山本あけみ「緑ゆたかな環境を子どもたちへ」

建築士や生活者として、都市計画・公共施設マネジメント・地球温暖化対策・SDGsなど、独自の視点で日々発信

平成27年第2定例会・その1 「都市計画高井戸公園(仮称)について」

2015-06-02 | 議会・一般質問のご報告


5月29日に一般質問で議場に立ちました。

 テーマは「(仮称)都市計画高井戸公園について」

※「ICTを活用した教育について」「防犯対策について」はその2に掲載

動画→5月29日http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/vodtop.htm 

質問と答弁の要旨、そして質問の全文を掲載いたします。

 

<要旨>

 

「(仮称)都市計画高井戸公園について」

 

質問1.

これまでの遊び場102番の暫定供用に関する区の総括について伺う。

答弁1.

都市計画高井戸公園に関するご質問にお答えいたします。はじめにこれまでの遊び場102番の総括についてのお尋ねですが、区では平成19年から暫定開放を行い、この間、多くの区民の皆様に、憩いの場としてご利用いただいてきました。

休日ともなると、ご家族で広い芝生の上でお弁当を食べたり、小さなお子さんが駆け回ったり、中にはのんびりと読書をされる方がいたりと、広大なオープンスペースゆえに貴重で幅広い年齢層の方々に親しまれてきたと認識しております。

また、災害時の広域避難場所としても広大なオープンスペースが地域の皆様に安心感を与えてきたと認識しております。

質問2.

3つのグラウンドの整備のスケジュールが発表された。既に優先整備区域に指定され立ち退き予定がある住民や、今後優先整備区域に入る予定の住民からは高井戸公園全体の整備のスケジュールを示してほしいとの意見があるが、区の見解を伺う。

答弁2.

区はこれまでも都に整備スケジュールについての情報提供や、地元への丁寧な説明を求めており、引き続き都へ働きかけて参ります。

質問3.

これまで暫定供用をしてきた成果を再認識し、地域の子ども達がのびのびと遊び、子どもから大人まで自由に過ごすことが出来る場所を、東京都に高井戸公園整備の手順を工夫して遊び場を残しながら整備を進めていく事を、区に要請をするよう求めるが、区の見解を伺う。

答弁3.

工事期間中の遊び場の確保についてのお尋ねですが、区としても工事に着手していない部分や工事が完了した部分などについて、区民の憩いの場や災害時の避難場所の確保の観点から、利用者の安全確保に留意しながら、部分的にでも開放するよう強く都に要望しているところです。

 

<全文>


最初に「(仮称)都市計画高井戸公園について」質問を致します。

名称が長いので、ここでは高井戸公園とさせていただきます。

同様の質疑が既に他議員からありましたが違う切り口で質問を致します。

 

 さて、高井戸公園は昭和32年、60年ほど前に運動公園として 都市計画決定されたものの、残念ながら現在まで開園に至っていません。杉並区の南西部、玉川上水の両側に整備が進む放射第5号線に隣接し、計画地全てが完成すると17ヘクタールを超え、日比谷公園よりも広い面積を有する公園となります。

  私はこれまで、高井戸公園計画を中心にした広域で総合的なまちづくりを進めていくべきと提言を続けてまいりました。

 高井戸公園予定地は、これまで3つの大きなグラウンドとして使用されてきましたがその内のひとつ、旧NHK富士見ヶ丘運動場は、平成18年に杉並区への暫定的な措置として無償貸与が決定し、遊び場102番として区民に開放されて来ました。

 これが実現したのは、旧NHK富士見ヶ丘運動場が、管理上の課題から突然閉鎖となり、1年近く放置され、雑草が生い茂るのを見かねた地域住民の皆様方から寄せられた

「この緑豊かな空間を地域の子どもたちのために開放をして欲しい。」との強い要請活動があったからだと記憶しています。当時は近隣の民間の大きなグラウンドにマンション計画があり、もしかして高井戸公園予定地のグラウンドもマンションや大型ショッピングセンターになってしまうのではないか、という大変な危機感がありました。わたくしも一住民として活動に加わりました。

 

 当区は区民の声、想いに応える形で暫定供与を決定してくれました。

当時の記憶を振り返れば、区職員が何度も地域の話し合いに参加をされ、区民の意見を直接聞き対話を重ねてくれた光景を思い出します。そして具体的な暫定供用開始へと導いてくだいました。

 この時の、区民を思う真摯な対応には大変感謝をするところです。

 

 

 

 その後、旧NHKグラウンドは通称「Nグラ」として、地域にたいへん親しまれる空間へと成長をしていきました。  広い開放感のある空間を楽しみ、子ども達はのびのびと走り回っていました。 気候の良い時期には芝生の上で思い思いに昼食をとり、50本以上もある桜が一斉に咲く時期には心躍り、

仲間が集い、あちらこちらで輪が広がり愉しむ姿は、 まるで一幅の絵を見るような、本当に素晴らしい光景でした。

 

そこでお尋ねいたします。

Q1.これまでの遊び場102番の暫定供用に関して、区はどの様に総括をされているでしょうか?

 

 先日、5月22日には東京都による高井戸公園の工事説明会が開催され、これまでの経緯と本年の工事、そして開園時期の概要の説明がありました。参加者は140名近くとなり、説明の後には活発な質疑応答が1時間以上行われました。近隣住民のおひとりお一人の関心の高さが伺われました。

 

 参加者からは、工事車両が近隣の生活道路を通るなど車の抜け道となるのでは無いか、整備期間中に管理者不在となり空き巣などの犯罪が起きるのではないかという不安の声が聞かれました。

 また、広域避難所機能に関しては、心配をした区民がこの説明会が終わった後に区役所を訪れたと聞きます。区から都へ管理が移管されると、整備期間中は広域避難所が閉鎖施錠され緊急時に機能を失う結果、災害発生時に非常に大きな人命にも拘わる事態が予測されるため、区はこの問題点を解決に向け都に働きかけ機能保持を依頼する事、そして区と都で実施する方策が決まれば、安全と安心を責任を持って守っていくという立場から、区により近隣住民に周知をする事、などの要望をされたと聞いており、この件に関しましては私からも強く要望をするところです。

 

 Q2.また、この説明会において、3つのグラウンドの整備のスケジュールが発表されましたが、グラウンドのほかにも高井戸公園の予定地には近隣の住宅街が含まれています。

 既に優先整備区域に指定され、立ち退きの予定がある住民や、今後優先整備区域に入る予定の住民からは、今回のようなグラウンドだけではなく高井戸公園全体の整備のスケジュールを示してほしいとのご意見がありました。

 住宅の立ち退きとなれば、戸建て住宅を所有し生活している住民にとっては、大変大きな生活の変化が予測されますし、高齢者世帯では引越しなどの負担には耐えかねるといった切実な声も聞かれます。

これに対し区の見解はいかがかお尋ねいたします?

 この説明会に先立ち、5月17日には遊び場102番の暫定開放が終了となり、長く愛された通称Nグラ・遊び場102番は惜しまれながら閉鎖となりました。

 東京都と杉並区においては、所有権の移譲により暫定的な供用を終了することは何ら不思議が無い事であったかも知れません。しかしながら、利用をしていた多くの区民のご理解は、残念ながら現状においては得られていないと感じています。

 

 突然の閉鎖を知った地域住民やスポーツを楽しむ子どもの保護者からは、私の元へ閉鎖に至った経緯と事情の説明を求められ、何とか子ども達の遊び場を残してくれないかといった大変多くのお声をいただきました。

 

そこでお尋ねいたします。

Q3.今後の高井戸公園予定地の利活用に関して、区民から3000名以上の署名と共に要望書が届いているとの事ですが、その内容と区の見解はいかがか?

 また、これまで暫定供用をしてきた成果を再認識し、この要望書の願意を酌みながらの対応を要望いたします。

 地域の子ども達がのびのびと遊び、子どもから大人まで自由に過ごすことが出来る貴重な空間を、高井戸公園整備の手順を工夫して一部であっても開放しながら整備を進めていく事を、当区から東京都へと要請するよう求めますが、

区の見解はいかがでしょうか?

 


平成26年第4定例会 「電柱の地中化・国内外の交流・震災救援所」その2

2014-11-22 | 議会・一般質問のご報告

<全文>

わたくしは、民主社民クラブの一員として、区政一般について質問をさせていただきます。

質問項目は、

「電柱の地中化について」「国内外の交流について」

「震災救援所について」です。

 

「電柱の地中化について」

さて、皆様は日本全国に桜の木がどれくらいあるかご存知でしょうか?答えはおよそ3,600万本と言われていますが、ではこの数と同じくらい全国津図浦々のまちにあるものは何か、それが電柱です。ここ数年は毎年7万本増え続けていると言われ、電柱のみならず、電線においては電気・電話・ケーブルテレビ・光ファイバーなどの種類は増え続け、その電線をなんとか電柱に取り付けるために日本人特有の器用さで何段にも何列かにもわたり取り付けられているのが現状ではないでしょうか。

この電柱は都市景観の大変な悪化を招いており、何よりも重要な歩行者の安全性を阻害し、災害時には倒壊や電線の切断が人命等への直接的な被害、救急活動や物資輸送の妨げとなり、復旧活動に支障が生じる原因となると考えます。そこで改めてお伺いします。

質問1.区内には現在どのくらいの電柱があるのでしょうか。また道路上の電柱は災害時の安全上支障があると考えますが、改めて地中化の目的をお伺いします。

一方で海外に目を向けますと、欧米の主要都市では戦前からの取り組みでロンドンやパリでは無電柱化率が100%と電線の地中化が標準となっています。アジアの国々でも進んでおり、ソウルは46%、北京は34%である一方、日本ではいずれも道路延長ベースで東京23区が7%、大阪市が5%、京都市が2%と極めて低い数字になっていると報告がされていますし、わたくしの元へは、人見街道等、地域の電柱を無くし、安全性を確保して欲しいという要望が多数寄せられているのが現状です。

そういった中、当区においてもこれまで取り組みを進めてきたと考えます。

質問2.永福町北口商店街通りの電柱の地中化が完成したところですが、改めてどの様な課題があったのかお伺いします。

完成した永福町の商店街を歩いてみると、日常の中に抜けたように高い秋の青空を感じる事が出来るようになり、今までのまるで障害物競走のように電柱を避けて通っていたのが嘘のような、安心して明るい気持ちで歩く事ができる素晴らしい空間が広がっています。当区の取り組みに改めて感謝をする所です。

  現在、東京では2020年のオリンピック・パラリンピック開催に向けての様々な準備が進んでおります。都では平成19年に国内候補地に選ばれたのを受け、センター・コア・エリアという、山手通りと荒川で囲まれた地域の主要道路、このエリアの幹線道路や主要な駅のまわり、オリンピック関連施設周辺、文化財庭園や歴史的な施設を鑑賞する上で重要な眺望を保全する必要がある地域の無電中化を推進してきました。その結果、平成24年度末現在でセンター・コア・エリアにおいては80%の整備率となっています。

 つい先日、11月10日の無電柱化の記念日制定発表会というものがありました。3つの1並びを電柱に見立て、最後のゼロで電柱をゼロにする、というゴロ合わせで出来た記とのことですが、豊島区のホームページにはセンター・コア・エリアのひとつに含まれる同区の高野区長が大変前向きな宣言をした事が発表されていました。それは、都市計画道路はもちろんのこと、将来的には生活道路の無電柱化にも取り組み、『防災力の向上』、『景観の向上』を図ることにより、『人間のための空間を取り戻す』ことが最終的な目標とし、将来的には、区内全域で無電柱化を実現し『電柱ゼロ都市宣言』をしたい、というものでした。

  大変残念ながら、杉並区はセンター・コア・エリアには含まれておらず、2020年のオリンピック・パラリンピック開催のための整備が進められても目覚しく無電中化が進むとは考えられません。わたくしはオリンピック・パラリンピック終了後には、現状から遥かに整備が進む地域と、取り残されたように電柱が残り続ける地域との差が広がり、追いつけないほどになってしまうのでは無いかと危惧しています。そこで質問を致します。

質問3.今後、当区においては区道の電柱の地中化をどの様に進めていくのでしょうか見解をお伺いします。

緑豊かで区民の定住志向が高い杉並区が、都内でこれから進むと思われる無電中化の取り組みに遅れることなく、今後とも良好な住宅街であり続ける事が出来るよう、今後の区の積極的な取り組みを要望いたしまして次の質問に移ります。

 

国内外の交流について」

当区では現在、国内で9自治体、国外の都市とは、オーストラリアのウィロビー市や大韓民国の瑞草区の2都市との友好都市の提携をしています。

国内交流都市の協定締結の時期からは、いわゆるバブル景気が続いた1980年代後半から1990年代初頭にかけて名寄市と東吾妻市及び国外2都市との締結がされ、その後阪神淡路大震災の10年後から国内4自治体、そして田中区政が始まり東日本大震災後には自治体間の相互援助が災害時には大変重要との認識から3自治体が災害時には相互に援助をしていくための協定が結ばれたと理解しています。これによって当区の防災力の増強がされたと考えていますが、ここで改めてお伺いします。

質問4.現在の国内外の交流自治体が決定される迄の経緯についてお伺いします。

質問5.また、交流自治体の交流の現状をどのように区は評価しているのかも

併せてお伺いします。

振り返ると、私が大学卒業後社会人となった1988年はちょうどバブル時代にあたり、好景気に支えられ、海外旅行者や留学希望者が大変多かった時代に当たります。その後、世界を一変するほどの情報のデジタル化が進み、仕事も効率的になったと思う反面、実体験を伴わなくてもインターネットを通じて何でも情報を得たような気持になる事も多くなってきたと感じています。

当区では、次世代の育成のために中学生の海外留学事業を実施していますが、中学生たちも出発の前にはインターネットを通じて情報を得る、調べ学習を十分にしている事と思いますが、実際に現地で体験する中で得る情報は想像をはるかに超える実りあるものだったと感じているのではないかと考えます。こういった実体験を通じての教育的見地からの質疑はこれまでもして参りましたが、今回は自治体間の交流をお尋ねします。

質問6.中学生海外留学事業を通して、ウィロビー市と杉並区との交流は深まっているのかをお伺いします。

これまでの一般質問での質疑においても、区からは国外の都市との交流事業について、まずは友好都市締結都市との交流を基本に交流事業を進めるとありましたが、今後は

質問7.青少年健全育成のためには、友好都市締結都市との交流だけに係らず、海外との交流を進めていくべきと考えるがいかがか。

インターネットが普及した今の時代だからこそ、青少年の健全な育成を推し進めるためには、幅広い知識を得、人格形成にも大きな効果が期待できる、実体験を通しての実りのある交流を要望いたします。

文部科学省は本年9月、大学の国際競争力を高めるために重点的に財政支援する「スーパーグローバル大学」に、国公私立大37校を選んだと発表しました。 海外から優秀な教員を獲得し世界大学ランキング100位以内を目指す「トップ型」に東京大や京都大など13校、大学教育の国際化のモデルを示す「グローバル化けん引型」に24校を選定し、トップ型には年約4億2千万円、けん引型には同約1億7千万円を補助するというもので、財政や影響を受ける学生数の規模は大変大きく、この政策の成果が将来の日本にとって大きな実りとなるよう期待するところです。

 グローバル化けん引型には当区にキャンパスを持つ私立大学も含まれています。この大学では日本にいながら国際感覚を磨く学びの場を提供するとして、これまでの取り組みに加えて、「外国人留学生・日本人学生が共に暮らす」定員200名規模の混住型学生宿舎を平成28年に和泉のキャンパス隣接地への新設を決定しています。

こういった取り組みを大学内だけに留まらず、是非とも立地自治体である杉並区においても区内の青少年の健全育成に向けた団体などとともに、国際交流の推進に向けての政策に活かしていけないものかと考えます。そこでお伺いします。

質問8.区内の私立大学に海外からの留学生のための宿舎建設が進んでいる中、こうした機会を捉え国際交流等の連携を図っていってはどうかお伺いします。

 

「震災救援所の運営について」

当区が進める震災対策の基本的な考え方である自助・共助・公助の考え方に関しては、日々の区民の方々との会話の中から、少しずつですが周知が進んでいると感じています。今後は地域防災力をより一層高める事が杉並区全体の防災力を高めていく上で最も重要であると考えています。しかしながらその担い手である防災市民組織が成熟していく為には様々な施策を少しずつ着実に積み上げていく日々の努力が必要であり、またその進捗を区が把握し必要なサポートをしていく事が重要だと考えています。

 区で作成した標準のマニュアル類がどの様に区民に受け止められ、理解され、周知が進み、今度はそれを礎にして実行力を高めていくか。そのため、どの様なステップを踏めばよいのかを常に念頭においた、粘り強い取り組みを望むところです。

実行力を高めるための施策の一つに震災救援所運営の独自マニュアル作成があると認識していますが、これはそれぞれの震災救援所の建物や人的配置などを鑑みてそれぞれに応じたマニュアル作成をしていくものとのことですが、

質問9.区ではこの震災救援所運営の独自マニュアル作成の進捗状況をどのように把握しているのでしょうか。また、実際にどのように作成が進められているのかお伺いします。

 私が区内のいくつかの震災救援所訓練を拝見して最も大きく感じたのは、地域によって防災力に大変な差があるのでは無いかという疑問でした。短時間で震災救援所を立ち上げる力を持った救援所がある一方で、防災倉庫の内容の確認や災害時のトイレの組み立てなどの立ち上げる為の一部の訓練のみに留まり、最後の立ち上げにまで至らないままの訓練が続いている地域など、区民の皆様方の努力をもってでも中々順調に進んでいるとは言いがたい救援所もあるのが現状では無いでしょうか。

先日、わたしが防災サークルとして参加をしている震災救援所の訓練の一環として、HAGという避難所運営ゲームを30人ほどで行いました。

避難者の年齢や性別、国籍、それぞれが抱える事情が書かれたカードを参加者に配り、避難所施設に見立てた平面図にどれだけ適切に避難者を配置できるか、また避難所で起こるいろいろトラブルなどにどう対応していくかを模擬体験するゲームでした。

これは住民が避難所運営を主体的に考えるためのツールだという知識はありましたが、実際に震災救援所を運営するであろう校舎の中でその担い手が集まりゲームをしてみると、大震災が起きたときに地域の人々を救援するというのが絵空事ではなく、大変重大で難しい事であるという実感がわいてきました。

訓練が終わった後、参加者のひとりからは、「地域からもっと防災リーダーを輩出していく事を考えなければいけないのではないか?」という大変前向きなご意見を聞く事が出来たのは、大きな成果であると感じました。

一口に震災救援所といってもその成り立ちや抱えている課題・問題点は様々であろうと思います。それをひとつずつ解決し、力を付けていく為にはそのサポートをする為に区による活動実態の把握が必要でしょうし、一律ではない対応も求められてくるのではないでしょうか?

