先日、新しくなった中央図書館のエレベーターに関して、狭くて利用者に不都合があるのではないか、とのご心配のメールを頂きました。
同様にお考えの方もいらっしゃるかも知れないと思い、お返事をそのままブログにアップさせていただきます。
私は二級建築士で住宅のインテリア設計を20年して来ました。
残念ながら公共空間を設計できる力量はありませんが、区民の方から設計者としてお問い合わせを頂く事があり、都度調べながらお答えをしています。
ご意見やご提言がございましたら、是非お寄せください。
よろしくお願いします。
~~以下、返信です。
〇〇様
いつもお世話になりましてありがとうございます。
中央図書館のエレベーターに関するお問い合わせの件、 お返事が遅くなり申し訳ございません。
ご指摘を踏まえて、改めて中央図書館に行って見て参りました。
確かに、狭くて心配とおっしゃるのも理解できると感じました。
担当課に確認をしたところ、 バリアフリー法に則ってJIS基準を満たしたものにはなっている ようです。
・ドア幅85センチ(基準は80センチ以上)、 エレベーター内幅140センチ、奥行き135センチ
・エレベーターホール150センチ角以上
との事。
個人的な見解ですが、基準は満たしているけれど、 狭く感じる要因として、
1、 エレベーターホールの片側が壁もしくはカウンターになっている。
2、車いすが大型化している。
3、エレベーターのドアにガラス窓が無い。( 記憶違いかも知れません。)
があげられると思います。
詳しくは以下の通りです。
1、 エレベーターホールの片側が壁もしくはカウンターになっている。
◆中央図書館新旧比較表
2、車いすが大型化している。
荷物などを持ち手に掛けているなどで実寸よりも大きくなる。
下記の様な大型車いすでは介助者と同乗すると、 現状の奥行135センチでは13センチしか余裕が無い為、不自由さがあると思います。場合によっては介助者は同乗できず、 階段を使う事になるかも知れません。
◆Amazonで販売している船後議員と同じような型の車いす:
高さ:128センチ、幅:64センチメートル、長さ: 122センチ
◆写真下、船後議員
3、エレベーターのドアにガラス窓が無い。( 記憶違いかも知れません。)
聴覚障がい者配慮が不足しており、圧迫感があります。
中央図書館は改修工事であった為に、 既存を出来るだけ活かして設計がされ、
いくつもの制約があったと思います。
外部空間とのバリアフリーは、相当大きな予算をかけ、
・カフェ内の自動ドア新設
・裏の通用扉に外部のステップとスロープ新設
で解消しましたが、 内部のエレベーターに関しては課題が残っていると思います。
担当課では、 必要があればスタッフにお声がけいただければ補助させていただき ます、との事でした。
公共施設建設の<企画・区民意見聴取・設計・施工> のプロセスを一つ一つ丁寧に行い、完成後に予算の妥当性や使い方、 出来上がりの検証を厳しい目で行う必要があると考えています。
私は、公共施設は質実剛健、 イニシャルコストとランニングコストを考えながら、
抑制的に建て替えをして行く必要があると考えています。
先日、決算特別委員会が終わりましたが、単年度予算に留まり、
公共施設の建て替えによる将来的な負担が見えていないことに危機 感があります。
公共施設は一度作ってしまうと、後戻りが出来づらいからこそ、 十分検討をしながら
丁寧に進めていってもらいたいと考えています。
今後とも、ご意見を頂けます様よろしくお願い申し上げます。
参考にしたホームページ
◆高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準 (国土交通省 )
以上