★大西清右衛門美術館 サイト
秋季企画展『釜のかたち Part1』 ※12月23日(祝・水)まで
前回の『茶の湯釜の文様』展、5月の後期展示も見に行ったのに、感想をまとめ忘れていた
時間を手間をかけてダラダラ感想をまとめて、いったい何の役に立つのか。
と思う時もあるが、やはり将来的に茶の湯を楽しむ一助になることを期待して
覚えられない分、書き留めておかないと、いう気持ちもある。
(だからと言って、blogで公開せずともよいではないか~という気はかなりするけどネ)
さて、今回はユニークな形をした茶釜のオンパレード。
昨春から展示目録をくれるようになったので、鑑賞の際もとても助かる。
(暗い中をややこしい釜名を筆記する必要がなくなった)
まず、二代浄清の「瓢ノ釜」。
初めて拝見するんじゃないかなー。
上半分が瓢形、下半分が臼のような○。蓋の摘みは瓢箪の弦。
圧倒的なフォルム。
チラシのメインをかざる霰富士釜。(浄清作)
霰の細かさと優雅なフォルムが綺麗さび。
芦屋の松竹梅地紋甑口覆垂釜。
垂釜だから底を修繕したリサイクルなのは当然だけど、
一回り以上小さくつけてるので、かなり目立つ。(炉で使ったら目立たないよねー)
鐶付が蓬莱山でさ。
昔の人の凝りっぷりはすごい。
天明の車軸釜。 ん? 車軸なの?と思うくらいに緩い肩のカーブ。上半分の網目がいい。
壺形釜は浄久(=浄清の弟)作。
古代ギリシアの壺を思わせるような形。
鐶付が口廻り横から腰の張り出しにかけてついていて、まさに壺形。
団扇ニ牛引童子地紋四方釜。(西村九兵衛作)
牛引童子はよくわからなかったけど、ウチのも地紋はわかった。
縦長。上部に鐶付がついていて三つ蕨。
数寄木釜が2つ。
一つは典型的な数寄木釜。(三大浄玄作)
もう一つは古天明の平釜(元数寄木釜)。
とにかく古くて、羽根がついてないからどうやって数寄木を? あ、五徳の上に載せたのか。
でも、それでは数寄木いらないじゃん。だから「元」なのか。
と、ぶつぶつ独り言。
古い上に蓋の摘まみは穴に鎖だもんね。原始的というか昔の昔の茶釜だなーと思った。
大西定林の半八角釜。
阿古陀の形? 八角形で角を一つずつの面が反り返っている。モダンというか奇抜。
上下のラインが美しい。鐶付が貝。釜の形は波をイメージしてる?
十代浄雪の筒釜。
雲龍釜じゃない筒釜。筒釜にしてもやや小ぶりな印象。鐶付が縦笛。おしゃれ。
同じく浄雪の獅子頭釜。
形が面白い。
太い円盤形というか、羽根が欠けた絵数寄木釜の上に平べったい筒釜が載っている~という形。
筒部分は口造り?(←しては大きい)
数寄木のような部分に鐶付。これが獅子の頭。
利休所持の「獅子頭釜」の写しだそうな。
獅子のような大きな頭(口造り)を持ったお釜。(ということらしい)
となりに七宝浜松地紋甑口釜。獅子頭釜と構造が似ている。
こちらの口造りは小ぶりの筒釜っぽい。
下の円盤状の部分についている鐶付は遠山。
そして広口釜。→こちら
その名の通り。広い口造り、広い寸胴。
辻与次郎のはデガい。大炉用かな。
奥平了保の広口釜も大きかった。
名越浄味(享保 三典)は丸みおびてたら・
名越浄味がもう一つ。尻張釜。鐶付が熨斗で雅び。
自分が持っているお釜が尻張りだから親近感を感じる。
奥平了保の鶴首釜はゆるい首。
11代浄寿の箆被(のかずき)釜。
上半分に対して、下半分が引っ込んで一回り以上、小さい形。→こちら
切合用かなぁ。
7代浄玄の唐犬釜。まぁ、あの形です、ワ。→こちら
そして最後は束木釜。初代・浄林作。
チラシの裏の右上に写真あり。
どーやって造ったの?という複雑な形状。
木を束ねた形。真ん中の縛る縄まで再現。
摘みがなぜか蟹。
7階の茶室の釜も変わっていた。唐戸目四方姥口釜。これが鉄風鐸にのっている。
こちらいずれも初代浄林作。
2代浄清もすごいけど、初代浄林もすごい。
400年前にこんなに凝った茶釜を造るなんて!