そこでお尋ねいたします。

質問10.各震災救援所の活動実態に即した支援は行われているのでしょうか、

区の見解をお伺いします。

また、こういった訓練の参加者からは区政に反映すべき様々な課題点をご指摘いただくことが多くあります。その一つに、訓練の全体像が分からないまま参加をしており、自分がいったいどの様な立場、役割で参加をしているのかさえ分からず、大変なジレンマがあると訴える方がいらっしゃいます。こういったお声は至極納得が出来るものです。何故なら、学芸会の練習にしても合唱の練習にしても、完成したものが想像出来るからその中の一部の練習に関しても納得をしながら取り組む事が出来るというのと同様であると考えるからです。そこで提案を含めての質問となりますが、

質問11.震災救援所の立ち上げから運営まで全体がわかるDVDを作成し、それぞれの訓練において参加者の認識を高めるために活用してみてはいかがか、区の見解をお伺いします。

 私が参加をしている震災救援所は本年4月に新しい校舎が完成しました。

学校施設であるからには第一義的には教育の現場としての機能が盛り込まれており、設計に取り掛かる前には学校施設のほか、必要な防災設備に関してのヒアリングもあったでしょうし、これから長く使用していく校舎には最新のものが備わっているのだと思います。しかし、実際に防災サークルのメンバーで完成した建物の中を歩き回って防災設備を探し出すのは大変に難しいと感じています。

新校舎設計の際には震災救援所になる事を前提として使う側にとっても分かりやすい設計をすること、また震災が起き、停電で暗い中携帯も通じず、情報も無い中、震災救援所を開設することを考えると、少しでも予め出来る事があるならば準備をしておくという事も必要だと考えています。具体的な事例を申し上げれば、救援所へ来られる人の把握をする為に、出入りする門を1箇所に限定する事になると想定されるのであれば、通常時でもその門にわかりやすく表示をしておいたり、一度も校舎に足を運んだ事が無い人であっても校舎の全体の間取りが分かる様な案内図を分かりやすいところに掲示をしておくなどが考えられると思います。これらはアイデアとして持っていたとしても、耐久性を考えた案内板を製作するとなると大きな費用がかかる事もあり、市民組織で取り組む事は難しいと考えます。

また、避難が長期に亘る場合には、体育館のみならず校舎内も使用して避難者を受け入れる事になると思いますが、新校舎は従来と違って個別学習室やエレベーターへの導入路など、複雑な間取りとなっているため、どの様に避難者を誘導していくかは本当に難題です。

そこでお尋ねします。

質問12.新校舎建設時に震災救援所の設置運営を想定した校舎設計をすべきと考えますが、区の見解はいかがかお伺いします。

区立施設の更新の時期を迎える中で、設計時により多くの震災時の配慮を盛り込んでおくことは必要であり、それを利用者が日常的に認識していける事も地域防災力向上策のひとつとして重要であると考えます。

そういった観点においての取り組みを求めて質問を終わります。

 


平成26年第4定例会 「電柱の地中化・国内外の交流・震災救援所」その1

2014-11-22 | 議会・一般質問のご報告

11月19日に一般質問で議場に立ちました。

 テーマは「電柱の地中化・国内外の交流・震災救援所について」

動画→11月19日http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/vodtop.htm

質問と答弁の要旨、そして質問の全文を掲載いたします。

 

 

<要旨>

「電柱の地中化について」

質問1.

区内には現在どのくらいの電柱があるのでしょうか。また道路上の電柱は災害時の安全上支障があると考えますが、改めて地中化の目的をお伺いします。

答弁1. 

区道上には電柱と電話中を合わせ33.000本。地中化は災害時の倒壊や電線の垂れ下がりなどの危険をなくす「都市災害の防止」、「安全で快適な歩行空間の確保」災害時に情報通信回線の被害軽減の「情報通信ネットワークの信頼性の向上」。

質問2.

永福町北口商店街通りの電柱の地中化が完成したところですが、改めてどの様な課題があったのかお伺いします。

質問3.

今後、当区においては区道の電柱の地中化をどの様に進めていくのでしょうか見解をお伺いします。

答弁2・3.

わが国ではこれまで戦災や震災後の復旧・復興を効率的に速やかに行うために、無電柱化の取り組みがなされてこなかった事から欧米諸国に比べ大きく立ち遅れてきた。成熟した社会となった現在、景観の向上や快適な歩行空間を求める声が高まってきている。

区はこれまでに高円寺や荻窪の都市計画道路などで無電柱化を進めてきた。直近では歩道の無い道路でのモデル実施として永福町北口商店街通りで完成。

道路上の電柱を無くすことは、災害に強く安全・安心に暮らせるまちを実現するだけでなく、まちのブランド力を高めるためにも必要。景観に配慮したまちづくりは質の高い住宅都市をつくるうえでも、必要性の高い事業と考えるが、これまでの考え方の下では事業主体が道路管理者で、事業費が高額になることから自治体の負担が大きくなかなか進められないのが現実。

議員立法により推進法案が提出されるとの報道もあるが、政府には無電柱化を積極的に進める立場に立ち、今後の推進に向けた方針・目標を具体的に示し、電力会社の責務を明確にするとともに、自治体の負担軽減に向けた補助制度の抜本的な拡充も併せて行っていただきたい。

 

国内外の交流について」

質問4.

現在の国内外の交流自治体が決定される迄の経緯についてお伺いします。

答弁4.

1980年代頃から地域レベルでの国際化の推進が求められ、当区でも海外との都市交流について調査検討を行い、いくつかの候補の中から、平成2年にオーストラリア連邦ウィロビー市と、平成3年には大韓民国ソウル特別市瑞草区の2つの都市と国際友好都市協定を締結。

国内は昭和63年策定の基本構想に基づく長期計画で取り上げられ、都市と自然豊かな地方が交流することでお互いに失われつつあるものを補い、生活に活力とうるおいを育む事を目的として、平成元年に北海道風連町・現在の名寄市、群馬県吾妻町・現在の東吾妻町と交流自治体協定を締結。

質問5.また、交流自治体の交流の現状をどのように区は評価しているのか。

答弁5.

国内及び国外の自治体の素晴らしい自然や歴史に触れることのみならず、経済・文化・スポーツ・教育とその領域を広げ、日常的な交流の上に災害時には助け合うという幅広い物へ発展。次世代を担う子どもたちの豊かな自然や異なる文化に触れる機会を提供できる貴重なもので、また、将来の災害等に備えるという意味でも大切と評価。

問6.

中学生海外留学事業を通して、ウィロビー市と杉並区との交流は深まっているのかをお伺いします。

答弁6.

締結以来、青少年の相互訪問やラグビー交流などを通じて、国際理解と友情を深めてきた。昨年からは「中学生海外留学事業」では、市長と市民によるアフタヌーンパーティーでの出迎えのほか、交流事業を通じて地元の中高生や現地の人々との交流を深めた。本年9月には留学でホストファミリーとなっていただいた家庭の中学生が、民間団体主催のラグビー交流事業で区を訪れ、区内の中学生徒家庭にホームスティし交流するなど、地域での草の根の交流の輪も広がりつつある。

質問7.

青少年健全育成のためには、友好都市締結都市との交流だけに係らず、海外との交流を進めていくべきと考えるがいかがか。

質問8.

区内の私立大学に海外からの留学生のための宿舎建設が進んでいる中、こうした機会を捉え国際交流等の連携を図っていってはどうかお伺いします。

答弁7・8.

区では中学生親善野球大会を契機に、台湾との友好交流も深めつつある。杉並区交流協会と連携し、様々な外国の文化や歴史、物産などを紹介する「海外文化セミナー」や在外外国人を対象にした日本で暮らすために必要なことを学ぶ「ウエルカムパーティー」などの事業を実施。促進に取り組む。

交流協会では、区内の学校はもとより、留学生が居住する専門学校などの宿舎などにも事業案内をしており、今後、区内大学に海外の留学生を対象とする新たな宿舎がオープンした際には、事業案内だけでなく、大学等と連携した事業の企画・実施なども検討し、多文化共生の地域社会づくりを進める。

 

「震災救援所の運営について」

質問9.

区ではこの震災救援所運営の独自マニュアル作成の進捗状況をどのように把握しているのでしょうか。また、実際にどのように作成が進められているのかお伺いします。

答弁9.

区では震災救援所運営管理標準マニュアルを作成して、各震災救援所に配布し、独自のマニュアル作成の働きかけを行っている。現在、全体の約半数で作成されていると確認。また、標準マニュアルについて、昨年度の地域防災計画の修正などの内容を反映させるべく、必要な見直し作業を進めている。女性の視点に配慮した救援所運営など、必要な修正を加えたのち、各震災救援所に配布し、独自マニュアルの作成、更新につなげていく予定。

質問10.

各震災救援所の活動実態に即した支援は行われているのでしょうか。

答弁10.

地域の特性や学校施設の状況、震災救援所運営連絡会の構成員などによってさまざまであり、それぞれ特徴がある。区は活動の実態に則した支援の必要を認識。各震災救援所における活動内容の先進的なところはさらに伸ばし、足りない部分の支援の強化に努めるが、首都直下地震などの大規模災害に備え、全ての震災救援所が避難所や救援活動の拠点としての機能を十分に発揮できるよう、さらにきめ細やかな支援を行っていく。

質問11.

震災救援所の立ち上げから運営まで全体がわかるDVDを作成し、それぞれの訓練において参加者の認識を高めるために活用してみてはいかがか、区の見解をおいします

答弁11.

防災知識の普及や啓発を図る為、区民や区内の学校、事業者などを対象に、各種防災ビデオやDVDを貸し出す事業を実施しているが、その中に、避難所の開設・運営の内容がある。区はこうした媒体を有効に各震災救援所で活用してもらえるよう情報提供に努めているが、先進的な震災救援所の実際の立ち上げ訓練の様子を録画し、各運営連絡会にフィードバックするなど運営支援にさらに工夫を凝らしていく。

質問12.

新校舎建設時に震災救援所の設置運営を想定した校舎設計をすべきと考えますが、区の見解はいかがかお伺いします。

答弁12.

区立小中学校の校舎建設にあたっては、学校防災倉庫の設置を中心に震災救援所機能の充実を図るとともに、近年発生した大震災で明らかとなった避難所の必要機能を踏まえて、発電機の配備や学校敷地内のマンホールトイレの設置に取り組んでいる。

今後も震災救援所運営連絡会委員のご意見なども参考にしながら、教育委員会とも連携を取り、震災救援所としての機能が十分発揮できる校舎整備に取り組んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


平成26年第三定例会 一般質問のご報告「都市計画高井戸公園周辺のまちづくりについて」

2014-10-21 | 議会・一般質問のご報告

9月11日に一般質問で議場に立ちました。

テーマは「都市計画高井戸公園周辺のまちづくりについて」

杉並区南部に予定されている都立高井戸公園に隣接して平成29年に全面開通を予定している放射第5号線、

放5周辺に来年度策定予定の地区計画などにより、区内で最も変化を遂げる地区となると考え、

その詳細に関して区の姿勢を問いました。

動画→9月11日http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/26-03/260911.htm

質問と答弁の要旨、そして質問の全文を掲載いたします。

 

 

<要旨>

質問1

都市計画高井戸公園の進捗状況は?大規模公園に寄せる区民の期待が高まって来ていると感じているが、今後区民意見をどの様に計画に反映させていくのか?

答弁1

昨年3月に印刷局久我山運動場、本年2月に王子製紙富士見ヶ丘グラウンドを取得し、事業認可を得た3つのグラウンド区域について、基本設計を完了したと聞いている。区民への事業の丁寧な説明を引き続き途に求め、必要に応じ説明会の開催を働きかける。

質問2

放射第5号線の久我山区間と高井戸西区間の進捗状況は?

答弁2

都は久我山区間の道路用地を9割取得し、平成29年度の完成に向け、工事を進めている。

高井戸西区間は歩道や植樹帯などの配置計画の話し合いの会を開催し、沿道住民の方々からご意見を伺い詳細設計を進めている。今後、久我山区間の整備進捗に合わせて工事を行っていくと聞いている。

質問3

放5開通後に、岩通通りや富士見ヶ丘通りなど生活道路への通過交通の流入の懸念があるが抑制対策は?

答弁3

都の計画では交通管理者と協議し、岩通通りを含めた生活道路へは放5からは右折禁止とし抑制する。また、放5とつながる生活道路の入り口には車道ではなく歩道を連続させ、通過交通が流入しにくい道路構造とする事により自動車の流入抑制対策を行う計画。

質問4

環八中の橋交差点付近の上り車線周辺の住環境への影響懸念に対する対策は?

答弁4

環八中の橋交差点は現状都内で最も人身事故が多く、構造的な原因により渋滞が発生している。都は放5高井戸西区間の整備により交通安全対策や渋滞緩和に向けた交差点の改良を計画。区としても交通安全対策や円滑は改良は必要と考えており加えて交通渋滞の解消は環境改善にもつながると考える。都は沿道の方々からの住環境への配慮の要望を受け、現在詳細設計を進める中で緑地帯のあり方について協議をしている。区は引き続き丁寧な説明を求めていく。

質問5

岩崎橋架け替えの目的や効果および区の取り組み状況は?

答弁5

岩崎橋は通勤・通学時間帯など歩行者や自転車の通行が非常に多く、放5供用後は信号待ちで滞留した歩行者が一斉に橋を渡ることが想定されることから、歩行者の安全やスムーズな通行が重要と考える。岩崎橋の架け替えは両側に十分な幅員の歩道の設置と震災時での耐震性を確保することを目的にしている。現在設計中であり、文化庁や関係機関、各企業との協議などを進めている。史跡や景観に配慮した歩きやすい快適な歩行空間が整備され安全性も向上すると考える。

質問6

久我山で進めている地区計画の今後のスケジュールと現在の進捗状況は?

答弁6

放5供用前に地区計画等の各種都市計画手続きを完了できるよう取り組みを加速。現在平成27年度末を目途に地区計画の案を策定したいと考えており、その前提となるまちづくり計画について本年7月の第170回都市計画審議会において議論を開始し、今後の審議会で骨組みを示すべく順を進めている。地域の皆様の直近のご意見を把握するため聞き取り調査を実施。まちづくり計画や地区計画の策定に当たっては住民説明会を開催するなど、地域の皆様の声を十分に聴きながら検討を進める。

その中で、環境配慮型の幹線道路にふさわしい土地利用の在り方や玉川上水の樹木との調和を考えた景観、一定敷地面積が確保されたゆとりある住環境の保全・創出等を検討し、久我山地域がよりみどり豊かで魅力のあるまちになるよう取り組んで行く。

質問7

玉川上水・放5周辺まちづくりや高井戸公園など様々な計画が動き出している。区は一つひとつの事業を別々に取り組むのではなく、長期的な視野を持ち、広域的な取り組みを進めていく中で課題解決を図るべきと考えるが見解は? 

