Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

「美のチカラ~茶事の妙~」

2018年05月19日 13時33分32秒 | 美術館・博物館etc.
『美のチカラ~茶事の妙~』 金沢市立中村記念美術館 ※5月20日(日)まで サイト

こちらを訪れたのは2回目。
前回は2013年9月4日だから、もう5年近く経っている。→こちら

あの時は雨は降っているわ、茶道具あんまりないわであまりいい記憶はないのだけど。

今回はがっつり茶道でよかった。

茶事の流れに従って、順を追って鑑賞する展示が心地よかった。

小さい字の展示リストと展示ケースを見比べながら進んだ。

寄付の平治物語の断簡がちょっと変わった取り合わせのような?
でも、城下町だし、お武家さんも茶事を楽しんだろうから、それでかな?とかイマジネーションが湧いた。

雲華焼雲龍風炉と筒釜(蓋は利休所持魚々子蓋)がすごくよかった。
正直、釜の蓋なんて注目していなかったれど(汗) 飴色に輝く雲龍風炉がすごいインパクト。
天下一宗四郎作だって。

筒釜は浄清作だったかぁ。風炉に目を奪われて、正直注目できなかった。(惜しいことをした)

懐石道具はザッと見て、後炭。

唐物籐組炭斗に鴻靏(こうづる)羽箒、珍しい羽根っぽかった。でも「ちゃんと使用した」感もあって、尚よかった。

濃茶席は遠州の竹一重切の花入。
水指は南蛮縄簾、茶入は中興名物の古瀬戸肩衝「故郷」
茶碗も中興名物で雲州松平家伝来の千草伊羅保。

あら、この伊羅保茶碗は。。。
13年前、某茶会で親の友人の懸けた席で諸々手伝った。
その際、30個くらいの茶碗を全部覚えるようにと指示があり。写真を持ち歩いて1週間かけて暗記した。

その中に掻き分けの伊羅保茶碗があったなぁ。(もちろん、モノホンではなく写しだと思うけど)
「あれと似ている」と思った。
そういえば、あの方も金沢に5年ばかり住んでいたっけ。
その折りに買い求めたものかもしれない、と思った。

13年前は茶碗暗記のほかも、無茶ぶりというか、まぁ、かなりコワかった~
でも、そのおかげで国内各地の焼き物について(茶碗の数だけ)覚えたので、茶道具展鑑賞がしやすくなった。
(おばちゃんも、そのために覚えさせたのかもしれない。愛のムチ?)

掛け物の睡漁夫画賛(松花堂昭乗が描いた画に玉堂、沢庵、江月の3和尚が賛を添えていてシブい)

その前には青磁鯱耳の花入。南宋~元代のもの。少しくすんでる。元の時代に近いもの?
芦屋住吉地文の釜に切合風炉も涼しげだったなぁ。

祥瑞の水指、内側の山水画がすごかった~

道入の赤楽茶碗「虹」も正面の3列にかかった釉薬に名前の由来があるのだろうけど、他ではみないノンコウでよかった~

入り口で展示作品一覧の紙をとって、時計の進行と反対回りに見学して、出口で茶会記のフォーマットの「取り合わせ」一覧をもらった。

って、後の一覧の方が断然見やすいじゃないの~(←味わったお道具を復習するのに、役だった)

ケースごとに道具の背後に茶事の大版の写真パネルも展示してあって、茶事に参加しているような気分になれるのもよかった。

地元の方々も多く、中には(この暑い中を)着物でいらしていて、熱心に見学されている方もいて、「さすが金沢」と感心した。

年配の御婦人のグループがいらして、感想を声で出しながら鑑賞してらした。
「お茶をやっていたから、このお道具のよさがわかるんですから、よかったわ~」と
満足気、ややすると自慢に聞こえそうな感じで、あーだのこーだのと語らっている。

って、もしもし~ 順路が逆じゃないンですかぁ~
道具がいいことはわかっても、茶事を経験したことがないまま、そのお年になられたのかな?

と、感心した反面、がっかりもした。
(まぁ、こういうところでは必ず遭遇する“茶道習ってましたのよ。ワタクシ茶人ですの~”的な御婦人)

中村記念美術館は、たぶんいつ訪れてもなにかしら茶道の世界を見せてくれそうな安心感がある。

1つ1つお道具はすっごいお宝なお道具ではないかもしれないが、←でも、金沢で大切にされて伝わった逸品そろい
でも、全体的な金沢の茶道文化をみせてくれる美術館という印象がした。

再訪はいつになるかはわからないが、また訪れたい。


そして、1つ1つが“お宝”ばっかり~という点では、次に訪れた石川県立博物館はすごかった。

続きは明日~

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