
そうそうたる戦国史研究者が「本能寺の変」について書いています。でも、彼らは織田信長のことをどれだけ理解できているのでしょうか?表面的な知識はいろいろお持ちなのでしょうが、肝心な信長の決断の論理や思考法について、どの程度理解しているでしょうか?
実は、驚くことに「まったく理解していない」ことを示す実例があります。
桶狭間の戦いで信長は今川義元の大軍に気付かれないように裏道を通って近寄り、突然襲い掛かって義元に勝ったとする迂回奇襲説が長らく定説になっていました。これは江戸時代に書かれた物語である軍記物の『甫庵信長記』に書かれた話です。定説が軍記物の作り話で成り立っていたことは本能寺の変の定説とまったく同じ構図です。ところが、『信長公記』の記述によれば信長は義元の正面から進軍して突撃しています。そのことを論拠に正面攻撃説が唱えられたのが二十年ほど前のことです。
これで定説が書き変えられたかというとそうなってはいません。「正面攻撃でなぜ少人数の信長が大軍の義元に勝てたのか」という疑問に正面攻撃説を唱える研究者が妥当な答を出せていないからです。「偶然・幸運」だとしか言えないのです。そのため、いまだに「諸説あり」の状態で迷走が続いています。
ところが、「孫呉兵術」に習熟していたと葬儀の弔辞で讃えられた父親信秀の薫陶を受け、『信長公記』に「兵法の師匠を常に身近に置いて稽古に励んだ」と書かれた信長は間違いなく「孫呉の兵術」に習熟していたのです。
『信長公記』に書かれている桶狭間の戦いでの信長の行動を素直に「孫子の兵法」「呉子の兵法」に当てはめてみれば直ちに答が出るのです。信長の行動はことごとく見事に「孫呉兵術」に合致するのです。信長は「孫呉の兵術」に則って作戦を立て、そして桶狭間での決戦に挑んだのです。「戦う前に勝てる作戦を立てよ」という孫子の教えをきちんと守っていたことが証明されました。信長が「偶然・幸運」だったのではなく、桶狭間の戦いを論じる戦国史研究者が誰も「孫呉の兵術」を知らなかった、ただそれだけのことだったのです。
(詳しくは『織田信長 四三三年目の真実 信長脳を歴史捜査せよ!』幻冬舎をお読みください)
桶狭間の戦いに適切な答を見つけられずに迷走を続けてきた戦国史研究者の論じる「本能寺の変」。残念ながらいつまでも答は見つかりません。「信長が油断したから」「偶然生じた軍事空白が招いた偶発的事件」と言い続けるしかないのです。
>>> 日本史ブログランキング1位が解説する桶狭間の戦い
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『織田信長 四三三年目の真実 信長脳を歴史捜査せよ!』幻冬舎
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2013年12月発売
『本能寺の変 431年目の真実』文芸社文庫
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2009年3月発売
『本能寺の変 四二七年目の真実』プレジデント社
【関連リンク】
>>> 「織田信長」の虚像を暴く『信長脳を歴史捜査せよ!』
>>> 合理的推論で浮かび上がる真実の織田信長
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>>> もはや本能寺の変に謎は存在しない!
>>> 本能寺の変当日に発生した謎が解けるか
#是非に及ばず #惟任退治記 #信長公記
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