と、いつも感心する。
今回は12月まで展示替えなし。
次回は「釜のかたちⅡ(パート2)」
来年(2016年)3月12日(土)~6月26日(日)。
楽しみ☆。
って、もう来年の話かよ
★大西清右衛門美術館バックナンバーリスト
2015年3月 『茶の湯釜の文様』
2014年9月 『十代浄雪と奥平了保』
2014年5月 『千家伝来の茶の湯釜』
2014年2月 『新春の寿ぎ -福をよぶ吉祥の茶道具-』
2013年10月 開館十五周年記念『初代浄林・二代浄清』
2013年3月『大西家の近代-浄長・浄中・浄心-』
2012年11月『京釜の粋-三条釜座、釜師の技と名品-』
2012年5月『茶の湯釜歳時記』
2012年2月『釜師 大西家歴代』
2011年10月『釜をとりまく茶道具』
2011年5月『吉祥の釜』
2010年9月『茶の湯釜にみる朽ちの美』
2010年5月『風炉を楽しむ』
2009年11月『千家十職 大西清右衛門家の釜と金工-茶の湯工芸の伝統と創造-』『寺院ゆかりの茶の湯釜』
2009年5月『開館十周年記念 釜師 大西清右衛門の目 それぞれの所蔵品から』
2008年10月『開館十周年記念 釜師 大西家歴代展』
2008年3月『風雅-茶のなかにみる意匠』
2007年11月『茶人と釜』
2014年10月『大西清右衛門襲名20周年』
2014年1月『釜師 大西清右衛門の世界』 (美術館「えき」KYOTO)
2008年11月『千家十職 釜師 十六代 大西清右衛門展-襲名十五周年を記念して-』(日本橋三越本店)
秋季企画展『釜のかたち Part1』 ※12月23日(祝・水)まで
前回の『茶の湯釜の文様』展、5月の後期展示も見に行ったのに、感想をまとめ忘れていた
時間を手間をかけてダラダラ感想をまとめて、いったい何の役に立つのか。
と思う時もあるが、やはり将来的に茶の湯を楽しむ一助になることを期待して
覚えられない分、書き留めておかないと、いう気持ちもある。
(だからと言って、blogで公開せずともよいではないか~という気はかなりするけどネ)
さて、今回はユニークな形をした茶釜のオンパレード。
昨春から展示目録をくれるようになったので、鑑賞の際もとても助かる。
(暗い中をややこしい釜名を筆記する必要がなくなった)
まず、二代浄清の「瓢ノ釜」。
初めて拝見するんじゃないかなー。
上半分が瓢形、下半分が臼のような○。蓋の摘みは瓢箪の弦。
圧倒的なフォルム。
チラシのメインをかざる霰富士釜。(浄清作)
霰の細かさと優雅なフォルムが綺麗さび。
芦屋の松竹梅地紋甑口覆垂釜。
垂釜だから底を修繕したリサイクルなのは当然だけど、
一回り以上小さくつけてるので、かなり目立つ。(炉で使ったら目立たないよねー)
鐶付が蓬莱山でさ。
昔の人の凝りっぷりはすごい。
天明の車軸釜。 ん? 車軸なの?と思うくらいに緩い肩のカーブ。上半分の網目がいい。
壺形釜は浄久(=浄清の弟)作。
古代ギリシアの壺を思わせるような形。
鐶付が口廻り横から腰の張り出しにかけてついていて、まさに壺形。
団扇ニ牛引童子地紋四方釜。(西村九兵衛作)
牛引童子はよくわからなかったけど、ウチのも地紋はわかった。
縦長。上部に鐶付がついていて三つ蕨。
数寄木釜が2つ。
一つは典型的な数寄木釜。(三大浄玄作)
もう一つは古天明の平釜(元数寄木釜)。
とにかく古くて、羽根がついてないからどうやって数寄木を? あ、五徳の上に載せたのか。
でも、それでは数寄木いらないじゃん。だから「元」なのか。
と、ぶつぶつ独り言。
古い上に蓋の摘まみは穴に鎖だもんね。原始的というか昔の昔の茶釜だなーと思った。
大西定林の半八角釜。
阿古陀の形? 八角形で角を一つずつの面が反り返っている。モダンというか奇抜。
上下のラインが美しい。鐶付が貝。釜の形は波をイメージしてる?
