
5月29日に一般質問で議場に立ちました。
テーマは「ICTを活用した教育について」
※「(仮称)都市計画高井戸公園について」はその1に、「防犯対策について」はその3に掲載。
動画→5月29日http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/vodtop.htm
質問と答弁の要旨、そして質問の全文を掲載いたします。
<要旨>
「ICTを活用した教育について」
質問1
現状、ICT機器は何台くらい区内の学校に配置されているのか。
答弁1
区立小中学校では、これまで、ICTの進展に対応して、機器の配置等を進めてきています。具体的には、昭和63年度から、コンピューター教室に児童・生徒専用に40台のパソコンの配備を進めて以降、平成16年度には、教員の校務処理の為のノート型パソコン約2000台の設置、平成20年度には、授業での活用を進める観点から、普通教室等へのノート型パソコン約1500台の配置を行いました。
更に、昨年度には、全普通科教室に電子黒板機能付きプロジェクターを約850台配置し、いわゆるデジタル教材を用いた授業を行うことにより、子ども達の学びの可能性を拡げるための環境を整備しています。
教育委員会といたしましては、こうしたICT環境の整備状況等を踏まえ、今後、児童・生徒が自ら情報端末を使って、より一層効果的な学習館活動を行うことができるよう、タブレット型パソコンの配備を計画的に進めていく事としてございます。
質問2
ICT機器の教材にはどのようなものがあり、どの程度活用されているのか。またそれを使う教員の研修はどのように行われているのか。
答弁2
現在、ICTを活用した教材といたしましては、子どもたちが使用している教科書の内容をデジタル化し、これまでの教科書では表現できない動画やアニメーション等の情報を含んだ「デジタル教科書」と呼ばれる教材や、子ども一人一人の個別の学習に対応したドリル教材、子どもが自分の考えを表現する事を支援するプレゼンテーションソフトなど、様々なものがございます。これらは、昨年度、全小中学校の普通教室に配置した、電子黒板機能付きプロジェクタと合わせて用いるなど、各学校の実情に応じて、効果的な活用が図られているところです。
また、教員の研修につきましては、教育委員会が行う電子黒板やデジタル教科書の活用に関する一斉研修や、各学校が行う個々の教員の課題や目的に応じた研修などがあり、すべての教員がICTを効果的に活用して、子どもたちの学びの可能性を一層広げていく事ができるよう、引き続き、教育委員会として積極的な支援を図ってまいります。
質問3
ICTを活用した教育を区はどのようにとらえているのか、区の見解を伺う。
特別に支援が必要な子ども向けのICT機器の活用について、今後、どのように捉えているのか。
答弁3
ICTを活用した教育は、子どもの能力や特性に応じた学び、子ども同士が教え合い、高め合う学び、子どもの興味・関心を高める学び等の充実を図るものであり、本区においては、すべての子どもの学びの可能性を拡げる手段として大変有効であるという認識に立って、この間、学校のICT環境の整備に取り組んでまいりました。
特別な支援が必要な子どもに対するICTの活用についても同様であり、ICTは、特別な支援を必要とする子どものさまざまな困難さを克服し、子ども達の可能性を高める有効な手段となっております。これまでに実践を積み重ねてきた教育課題研究等においても、例えば、自分の考えや思いを表現することが苦手な子が、ICTを活用して自信をもってプレゼンテーションすることができた、鉛筆での記述が難しい子が指を使ってタブレットに文字を記入することができたなどの成果が報告されています。
こうしたことから、教育委員会といたしましては、すべての子どもたちが、ICTを活用することによって学びを深め、全人的な発達を促すことができるよう、今後とも、通常学級、特別支援学級、特別支援学校におけるICTを活用した学習環境の整備・充実に努めてまいります。
質問4
ICTばかりに偏り、従来の読み聞かせや読書の習慣などが軽視され、その結果、コミュニケーションが苦手な子どもが育っていくのではといった心配をする声もある。このことについて区の見解を伺う。
答弁4
ICTは子どもの学びの可能性を拡げる大変有効な手段であると認識しています。これを、各教科や単元に応じて、従来の読む、書く、話すなどの学習活動と効果的に組み合わせて使うことにより、一層学習効果を高めてまりいます。こうした教育委員会のICTを活用した教育の基本的な考え方等につきましては、今後、情報等を通して、保護者や学校関係者に周知し、共有を図って参りたいと存じます。
