先週の大河ドラマ「江」は秀吉と茶々の愛憎ドラマの山場で、あまり歴史捜査的に云々することはありませんでした。脚本家の自由な創作にお任せの世界です。
でも、一箇所だけ。
秀吉が茶々に縁談話を持ってきたシーン。縁談の相手は公家の名門「マデノコウジ」様。石田三成は「マデノコウジ様は信長の娘も嫁いだ先」と言っていました。
wikipediaで調べたら確かに万里小路充房(までのこうじ・あつふさ)という . . . 本文を読む
【2011年5月26日追記】
本日、東京講演千秋楽に行ってきました。よかったです!
久しぶりに生の劇を見ました。恐らく30数年前の独身時代、赤テント/黒テントが若い人の支持を得て賑わっていた頃に黒テント派の彼女(現在の私の正室)と見に行って以来ではないでしょうか。やはり俳優さんの肉声を聞き、肉体の躍動を見るのはテレビでの観劇では味わえないものがあります。
「着物無シ!カツラ無シ!チャンバラ無 . . . 本文を読む
先週の大河ドラマ「江」は妹・初の恋を実らせるために親の仇である秀吉の側室になることを茶々が決意していくプロセスが描かれていました。初が京極高次に恋をしたというのはもちろん脚本家の創作でしょう。
ただ、放送の中でひとつだけ私の主張と一致する大事な話が出てきました。
それは、夫の仇である秀吉の側室になった京極龍子が言った言葉です。
「京極の家が生き残るためにはこれしかなかった」
この龍子の . . . 本文を読む
TBSテレビ「ザ・今夜はヒストリー」で放送した本能寺の変の内容が余りにもひどかったことを前回書きました。
★ 前回はこれです
要は歴史研究では悪書の極みとされる『明智軍記』の記事が未だに堂々と史実として扱われているのです。
解説の加来耕三氏は謀反の動機を下記の3つの事柄をあげて、その結果として光秀は正常な判断ができない状況に陥っていたと説明されました。
光秀は武田攻めの際、信長から欄干 . . . 本文を読む
本日昼になにげなくテレビをつけたらTBSで本能寺の変をやっていました。「ザ・今夜はヒストリー」です。先週、16日の夜に放送された番組の再放送でした。関口宏さんの司会、歴史家・作家の加来耕三氏の解説で実況中継風のバラエティ番組仕立ての構成になっていました。
「多分、ひどい内容だろう」という予感はあったのですが、不幸にも見事に的中してしまいました。加来耕三氏の著書や意見で組み立てられた内容でしょう . . . 本文を読む
連載してきた藤本正行氏・鈴木眞哉氏の拙著批判への反論も今回の7回目がいよいよ最終回です。前々回は両氏の唱える説の正体が歴史学界のメジャーを占める高柳説(高柳光寿氏が50年ほど前に『明智光秀』に書いた説)の追認であることを書きました。前回は光秀の前半生と謀反の動機について斬りましたが、今回は謀反のプロセスについての高柳説、藤本・鈴木説を斬ってみます。
★ 前回はこちら
【謀反プロセス】
単独犯 . . . 本文を読む
今週の大河ドラマ「江」は秀吉の九州島津攻め、唐入り(明攻め)表明、バテレン追放令発布と歴史的には大変重要な出来事が足早に語られましたが、脚本の主題はそちらにはなく、あっという間に通り過ぎた感があります。
その中で京極高次が登場しました。以前に紹介した龍子の弟です。
★ 京極龍子登場
本能寺の変の際に光秀に味方した武田元明と京極高次。龍子の夫の元明は殺され、弟の高次は許されて秀吉に仕え、淀 . . . 本文を読む
連載してきた藤本正行氏・鈴木眞哉氏の拙著批判への反論も今回が6回目です。前回は両氏の唱える説の正体が歴史学界のメジャーを占める高柳説(高柳光寿氏が50年ほど前に『明智光秀』に書いた説)の追認であることを書きました。今回はその説の中味をばっさりと斬ってみます。
【これまでの連載記事】
1.藤本正行氏「光秀の子孫が唱える奇説」を斬る!