答弁7

富士見ヶ丘・久我山地区のまちづくりに関して、今般放5の本格供用に向けた事業化と同事業を見据えた「玉川上水・放射第5号線周辺のまちづくり」(仮称)都立高井戸公園の整備など、様々な計画事業が動き出している。それぞれの計画は富士見ヶ丘、久我山周辺地区の今後のまちの姿に大きな変化をもたらすと認識。区としては「東京都都市計画区域マスタープラン」や「杉並区まちづくり基本方針」に基づき、地域を俯瞰した視点で都と区が連携してまちづくりに取り組むことで、様々な課題の解決を図り、みどり豊かな暮らしやすいまちの実現に努めていく。

 

<全文>


 

わたくしは、民主社民クラブの一員として、区政一般について質問をさせていただきます。

質問項目は「都市計画高井戸公園周辺のまちづくりについて」です。

 

私はこれまで一貫して都市計画高井戸公園とその周辺の良好な整備に向けて質疑を通して提言をしてまいりました。

 

まず、平成23年第2定例会一般質問で「都市計画高井戸公園の早期整備に向けての杉並区の取り組みについて」お尋ねをいたしました。

折しも同年3月に発生した東日本大震災の甚大な被害を目の当たりにした東京都はその年の12月に「東京を高度な防災都市とするための取り組み強化」を目標に、住宅街を含む都市計画高井戸公園の計画地の一部が、東京都都市計画公園・緑地の整備方針改定により今後10年以内に優先的に整備を進めていく優先整備区域に含まれました。これによって昭和32年に都市計画決定されていたものの、半世紀以上も手付かずだったこの計画が一挙に実現へと近づいて参りました。

 

私はこの機をとらえ、高井戸公園のみならず、この地区の住環境を大きく左右することになる「放射第5号線周辺のまちづくりについて」同年第4定例会で一般質問をいたしました。

放5周辺ではそれまで住民の方々によるまちづくり協議会において「まちづくり構想」がまとまり、田中区長宛に提案がされていました。

提言書の中には、まちの将来像を踏まえ、

◇“いえとまちづくり”では建物高さ・用途に関するルール、

◇“みどり・環境とまちづくり”では玉川上水のみどりを地域全体につなげていくために、

◇“安全・安心とまちづくり”では防犯・防災と交通安全の観点からブロック塀から緑化 への転換への検討、そして

◇“景観とまちづくり”においては、「杉並区の景観計画の玉川上水部分の景観形成基準の考え方をこの地域全域に取り入れ、玉川上水のみどり豊かな景観と調和する魅力ある街並みとなるように、建物の配置や色調などのルールを定める事が提言をされ、区ではこの提言書検証し、地区計画を前提にまちづくりを進めると答弁がありました。

続く翌24年の第一定例会では「放射第5号線と都市計画高井戸公園周辺のまちづくりについて」として生活に根差した懸案事項の質問をしました。

 

 まず、岩崎橋拡幅の必要性について。岩崎橋の歩行者用通路は片側一か所、幅1メートル70センチであり、通常の歩行者や高齢者、車いす、ベビーカーを押す人、そして白い杖を使いながら特別支援学校に通う視覚障害の生徒さんなどの往来に不十分であること。

そして、岩通通りの車両通行時間規制の継続についてと岩通通りや富士見ヶ丘通りを含めた生活道路への通過交通の抑制など区の見解を問いました。

久我山地区での道路と公園という二つの大きな東京都の事業は隣接し、みどりの形成や利便性向上から一体のものとして進めていく必要性があり、ランドスケープデザインを取り入れた新たな都市整備計画を杉並区から提案するといった前向きでより一層踏み込んだ形での整備推進を提言し要望をいたしました。

 

 この様な中、都では着々と整備のための手順を踏んできました。

平成24年10月には東京都公園審議会により整備計画(案)が諮問され、

12月には「高井戸公園に関するパブリックコメント」が募集されました。

この整備計画(案)にはスポーツ施設やシンボルプロムナード、芝生の広場などが配置され、計画図を目の当たりにして、いよいよ本格的に動き出すのだと実感をしました。私はパブリックコメント募集の告知と地域住民の意見聴取を兼ねて「あなたが考える高井戸公園」のアンケートを実施、100名を超える声が寄せられ、東京都と杉並区へパブリックコメントとして提出をしました。このアンケートの中には公園計画地内に含まれながらもその事を知らなかった住民の方からの計画変更を求める声もあり、一生の中でも最も大きいと思われる住宅の取得の際に、都市計画を知らされずに購入した区民の多さに驚かされながらも、私は当時の都市計画委員として知りえる情報の周知に努め少しでも住民の理解が進むように活動をしました。

 

一方で、計画図の中身に関しても多数のご意見が寄せられました。

一例をご紹介しますと、高井戸公園平面図案全体のゾーニングに関しては賛同者が多数を占めたものの、公園内の個別の計画に関しては疑問と再考を求める結果が多く示されました。計画の中の「既存木である桜の伐採とシンボルプロムナード新設」に対しては、毎年桜のお花見を楽しみにしている多くの区民から既存の桜の保全を求める声、「スポーツ施設の数と位置、及び駐車場の設置方針等」には地域の事情や利用者の視点をいれて、都にさらなる検討や要望を求める声があり、また、「高齢者向けにペタンクやゲートボールが出来るコートを望む声」また「この地域には無いドッグランに関する賛否の声」等多数のご要望が寄せられました。このアンケート結果に関してはパブリックコメントで当区にも提出をしておりますので、ご承知置きいただいている事と考えています。

 

 また当時の計画案に盛り込まれなかった防災設備では「これからつくる都立公園なのだから、最新かつ最上の設備を」という声や「平常時とのバランスの取れた計画を」などのご要望がありました。

 さらにこの計画を大きな視点で捉え、高井戸公園計画だけにとどまらずこの地域全体の環境保全をする立場から、井の頭公園から玉川上水を経て、高井戸公園につながる緑地帯としての環境価値を十分活かしていく計画の立案を求めるご要望も寄せられました。

 

また、私はこのアンケート実施直前にあたる平成24年第4定例会において

「放射第5号線と都市計画高井戸公園と低炭素のまちづくり」について、計画が進むごとに住民から寄せられる心配事や検討すべき課題点と、今後重要となる「省エネルギーと低炭素のまちづくり」をこの地区のまちづくりの目標に加 えるべきとの提言を行い、区の見解を問いました。

地球温暖化が進むことへの脅威は、先般の広島市での記録的な豪雨による土砂災害やこれまででは想像も出来なかったほどの猛威を振るうスーパー台風、日常的に起こるゲリラ豪雨等今では日常的に感じるまでとなってしまいました。

 当時の区からの答弁では、省エネルギーのまちづくりや低炭素のまちづくりについては新しい取り組みであり、今後はまちづくりの重要な観点のひとつになると認識しているとありました。

 

 当区ではその後、環境分野において、「杉並区地域エネルギービジョン」を策定し、3つの重点取組み項目のひとつとして、「木造住宅が集まる地域の建て替えや地区計画に併せた、住宅の省エネ化によるスマートコミュニティのモデル地区づくり」を掲げました。

 その「スマートコミュニティ化の先導モデル地区づくり」に関し久我山地区を選定し、実施に向けて調査に着手し、検討が進んでいることは先の一般質問においての「放射第5号線と都市計画高井戸公園と低炭素のまちづくり」で提案した「既存住宅から環境先進住宅街として、より一層価値を高める久我山のまちづくり」という提言を真摯に受け止め、検討を進めている事だと大きく評価し今後とも継続した取り組みを求める所です。

 

 

 私は今後の杉並区のまちづくりにおいて、最も大きく変化する地区は久我山であると考えています。なぜなら、東京都による幹線道路放射第5号線と史跡玉川上水整備活用計画、隣接する都市計画高井戸公園の整備、また、その周辺の良好な住環境を守るために12種類の用途地域の中で最も厳しい規制がかけられている第一種低層住宅専用地域を含む地区での地区計画策定を含むまちづくりと富士見ヶ丘駅と久我山駅の2つの駅をまたぐ杉並区南部の広範囲においてまちの様相が一変するくらいの大きな変化が予測されているのです。

 

今回の一般質問では、これまでの経緯を踏まえて改めて区にお伺います。

 

Q1.現在の都市計画高井戸公園の進捗状況はいかがか?また計画が進むにしたがって計画の周知が進み、地域の様々な立場の方からご要望が寄せられています。

杉並区南部に出来る区内最後の大規模公園に寄せる区民の期待が高まってきていると感じていますが、今後こういった区民の意見をどの様に計画に反映をさせていくのか見解をお伺いします。

 

Q2.放射第5号線においては、久我山区間と高井戸西区間にまたがる広範囲において整備が進んでいくが、その進捗状況はいかがでしょうか?

 

 私はかねてより、放射第5号線開通後に、岩通通りなど生活道路への通過交通の流入に生活が脅かされる事を懸念し対策について質疑を重ねてきました。

 近年通学路において集団登校等で生じた主な事故を振り返ってみても、平成23年4月には栃木県鹿沼市において児童6人が死亡した事故、平成23年7月には熊本県山鹿市で小学4年の女児が死亡、3人がけがをした事故、平成24年4月には京都府亀岡市において、集団登校中の児童らが無免許運転の自動車にはねられ、10人が死傷した事故につづき、同じ4月に千葉県館山市、愛知県岡崎市でも事故があり、また翌月にも愛知県小牧市、大阪府大阪市でも同様の事故が重ねて起きたという報告がされています。

 その中の一つ、亀岡市での事故では、現場は車がやっとすれ違うことができるほどの道幅であったが、並走する国道の抜け道となっていたため、交通量は少なくなかったという報道もあり、久我山でもこれから幹線道路が完成し、私たちの子どもたちが通う通学路や生活道路が通過交通の流入によって危険にさらされるのではないかという危機感をこれまでにも増して持ちました。

 

 

日々の生活の中でもこの危機感を感じる事例があります。

つい先日も、時間規制中の岩通通りに4トントラックが迷い込んだようで、多くの歩行者がいる中、大きなトラックが立往生をしていました。近隣店舗の看板を壊しながら、警官が先導し少しずつ進みなんとか岩通通りを抜けましたが、子連れの歩行者は身の安全を確保する為に思わず子供を抱きかかえるほど、高齢者の方はその場にしばし立すくんでしまうほど、現場は混乱しました。

久我山駅から岩通通りを抜けると病院や障害をお持ちのお子さんの学校があります。私は多くの利用者があるこの通りの安全性はたとえ放5が開通をしても絶対に守って行きたいと考え区に対応を求めてまいります。

 

Q3.そこで改めてお伺いします。岩通通りなど生活道路への通過交通の流入が懸念されるが、抑制対策はどの様に進んでいるでしょうか?

 

Q4.また、先ほど申し述べたように、私は現状の岩崎橋に課題があることから、橋の架け替えを求めて参りました。ここで改めて架け替えの目的やその効果について確認をするとともに、現在の区の取り組み状況についてお伺いします。

 また、放射第5号線開通による環境の変化は久我山だけに留まりません。都心に向かい久我山を抜けると放射第5号線は暫定的に供用が始まっている区間へと差し掛かります。この環八中の橋交差点の手前で大きな住環境の変化が予測される計画が東京都により突然発表されました。

 昨年の11月に住民説明会で、これまで左折1車線と右折と直進を含めた2車線の合計3車線であったものが、4車線になる事が発表されました。これまで沿道にお住いの方々の住環境を少なからず守っていた植樹帯を削って車線を増やすというものでした。この植樹帯はこれまで首都高と暫定供用の放5を通過する車が発生する排気ガスから住宅街を守り、季節感を味わいながら暮らしていける為の大変貴重な物でした。環八中の橋交差点の人身事故の2011年上半期の発生件数が都内ワースト1を受けての改良が必要であることからと説明がありましたが、これは車を運転する人への配慮であり、住環境が急激に変化をしていく事への配慮は残念ながら盛り込まれていません。当区へは住環境を守って欲しいとの要望書が届けられていると聞き及びます。区民の安心安全を守る立場の基礎自治体としてはここれらの区民の声を真摯に受け止め、改善へと尽力をして行って貰いたいと考え質問を致します。

Q5.この住環境への影響を懸念するお声に対しての対策をどの様に考えているのかお伺いします。

この近隣の住民からは、のどの痛みや咳が止まらないなどの健康に関するご心配の声も寄せられています。まず、現状の大気の状態を調査し、東京都へは改善策の提案を求めるなどの迅速かつ真摯な対応を求めておきます。

 

次に、久我山での地区計画についてお尋ねいたします。

先ほども触れましたが、この地区に関しては大変多くの区民を巻き込んでのまちづくりの議論がこれまでもされてまいりました。地区計画策定はこれまで携わってこられた皆様方の努力に報いる様なものであること、またこれから先の20年後50年後のまちを考える上で、そしてそこに住む未来の区民にとっても大きな資産を残していくという視点においても大変重要なステップであると考えています。

Q6.そこでお尋ねいたします。久我山で進めている地区計画の今後のスケジュールと現在の進捗状況についてお伺いします。

 

 

先に述べたように、私はこれまで一般質問で久我山地区での様々な動きについて取り上げて参りました。道路と公園という東京都による事業が私達の生活にもたらす影響は他にも多数考える事ができます。

 

放5と高井戸公園の計画の整合性はあるのかを考えるとき、高井戸公園予定地の一つである旧NHKグラウンドの南側の区道の下り車線が無くなり、また北側の区道が計画ではなくなる事になっているがこのまま完成すると、久我山2丁目の大半は東西南北を高井戸公園、放5上り車線、時間規制のある岩通通り、そして京王井の頭線の線路に囲まれた地域となります。平常時の利便性もさることながら緊急時の車両の通行などこのままでは区民の生活に支障が出てくるのでは無いか?また、駐車場の位置によっては放5から分かりづらいのではないか?また駐車場待ちの車により渋滞が発生し近隣住宅街の生活に影響が出るのではないか?

 

生活道路の通過交通流入への心配もさることながら、放5整備によって車の通行に変化を生じ、現在の狭隘道路にも指定されているこの地区の区道に関しては拡張が必要であるのではないか?現在でも雨天の時には車が集中し、5台も連なると行き違いをする為にスイッチバックを数回繰り返さないと通過できない区道があること、また以前から指摘されているものの十分な解決策を見出す事が難しい富士見ヶ丘通りの安全性に関して。

 そして、高井戸公園開園となれば、最寄の駅として玄関口となる富士見ヶ丘駅の駅前広場の整備が望まれてくるのでは無いかという点。

 この10月には浴風会病院の開院が予定されており、富士見ヶ丘駅の役割はさらに大きくなると予測をしています。医療と介護の機能の充実を図り、地域で、在宅での生活継続を希望される病弱高齢者の方々のために、回復期リハビリテーション病床や老人保健施設の利用に加えて、外来や通所リハビリテーションの充実、ならびに訪問診療や訪問看護・リハビリテーションの充実を目指すという浴風会病院の開院は地域住民としては大変心強く思う反面、駅から病院への行き帰りが安全な場所であるのか、心配は募ります。

 その他にも放5開通により玉川上水で行われていた久我山ホタル祭りはこの場所では開催できない事になりますが、代替地として久我山玉川上水緑地が期待されるところですが、この拡大に関する進捗はどの様になっているのかという点などなど、こうして列挙をしていくと本当に広範囲に影響が出てくる事を再認識いたします。

 

Q7.そこで質問を致します。

玉川上水・放射第5号線周辺まちづくりや高井戸公園など様々な計画が動き出しています。区は一つひとつの事業を別々に取り組むのではなく、長期的な視野を持ち、広域的な取り組みを進めていく中で課題解決を図るべきと考えますが、見解をお伺いします。

 

最後になりますが、今後とも既存の住宅街の良さを活かしながら継続した発展を目指し、住民が住んで良かったと思える杉並区を作るために、庁舎内の意見交換を活発にしてまず大きく変化していく久我山周辺においては、「新たな杉並区を創り直す、といった強い意気込みをもってまちづくりに取り組んでいかれる事を要望しまして、質問を終わります。


<参考資料>


平成26年第一定例会 一般質問のご報告「学童クラブについて・あんさんぶる荻窪の財産交換について」

2014-03-18 | 議会・一般質問のご報告

2月17日に一般質問で議場に立ちました。

テーマは「学童クラブについて・あんさんぶる荻窪の財産交換について」

保育需要増に伴い予測されている学童クラブの増員に対して、

杉並区ではこれまでの児童館併設の学童クラブから小学校内へ学内学童クラブへの方向性が示されました。

また、あんさんぶる荻窪と荻窪税務署の財産交換が発表されたことを踏まえ、

その詳細に関して区の姿勢を問いました。

動画→2月17日http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/26-01/260217.htm

学童クラブに関しては区長答弁をいただきました。

質問と答弁の要旨、そして質問の全文を掲載いたします。

 

<要旨>

質問1

学童クラブを取り巻く状況が大きく変化する中、今後の需要をどのように捉え、的確な対応のための手立ては?

小学校内学童クラブへの移設・整備の意義は?

答弁1

女性の社会進出の本格化に伴い、29年度までの今後4年間で約1,000名増加すると見込んでいるのに加え、平成27年度以降は「子ども・子育て支援制度」の本格施行により、利用対象が小学校6年生まで拡大することもあり、さらに需要増となる見込み。

区では区立施設再編整備の中で、小学校の有効活用により需要増に対応した学童クラブを実施するべく段階的な整備を進める。

実現までの間は一部の児童館の学童クラブ受入数拡大措置を講じる。

小学校という広いフィールドを活用することで需要に応えられる、保護者要望の学童クラブへの行きかえりの安全・安心を確保できる、学童クラブ利用児童と他の小学生との交流機会を確保することが出来る、ことで一層の健全育成が期待できる。


質問2

学童クラブにおける障害児の受け入れ状況は?利用者の利便性に配慮した今後の受け入れ枠の拡充は?

答弁2

基本的に49か所すべての学童クラブで障害のある児童を受け入れており、25年4月時点での受入数は122名。この中の1か所の学童クラブでは重点的に対応している重度重複障害のある児童3名も含まれている。

学童クラブ需要が高まる中、障害のある児童の入会希望も増える傾向にあり、地域バランス等に十分配慮しつつ、今後とも障害のある児童の受け入れ拡大に努める。


質問3

「子ども・子育て支援新制度」に基づき区が定めることとなる学童クラブの設備・運営等に関する条例について、現在までの国の検討状況と、それらの動向等を踏まえた区の取り組み状況と今後のスケジュールは?

