に立たない組織だと思います。


さて、話をもとに戻して、今回の女性差別撤廃委員会の勧告をどうするか、政府は徹底して国内だけでなく国際社会にも広報活動を行うべきですが、残念ながら、今の石破政権は首相自らが反日思想の持主ですからあまり期待できません。

となると、民間人によって、国連と女性差別撤廃委員会の悪意を徹底的に広報するしかありません。それも一過性の大騒ぎではなく、地道に真実を伝えることが最良の方法かもしれません。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メディアを支配する勢力の終わりの始まり

2024-10-30 00:00:00 | 政治見解
メディアを支配する勢力の終わりの始まり




総選挙の結果について、X(旧ツイッター)での一色正春さんの分析が秀逸です。

一色正春@nipponichi8
今回の選挙を俯瞰してみると、日本国民のバランスの良さに感心する
局地的に残念な結果も多々あるが、全体的には石破自民にフリーハンドを与えず、反日与党の公明党に打撃を与え、悪夢の民主党の再現は起こさず、比較的真面な小政党を躍進させ政界再編への道を開いた

同じくXにはこういう投稿もありました。

指南役@cynanyc
今回の総選挙、普段から野党もメディアも国会を開いて政策議論を!…と言う割には、二言目には裏金裏金と、選挙期間中、まったく議論を深めなかったよーな。今、日本は経済に少子高齢化に安全保障に地方の過疎化など議論する争点が山ほどあるのに、ほぼほぼその機会を棒に振った総選挙だったよーな。

この二つの投稿から、メディアは有権者の投票行動にどれほど影響を与えたのか、すなわち、「メディアに争点を作られた」のかということを考えてみたいと思います。


出口調査

冒頭に、今回の総選挙における出口調査結果を掲載しています。左側が朝日新聞、右側が日テレ・読売新聞の調査です。Xには、出口調査を受けた人が「どこに投票しましたか」という問いに「投票箱と答えた」というものもありましたが…。

ここでは、日本テレビ系列と読売新聞社が行った出口調査の解説を引用します。

——比例代表の投票先は20代と30代はいずれも国民民主党が20%を超えて最も選ばれ、40代以上では自民党、立憲民主党の順に多かったことがわかりました。

■20代、30代に人気は国民民主党
18・19歳では、自民党(24%)、国民民主党が(19%)、立憲民主党(18%)の順となりました。
20代では、国民民主党(26%)、自民党(19%)、立憲民主党(14%)、れいわ新選組(11%)の順となりました。
30代では、国民民主党(22%)、自民党(20%)、立憲民主党(13%)、れいわ新選組(12%)、維新の会(12%)の順となりました。
■40代以上で立憲民主党の支持広がる
「40代」から「70代以上」の人にいたるまで、投票先として最も多かったのは自民党で、次いで立憲民主党の順となりました。
ただ60代以上では、投票先としての自民党と立憲民主党の差はわずかで、ほぼ並んでいることもわかります。――

筆者が思うには、メディアのいう「裏金」問題は、若い世代には影響がなく、60代以上のテレビ情報を真に受ける世代の一部が、立憲民主党に投票したのではないか。

それでも自民党への投票が多いということと、あれだけTVで「裏金」「裏金」と煽っても立憲民主党が圧勝できなかったのは、メディアの影響力が低下しているためではないか。もう誘導する力は2009年の悪夢の民主党政権を作り上げた影響力の半分しかないと思うのです。


投票率

今回の選挙の投票率は53.85%で前回の2021年比、2.08ポイント減と発表されました。これは、戦後3番目に低い投票率となっています。現時点で、年代別の数字が発表されていませんので、詳細な投票動向は分析できませんが、全体として投票率が低いということは、有権者が今回の総選挙に興味・関心を抱いていなかった証拠ではないかと思います。


かつて、メディアが大騒ぎした2005年の郵政選挙(小泉劇場「自民党をぶっ壊す」)のときは、投票率(小選挙区)は67.51%で、その前の59.86%から7ポイント以上増でした。

同じくメディアが大騒ぎして悪夢の民主党政権が成立したときの投票率は69.28%で、その前の回の67.51%を上回り、小選挙区比例代表並立制で実施された1996年から今日までで最高の数値となっています。

これから言えることは、投票率が低いということは、いくらメディアが騒いでも一定の人にしか影響力をあたえられなかったということです。

メディアにもっと力があれば、自民党政権をひっくり返すことができたのに、すべて中途半端に終わったということは、冒頭に紹介した一色さんの「日本国民のバランスの良さに感心する」という結論が正しいことになると思います。

もはや、メディアが騙せるのはテレビしか情報の受け取る手段のない高齢者や情報弱者だけなのかもしれません。これに加えるとすれば、石破首相と自民党の国会議員なのかもしれません。

メディアに煽られて「次の総理にしたい政治家第一位」を信じこんで石破氏を総理総裁に選んでしまい、いまはメディアの掌返しで退陣の窮地に追い込まれています。
·

メディアを支配する勢力の終わりの始まり

以前に比べてメディアの世論誘導は力を失っているのですが、筆者がどうしても気になっていることがあります。それは日本のメディアの報道がみんな横並びだということです。

どこかが「収支報告書の不記載議員」を「裏金議員」とのレッテルを貼ってからというもの、全社が「裏金」「裏金」と騒ぎだし、それも自民党議員だけを執拗に追いかけまわしました。そこには、それを仕掛けた人の悪意ある戦略を感じます。

日本のメディアが横並びでなければ、「不記載議員」=「裏金議員」という図式はできなかったと思います。-ということは日本のメディアの横並び体質を利用して、悪意ある情報を一社に流したらみんな同じことを言い出すということを知っている人がいるということです。

あくまでも筆者の推測ですが、悪意ある情報が最初に流されるメディアは、かつては朝日新聞だったと思いますが、今は、日本テレビではないかと思います。「裏金」問題ではなぜか突出していたように思います。

それに、選挙の争点に「選択的夫婦別姓」「女系天皇論」など、普通の人には関心事ではないことに対しても、関心を持たなければ時代認識に後れを取るみたいなニュアンスで誘導していました。日本テレビが世間では色がついていないと思われている分、世論誘導ができやすいのだと思います。

したがって、日テレのニュース番組よりも、左翼色の強いTBSやテレ朝のニュースを、解説者のいうことを割り引いてみた方がいいのではないかと思います。なお、フジはなぜか韓国臭が強いのであまり見る価値はありません。

さて、話を戻して、悪意ある情報を流す勢力も、今回の選挙では、あまりうまく機能しなかったと思います。立憲民主党が政権をとれなかったからです。その原因はテレビ離れにあります。年寄以外はテレビを見ないのですから誘導のしようがありません。

これから彼らの戦略はどう変えていくのでしょうか。興味は尽きないのですが、もはや彼らの戦略は通用しない時代に突入したと言い切ることができます。

これが、本ブログの冒頭に掲げている「すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化」の実例です。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする