筥崎花庭園の園路の脇にうっすらと、雪をかぶった羽釜があった。
アレーッなんでこんなところに羽釜がと思いつつ、うっすらと雪をかぶった羽釜の蓋をほんの少しずらした。
暗かった羽釜の中に光がサッと差し込み、真っ白なボタンに光が当たり浮き出るように目の中に飛び込んできた。
好奇心がある人だけが見ることができる仕掛けだと思いながら、指で白いボタンの花を羽釜の縁に沿って回すと
主役の座を代わるように、ピンク色の花が滑るように出てきた。
ちょっと好奇心が強かったおかげで白い雪とボタンの花の絶妙な、とり合わせを見ることができた。
あとはどうしたかって、次なる好奇心の強い人のために、羽釜の蓋を閉じたのはゆうまでもない。