答弁3

国は昨年5月以降、社会保障審議会児童部会に専門委員会を設置し検討を進め、昨年12月に同委員会の報告書が取りまとめられている。

この報告書では、厚生労働省令で従うべき基準として定める、学童クラブ職員の資格や配置数のほか、参酌すべき基準となる、規模や施設・設備、開所日数及び時間等について一定の考え方が示されている。

区もこの間、こうした国の動向等に応じた検討を順次進め、今後国はこの報告書を基にさらなる検討を進め、今年度末を目途に省令を制定することとしており、それらを踏まえ、条例制定に向けた取り組みを加速化していく。


質問4

あんさんぶる荻窪の財産交換は、他の案件に比べても周知期間が少ない。区民説明会や意見交換会、またアンケート結果などからはどういったご意見が寄せられ、その意見を反映させて来たのか?

答弁4

区民説明会では、あんさんぶる荻窪は住民が意見を出し合って作った複合施設であり、集会室やフリースペースの利用も高いことから、そのまま残してほしいというご意見や特別養護老人ホームの整備は必要だというご意見、また、施設内の児童館について、学童クラブ以外の乳幼児親子の利用や近隣幼児の遊び場、自転車駐車場と防災倉庫を残してほしいなどのご意見があった。

区民意見交換会では、財産交換は用途を有効利用できることから賛成、子どもの施設を優先すべきなどの意見がありました。計画案ではこうしたご意見を踏まえ、児童館の機能・役割の継承について桃井第二小学校及び杉並保健所内に必要なスペース等を確保することや、合わせて桃井第二小学校に近隣の保育園児等が利用できる小規模な遊び場や地域住民の集会・交流スペースも整備することなど、より具体的な記述に修正するとともに、自転車駐車場と防災倉庫については、存続することを基本に国と協議する方針といたしました。

また、荻窪税務署等用地の活用策について、規模を活かした3つの機能の充実強化を図ることとし、大規模な特別養護老人ホームの整備、区内全域の地域包括ケアのバックアップ機能の拠点、区の就労・自立支援の拠点として、より一層地域福祉の向上に資するようにした。

あんさんぶる荻窪の財産交換につきましては、これまでも地域説明会のほか、地元町会をはじめ関係団体等へ繰り返し説明を行ってまいりましたが、今後も引き続き丁寧な説明を重ね、広くご理解を得られるよう努める。


 

<全文>

 

わたくしは、民主社民クラブの一員として、区政一般について質問をさせていただきます。

質問項目は、

「学童クラブについて」

「あんさんぶる荻窪の財産交換について」です。

私は、昨年の第1回定例会の一般質問において、増加傾向にある学童クラブの需要に的確に対応した整備を進めるべきとの観点から縷々質問を行いました。これに対して、区当局からは前向きな答弁をいただきました。そうした経過も踏まえ、改めて、今後の学童クラブの整備に関する区の取組について伺います。

 この間区は、区長のリーダーシップのもと、 都市部に共通する重要な課題である  保育の待機児童対策に真正面から取り組んでいることは私も高く評価しており、引き続き、認可保育園を核とした待機児童ゼロ達成に向けて積極的に取り組んでいこうとする姿勢は、子どもの育つ環境づくりを第一に考えた上で、女性の社会進出を力強く後押しするものとして誠に適切な判断であると思い、私もこれを支援するものです。

 このような保育需要は就学後の学童クラブの需要増加につながってまいります。

 また、国が平成27年度から本格施行を予定する「子ども・子育て支援新制度」では、現在4年生までを対象としている学童クラブの対象が、小学校6年生まで拡大されることとなっていることも考え併せれば、時期を同じくして、学童クラブの整備も着実に進めていく必要があると考えます。

 近年、学習塾や私立幼稚園等の他業種による民間学童クラブの新設も増えつつあり、 公的な学童クラブの需要把握にはこういった新たな動きも加味していく必要性も感じております。

 そこで、まずお伺いします。

Q. 区は、学童クラブを取り巻く状況がこのように大きく変化している中で、今後の学童クラブの需要をどのように捉えているのでしょうか。また、そうした需要に的確に対応するため、どのような手立てを講じていく考えなのか、併せてお伺いします

 次に、学童クラブにおける障害児の受け入れについてです。これまでも区は、一部の学童クラブで障害児の受け入れを重点的に行ったり、重度重複障害児対応の学童クラブ1か所を運営するなど、適切な対応を図ってきたものと考えています。しかし、現在のように特別支援級や通級指導を受けている児童の他にも、通常学級に通う発達障がい等の、支援が必要な児童の増加なども考え合わせると、今後の学童クラブの需要増に伴い特別な支援を要する障害を持つ児童の入会希望も一定程度増えてくることが予測されます。

そこで伺いますが、現在の学童クラブにおける障害児の受け入れ状況はどうなっているのでしょうか。

また、区内偏在の無い、利用者の利便性に配慮した今後の受け入れ枠の拡充についてはどのようにお考えなのか、区のご所見をお伺いします

 

次に、学童クラブの整備と区立施設再編整備計画との関係性についてです。

再編整備計画案の中で、区は、今後の学童クラブは、地域にあまねく存在する小学校内に整備することを基本的な方針としています。私は、現行の児童館併設の学童クラブの行き帰りの安全面等から、 小学校内の整備を求める保護者からの多くの声も聞いており、より広い敷地・施設で児童の健全育成を図る観点からも、こうした区の方針は妥当なものと考えています。その一方で、この間の施設再編整備に係る地域説明会やわたくしが行ったヒアリングでは、「生活の場」である学童クラブを「学業の場」である学校併設とせず、現在の児童館併設型の学童クラブを維持すべきとの意見が出されていることも承知しています。

こういった保護者からは

「朝から晩まで小学校内で過ごす事になるため、気分の転換をする事が出来ないのではないか?」

「学童クラブで過ごしていても学校の先生の目が届くようではそのまま学校に居るような緊張感があり

リラックス出来ないのではないか?」といった心配の声があり、小学校という広いフィールドを有効活用していくことのメリットが十分には理解されていないように感じます。

これまでも区では学童クラブ設置において様々な対応をして来ました。例えば

・遊びができる床部分と勉強や読書等ができる畳部分を設えることで「動」と「静」の空間を作る

・感情が昂った児童がクールダウンできる空間確保を念頭においている

・学校空間との差別化をよりはっきりさせるため学校とは異なる出入り口をつくる

・校舎改築や別棟での設置のときには可能な限り専用のトイレや手洗い場等をつくる

など、生活の場としての学童クラブの空間作りにおいて大きな配慮をしてきた事は、健全な児童育成の場を確保してこうという、使命感を持って取り組んできた表れとして評価をしています。

人員配置においても受け入れ人数に応じた適切な数を常に把握をし、この実現に取り組んできた事も大きく評価をしております。

 以上のような点を基本としながら、単に学校の教室を転用するのではなく、必要な改修を行うことで、学校生活とひと続きではない、それとは異なる生活空間づくりを行い、子どもたちが気持ちの切り替えができるよう、しっかりと配慮した整備、運営を図っているものと考えています。

 

Q. そこで伺いますが、区は、小学校内に学童クラブを移設・整備することの意義をどのように捉えているのでしょうか、改めて明快な答弁を求めるものです

 

  さて、「子ども・子育て支援新制度」に基づき、その実施主体となる区市町村は、本格施行となる平成27年度に向けて、様々な検討が待った無しの状況です。その中で、学童クラブの設備・運営等の基準についても、今後国が示す予定の政省令に基づいて各自治体が条例で定めることとされております。これには杉並区民意見を盛り込んだ上で、より一歩踏み込んだ利用者配慮を実現できる条例づくりが望まれており、言い方を替えれば、この条例化の内容によっては自治体の実行力が大きく試されているという事では無いかと考えます。

 Q.そこで、この項の最後に、学童クラブに関する条例制定に関して、現在までの国の検討状況はどうなっているのか、また、それらの動向等を踏まえた区の取組状況と今後のスケジュールについて、お伺いします

 

 

次に、「あんさんぶる荻窪の財産交換について」お尋ねを致します。

 ここで一つの事例をご紹介します。

人口約13万人、三重県の伊勢湾に面した伊勢市で今週の土曜日2月22日に「朽ちるインフラ」と題して、その分野の第一人者である東洋大学経済学部教授 根本祐二氏の講演会が開催されます。

個人的な感覚ではありますが、「朽ちる」というやややるせなさを感じる言葉と、「インフラ」という強固な建築物や経済発展をイメージするような、まるで異素材の言葉を直接組み合わせることにより、ふと立ち止まってその意味を再確認したくなる様な大変印象的な題名であると感じています。

この「朽ちるインフラ」は「伊勢市公共施設マネジメント講演会」として、何故公共施設マネジメントが必要なのか、施設老朽化問題への対策として箱とサービスの分離、複合化などお話しする予定との事です。「公共施設」をマネジメントするという概念は、まだ国内においては一般的なものとはなっていませんが、わたくしは、これはイコール現在区内で議論が進む杉並区区立施設再編整備計画であると理解しています。

 この講演会開催までに同市では公共施設の現状と課題について市民周知を行ってきており、今後この議論を深めていくためには市民との問題意識の共有と総論部分の周知徹底は不可欠であるとの事から、200人規模の講演会の開催を計画したとあります。

 私は「杉並区立施設再編整備計画」の策定予定をはじめて聞いたとき、一番に必要な事は伊勢市での取り組みにもあるように「問題意識共有と総論の周知徹底」であると考えてきました。そしてその大きな目標は「区の資産を出来るだけ優良化し、次世代に引き継いでいく。」事であり、その実現の為に取り組んで行くことを前回の一般質問でも要望致しました。

 その様な中、これまで区では区立施設再編整備計画において丁寧で手順を踏んだ進め方に努めて参りました。素案作成と区民説明会開催、その後区民と議会の意見を踏まえ修正を加えた上で計画案を作成し、再び区内各所で説明会を開催するなど区民周知にも努めて参りました。

 

 また、区民説明会や各種団体への説明会の他にも区民意見交換会や無作為抽出に拠るアンケート集計、インターネット等によるアンケートなど様々な手法を用い、自治体の使命である公平公正性を保ちながら、区民福祉向上に努める為に尽力をしてきた事に敬意を表しますし、こういった手続きを踏んだ上で成案を導き出して行く計画においては、今後必ずや区民の理解を得て、後世において評価される事と思います。

 しかしながら、例え総論のご理解をいただいたとしても、いざ自分の生活の周りで実際に利用をして来た施設の今後の整備のあり方に関しては、より実感を伴う様々な思いを持たれる区民も多くいらっしゃるのではないかと考えます。

また、施設を中心として地域のために力を注いで来られた区民にとっては、より一層思いが強く、その動向が気になるとことだと思います。

そこで質問です。

Q.この計画案の中で、あんさんぶる荻窪の財産交換は昨年11月にマスコミによる報道で区民に知られる事となり、他の案件に比べても周知期間が少なくなっております。この事について、区民説明会や意見交換会、またアンケート結果などからはどういったご意見が寄せられ、またその意見を反映させてきたのか伺います。

そしてもう一点、

Q.あんさんぶる荻窪は、住民参加で計画し設置した経緯があり、荻窪税務署等跡地との財産交換に懸念を抱いている利用者も少なくないとの事ですが、計画案ではあんさんぶる荻窪内の施設の移転時期や移転先の施設の詳細は明らかになっていません。計画決定後の国との協議に委ねられる部分も多いことから現時点ではやむを得ないと考えておりますが、今後、国との協議の進捗に合わせて区民に対して引き続き丁寧な説明を行っていく必要があると考えますがいかがでしょうか。

 

 私はこの間、区政報告や区民意見交換会の場において、

「区立施設の老朽化による建物の更新の時期を捉え、一つ一つの建物の建て直しをするのでは無く、大きな視点で全体の行く末を捉え、来るべき本格的な少子高齢化の時代にあっても福祉向上を願いながら区民が生活が出来るよう議論が進んでいるのが、杉並区の区立施設再編整備計画です。」とお話をして参りました。

 病気の治療に例えて言うならば、その場限りの付け焼刃的な”対処療法”ではなく、問題から目をそらさずにたとえ長い道のりを要すような困難を伴うものであっても、しっかりと腰を据えて取り組みを進めるような”根治治療”とでも言うべきものだと解釈しています。

 

 先月の24日には、総務省 自治財務局から各都道府県公共施設マネジメント関係課と市区町村担当課宛にある事務連絡が発信されました。

それは「公共施設等総合管理計画の策定に当たっての指針(案)の概要について」というものです。

この中では「地方公共団体においては、厳しい財務状況が続く中で、今後、人口減少等により公共施設等の利用需要が変化していくことが予想される事を踏まえ、早急に公共施設等の全体の状況を把握し、長期的な視野を持って、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減・平準化するとともに、公共施設等の最適な配置を実現する事が必要となっていることから、公共施設等総合管理計画の策定に取り組まれたい。」としています。

 

私は大変驚きました。

 この内容はまさに杉並区立施設再編整備計画そのものであるにも拘らず、国においてもまだ事務連絡レベルであり、その上に案というカッコつきの発信文書が出ているレベルなのです。言い換えると国の正式な指針発表に先んじて当区においてはほぼこの概要に添った形での検討がされていると言う事になるのだと考えます。つまり、国レベルで取り組みが始まったばかりのこの分野においては、当区はトップランナーとして今後は他を牽引していく自治体となって行くと言っても良いでしょう。

 今後はこの質問の冒頭でも例示をしたような「公共施設マネジメント講演会」といったような講演会の開催などを通して、より区民周知と理解を図り、根気強く最終目標値を見据えた行程を踏むことによって次世代にツケを残さない、健全な自治体運営が図られることを願っております。

そして今後議論が深まることにより、区内各地域で個別具体的に寄せられる疑問やご意見を把握しながら、これらをくみ取りより良い区政へと反映させていく事を要望しまして質問を終わります。

 


平成25年第4定例会 一般質問のご報告「杉並区における子どもの育つ環境について」

2013-11-26 | 議会・一般質問のご報告

11月20日に一般質問で議場に立ちました。

テーマは「杉並区における子どもの育つ環境について」、

児童館をはじめとして区立施設再編整備計画への質疑・提案を併せての質問としました。

動画→11月20日http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/vodtop.htm

児童館再編に絡み、乳幼児期の子育てに関しては区長答弁をいただきました。

質問と答弁の要旨、そして質問の全文を掲載いたします。

 

<要旨>

質問1

コミュニティスクール指定校での地域との連携と成果は?保護者・地域への周知は?

答弁1

子育て環境について自由討議・ワークショップ等協議会を開催し区内では文部科学大臣賞の受賞歴もある。教育委員会では学校運営協議会連絡会を開催し、先進的モデル校での活動などの周知をし、保護者・地域と一体となった取り組みを支援。

質問2

次年度から始まる「土曜授業」の概要と「すぎなみ地域大学」や「すぎなみ大人塾」で学びを深めた人材を各学校の学習活動に活かすには?

答弁2

地域・保護者の協力を得やすい土曜日の特性を活かし、学校・地域の実情に応じた学習活動を全区立小・中学校で月1・2回程度実施の準備を進めている。

「すぎなみ地域大学」や「すぎなみ大人塾」で学びを深めた地域人材活用は教育ビジョンの趣旨に沿う。ねらいに基づき創意工夫した学習活動実施に向け、情報提供し地域人材積極活用を指導し「家庭・地域、学校のつながりを重視した、共に支える教育」を推進。

質問3

児童館の「ゆうキッズ事業」の評価と、区立施設再編整備での事業展開の方向性は? 

答弁3(区長)

子育てをめぐる環境は厳しく、都市部の核家族化や地域のつながりの希薄化により不安や孤立感を覚える家庭は少なくない中、この事業が果たしている役割は大きい。

乳幼児の保護者はこの事業で気軽に集い情報交換を行い、利用者数も増加傾向にある。

今後は実施箇所数・実施時間及びプログラム拡充を図る。また、今後整備する(仮)子どもセンターで総合的・一体的な子育て支援を実施し保護者利便性向上と効果的な展開を考えていく。全ての保護者の方々が心安らかに、喜びを感じながら子育てができる環境づくりにまい進していく。

質問4

本年度開始の「中学生海外交流事業」で「夢に向かい、志をもって自らの道を拓く」ために必要な資質の形成を目指すとし、10月オーストラリアウイロビー市で実施された事業で参加生徒と引率教師の学びや啓発面での成果は?また、教師の今後の成長にも着目した人選をするべきと考えるがいかがか?

答弁4 

派遣生徒は英語に慣れ親しむだけでなく、自らの課題解決へ取り組み、人とのかかわりや互いの文化を積極的に受け止めることを学び、引率教員は現地校の授業や教育施設での職員交流を通し教育の考え方・指導の在り方を学び大いに啓発された。教員の学びの場として有効な事業であると評価し、今後とも引率教員の資質・能力の向上や啓発を考慮した人選を行う。

質問5

東京都の「有給休暇を利用した海外留学制度」を教師が活用する意義とは?今後、周知をさらに進めるとともに、派遣を推奨していくべきと考えるがいかがか?

答弁5

実際に海外に行き、諸外国の教育事情について見識を深め、教科指導法について体験を通して学ぶことは大きな効果が期待でき、今後も海外留学制度をはじめ派遣事業について情提供し周知を図る。

 

<全文>

 私は民主・社民クラブの一員として、通告に従い区政一般について質問をさせていただきます。

質問項目は、

・コミュニティスクールについて

・社会教育事業について

・子どもの育ちについて

・教師の研修について、です。

 さて、「現代の杉並区における子どもの育つ環境とは?」という問いかけに対して、皆様はどの様なお答えをされるでしょうか?