2.鈴木眞哉氏『戦国「常識・非常識」大論争!』を斬る!
3 . . . 本文を読む
昨日の大河ドラマ「江」は秀吉が家康を大坂城に呼び出して臣従の礼をさせるまでの話でした。家康を呼び出すために妹を離縁させて家康の正室として送り込んだり、母親を人質として出したりした話は史実のようです。
さて、今回の放送で私が注目したのは秀吉のおいの羽柴秀勝の登場でした。なかなかの好男子で豪快な印象でしたが、後述するように歴史上では評価が低く、ほとんど注目されていない存在です。
実は「羽柴秀勝 . . . 本文を読む
>>> 本能寺の変の定説は打破された!
今回のブログの表題はかなり刺激的なものにしました。これは藤本・鈴木両氏共著の本の題名『信長は謀略で殺されたのか 本能寺の変・謀略説を嗤う』のモジリです。
信長は謀略で殺されたのか―本能寺の変・謀略説を嗤う (新書y)鈴木 眞哉,藤本 正行洋泉社
このような題にしたからといって私は世の中の謀略説を擁護するわけでは一切ありません。私も藤 . . . 本文を読む
2回に渡って鈴木眞哉氏が近著の中で拙著『本能寺の変 四二七年目の真実』を「落第組」と決め付けたことへの反論を書いてきました。今回は鈴木氏の示した5つの条件の内、前回積み残した第2の条件への反証を書きます。過去2回の反論をお読みでない方は以下のページでお読みください。
★ 鈴木眞哉氏『戦国「常識・非常識」大論争!』を斬る!
★ 鈴木眞哉氏『戦国「常識・非常識」大論争!』を斬る!(続き)
. . . 本文を読む
前回は鈴木眞哉氏が著書の中で何ら理由を示さず拙著『本能寺の変 四二七年目の真実』を「落第組」と決め付けたことを書きました。今回は鈴木氏が自ら掲げた「満たさなければならない5つの条件」を拙著がいかに満たしているかを論証することにより、鈴木氏の論を斬ってみたいと思います。
★ 前回の記事:鈴木眞哉氏『戦国@常識・非常識」大論争!』を斬る!
まず、鈴木氏の主張をご紹介します。
「1.光秀が事件を . . . 本文を読む
>>> 本能寺の変の定説は打破された!
以前、このブログで拙著『本能寺の変 四二七年目の真実』批判を書いた藤本正行氏の主張への反論を書きました。加えて、フロイス・2様から丁寧な分析結果をコメント欄にいただきました。藤本氏への反論はこれで十二分と思っています。
★ 『光秀の子孫が唱える奇説』を斬る!
(コメント欄もお読みください。藤本正行氏本人とおぼしき(?)コメントも書か . . . 本文を読む
一昨日の大河ドラマ「江」は秀吉が待望の関白に策を弄して就任する話でした。その報告を真っ先に茶々に伝えに飛んできた秀吉に茶々が心を動かすというお話はもちろん脚本家の創作です。
それでは、関白宣下までの経緯はどこまでが史実だったでしょうか。
まず、関白に先立って征夷大将軍になろうとして足利義昭の猶子(ゆうし:名目上の子)になろうとして義昭に拒絶されたお話。これは後世の作り話で林羅山の本や『絵本 . . . 本文を読む
この5月連休は自宅でゆっくり。やはり大震災の影響が精神的にあるようで家族皆の意見が一致しました。そうはいっても気晴らしにと、昨日は鎌倉小町通りまで行ってきました。鎌倉へはJR横須賀線で20分。今日のお目当ては左阿彌(さあみ)での雲水料理。
結婚して鎌倉に近い土地に移り住んで三十数年。実は一昨日が結婚記念日でした。三十歳代にはよく家族で鎌倉に通ったのですが、四十・五十歳代は仕事に没頭してしまって . . . 本文を読む