十代浄雪の筒釜。
雲龍釜じゃない筒釜。筒釜にしてもやや小ぶりな印象。鐶付が縦笛。おしゃれ。
同じく浄雪の獅子頭釜。
形が面白い。
太い円盤形というか、羽根が欠けた絵数寄木釜の上に平べったい筒釜が載っている~という形。
筒部分は口造り?(←しては大きい)
数寄木のような部分に鐶付。これが獅子の頭。
利休所持の「獅子頭釜」の写しだそうな。
獅子のような大きな頭(口造り)を持ったお釜。(ということらしい)
となりに七宝浜松地紋甑口釜。獅子頭釜と構造が似ている。
こちらの口造りは小ぶりの筒釜っぽい。
下の円盤状の部分についている鐶付は遠山。
そして広口釜。→こちら
その名の通り。広い口造り、広い寸胴。
辻与次郎のはデガい。大炉用かな。
奥平了保の広口釜も大きかった。
名越浄味(享保 三典)は丸みおびてたら・
名越浄味がもう一つ。尻張釜。鐶付が熨斗で雅び。
自分が持っているお釜が尻張りだから親近感を感じる。
奥平了保の鶴首釜はゆるい首。
11代浄寿の箆被(のかずき)釜。
上半分に対して、下半分が引っ込んで一回り以上、小さい形。→こちら
切合用かなぁ。
7代浄玄の唐犬釜。まぁ、あの形です、ワ。→こちら
そして最後は束木釜。初代・浄林作。
チラシの裏の右上に写真あり。
どーやって造ったの?という複雑な形状。
木を束ねた形。真ん中の縛る縄まで再現。
摘みがなぜか蟹。
7階の茶室の釜も変わっていた。唐戸目四方姥口釜。これが鉄風鐸にのっている。
こちらいずれも初代浄林作。
2代浄清もすごいけど、初代浄林もすごい。
400年前にこんなに凝った茶釜を造るなんて!
と、いつも感心する。
今回は12月まで展示替えなし。
次回は「釜のかたちⅡ(パート2)」
来年(2016年)3月12日(土)~6月26日(日)。
楽しみ☆。
って、もう来年の話かよ
★大西清右衛門美術館バックナンバーリスト
2015年3月 『茶の湯釜の文様』
2014年9月 『十代浄雪と奥平了保』
2014年5月 『千家伝来の茶の湯釜』
2014年2月 『新春の寿ぎ -福をよぶ吉祥の茶道具-』
2013年10月 開館十五周年記念『初代浄林・二代浄清』
2013年3月『大西家の近代-浄長・浄中・浄心-』
2012年11月『京釜の粋-三条釜座、釜師の技と名品-』
2012年5月『茶の湯釜歳時記』
2012年2月『釜師 大西家歴代』
2011年10月『釜をとりまく茶道具』
2011年5月『吉祥の釜』
2010年9月『茶の湯釜にみる朽ちの美』
2010年5月『風炉を楽しむ』
2009年11月『千家十職 大西清右衛門家の釜と金工-茶の湯工芸の伝統と創造-』『寺院ゆかりの茶の湯釜』
2009年5月『開館十周年記念 釜師 大西清右衛門の目 それぞれの所蔵品から』
2008年10月『開館十周年記念 釜師 大西家歴代展』
2008年3月『風雅-茶のなかにみる意匠』
2007年11月『茶人と釜』
2014年10月『大西清右衛門襲名20周年』
2014年1月『釜師 大西清右衛門の世界』 (美術館「えき」KYOTO)
2008年11月『千家十職 釜師 十六代 大西清右衛門展-襲名十五周年を記念して-』(日本橋三越本店)
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