 財務省は本年8月、国の借金残高が1.000兆円を突破したと発表しました。単純計算をすると、全ての国民1人あたり約792万円の借金を抱えていることになるということです。

 私が産まれた昭和40年には借金はゼロであったことを考えるとその大きさに驚き、ほんの8年前に500兆円を超えてからの一層の増加率には目を覆うばかりです。人口減少社会を迎え現役世代への負担割合が増え、また、借金抑制への動きを未だに感じることが出来ないことを考え併せると、「本当に自分たちの子どもの世代に残していく社会がどうなっていくのか。」という暗澹たる思いに駆られます。

また、地球規模の温暖化による自然災害の脅威も増加の一途であり、先日のフィリピンレイテ島では、スーパー台風により島全体が壊滅的な打撃を受けるなど、深刻さは増すばかりです。

 私は子育て世代の一人ですが、これまでの子育てを通じて持った実感は、残念ながら現代は、子どもは少数派なのだということでした。少子高齢化の本格的な到来を向かえることは頭ではわかっていましたが、実感として持つことになるとは予想が出来ませんでした。

 まちを行きかう子ども、公園で遊ぶ子ども、レストランで食事をする子どもなど、私の幼少期に比べると子どもを見かける事が少ない事が日常の風景となりました。

その様な状況下で、教育においては大学全入時代を向かえる一方で、大学教育のあり方自体の大幅な意識変革を求める動きが深まって来ています。

「生涯学び続け、どんな環境においても“答のない問題”に最善策を導くことができる能力」を育成していくという様に、これまでの大学入試を最終目標としてきた体制自体が大きく変わろうとしています。

成長社会から成熟社会へ向かう過渡期である現在、情報処理能力を問われる従来の詰め込み型教育からこれからは情報編集力、つまり世の中にあふれんばかりに氾濫する情報からそれぞれが必要なものを選び出し、つなげていく能力が問われていくのだと思います。人類の有史以来、農業・産業に続く第3の大きな革命と言われる「情報のデジタル化」の進行を、身を以て体現してきた世代である私にとっては、この教育目標の変化は至極納得のいくものではありますが、大きな変革のさ中、一体自分の子どもにどの様な教育をするべきかと迷う保護者も多くいるのでは、と考えます?

また、学校現場においてもいじめや不登校など、わが子が当事者となった場合に、保護者としてどの様に対処していけば良いのかなど悩ましい課題も山積です。

 そういった背景のもと、当区の学校現場で現在取り組みが進んでいるコミュニティスクールについては期待が集まるところです。

 コミュニティ・スクールは、学校と保護者や地域の皆さんがともに知恵を出し合い、一緒に協働しながら子どもたちの豊かな成長を支えていく「地域とともにある学校づくり」を進める仕組みです。

 この制度を改めて振り返ると「この取り組みを進めることにより、学校現場において学校や親子という縦の関係の中に、様々な価値観を持った地域の多様な人々が関わることでバイアスつまり斜めの関係性が生まれ、そのことによって子どもにも多種多様の価値観が生まれる。そして例えいじめの当事者や不登校などの孤立感を持つような状況になっても、自分で解決をしていける強さを身につけることが出来る。」としておりまた、「コミュニティスクールの実効性を高めるには自発的な参加が重要。」だとあります。

当区においても、着実に取り組みを進めてきているとのことですが、

そこで、お尋ねいたします。

Q.まず、コミュニティスクールに指定された学校では、地域との連携を通してどのようなことが行われたのか、その成果についてお伺いします。

.次に新規に指定された学校では、その活動がまだ保護者や地域に周知されていないように感じます。今後教育委員会として協議会にどのように働きかけていくのかお伺いします。

Q.この項の最後に、杉並区総合計画では、平成33年度までに全小中学校をコミュニティスクールに指定することになっていますが、全校指定に向けどのように進めていくのかお考えをお伺いします。

 

次に社会教育事業についてお尋ねを致します。

 区では「杉並区教育ビジョン2012」の目標を

「共に学び 共に支え 共に創る杉並の教育」とし生涯に亘って学び続け、

その成果を豊かな社会の実現に役立てることができる「仕組みを整える」ことが求められているとしています。

 私が見聞きししただけでも杉並区ではこれまで、

・原水爆禁止署名運動など「人権を守る分野」、

・「子どもと歩む分野」では、子ども文庫を通して児童の感性や知と心を適正に育成するのに相応しい書を精選しそれを促す活動や、

・「生活や環境を豊かにする分野」ではごみ問題解決や安全な食を求める活動

・また行政主導ではなく自らまちづくりを率先して行ったものなど、広く社会貢献をも視野に入れた活動を多くの区民が自主的に行ってきました。

 

 先日これらの活動を「つながる」と題しまとめた書が発刊されましたが、その巻末の年表には、昭和20年杉並区内での最大の空襲と敗戦を迎えた事から始まり、本年に至るまでの全ての年にあった活動の歴史が刻まれており、改めて杉並の社会教育・市民活動の奥深さを痛感します。

ここで、現在区で行っている事業についてお尋ねを致します。

Q.社会教育センターのすぎなみ大人塾の現状と、受講生がその学びをどのように活かし、どのような成果があがっているのかお伺いします。

Q.すぎなみ地域大学についても、講座の実施状況と、受講生が学びの成果を区政にどのように活かしているのか、その成果とはどの様なものかお尋ねします。

 これらの参加者には個別の問題意識を深く掘り下げ、地域防災や子どもの健康増進、また、日常生活に埋もれてしまいそうになった時に小さな気づきを与えてくれるアートとのふれあいの場を作る、など多岐に亘り意欲的に活動の

幅を広げている方が多数いらっしゃいます。

 今般廃止が発表された科学館などで、こういったアートを作り上げる人材を活かして期間限定で環境ミュージアムなどを作り、教育の場にする事も可能であると考えこれを提案します。

科学館の空間全体を作品と見立て、インスタレーションという現代アートの手法の一種を用い、机上の座学ではなく、環境問題をアートとして感じる仕掛けを作ることが出来ると思います。

 また、一方で、学校教育においては一昨年来「土曜授業」の各自治体での取り組みが始まっています。社会教育事業で意欲的に活動をしている地域の方々の成果を区内に還元する仕組みを整備して欲しいという観点からお伺いします。

Q.次年度から始まる「土曜授業」について、その概要はどういったものか?

  また、「土曜授業」において、「すぎなみ地域大学」や「すぎなみ大人塾」で学びを深めた人材を各学校の学習活動に生かすことができると考えるが区の考えをお伺いします。

 

次に、子どもの育ちについてお尋ねをいたします。

少子高齢化に加え、都市部を中心に核家族化等が進む中で、「子育ての孤立化」が大きな社会的課題となっています。私も頼る人が会社勤めの夫しかいない乳児の子育て期には孤立感を味わっていましたが、先輩ママのほんのちょっとした一言で気持ちが救われたのを覚えています。

 先日、我が会派の河津りえ子議員からもひととき保育でのつどいの広場に関しての質疑がありましたが、区は、子どもを育てるすべての家庭や保護者が孤立化することなく、地域で安心して子育てができるよう、地域社会全体で子どもの育ちと子育てを支え合う仕組みづくりを進めており、大きく期待をしているところです。

 質問の冒頭で私は子どもが少数派と申しましたが、それは決して少数派だからないがしろにしても良いと申し上げたのではなく、まさしく真逆であり、これからの困難が予想される次世代を、担っていってもらう人材を、あらゆる社会資本をかき集めてでも育成していくという観点においても子どもや保護者に対し、より実効的な施策を講じて積極的に支援をしていくべきものと考えています。

 現在、各児童館で実施している「ゆうキッズ事業」もそのための重要な取組の一つであります。私もこれまで「ゆうキッズ」を利用する多くの保護者から話を聞いており、保護者にとっても、また、その保護者に育てられている子どもにとっても大きな意義のある事業と認識して来ました。

 そうした中で、このたび区は、「区立施設再編整備計画素案」を明らかにしましたが、これに掲げられている「児童館の再編」については、「再編イコール児童館廃止」というように誤って受け止められている面がありました。子育て中の保護者から「ゆうキッズ事業も止めてしまうのではないか」、「乳幼児の親子が気軽につどう場が無くなってしまうのは大変困る」というように不安な気持ちになって居ることを知り、大変心を痛めて来ました。

 この間の区議会等での区の説明は、決してそのようなことでなく、むしろ、子育て支援の取組を拡充、充実させる方向性であると認識しておりますが、改めて、確認させていただきたいと思います。

Q.区は児童館における「ゆうキッズ事業」をどう評価し、区立施設の再編整備の中で、今後どのような方向性をもって事業展開を図っていくつもりなのか、見解を伺います。

 「ゆうキッズ事業」は平成27年度からの実施が予定されている「子ども・子育て支援新制度」の中で、区市町村が実施する地域子育て支援事業のうちの「乳幼児親子のつどいの広場事業」に位置付けられるものです。このほかにも地域子育て支援事業には、「各種の子育て支援サービスの利用相談や情報提供」「一時預かり保育」などがあります。

 この間、区が、田中区長を先頭に、保育の待機児童対策に特別の力を注がれていることには大変力強さを感じておりますが、今後は、これらの取組を含め、保護者の方々にとって一層利用しやすく有意義な事業実施を図ることが望まれます。区が児童館再編の中で打ち出した(仮称)子どもセンター構想は、これらの考えによるものと考えております。

Q.区はこの新たな事業を子育て支援施策の中でどのようなものとして位置付け、子どもの育ちを支えていこうとしているのか見解を伺います。

 新たにすべて整えるのではなくて、例えば高井戸地域区民センター1階のくつろぎの部屋の一部に小上がりをつくり、乳幼児親子が自由に持参したお弁当を食べるスペースを作ることで、大規模な改修でなくても多世代交流型の乳幼児親子の集う場を作ることが出来ると考え、これを提案いたします。

 

次に、教師の研修についてお尋ねします。

 当区の本年度の予算を「次世代に夢と希望を拓く予算」として子どもの育ちを重要と考え、具体的で先進的な事業を始めた事に大きく敬意を表します。

そこで質問です。

本年度開始された「杉並区中学生海外交流事業」において「夢に向かい、志をもって自らの道を拓く」ために必要な資質の形成を目指すとし、先月オーストラリアウイロビー市で実施された事業において、参加生徒と引率教師の学びや啓発面での成果についてお伺いします。

 私はこの事業において、先の決算特別委員会で、現場の教師の学びの場としても重要と訴えました。教師の目の前で教え子たちが海外の交流を通して大きく成長をしていく姿を見ること、また、日常の教育現場を離れて日本とは違う価値観で生徒と係わる現地の教育のあり方を見聞することは、教師にとっても大いに学ぶ事が多いと考えます。

そこで質問です。

Q.今年度は事業初年度であったことから、主に留学経験を持つ教師が同行したと伺いますが、次年度以降、派遣教師を決定するに当たっては、経験や生徒指導力を中心に選出するだけではなく、教師の今後の成長にも着目した人選をするべきと考えますが区の考えをお伺いします。

 昨年来、教師が教育についての見識を広める目的に行う、海外の教育視察・研修派遣に大きな成果が期待できることを提言し、区からは積極参加を働きかけると答弁がありました。

 私は20年間に亘ってインテリアの専門職として働いてきましたが、最初から設計力が身についていた訳はなく、建築士の資格を持っていてもそれだけではほんのスタート地点に立っただけであり、それに加えて常に広い視野を持って経験を積むことがスキルアップに繋がることを実感してきました。

 次世代を育成する重責を担う教師こそ、社会を支える最も重要な専門家の一人として、あらゆる機会を通じてスキルアップに努めることを望み、それが杉並の教育を牽引する力となると信じ、より一層の推進を望みます。

 

Q.改めて東京都により行われている「有給休暇を利用した海外留学制度」を教師が活用する意義について、区の考えを伺います。

Q.また、東京都の「次世代リーダー育成道場」という都立高校生を支援する新たな仕組みの中の「かわいい子には旅をさせよプロジェクト」でも、高校生海外留学推進に力を注いでいますが、高校生となり海外に目を向けるようになるためには、それ以前にいかに海外に開かれた指導者の下で教育を受けてきたか、ということにも大きく影響されると考えます。

学校の夏休みを利用した、例え1,2週間であっても、教師のスキルアップに大きく貢献していくと思われますが、今後、区として「海外留学制度」の周知をさらに進めるとともに、派遣を推奨していくべきと考えますがいかがでしょうか。

 

ここまで、子育て支援の重要性や各施策の横断的な活用についてシュシュ申し述べて参りました。

冒頭に挙げましたように、少子高齢化の本格的な到来によって次世代を担う子ども達の将来はややもすると悲観的な側面を持っていることは否定できません。

今私達に出来ることは教育を持って少しでも力強く課題解決力を備えた大人になっていくことを後押しすることだと考えています。

 

 最後に、「杉並区 区立施設 再編整備計画」に関して端的に1点要望を申し述べます。

それは決算特別委員会での田中区長の答弁にもありましたようにその目標を「区の資産を出来るだけ優良化し、次世代に引き継いでいく。」ことを最も重要視すべきものとし、

区民、そして建築士や不動産取引等の専門家などのご意見を聞き、

あせらず議論を尽くし、立場は違うものの議会や現場の職員を含め一丸となってこの目標に取り組んで行くことを切に要望しまして質問を終わります。

 

以上、長文をご覧頂きましてありがとうございました。

 

 

 


平成25年第3定例会 一般質問のご報告「地域防災力について」

2013-09-10 | 議会・一般質問のご報告

9月9日に一般質問で議場に立ちました。

テーマは「地域防災力について」、

東日本大震災から2年半を経過し、いつ起きてもおかしくない首都直下地震への区の備えについて質問としました。

動画→9月9日http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/25-03/250909.htm

防災市民組織の現状と課題に関しては区長答弁をいただきました。

質問と答弁の要旨、そして質問の全文を掲載いたします。

 

<要旨>

質問1

震災救援所は、地域・学校・行政などが連携して、避難から救援所の設置・運営に係る役割を担っていますが、現状の課題等について区の見解は?

答弁1

震災救援所運営連絡会が実施する訓練の参加者がいつも同じという固定化等の課題がある。区は幅広い世代の訓練参加のため周知に努め、連絡会と協働した取組を進めていく。

質問2

防災市民組織は、共助の取組みとして地域ぐるみで防災活動を行っていますが、なかなかそうした活動が地元の住民に見えづらく浸透していないように感じます。区の認識は?

答弁2

活動を知ってもらい、参加してもらうにはどうすればよいか苦心している状況にある。 

質問3

地域の中には、防災に役立つ資格を持っている方が多くいると思いますが、そうした方を防災市民組織の活動に巻き込むことは、大変有意義なことであると考えます。区の見解は?

答弁3

その方向性で進めていく。

質問4

区内には区民の方が利用をしている様々な施設があります。体育館や区民集会所、ゆうゆう館などは大変馴染みの深い施設でありますが、いずれも震災時にはどの様に使われていくのか役割が知られていません。これらの施設の発災時の役割は?

答弁4

体育館のように災害対策本部組織の役割を担う施設と、ゆうゆう館のように位置づけをしていない施設があるが機能強化を図る。

 

質問5

杉並区地域防災計画で災害時の後方医療機関が指定をされているものの、区内偏在があると思われる。子どもがいる家庭では小児医療の専門施設が必要となる。区界などは練馬区・中野区・世田谷区などの近隣区の医療機関との連携が必要と考えるが、見解は?