<全文>
次に「ICTを活用した教育について」お尋ねいたします。
わたくしは以前、田中区長が議会において答弁をされた、
「教育は、教育基本法に基づき、公正、中立に行われることが大切であると考え、子どもたち1人1人がその個性と能力を発揮し、生き生きとはぐくみ、成長できることが何より大切なことであるとし、より豊かな教育が行われるよう、教育環境の整備に力を尽くしていきたい。」という考えに深く共感し、強く支持をしておりますし、大変多くの区民からも賛同するご意見をいただいております。
首長とは大きな権限を有し、当然の事ながら政治、歴史、思想などに関し個人の考えがあると思いますが、わたくしは政治的な立場を利用してある特定の考えを教えるのが教育ではなく、例えば、政治とは何か、歴史とは何か、思想とは何かという事を、自ら考え答えを導き出す力を、一人ひとりの子どもたちが持つことを目標とし、その手助けをするのが教育であろうと考え、それを基礎として子どもたちはこれからのグローバル社会をけん引していく力を身に着ける事が出来るとて考えています。
こういった考えを持つ田中区政において、より良い教育環境を目指し、ICTを活用した教育環境の整備に取り組んでおり、大変期待をするところですが、
まず、
Q1.ICTを活用した教育を区はどの様に捉えているのか見解をお尋ねします?
また、
Q2.現状ICT機器は何台くらい区内の小中学校に配置されているのでしょうか?
これまで議会においても「教員のICT活用能力や指導力を高める支援、学校に対する積極的なサポート体制が不可欠」との指摘がありました。確かに従来の教育環境に慣れ親しんだ先生は直ぐにその良さを活かせない方もいらっしゃると思います。
また逆に職場や通常の生活においてICTを十二分に活用してその良さを感じている保護者からは、より一層加速度を増して活用への取組みを求めるご意見もあり、わたくしも要望をする所です。
当区ではこれまで、電子黒板機能つきプロジェクターの設置やタブレットパソコンの導入に着手されていますが、機器だけでなく教材も併せて考えてこそ、本当の充実が図られるものと考えます。
Q3.改めてICT機器の教材にはどのようなものがあり、どの程度活用されているのか?また今後はそれを使う教員の研修が最も重要となってくると思います。研修がどの様に行われているかお尋ねいたします?
また、子ども達は昨今ゲームに熱中しており、スマートフォンの普及によりさらに幼児期からICTの環境に慣れ親しみ多くの時間を費やしているのを見ると、にコンピューターネットワーク上の仮想的空間や人工的な環境の刺激の強さに慣れきってしまうのではないか、という危機感を持つこともあります。
Q4.ICT機器ばかりに偏る事になれば、創造力を育くみ、言語能力を高め、人間関係を豊かにする読み聞かせや読書の習慣などが軽視され、その結果コミュニケーションが苦手な子どが育っていくのではないか、といった心配をするお声を区民の方からいただく事もありますが、区の見解はいかがでしょうか?
また、発達障害などにより、学習に困難を抱える子供たちへの支援においてもICTを効果的に活用した実践に大きな期待が寄せられています。 文部科学省では、平成25年度に「ICTの活用による学習に困難を抱える子供たちに対応した指導の充実に関する調査研究」を実施し、その成果を教員向けのハンドブックとしてまとめたと公表されています。
他にも例えば、東京大学先端科学技術研究センターでは、Diversity, Opportunities, Internetworking and Technology、の略称DO-ITという研究に取り組んでいます。
これは全国から選抜された障害や病気のある中学生/高校生・高卒生/大学生の中から,将来の社会のリーダーとなる人材を養成することを目的としたプログラムです。
障害のある子どもが自分でデジタル機器を使用できるようなプログラムとの事ですが、こういった動きはまだ研究段階であるものの、今後の特別に支援が必要な子どもの教育にとっては、素晴らしい可能性を期待できる大変明るいニュースであると思います。
特に来年4月からは障害者差別解消法が施行され、その際は障害のある子どもにとって必要な合理的配慮の提供が義務付けられる事から、この分野においても一層の発展があることを願っています。
そこで
Q5.特別に支援が必要な子ども向けのICT機器の活用の今後を、どの様に捉えているかお尋ねし、この項を終わります。