コラム(289):ジャーナリスト終焉の年
今年はジャーナリストという職業が世の中に何の役にも立たないことが分かる事件が続発した一年でした。
落ちた偶像となった著名ジャーナリスト
つい先ごろ、ジャーナリストの信用性、信頼性を大きく毀損する事件がドイツと日本で起きました。
ドイツでは、週刊誌『シュピーゲル』の花形記者のラース・レロティウス氏が、これまで書いた記事のうち少なくとも60本中の14本にねつ造があったとして解雇されました。同氏は取材をせずに記事を書いたり、架空の人物を登場させて感動話しを作るなどの行為を繰り返したことを、職場の同僚に告発されました。そのため彼に与えられた数多くの賞はすべて剥奪されました。
一方、日本では、フォトジャーナリストの広河隆一氏が、ジャーナリストを夢見る女性たちに、ヌード撮影や性行為の強要をしたとして7名もの女性たちから告発されました。
彼は被害者の立場に立つ人権派ジャーナリストとして知られた人物だったはずなのですが、今回の告発により同氏の卑劣な人間性が暴露されました。
人権派ジャーナリストによるセクハラ事件で思い出されるのは、都知事に立候補して惨敗した鳥越俊太郎氏です。人権派と言われるジャーナリストには、人権を隠れ蓑にした偽善者が多く存在するようです。
ジャーナリストの本質
ジャーナリストというと社会正義のために闘っている印象を与えますが、日本語に訳せば、売文稼業という意味です。つまり、彼らは他人の苦しみや悲しみに付け込み、その人が行使すべき権利を自分の欲望実現のために利用して稼いでいる俗物の典型です。
自民党からお金をもらって政府や党のための提灯記事を書く人もいますが、圧倒的に多いのが中国や野党政党、メディアからお金をもらって政府批判記事を書く人たちです。
日本外国特派員協会に所属する者たちがその典型で、自分が得た情報を中国や韓国などに買ってもらい、中国や韓国に都合のいい内容に変換した記事を配信しています。
命がけの仕事はしない
ジャーナリストたちは、いたずらに政府批判に酔いしれ、自分たちが世論を形成し、国家を動かしているかのようなつもりになっています。
しかし、彼らは重大な人権侵害国家の中国に対しては批判をしません。もっと声を上げなければならない事実に口をつぐんでいます。とても社会正義のために命がけの仕事をしているとは思えません。
シリアに長期間拘束されていた安田純平氏がその典型で、誘拐組織に言われるがまま演技をし、日本政府に身代金を払ってもらい解放されました。同氏は過去に何度も拘束された経験や個人の思想から、最後は日本政府が救うべきだと考えていました。シリアに行った理由は決して命がけの取材と言う美談ではなく、英雄視されたい自己顕示欲を満たしたいだけだったわけです。
カショギ氏殺害事件も保身に利用
また、本年10月にサウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が殺害された際、世界中のジャーナリストたちが、自分たちの職業が命がけの仕事であるかのように報道しました。
しかし、カショギ氏がイスラム原理主義団体の構成員であり政府打倒の活動家であること、しかも、同氏の実家が武器商人であったことを正しく伝えていません。つまりこの事件はジャーナリストが殺害されたのではなく、サウジアラビア政府がイスラム法に則って反体制活動家を処刑しただけなのです。
この問題はジャーナリストたちが自らの地位を守るだけのために、無条件でサウジアラビア政府を非難した事件なのです。
ジャーナリズムは必要か
ジャーナリストの特性は、常に誰かを批判するための記事を書き、その内容が事実であるか否かよりも、扇動的で人びとに不安と疑心を抱かせようとします。
仮に90%事実を述べていても、最後に必ずと言っていいほど「しかし世論の反発が避けられそうにありません」「批判が高まりそうです」などと勝手な憶測で締めくくります。最近では、NHKテレビのニュース報道でも同様の誘導が数多く見られるようになりました。
しかし、人びとはインターネットの情報手段を得て、ジャーナリストが伝える情報に疑問を感じ始めていることも事実です。人びとの認識力は情報の入手力に比例して高まり、誰が正しく情報を伝えているのか、誰が歪曲した情報を流しているのかの判別ができるようになりました。
これに加えAI技術の驚異的な進歩により、情報の収集と伝達が従来のジャーナリストの仕事をはるかに凌駕する時代が到来しそうです。
情報はジャーナリストの偏見やねつ造を排除した、客観性や公正性の高いAIの活用が重要な役割を担う可能性を感じます。同時にジャーナリストという職業そのものが必然的に無用となってくるのではないでしょうか。
本年のご愛読ありがとうございました。
皆様におかれましては来年がよい年になりますことを心よりお祈り申し上げます。
赤峰和彦
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