答弁5

災害医療運営協議会を設置し、医療救護体制の再構築を進めている。医療機関の偏在にも配慮し、連携を進めていく。

 

<全文>

 私は民主社民クラブの山本あけみです。通告に従い、区政一般についての質問をいたします。 質問項目は、地域防災力についてです。理事者の方々におかれましては、明快かつ前向きなご答弁と盛り込みました提言についての真摯なご検討をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

わが国に甚大な被害をもたらした、あの東日本大震災から2年半が経過をしようとしています。時が経つのは本当に早いと感じています。

わたくしは3月11日14時46分、我が家で今まで経験をしたことが無い、

大きな揺れを感じました。瞬時に家族は無事かと焦る思いにかられ、その後、通信網や交通網のあれ程の大混乱を初めて目の当たりにしました。また、テレビから放映される被災地の現状、特に大津波が畑の間の道を進む軽トラックをまさに飲み込まんとする映像が、見ている途中で放映中止となり、突然コマーシャルに切り替わった時には、しばし事態が飲み込めずにいましたが、映像がもたらすあまりの深刻さに、放映をすることが出来ないのだと察知した時には、想像を遥かに超える重大な事が被災地で今まさに起きているのだという、大きな恐怖に包まれました。それがあの大津波でした。

 関東大震災はM7.9、阪神大震災はM7.3であったのに比べ、東日本大震災はM9.0であり、飛びぬけて巨大なエネルギーが春まだ明けきらぬ東北の地を襲ったことになります。

 内閣府の想定によるこれから起こるであろう首都直下地震はM7.3、そして南海トラフ巨大地震の想定はM9.1であり、残念ながら地震国日本に住む私たちには少しも休むことなく、その脅威から逃れることはできないのだと思っています。

 当区においては杉並区地域防災計画の見直しの取組みを継続しより良い物にして行こうとする努力を続けていること、震災救援所や医療救護所・災害備蓄倉庫を明記した杉並区防災マップを取りまとめて区民周知に努め、そして総合震災訓練をはじめ、個々の震災救援所訓練にも取り組む姿勢は大変心強いと感じています。

 先月30日の日本経済新聞には東京都の地域防災計画に関しての記事が載っていました。 昨年11月に新たな被害想定で明らかになった防災上の課題や東日本大震災の教訓を踏まえて修正され設定をした目標のうち、住宅の耐震化率など3つの主要項目を点検すると、現状は目標値の約8割の水準に達しているということで、見出しには「直下地震対策8合目に」と大きく謳われていました。

 今後は合意形成が困難なマンションなどの耐震化率向上や高齢化する住民などの地権者の利害調整を必要とする不燃領域率の向上、コスト高につながる企業への備蓄用品保管要請が必要となる帰宅困難者対策など課題も残るとしています。

 東京都地域防災計画の中には第一の視点として「自助・共助・公助を束ねた地震に強いまちづくり」とあり、強い揺れや火災によって最大死者数1万人、最大被災者数約339万人、帰宅困難者数517万人、そして

約30万棟にも上る全壊など、住宅やライフラインへの大きな被害を低減させるため、また第二の視点危機管理の体制作り、第三の視点再生へのしくみづくりと併せて細かな施策を練っています。

 今月3日には東京都総務局から「東京都震災対策事業計画の策定」が発表され、地域防災計画(震災編)に掲げた目標を達成するための、具体的な事業が体系化され、平成27年度までの計画期間に221事業に取り組むことが発表されました。

 都民と地域の防災力向上においては、「防災意識啓発及び Twitter などによる情報発信」「防災隣組」「消防少年団の充実強化」などが盛り込まれています。

 私は改めて杉並区地域防災計画震災編と震災救援所訓練マニュアルを熟読しました。その中には詳細な書き込みがあり、区議をしていながらも知らなかったことの多さに驚きました。

 読後の感想は「この中には杉並区が自治体として出来ることは大よそ盛り込まれており区民として区に対応を求めることは一通り網羅されている。

では次に、私たち住民は何をするべきなのだろうか?」ということでした。

 私はこれまで自分の住む地域やその他の震災救援所訓練に参加をし、それがどの様な機能を持ち、指示系統はどの様になっているか、そして参加者はどれ位で、動きはどの様なものかなどを視察してまいりました。マニュアルでは震災が発生してから初動の震災救援所立ち上げ、そして運営が長期化

した場合の対処法など詳細に考えられては居るものの、 いざ震災が起きてからマニュアルを読んだところで対応は後手に回り、被災者救援をはじめる様になるまでにはあまりに時間がかかると思われます。いかに事前の訓練によってマニュアル通り、もしくは大まかであっても、それを実行していける力が、それぞれの震災救援所に備わっているかが重要だと考えます。

 言い換えると、地域防災力を向上させていくことが今後最も重要視されるべき課題であると考えています。

そこで質問をいたします。

Q1

震災救援所は、地域・学校・行政などが連携して、避難から救援所の設置・運営に係る役割を担っていますが、現状の課題等について区の見解をお伺いいたします。

 私は、区内の様々な震災救援所訓練を視察するにつれて、 大きな疑問や課題を感じるようになりました。それは「震災救援所訓練によって到達するべき目標が、杉並区内において統一されていないのではないか?」というものでした。

 視察をしていくと、震災救援所訓練とはいえ、 ある場所では校長先生が陣頭指揮を執っているためか、 教育現場の延長であるがごとく受身主体の訓練を行っていたり、またある場所では、発災後3時間を想定して震災救援所の立ち上げ訓練をしているとの事ですが、参加者の多くは指示を待っている状態で、訓練全体の目標が参加者で共有されていなかったり、終わった後の反省会においても課題・問題点及び解決策の共有がされていないため、次に進むべき方向の認識がされていないという状態が見受けられました。

 また、参加者も区職員や学校教諭の他には、町内会や学校支援本部、運営連絡会委員、消防団、民生委員、PTAやおやじの会、児童・生徒など、

学校を中心として連絡の取りやすい限られた一部の区民のみになっていると思われる救援所もありました。

 せっかく訓練を行っていても地域全体にとってはその存在自体も知らされていないのではないか?あるいは認識されていないのではないか?という疑問が沸いてきました。

 

そこで質問をいたします。

Q2

防災市民組織は共助の取組みとして地域ぐるみで防災活動を行っていますが、なかなかそうした活動が地元の住民に見えづらく浸透していないように感じます。この点について区はどのように認識しているのかお伺いいたします。

 先ほど私は「震災救援所訓練で到達するべき目標が杉並区内において統一されていないのではないか?」と申し上げましたが、 それは言い換えると「地域防災力の地域間格差が顕著に存在し、現状においてはいざ震災が起きた時には地域によって対応力に大きな差が出てくるのではないか?」と言えるのだと思います。

 震災救援所訓練に多くの区民が参加し地域で防災という大きな目標に取り組む事、杉並区で共通の訓練目標を持ち、それに向かって自分の地域が果たしてどの位まで到達をしているのか振り返りつつ次の訓練を重ねていく事、わたくしは区民がそういった共通概念を持つことが必要であり、今後の課題であると重ねて申し上げます。

 また、訓練を重ねるにあたっては、防災危機管理者や防災士など、防災の専門家としての人材の育成とその全区的な配置は最も重要と考え、その取り組みに着手をするよう区に提言をいたします。

 

 その他にも例えば負傷者の救護を行う看護師や建築物の安全性を見極める建築士、また、資格という形でなくても野外キャンプなどの経験者なども

大いに災害時には活躍してくれるとも思い、地域に居住する様々な防災に

役立つ資格や能力をお持ちの人材を発掘し参加を促すことが重要と考えます。

 

そこで質問を致します。

Q3

地域の中には、防災に役立つ資格を持っている方が多くいると思いますが、そうした方を防災市民組織の活動に巻き込むことは、大変有意義なことであると考えます。区の見解をお伺い致します。

 震災救援所訓練を視察していくと、その中で大変熱心に取り組みを続ける区議会議員の姿に出会うことがあります。地域のリーダーとしての防災への取り組みに頭が下がる思いですが、一方でその様なリーダーシップを有し、機動力の有る人材に恵まれていないと思われる地域での防災力には大変心配が残ります。

 当区におかれましてはこういった「地域防災力の地域間格差」とも言うべき顕在化しつつある大きな障壁に是非とも目を向けていただき、その解消に向けて施策を講じていただきたいと強く要望を致します。

Q4 

また、区内には区民の方が利用をしている様々な施設があります。スポーツを楽しむ体育館や、会議・講習会などで利用をしている区民集会所、 介護予防においてのゆうゆう館などは高齢者に大変馴染み深い施設でありますが、いずれも震災時にはどの様に使われていくのかその役割が知られていません。

これらの施設の発災時の役割はどのようになっているのかお尋ねいたします。

Q5

また、先ほどらい、杉並区地域防災計画に触れて来ましたが、この中でいくつか気になる部分がありました。それは、災害時の後方医療機関が指定をされているものの、所在地を確認していくと区内偏在があると思われる点です。特に、子どもがいる家庭では小児医療の専門施設が必要となります。区界などは練馬区・中野区・世田谷区などの近隣区の医療機関との連携が必要と

考えますが、当区としての見解をお伺いいたします。

 さて、ここで今回の一般質問をするにあたり私が視察をさせて頂いた震災救援所の中で最も訓練を重ねて来たと思われる区内のある救援所の様子をご紹介いたします。 

 その日は朝9時過ぎに震災救援所に伺うと既に倉庫からの物資の搬出が始まっていました。参加者はお互いの役割確認の為の打ち合わせは無い様子で、持ち場の準備を粛々と進めていましたが、その方々が作り上げた訓練の内容は大変充実したものでした。

 体育館の中では正面に本部と防災用品の展示、そして体験型訓練の場では簡易担架組み立て・車椅子操作・固定電話の安否確認・三角巾による止血骨折保護・心肺蘇生AEDが用意され、それぞれの担当者が来場者に対し説明の上、体験をして貰っていました。

 体育館入り口にはバルーン型照明器具展示と炊き出しが行われ、その奥の運動場ではスタンドパイプ操作・救助のために木材を切断するためのチェーンソー・消火器による初期消火等の体験コーナー、また区内最新型の起震車もあり、震災時を想定した訓練としては広い範囲を網羅していました。

わたくしも初めてスタンドパイプの操作を体験し、性能の良さを実感し、自分でも操作が出来ることを確認しました。

 当たり前のように進んでいく訓練を眺めていた私にとって、ふと気づくと大変驚いたことには、一般参加者が来場するまでのおよそ1時間で、震災救援所立ち上げの準備が終わっていたことでした。

 実際の震災時においては訓練の習熟度が地域防災力を決めるとは考えていましたが、この完成度の高い訓練の様子を目の当たりにして、大変な驚きとともに、杉並区の全ての震災救援所においても同様に行うことが出来るようになることを願って止みませんでした。

 参加者に伺ってみると、こういった訓練を年10回ほど行っているということで、なるほど当日の準備段階でのお互いの話し合いなど必要なく、驚くほどの短時間で震災救援所が立ち上がっているのだと納得をしました。

 ここでは防災危機管理者の有資格者がリーダーとなって、 主催者や協力団体を取りまとめ訓練のリーダーシップを取っていました。訓練終了後にも参加者へのアンケートの結果分析を通じて見えてくる次への課題を共有しており、だからこそ内容の濃い訓練が出来ていることも特筆すべきことだと感じました。

 先ほども申し上げましたが、是非杉並区の全ての震災救援所に防災のプロを育成して配置をしていくことを、再度提言し要望をいたします。

 結びに当たりまして、改めて東日本大震災の被害に合いながらも、懸命に復興を目指し、日夜尽力をされている被災地の方々やそれを支える方々に深い敬意を表したいと思います。

 これまで地震国日本において起きた数々の震災で、ご親族・ご友人を失った方たちの無念を晴らすためにも、その苦すぎる教訓から大いに学び、訓練を通して減災に努め、今まさに首都東京に襲い掛かろうとしている震災から区民を全力で守りきることが、杉並区においての私たちの責務であると信じ、今後ともその努力を惜しむことなく続けていくことを強く要望し、質問を終わらせていただきます。


平成25年第2回定例会 一般質問のご報告「建築士と区政との関わり・ハードとソフトが連携したまちづくり」

2013-06-01 | 議会・一般質問のご報告

5月31日に一般質問で議場に立ちました。

テーマは

「建築士と区政とのかかわりについて・ハードとソフトが連携したまちづくりについて」

動画→平成25年5月31日http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/25-02/250531.htm

質問と答弁の要旨、そして質問の全文を掲載いたします。

 

<要旨>

「建築士と区政とのかかわりについて」

これまで杉並区内で活動してきた建築士団体「東京都建築士事務所協会」「日本建築家協会」「東京建築士会」の3つの会がそれぞれの活動を継続しながら合同で「杉並建築会」として活動を始めることになりました。山本あけみは、バリアフリーや耐震化促進、省エネ住宅・低炭素まちづくり推進、木造密集地解消など防災性向上に関して専門的な高い知見を持つ建築士と区政との連携を進め、区政への貴重な提言を反映させていく事で、杉並区のより一層の安心・安全なまちづくりを目指してまいります。

 

質問1  

まちづくり全般、防災計画、杉並区地域エネルギービジョン実現に向け建築士が大きくかかわることで有益な効果が得られると考えるがいかがか?今後「杉並建築会」との連携によってどの様な有益な効果が期待できるか区の所見は?

答弁1(区長)  

まちづくりをはじめとする区政の様々な分野で、建築士の皆さんの技術力を区政に活かしていただけることは、意義のあることとであり、今回地域貢献を目的として、杉並区内の建築事務所協会、建築家協会、建築士会の三団体が「杉並建築会」として発足し、それぞれの特徴を活かし、三本の矢の如く連携することで、今まで以上にお力を発揮していただけるものと考えている。まちづくりには、時間がかかり、簡単にできるものではありません。地域には様々なご意見もある中「杉並建築会」として区内で活動している利点を活かし、かつ専門的見地から区民に働きかけをしていただいたり、区と協働して安全なまちづくりなどに貢献していただけることを期待している。

質問2  

これまで建築士など専門家と連携した事業にはどの様なものがあるか、現状を伺う。

答弁2  

まちづくりの分野では都市計画審議会やまちづくり景観審議会の委員としてご審議頂いているほか、区民の自主的なまちづくり活動を支援するため建築士など専門家をまちづくりコンサルタントとして地域へ派遣する制度や建築設計事務所協会に木造建築の耐震診断事業、災害時要援護者の建物防災支援アドバイザーの派遣事業を委託するなど、建築士の持つ高い技術力や専門性を活かした事業を連携して実施。

 

「ハードとソフトが連携したまちづくりについて」

 杉並区では今年度より多心型まちづくりとして6つの地区(荻窪・西荻・阿佐谷・高円寺・西武線沿線・久我山)に担当副参事を置き、地域特性を活かし「まちづくり」や「商店街振興」を進め、商業・業務の活性化、生活利便性向上を計画的に進めています。その進捗と今後の課題を伺いました。

※山本あけみは、久我山地区における東京都事業「放射第5号線」「高井戸公園」整備、そして区事業「玉川上水・放5周辺地区 地区計画」策定により大きく変化をしていくまちづくりを、みどりあふれる省エネ・低炭素まちづくりを目指すなど、より良い方向へ向かう統合的なまちづくりとなるよう、これからも提言してまいります。

動画→本会議録画中継・平成241119http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/24-04/241119.htm

質問1  まちづくり担当の副参事の設置を受けて、現在、どのような体制で、まちづくりを    進めているのか伺う。

答弁1  

まちづくりを進めるうえでの体制について、本年4月以降、まちづくり担当の副参事と地域担当の副参事を中心に、6地区ごとに、都市整備部と区民生活部の関係職員による組織横断のチームを編成し、地域に出向いている。

質問2  

地域に出向く中で、どのようなことをまちづくりの課題として捉えているか伺う。さらに、地域におけるまちづくりの課題を踏まえて、今後6地区においてどの様な道筋でまちづくりを進めていくのか、区の所見を伺う。

答弁2  

6つの地区には、地域が主体となった様々なまちづくりの動きがあります。例えば、久我山地区では、放射5号線の整備や高井戸公園の計画が進みつつある中で、町会や商店会等が一体となった「久我山まちづくりの会」による活動や「ホタル祭り」など、熱心な地域活動がございます。区としてはこうした地域におけるまちづくりの機運の高まりをハードとソフトの両面から支援することにより、地域の個性や特性を活かしたまちの魅力をさらに高めていく事が課題と考える。今後は各地区のチームごとに地域に出向いて収集した情報等を整理し共有するとともに、各地区の個性を踏まえたまちづくりのテーマや目標を設定していく事が必要と考える。

 

<全文>

私は民主・社民クラブの一員として、通告に従い区政一般について質問をさせていただきます。質問項目は、「建築士と区政とのかかわりについて」と「ハードとソフトが連携したまちづくりについて」です。

最初に、「建築士と区政とのかかわり」についてお尋ねいたします。

昨今、当区でも活発に行われている「まちづくり」とは、文字通り「まちをつくる」ことでありますが、現在においてはこの言葉が使われる場合、「まち」は既存のもので、新たに「つくる」ことを指し示す例は少ないと感じられます。建物や道路といったハード面や、歴史文化などのソフト面を、保護・改善する事によって、さらに住みやすいまちとする活動全般を示していると思われます。衰退した地域の復興を目指す再生活動は「地域おこし・まちおこし」とされていますが、明確な定義をせずに、都市開発あるいは地域社会の活性化を含むなど、論じる人によって、様々な文脈で使われている言葉であると言ってよいでしょう。

さて、この「まちづくり」という言葉は1980年代以降からひらがなの「まちづくり」と表記されることが多くなってきました。これまで漢字の表記を使っていた時代にはイコール都市計画であり、体系的・広域的で企業・行政・学識者中心で作り上げていくことに注力が注がれていたのに対し、ひらがなの「まちづくり」を使うようになってからは、より狭い範囲で身辺的・地域的というように変化をしてきました。

それを例えて言うならば、以前は「鳥の目」つまり上空から地上を俯瞰した視点でしたが、住民による「虫の目」、つまり身近な生活の場を生活者の視点で考えていくことに主眼が置かれるようになりました。

杉並区におけるまちづくりの実例と思われる地区計画においては、今から30年前の1983年に告示された「蚕糸試験場跡地周辺地区 地区計画」があります。1980年から調査が始まったこの計画では・不燃化の促進・ブロック塀改修・生垣化などの居住環境の整備そして防災上重要な道路の整備が盛り込まれました。それまでの高度成長期のインフラ整備である都市計画に則った整備がひと段落し、次のステージとして住民参加型の虫の目による「まちづくり」の展開が始まり、それ以降も様々な形で住民参加型のまちづくりが今でも継続をしているのです。

まちづくりはソフトに対する理念だけでなく、ハードの部分、つまり建築物を含むまち全体を対象として進められます。ソフトを議論することに関しては特段資格が必要ではないのですが、一方の建築物に関しては建築士の有資格者でしか設計ができないと定められています。建築士は建築物の質の向上に寄与するため、建築士法に拠って国家資格として定められました。「建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう」と定義されています。建築士の中でも一級建築士は国土交通大臣の免許を受け業務を行うものであり、鉄筋コンクリート造から木造まであらゆる工法の建築物を設計し、学校や病院など公共建築物のような複雑・高度な技術を要する建築物を含む、すべての施設の設計および工事監理を行うことができるという大変高い技術と知識を必要とする仕事です。一級建築士の合格率は過去5年間の平均が約10%と、世の中を騒がせた耐震偽装事件以降より一層ハードルの高いものとなり、日夜勉強を積み重ねてやっと取得ができる資格です。試験内容は複雑高度な技術を要する建築物の設計及び工事監理や、二級建築士、木造建築士の指導に携わるのに必要な知識、技術、また職業倫理が問われます。杉並区においてはこういった一級建築士の方々が日常の業務の傍ら、まちづくりへも大きく貢献をしてこられたのではないかと推察いたします。

そこで質問をいたします。

質問1.

