2024秋季展『―與衆愛玩―供に楽しむ』 荏原畠山美術館 ※12月8日(日)まで
やっと来ることができた。
5年ぶりの畠山記念館。
いや、リニューアルして「荏原 畠山美術館」。
やっと門が開いた!
懐かしいアプローチ。
やや、見たことがない池が。
お庭も微妙にリニューアル。
くいっと曲がって建物に向かう石橋は以前の通り。懐かしい。
一見、「どこがリニューアル?」と思ったけど、入口が根本的に違っていた。
下駄箱がなく、靴のまま中へ。
下駄箱がなく、靴のまま中へ。
入館料は1,500円也。以前は800円だったような。(←2000年代、休館直前は1,000円くらいだったやも~)
年月を経て、かつ昨今の物価高の影響とはいえ“ほぼ”倍増かよ~と思いつつ、スマホ決済で支払い説明を受け展示室へ。
年月を経て、かつ昨今の物価高の影響とはいえ“ほぼ”倍増かよ~と思いつつ、スマホ決済で支払い説明を受け展示室へ。
あの階段、履いていたスリッパが脱げそうになって(特に足袋の時とか)難儀したなぁ。
靴で昇れるのはウレシイ。
掛物を展示も畳に上がるため、以前はスリッパを脱がねばならなかったが、それもなし。
もっとも、畳に正座して見上げることからくるリアルな感覚が味わえなくなったのは残念。
少しでも再現できるよう、屈んで拝見した。
仁清の富士山の3香炉も懐かしかった。
そして茶室はもう入室できないだろうなぁと思ったら、4人までならOKとのこと。
さすがに靴は脱がねばならなかったが、喜んで脱いで中へ。
と、暗い。プレートさえよく見えないと顔を近づけようとして床の間に頭が入ったところ#ピコリ~ン
警戒ブザーを鳴らしてしまった。(結局、掛物がよく見えなかった)
奥の独立ケース3つ、伊賀の花入「からたち」、懐石道具、割高台の茶碗、茶入「吸江」、風炉釜ほかの順番で拝見。
まるで茶事をなぞっているみたい。
利休ゆかりの長次郎の赤楽「早船」が他の道具の合間に何気なく展示されているのが、ちょいビックリ。
奥の掛物は印象薄かったのか、あんまし覚えてない。後で目録を見直して「あぁ。」と思う程度。
約5年半旧館していたとはいえ、何十回レベルで来て、じっくり見て鑑賞記を書いたから、道具の記憶はしっかりある。
10月から11月初旬にかけて、なんとなーく用事が入って訪れそびえていたら前期が終わってしまった。
見逃したものもあるんだろうなぁと目録を見たら、惜しい!と感じたのは国宝の煙寺晩鐘図(伝・牧谿)くらい。
茶道具に関してはむしろ後期に訪れたのが正解だったかもしれない。
さて、いよいよリニューアルされたエリアへ。
渡り廊下を通って新館へ。
真新しい、木目のドア。
贅沢な吹き抜けで休憩エリアもあるらしい。
展示室2は畠山即翁さんが愛した能楽の世界。
でも、嫌いじゃないけどお能は若い頃に数回観に行った程度なんだよねぇ。
昭和36年に80歳くらいだった即翁さんが演じた鞍馬の天狗(白狐?)の舞台映像はつい最初から最後まで視てしまったけど。
さらに地階に折りて展示室3に入ったら、洋画の展示。全く知らない作家さん。
興味なしでさーっと見て出てしまった。
興味なしでさーっと見て出てしまった。
展示室は映像が興味深し。
昭和39年に畠山記念館が開館した時の模様。
皇族の、あれは高松宮様?ご夫妻もご列席になられたようで。
講演会を聴きに何度か入室したことがある多目的の大部屋で即翁さんが挨拶されていた。
続いてパーティーの映像。
「あ、般若苑だ」と思わず声に出してしまった。
一度だけお茶会で訪れた般若苑の懐かしい風景と世界が広がっていた。
たしか、江戸時代は薩摩藩の島津重豪公の隠居所だった場所。
即翁さん(畠山一清氏)の居所となり、いろんなものを移築してきて、戦後は石橋湛山蔵相の公邸になった後、売りに出されて
料亭「般若苑」になった。
三島由紀夫の小説のモデルにもなったとか。
料亭は2005年に閉店し、建物は跡形もなく解体され、現在は謎の豪邸が建っている。
映像には即翁さんと松永耳庵の2ショット。
昭和39年かぁ。お二人ともまだ矍鑠している。その後、どちらも昭和46年に故人となったわけだけど。
佐藤栄作氏もいたっけなぁ。
私ってば貴重な場所を訪れることが出来たのねぇ、と改めて感心した。
※懐かしすぎて当時の写真データを発掘した。
訪れたのは2004年5月。
どういう経緯で茶券を入手したのかは全く覚えてない。
学生時代の2つ下の後輩が表千家の茶道をやっているので、「これなら流派違っても一緒に行けるよ」と声かけたら、
本人は用事があって来られないけど、代わりに双子の妹とその友人を~とお願いして、なぜか3人で回ることに。
会場では同じ青年部の方たちとも遭遇して、その為か青年部フォルダーに入っていて見つけるのに戸惑った。
いやはや、「お金で買えない価値がある」とはいうけれど、本当に貴重な経験だった。
そんな思い出にひたりつつ、休憩。
そうそう新館2階から茶室群が見下ろせた。
休館に戻ってくるドアが開いたら、左側にババーンとミュージアムショップがあってまたびっくり。
あの講堂(講演会を聴いた部屋)の辺りはこうなったのか。
多目的ホールは新館に新設された由。
売られている商品は総じてお高めで、「からたち」クリアファイル550円也を購入。
「旧版ですけど」と絵葉書10枚セットがもれなくついてきた。
もしやと帰宅後に確認したら、やはり酒井抱一の十二か月花鳥図だった。
10枚。惜しい!ここは12枚にすべきでしょう。そしたら、「粋な計らいね」と感心したのに。
(ちなみに落とされた3月と8月だった)
外に出て、奥の茶室群を外から眺めて庭園の飛び石を歩いて、手前の茶室群も外から眺めた。
新館がどーん。茶室はすっかり秋の風情。あ、もう初冬か。
館内、予想に反して人が少なかった。拍子抜けするくらい。
訪問したのは昨日=11月16日(土)。
少なくとも、今日=11月17日は即翁さんの御命日で茶室「明月軒」と厨子も特別公開もあったから混雑していたかも。
そういえば、2019年2月に訪れた際に「なんでこう、次から次へと人が来ているんだろう。イベントがあるわけでもないのに」と感想を書いていた。
私自身は休館に入ってからサイトでそれを知ったので、その時は気づいていなかったのだけど、あれは休館を知った人たちだったのねぇ。
と今さらながら気がついた。
それにしても、コロナの時代をまるっとリニューアルに充てた荏原製作所?はラッキーだった?
外に出て坂を下りてみた。
雰囲気はのこっているけど、その先の建物はない。
茶室へ至る出入口のところにあった木造家屋の2階の縁台前でお弁当食べたっけ。(←大寄せ茶会の際に)
あれも懐かしい思い出。さすがにあの家屋はもうない。
2022年12月に訪れた際、建設中の建物に絶句したっけ。→こちら
記念館から美術館になったけど、新しくなったところは見ないから800円で茶道具だけ鑑賞させておくれ~と言いたい気分。
★荏原畠山美術館(旧畠山記念館)のバックナンバーリストはこちら。
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