これまで建築士など専門家と連携した当区の事業にはどの様なものがあるか、

現状をお伺いいたします。

私も一級建築士には遥か及ばない二級建築士ではありますが、建築士の視点を活かしてこれまでまちづくりに取り組み区政へと提言を続けてまいりました。

そんな中、今春大変喜ばしいニュースが私の元へと届きました。

これまで区内で活動をしてきた建築士団体である「東京都建築士事務所協会 杉並支部」、「日本建築家協会 関東甲信越支部 杉並地域会」そして「東京建築士会 杉並支部」という3つの会がそれぞれ自身の活動を継続しながらも合同で「杉並建築士会」として活動を始めることになったのです。所属する建築士の方々の中には全国的にも著名な建築家の方や大学の名誉教授もいらっしゃいます。この方々が「杉並」ということで一つにまとまり、まちづくりを含む建築の専門家として杉並のまちを見直し、その解決策を杉並区への提言へとつなげていこうという動きを始めてくれたのです。

 改めて区の直面している課題をみますと、道路や街並みなどハードの部分としてのまちづくり全般や木造密集地帯の解消などの防災計画、そしてわたくしがこれまで建築との深いかかわりを指摘してきました今年度策定の「杉並区地域エネルギービジョン」を地区計画などの手法を使って実現していくためには、建築の専門家としての建築士の視点が欠かせないのではと考えます。

そこで質問をいたします。

質問2.

まちづくり全般・防災計画・杉並地域エネルギービジョン実現に建築士が大きくかかわることで有益な効果が得られると考えるがいかがでしょうか?

また、今後建築士の3会合同の「杉並建築会」と区との連携によって、どの様な有益な効果が期待できるか、区のご所見をお伺いいたします。

今後、杉並の建築士の方々の専門家としての高い知見と、長年住み慣れた杉並に対する熱い思いを、積極的に区の施策へとつなげていくことを要望いたしまして次の質問に移ります。

 

次に、ハードとソフトが連携したまちづくりについてお尋ねいたします。

当区ではこれまでの間、まちづくりや地域コミュニティなど、地域の課題に対して、区のそれぞれの所管課で精力的に取り組んでこられました。しかし、地域の課題と区の所管課が一対一の関係とは限らず、むしろ複数の所管課にかかわる課題が多くあることが浮き彫りとなってきました。

こうした中、区では本年4月に新規事業「多心型まちづくり」として、地域の課題に対して横串をさすよう、都市計画等のハードな施策と、産業振興や文化振興などのソフトな施策とを連動させ、地域の活力や魅力を高めるまちづくりを住民とともに進めていく組織として、荻窪、西荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺の各駅と、西武線沿線3駅および久我山駅周辺の6地区に、まちづくり担当の副参事を設置されました。

「多心型まちづくり」がなぜ必要か、それはこれからの杉並の活力を維持し更なる活性化につなげるためであろうと理解をしております。

杉並の都市形成を振り返ってみますと、JR中央線荻窪駅より東、つまり阿佐ヶ谷高円寺は1925年時点という大変早い段階で既に人々が居住をはじめ、市街化した結果、区画整理などの基盤整備のタイミングを失ったと考えられます。結果として木造密集地と言われる防災性に課題を多く含む地域が作り出されました。その後、早稲田通り以南から区部中央と東に関しては1940年までに、それに続き、早稲田通り以北、区部南西部においては1960年ごろまでに市街化が進んだといわれています。

私が住む久我山は杉並区の中でも最も遅く市街化が進んだ地域ではありますが、以前の農道がそのまま生活道路として使われている。 

「多心型まちづくり」では、すでにまちづくり担当の副参事を中心に、各地域に出向きつつあるということで、地域の方からは新たな取り組みに対する期待も高まっていると聞きます。 

そこで質問をいたします。

質問3

まちづくりの担当の副参事の設置を受けて、現在、どのような体制で、まちづくりを進めているのかを伺う。

そこで質問をいたします。

質問4

また、これまでに地域に出向く中で、どのようなことをまちづくりの課題として捉えているか伺う。さらに、地域におけるまちづくりの課題を踏まえて、今後、6地区において、具体的にどのような道筋でまちづくりを進めていくのか、区の所見を伺う。

昨年の決算特別委員会に置いて、流山市における戦略的に緑を増やし、まちのブランド価値を上げ、市場価値を生み出し、それが引いては低炭素のまちづくりにつながる、という提言をさせていただきました。新規に開拓をしていくまちはコンセプトによって方向性をつけることが容易と思われます。これからの課題は、杉並区のように市街化が進み、成熟した住宅都市が今後どのように変化を遂げていくことになるのか。その行く末を注視している研究者の多くいることでしょう。一つの方向性だけを追うことなく、あらゆる情報を収集し、それえを集約して今後の杉並区を再び作り直していく、その志をもってこそ、次世代へ残していけるまちづくりができるといえると考え、それを実現できる杉並区であってほしいと強く要望いたしまして、わたくしの質問を終わります。

 



平成25年第1定例会 一般質問のご報告「「中学生海外留学・保育園と学童クラブの待機児童対策について」」

2013-02-16 | 議会・一般質問のご報告

2月15日に一般質問で議場に立ちました。

テーマは

「中学生海外留学について」、

「保育園と学童クラブの待機児童対策について」

動画→平成25年度第一定例会一般質問2月15日http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/25-01/250215.htm

質問と答弁の要旨、そして質問の全文を掲載いたします。

<要旨>

「中学生海外留学について」

昨年来、これからの日本を担う子ども達の区立小中学校の教育について、様々な視点で質問と提言をしてきました。特に国際理解教育や教師が見識を広めるための海外先進地域への教育視察・派遣研修の推進をしてきたところ、「中学生海外留学」事業新設という大きな成果へとつながりました。今回はその概要等の質問をしました。

質問1

中学生のオーストラリア留学についての目的や交流の内容等概要は?

答弁1

 海外における生活や現地の方との国際交流などの直接体験を通して豊かな人間性を培い、国際社会において「夢に向かい、志をもって自らの道を拓く」ために必要な資質の形成を目指す。本年10月中の13日間、友好都市であるオーストラリア・ウイロビー市に中学生を派遣し、ホームステイをしながら現地校での授業参加、教育施設等の訪問、自主研究などの活動を予定。派遣する15名の選考基準や方法は今後検討。趣旨や目的を十分理解し、積極的に英語でコミュニケーションを図り、留学した成果を様々な形で還元することを期待できる者などを派遣したい考え。

質問2

区の国際理解教育の進むべき方向性は?

答弁2

 中学生の海外留学事業を含め、各学校では小学校外国語活動、中学校外国語科での外国人講師との関わりや総合的な学習の時間においての異文化理解、他国の人々とのコミュニケーションを通してその大切さを学んでいる。今後とも、豊かな人間性や国際感覚の基盤を培い、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てることなど推進に努める。

 

「保育園と学童クラブの待機児童対策について」

 厳しい社会情勢下、保育園とそれに続く学童クラブ申込者数が毎年増加しており、認可保育園等増設や、学童クラブの量・質の向上を望む区民皆様のお声を届け、整備の方向性を問いました。それらを受けて、区では今定例会中に保育重要に対して「待機児童対策緊急推進プラン」を策定しまた。田中良杉並区長は、この問題は大都市の自治体共通であり、国や東京都など広域的な支援が必要とし、都と連携をして国に対し重点的支援を働きかけていくとしています。また、子ども子育て関連3法の本格施行後は、学童クラブは小学校6年生までを受け入れることになることから、量・質の確保に向け抜本的な取り組みが必要と考えています。

質問1

これまでの保育定員増の取り組みの総括は?認可保育園の申込者増加傾向が続いているが、待機児童対策の取り組みは?

答弁1

民間の力を活かした認可保育園整備や、貴重な社会的資源である私立幼稚園の認定こども園化に向けた支援策など総合的な推進に着実に取り組む。

質問2

学童クラブの入会児童数の推移と整備は?小学校の校舎や敷地内への整備を基本としていくのか?地域別の需要に応じた一層の整備が必要と考えるがいかがか?

答弁2

平成9年以降増加傾向、この5年間で約200名の増。第2学童クラブの新設や小学校の改築修繕時における移設などで定員増を図ってきた。行き帰りの安全面などから保護者の要望が多く、効率的・効果的な施設整備を図る観点から教育委員会とも連携していく。

 

<全文>

 わたくしは、民主社民クラブの一員として、区政一般について質問をさせていただきます。質問項目は、

「中学生海外留学について」「保育園と学童クラブの待機児童対策について」です。

今年度の当区の予算は「次世代に夢と希望を拓く予算」と位置付けられました。これは、杉並の子ども達の健やかで力強い成長を望んでいるわたくしにとりまして、大変心強い行動指針であります。

「厳しい社会環境の中にあっても杉並の子どもや若者たちが夢や希望を見出し、その実現に向かって社会の様々な場面で生き生きと活躍することが地域社会全体の活力に繋がって行く。」という考えに、大きく共感をするところです。

まずもって大きな期待を持ち、そしてこの様な方向性を打ち出してくださった事に深い深い感謝を申し上げます。

 さて、最初に「中学生海外留学」についてお伺いをいたします。

 わたくしは昨年度の第1回定例会の一般質問で、「長引く景気低迷や人口減少による国内需要の低迷は、経済活動において、より一層のグローバル化を求めることになるにもかかわらず、海外への留学者数減少などに見られるような国民の内向き思考が一層進み、この先経済発展を遂げられず日本全体が萎縮していくのではないかという懸念が生まれてくる。」と訴えました。

 そしてまずは指導者である教師の資質向上を目指すという思いを込めて、教師が教育についての見識を広める目的に行う海外の友好都市や先進地域への教育視察・研修派遣について今後の方向性を問いました。

そして第3回定例会の一般質問ではそれに引き続き、渋谷区で小学校5、6年生の児童のフィンランド派遣が実施されたことをご紹介した上で、「杉並区の児童・生徒の海外派遣のねらいと、これまでの実施状況及び今後の方向性について」の質問をしたところ、「今後については、これまで実施してきたオーストラリアのウィロビー市や韓国の瑞草区との中高生交流、台湾への野球交流の成果等を踏まえながら、各学校の国際理解教育の充実に努める」とのご答弁をいただきました。

これらの質問をした大きな目的は、次世代の担い手である全ての児童生徒が各ご家庭の経済的な環境に左右されることなく、等しく「国際理解教育」や「グローバル教育」の機会を得ることが出来るような社会であって欲しい、そしてそれを推進していける杉並区であって欲しいという思いからでした。

 平成25年度の当初予算(案)の事業概要には、次世代育成基金の活用の中に、中学生海外留学事業として、国際感覚の基盤を培うために、オーストラリア・ウィロビー市に短期留学生として中学生を派遣し、交流などの直接体験を実施する、と書かれております。これは画期的な施策であり、杉並区でこれから育って行く次世代の育成にとっては大変有意義なものであると考ます。

そこで質問をいたします。

Q1

来年度予定している中学生のオーストラリアへの留学についての目的や交流の内容等その概要についてお尋ねいたします。

昨今の次世代を取り巻く環境を考えてみますと、大変ショッキングな事象も報告されています。

子育て世代内の所得において、保護者の雇用形態が正規か非正規かによって大きく格差が広がって行っており、その格差が固定化し教育の格差を生み連鎖をしていくことが、いまや既成概念になりつつあるということ。

世界を見渡してみても、国連児童基金がまとめた報告書によると、日本の子どもの貧困率は14.9%で、先進35カ国の悪い方から9番目の27位という下位であること。

その様な状況下であっても子育て費用はデフレの影響を大きくは受けることなく、内閣府による平成21年度「インターネットによる子育て費用の調査」では、衣類や食事、生活用品費・教育費などを含む年間子育て費用総額が中学生では平均して155万円という結果が発表されており、「学校外教育費」に至っては中学3年生で

年間約36 万円となるなど、負担の大きさに改めて驚かされる思いです。このような状況では、海外留学などは一部のご家庭でしか実現できないでしょう。

また、親の負担もさることながら、これから予想される次世代が直面していくであろう大きな負担があります。 それは少子高齢化が予測通り進行し、現役世代が高齢者の社会保障費を支えていくという、現行の制度が継続するとするならば、

2000年は7人で2人の高齢者を支えていたものが2050年には一人で一人を支えるという肩車型になっていくという予測があるというものです。これはおよそ10年後に生まれてくる世代、つまり私の孫にあたるくらいの世代が、学生生活を終え就労する頃には高齢者ひとりを肩車をしなければならなくなるということです。

つまり、その世代は現在よりも一人ひとりがあらゆる手段を使ってでも力をつけ、生産性を数倍にも上げていくことができなければ、現在のような社会保障及び自身の生活水準は維持出来なくなってくるということだと言えるのではないでしょうか。

 さて、現在海外留学先として決定をしているオーストラリア・ウイロビー市は大都市シドニーの北部にあり、杉並区と比較的環境が似ている住宅地と聞きます。市のホームページを拝読しますと、低木林を歩く自然散策であるブッシュウォークや先住民族アボリジニの人々の独特の文化を理解するためのプログラムも用意されているとあります。オーストラリアでは日本語教育に重点がおかれ、高校卒業時にはおよそ5人に1人が日本語の学習をしていること、また、参政権は18歳であり、義務投票制度で罰金が科せられることもあることから投票率は100%近くという国において、同じ中学生であってもおよそ3年後には投票行動をしなければならないという立場の違いを実体験を通して知るなど、海外留学を通して異文化を知りコミュニケーションを重ねることには大変大きな意義があると考えます。

 それに加えて私は、区内中学生全てに留学制度の門戸が開かれていくことで「自分はオーストラリア留学を検討できる対象者である。」という意識を持つ事がきっかけで自分の日ごろの生活圏を超えて興味を持つ範囲が広がった結果活力へと繋がって行く、ということが最も大きな成果となってくるのではないかと考えます。

そこで質問を致します。

Q2

この海外留学事業の今後の見通しを含め、今後の区の国際理解教育の進むべき

方向性についてお伺い致します。

「中学生海外留学」事業は、まさしく私が昨年来、質問と提案を重ねてきた目的や方向性に合致するものと考え、改めてこの事業をはじめられる事を決意した当区に対して大きな感謝の気持ちを表したいと思います。そしてこれまで友好都市選定や交流事業に尽力をされてきた議員、そして区職員の方々のご努力にも、重ねて感謝を申し上げます。

 この事業の円滑な滑り出しを願い、今後継続していくことにより成果を積み重ねて行かれることを切に願ってこの質問を終わります。

次に「保育園と学童クラブの待機児童対策について」お尋ねいたします。

 当区が昨年10月に行った第44回杉並区区民意向調査における18歳未満の子どもがいる区民への子育ての質問に対して、「地域や社会に『支えられている』」という意識を持っている区民が7割を超え、また、「地域の子育て支援サービス等が利用しやすい」と感じている区民が6割近くに達するなど、当区の子育て支援に対する区民の評価は極めて高いと考えます。

 そのサービスの中でも保育園は、保護者が就労をするためには欠かす事が出来ない重要なものの一つであり、当区が掲げる待機児童対策における、認可保育園の増設の方向性は、子どもの保育環境のレベルを一定以上に保つ事を第一に考え、自治体として責任を持って保育行政を担って行くという、大変心強い、安心感の持てるものであると考えています。

 認可保育園の申込者数が平成22年度の1,936人から今年度の2,968人になるという、毎年増加がありながらも、昨年4月現在では待機児童数が52人という数であったということは、区が一丸となって待機児童対策に取り組んでこられた大きな成果であると考えます。今後は待機児童ゼロに向けてのより一層の努力を望むところです。   

 昨今の厳しい経済情勢により、子育て世代においても年収が下がる傾向は未だ改善が見られない中、経済的な理由により子育て中でありながらも共働きの就労を望むご家庭、また、男性も女性も意欲に応じてあらゆる分野で活躍する社会の実現を望む声の増加から女性の社会進出も進み、保育需要は今後も増していくことが予想されます。

そこで質問を致します。

Q3

こういった背景の下、近年急増する保育ニーズに、スピード感を持って対応する必要があったと考えますが、区はこの間の保育定員増の取り組みをどのように総括しているのか所見をお伺いいたします。

Q4

また、先月区は本年4月入所の認可保育所の申込状況を公表していますが、昨年比で約400名増の2,968名の申込者数であり、5年前からすると2倍強という伸び率となっています。認可保育所の申込者数の増加傾向は毎年続いていますが、このことを区はどの様に受け止めているのか、所見をお伺いいたします。

 これまでの経緯を踏まえて、田中区長が昨年策定した総合計画・実行計画で認可保育園の計画的な増設を打ち出したことの意義は大きいと考えています。

昨年8月には戦後最大の保育制度の改革とも言われる、子ども・子育て関連3法が成立しました。引き続き、保育需要の予測を的確に行った上でその結果を踏まえ、今後は公立のみにとらわれず、これまで通り子どもの保育環境のレベルを一定以上に保つ事を第一に考えた上で、私立の認可保育所を核とした必要な保育施設の整備計画を検討していくべきと考えます。

 また、区内には認可保育所とは別に長年に渡り指導実績の有る多くの私立幼稚園が存在しています。私は、こうした社会資源を活かして、私立幼稚園の認定こども園化の推進等を併せて図っていくことも重要と考えます。

 もとより幼稚園と保育所いう制度で運用をしてきたのは保護者の就労形態による差異を制度に置き換え、教育と福祉という違う分野としてこれまで継続してきたという、もっぱら大人側の都合であり、子どもの健全な育ちを第一に考えてきた結果とは思えません。教育と福祉という0歳から5歳までの乳幼児期の生育環境の違いが子どもの育ちに差異を生み、その後も顕著に影響をしていくことが、もしあるとするならば、「次世代に夢と希望を拓く」という当区の本年度予算の基本的な方向性とは合致しないのではないでしょうか?

 子ども一人ひとりの育ちを最も重要と考え、出来る限りの支援策を杉並区として取り組んでいく方向性を今後とも強く打ち出していってもらいたいと考えます。

Q5

区の今後の取り組みに関する所見を伺ってこの項の質問を終わります。

 

次に学童クラブについてお尋ねをいたします。

 学童クラブは子どもたちの安心・安全な放課後の居場所として大きな役割をはたしており、保護者の期待も大きいものがあります。近年では、認可保育園申込者数の増加を見ても予測できる通り学童クラブの入会児童も増えていると聞いています。

そこで質問を致します。

Q6

近年の学童クラブの入会児童数はどのように推移しているのでしょうか。

また、それを踏まえて学童クラブの整備をどのように図ってきたのか、併せてお伺いいたします。

 

 当区では、この間、学童クラブの需要増に対応するため、計画的な整備を進めてきました。現在の学童クラブの大多数は児童館に併設されていますが、最近では

小学校の校舎改築の機会をとらえて増設を図っている例が、多くあると伺っております。児童の移動による負担が少なくなり、また、これまでの分離型では特別支援学級の児童が一人で移動が出来ない場合には短時間であってもその為の別の支援が必要となるなど保護者の負担が大きかったことからすると望ましい方向性であると考えます。

Q7

今後の学童クラブの整備にあたり、小学校の校舎や敷地内への整備を基本としていくお考えであるのか、区のご所見をお伺いいたします。

 

 子ども・子育て関連3法では、この学童クラブの入会対象を小学生全学年に拡大することが謳われており、従来からある乳幼児の保育需要の増による影響に加えて、今後の学童クラブ需要増の要素となってくると思われます。

Q8

これらの状況を踏まえ、地域別の需要に応じた学童クラブの一層の整備を進めていく必要があると考えますが、今後当区として、どの様に取り組んでいこうとしているのか、ご所見をお伺いいたします。

 わたくしの元へは区議になる以前から、地域の学童クラブに通う保護者から入会児童数の増に伴う、施設の安全性や、立地の利便性などに対する相談が寄せられて来ました。保育園は認可と認可外という運営基準が明確で、比較的利用者からも

整備状況が判りやすいのに対して、学童クラブの整備はこれまで自治体の努力義務とされてきており、整備にあたっての設備や運営の基準もあいまいな部分がありました。

 厚生労働省では、2007年に学童クラブの施設や運営について「ガイドライン」を策定しており、その中では、対象児童が原則小学校1年から3年であることや、

児童1人あたり生活スペースは1.65平方メートルとすること、定員は最大70人とすることなどが示されていますが、あくまでも、望ましいという考え方として示されているものになっています。

 子ども・子育て関連3法の本格施行に向けて、こうした「ガイドライン」の一部が、今後基準として明確になり、利用者にも判りやすいものになっていくとは思いますが、共働きなどで日中保護者がいない留守家庭の小学生を預かり、健全育成を図るという目的から見て、単に居場所を確保するということではなく、地域の需要に応じた整備を進めることはもとより、子どもたちの心の拠りどころとなるような安心・安全に過ごせる生活の場として、学童クラブの運営がより良いものになっていくよう、区として今後とも十分取り組みを進めて行くよう望むところです。 

 「次世代に夢と希望を拓く予算」という来年度の予算編成の行動指針を具現化し、一つ一つの施策に落とし込み実現をしていく、これは予想をはるかに超える努力が必要になることでしょう。しかしながら、これに正面に据えて取り組んで行こうとする区の姿勢に大いに期待をしております。

 杉並区で育まれていく次世代の力強い成長を楽しみにしながら、一議員としてもその推進に尽力していくことをお誓い申し上げ、質問を終わらせていただきます。


平成23年第2回定例会一般質問 6/14 「杉並区内の公園施策について」全文掲載

2011-06-14 | 議会・一般質問のご報告

「杉並区内の公園施策について」

◆二十一番(山本あけみ議員) 

私は、民主・社民クラブの一員として、杉並区内の公園施策についてお尋ねいたします。


 杉並区では、昨年の七月に新たに田中区長を迎え入れられ、新体制のもと、五十四万区民が住む杉並区を、質の高い住宅都市杉並に向けて、だれもが健やかに豊かにという基本理念を大きく掲げられています。また、本年は、今後の十年を展望した新たな基本構想、総合計画を策定するという極めて重要な一年となっております。


 平成二十三年度の区政経営計画書に記された予算の概要でもわかるとおり、その配分は、大きく福祉・医療、教育、そしてまちづくりの三項目に分けられております。まちづくりの内容においては、国・都・区まちづくり連絡会の設置を掲げ、これまでのいわゆる縦割り行政による弊害をできるだけ排除し、杉並区内にあるすべての公有地の有効活用を図ることも大きく掲げられております。


 私は、世田谷区から杉並区久我山に転居してからおよそ八年がたちますが、みどり豊かで、住民の方々が平穏に暮らしていらっしゃる、大変よい地域だと感じております。


 その久我山駅の南側には、大きなグラウンドが三つあります。旧NHK富士見ケ丘運動場、王子製紙、そして国立印刷局のグラウンドです。この三つのグラウンドを中心とした一帯は、昭和三十二年に都市計画高井戸公園として、大きさは約十七ヘクタール、およそ日比谷公園と同じぐらいの大きさの公園の計画が東京都により決定されましたが、およそ半世紀を過ぎた現在においても、計画地のまま、実行へと移されるという朗報を聞くことはできません。


 この公園予定地の主要部分を占める旧NHK富士見ケ丘運動場は、平成十八年三月三十一日、近隣住民に何の説明もないまま突如として閉鎖となりました。そして一時期、グラウンドは管理をされることなく、みどり豊かだったはずのグラウンドの手入れをされなかった芝生は、あっという間に荒れ地に変わりました。


 そんな中、心ある住民の方々が連携をとり、賛同団体を募り、署名を集め、このNHKグラウンドを杉並区の管理により区民へと開放するという道筋をつけ、また杉並区に対して、早期の都市計画高井戸公園の実現及び広域避難所確保に向けての請願書を提出してくれました。この住民運動にお一人お一人が貴重な時間を割き、現在の杉並区による旧NHKグラウンドの開放へと導いてくれたことに関しては、一区民として大変ありがたく思い、また、私利私欲を捨て地域のために活動してこられたことに関しては、大変尊敬をしている次第であります。


 そして平成十九年三月には、杉並区の管理のもと、遊び場一〇二番として区民に開放され、大きなグラウンドには、平日、休日ともに、スポーツの練習として、また憩いの場として、多数の区民により利用されております。
 残り二つのグラウンドのうちの一つ、現在は国立印刷局のグラウンドも、杉並区のご尽力により、区民に開放されるべく準備が進んでおり、テニスコート四面と野球場二面の開放が予定されております。


 一方で、この都市計画高井戸公園の南側に隣接する形で、現在、東京都により放射第五号道路の予定地の土地買収が進んでおります。つい先日になりますが、六月十一日に近隣住民のポストには、東京都市計画道路幹線街路放射第五号線三建・放五ニュースが配布されました。内容は、久我山駅から南に岩通通りを進んだ位置にある、岩崎橋付近の道路構造についての意向調査を実施した結果のお知らせであります。調査対象は放射第五号道路に接するお宅で、東京都の職員が戸別に訪問をし、調査数二百八十一名、そのうち回答数百六十六名、回答率五九%の調査結果となっております。


 意向調査とは、平成十九年に地域の関係者を委員とした放射第五号線事業推進のための検討協議会から提言をされた、整備に当たっては、放五を岩通通りと立体交差させる一部トンネル案を基本的な道路構造とし、留意事項に十分配慮して事業を実施することという事項をもとに、一部トンネル案の趣旨及び留意事項のうち、掘り割り部やトンネル部の土地の有効利用に影響を及ぼすこと、またトンネル開口部付近で排
気ガスが増加することの二項目について、沿道関係者の皆様に資料や模型を持参し説明をさせていただいた上で、調査をした内容となっております。
 今後、この調査を踏まえての東京都としての道路構造の提案が杉並区に対してある予定となっており、この道路事業に関して、大変重要な段階を迎えております。杉並区においては、この段階において、ぜひ久我山以外にも、富士見丘、高井戸住民の環境に関するご意見にも配慮していく方針を再度打ち出していただきたいと考えております。


 そして東京都には、国の史跡である玉川上水の保全にも努め、環境庁の絶滅危惧種レッドリストにも多数登録されている動植物が生息する、現在の生態系を壊さない配慮を最大限していくことも求められており、杉並区としても熟慮をいただきたい部分と考えております。


 さて、前述の旧NHKグラウンドの区民への開放のための住民運動と前後して、私、山本あけみは、近隣のメンバーと新しいグループを立ち上げ、久我山緑の散歩道という杉並区のまちづくり団体として登録をして、助成金をいただきながら活動を開始いたしました。メンバーの平均年齢は四十歳代半ば、それぞれが仕事に従事をする中で、自由闊達な意見を尊重し合いながらの活動の開始でありました。目的は、久我山にある三つのグラウンドを早期に都市計画高井戸公園として整備をしてもらう。また、この公園に隣接して、東京都により計画が進んでいる放射第五号道路の構造と緑地帯の整備を、久我山のよさを生かしていったものにしてもらうというものです。


 これまでは、住民グループとして、東京都知事、そして杉並区長へと要請を重ねてまいりました。この目的は、言いかえると、久我山という地域に予定をされている東京都による公共事業、すなわち、都市計画高井戸公園と放射第五号道路の事業を、従来の、東京都の中の公園と道路という縦割りの行政の中で別々に進行していく事業ではなく、久我山という同じ地域の隣り合う事業として、これからの環境共生型の公共事業のあり方を提言できるような、よりよい方向性を見出していける可能性があるということでございます。
 そして、まちづくり団体・久我山緑の散歩道では、一つの構想を掲げ、これまで東京都や杉並区へと提案をしてまいりました。
 議長、ボードを提示してもよろしいでしょうか。

 

○議長(藤本なおや議員) はい、どうぞ。

◆二十一番(山本あけみ議員) 

これが東京都と杉並区へと提案をするために作成をした模式図と写真のボードです。ぜひ区議の皆様にもごらんいただきたいと思いまして、本日持参をさせていただきました。
 この井の頭・久我山緑のパークウエイ構想とは、ボード左上にある、桜の名所として名高い都立井の頭恩賜公園と、ボード右下にある都市計画高井戸公園を、上部の緑のラインで表示をしております。現在既にある、井の頭線に沿って流れている神田川の桜を中心とした緑地帯、ボード下に緑のラインで表示してあります。もう一方は、平成十五年に国の史跡として指定をされ、三百五十年以上前に江戸に水を送るための土木技術の高さが認められた玉川上水の武蔵野の面影が残る緑地帯により結び、自治体をまたいでパークウエーを整備していくことにより、手すりや道路舗装の統一、緑化を目指し、ジョギングや散歩等、都会にありながらも人々の暮らしに身近な憩いの場を創出することを目的としております。


 この構想をごらんいただければ、二つの隣り合う事業を一体で進めていくことにより、設計料や整備費用を抑制し、利便性やデザイン性においては、トータルに一層充実した事業をしていくことができるということを容易に想像してもらえるのではないかと確信しております。
 杉並区のまちづくり団体・久我山緑の散歩道では、ブログ形式のホームページにおいて情報発信を続けておりますが、二〇〇九年三月から二〇一一年六月までの総トータル閲覧数は十三万件、トータル訪問者数は六万人以上を数え、最近においてもアクセス数が伸びている実績からして、区民の、久我山にある都市計画高井戸公園と玉川上水に関する関心の高さがうかがえると考えております。また、これまで区民の方から実名において、井の頭・久我山緑のパークウエイ構想へのご賛同を多数いただいております。
 今後、この井の頭・久我山緑のパークウエイ構想を推進していくためには、都市計画高井戸公園の早期の整備が必要不可欠と考えております。都市計画高井戸公園を実現するための具体策として、現在、東京都の重点公園としての位置づけから優先公園として改め、早期に用地の入手、買収を進め、安定した広域避難場所、そしてみどり豊かな都市公園として、都民要望にこたえられるようにしていくことが不可欠と考えております。


 そこで、都市計画高井戸公園の整備推進にどのように取り組まれているのか、杉並区のご所見をお伺いいたします。
 また、先般の東日本大震災では、多数の被害に遭われた方にお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 その被害の甚大さから、杉並区における防災体制の見直しが求められていることと存じます。東京都立公園においては、現存する都立公園を、防災施設の充実を図ることにより防災公園として位置づけ、東京都の防災上の拠点として、大地震などの災害が発生したとき、生命の保護を第一に、さまざまな活動の拠点としての役割を果たすための防災設備が整備されつつあります。杉並区内にある都立和田堀公園は大規模救出救助活動拠点として、また善福寺川緑地は防災グループとして公園協会が管理運営をしている公園として位置づけられ、既に地元の自治体、消防、警察、町内会などと連携をし、地域と一体となった訓練を行うなど大きく機能をしており、震災から市民を守る貴重な場所として位置づけられております。


 現在、久我山にある三つのグラウンドが都市計画高井戸公園として整備が進んでいけば、防災上はどのような利点があるとお考えか、区のご所見をお伺いいたします。
 次に、既にほかの方からのご質問にもありましたが、再度お尋ねいたします。
 東日本大震災で起きました東京電力の福島原子力発電所での大災害の被災者への補償や、火力発電の燃料費増に充てるため、今後、東京電力は資産の整理を進めていくことが決定をいたしました。東京電力の三月期の決算報告では、過去最大、一兆二千四百七十三億円の赤字を発表いたしました。また、都内のグラウンドなど二十七カ所の福利厚生施設の売却が決まり、資金確保のために保養所などの施設を売却することを発表いたしました。


 杉並区内には、先ほど来出ている神田川沿いの下高井戸二丁目に、東京電力総合グラウンドがあります。これまでは野球場とテニスコートが平日区民に無料で開放されておりましたが、区民のために、今後も安定して使用ができる体制の整備をしていただきたいと思います。
 また、東京都において平成十八年度末に策定した「十年後の東京」で第一の柱に掲げられている、緑と水の回廊で包まれた美しいまち東京の復活に向け、全庁横断型の戦略的組織である緑の都市づくり推進本部を設置し、緑の東京十年プロジェクトを推進しています。この視点からしても、ぜひ神田川沿いにあるこのグラウンドを、宅地化することなく、現存のまま残していくべきと考えております。


 今後、東京電力総合グラウンドを杉並区で取得をする考えはあるのか、区のご所見をお伺いいたします。
 以上三点お伺いいたしまして、私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。

 

○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(田中 良)登壇〕

◎区長(田中良) 山本あけみ議員の一般質問にご答弁申し上げます。
 都市計画高井戸公園の整備推進についてのお尋ねでございますが、区は、東京都に対し、早期の整備着手を働きかけてまいりましたが、それまでの間、できる限り区域内のオープンスペースを保全していくことが重要であると考えております。
 そこで、区は、NHK富士見ケ丘旧運動場の使用貸借協定を平成二十四年三月まで更新延長するとともに、旧国立印刷局久我山運動場につきましても、国からの委託を受け、本年三月から区が管理を行っております。今後、運動場として広く区民が利用できるように再整備を進めてまいります。
 現在、高井戸公園の計画区域には大きな三つの企業グラウンドがございまして、相互に行き来しにくい状態となっておりますけれども、都市計画公園として一体的にそれが整備されれば、災害時の避難もしやすくなって、防災力が大きく高まっていくものと思います。
 平成十八年三月に策定されました都市計画公園・緑地の整備方針は、十カ年計画の折り返し点を迎えておりまして、見直し時期に入っておりますので、この機会に優先整備区域という形で位置づけをされて、一日も早く区民に喜ばれる公園として整備されるよう、引き続き東京都に強く働きかけていきたいと考えております。
 残りの質問につきましては、関係部長よりご答弁申し上げます。

○議長(藤本なおや議員) 政策経営部長。
     〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕

◎政策経営部長(高和弘) 私からは、東京電力総合グラウンドに関するお尋ねにお答えいたします。
 東京電力総合グラウンドは、野球場二面、陸上トラック、屋外テニスコートなどを有する東京電力の福利厚生施設で、野球場と屋外テニスコートなどその一部は、お話のように無料で区民のスポーツ利用に供されてまいりました。このグラウンドは、こうしたスポーツ施設のみならず、防災上の観点、みどり豊かで良好な環境を確保する上でも大切な空間であると考えています。
 区といたしましては、既にご答弁しましたように、地域の皆様や区議会からのご要望を踏まえ、貴重な区民の財産として保全、活用を図っていくため、その取得に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。