京王井の頭線の杉並区内の各駅前を見ると、 駅周辺のまちづくりは必ずしも進んでいるとは思えません。 駅舎は京王帝都電鉄により改良工事がなされ、 富士見ヶ丘駅を最後にバリアフリー化が完成しました。 ただ、一歩駅を出るとそこは従来の段差だらけ、歩道は狭く、 電柱が跋扈しています。 高齢化社会を向かえ、公共交通への期待が高まる中、 久我山駅や富士見ヶ丘駅前にはタクシー寄せもなく、 自家用車を一時的に停車するスペースもありません。 これでは高齢者ばかりか、小さい子供を連れたママ、 そして怪我や病気で元気に歩くことがままならない状態の方は どんな状況であろうとも、歩いて家に帰るしか方法がないのが現状です。 これを踏まえ、久我山駅、富士見ヶ丘駅前に駅前広場を作ること、 私はこれをビジョンとして掲げています。 神田川は国の一級河川、その周りは区道あり、私道あり、また私有地も数多くある中、 駅前広場をつくりには問題が山積しています。 この中で、基礎自治体である杉並区の主導により、 まちづくりの大きな目標として駅前広場を完備していくことが必要と考えます。 山本あけみオフィシャルサイト・ビジョン[まちづくり]
久我山駅を南へ進むと、岩通通りを過ぎた終点に玉川上水があります。
これはおよそ350年前に江戸に玉川の水を引くために
ある兄弟が武蔵野丘陵の尾根伝いに少しずつの水勾配を計算して、
設計をした水路です。
約43キロの水路は沿線に水の豊かさをもたらしました。
当然のことながら当時は機械がない中での手掘りの工事でした。
この玉川上水愛好家は上流から下流までたくさんいらっしゃいます。
しかし、残念ながら、この管理をしている東京都の水道局においては
玉川上水の史跡としての価値を守り続ける一貫した理念を感じることは出来ません。
今の時代にとっては貴重な緑の財産を守っていくのは地域住民でしかありません。
大型幹線道路が通る計画がある久我山の玉川上水のみどりを
どのようにしたら守っていけるのか、地域住民の方との話し合いの中から答えを見つけ出し、
行政へと働きかけをしていきたいと考えています。
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阪神淡路大震災で被災した地区には、私が住宅設計に携わっていた会社の住宅もありました。
その数、3500棟以上。
未曾有の被害をもたらした震災が落ち着くや否や、
その全棟の被害の調査したという報告書を見たことがあります。
木造住宅のツーバイフォー工法の住宅は堅牢さで知られますが、
なんと、あの阪神淡路大震災においてもこの住宅メーカーの建物は全壊ゼロであったといいます。
残念なことに3500余棟のうち、半壊が2棟ありました。
原因はその建物があった場所の直下に活断層があったこと、
もう一棟は建て主のどうしてもという要望に応えて、
社内規定ぎりぎりの判断で内壁を設計してしまったために、
建物に偏心が加わり、
一部の壁に予想以上の被害が出たと言うことでした。
では、他の住宅は?というと、一部外壁にきれつが入ったものの、
被災者の避難場所になるくらいに、
また、継続して住むことが出来るほど被害は軽症だったとのことでした。
この調査結果が出版物として公表されなかったのは、
木造住宅が軒並み倒壊の被害を受けている中、
住宅メーカーだけが良い調査結果を公表して、
震災を利用して宣伝をするようなことを避けようと言う
住宅メーカー同士の紳士協定があったからだと聞きます。
この出来事から私は住宅を設計することの責任の重さ、
いざ被害を受けたときの調査の重要性、
そしてそれを次の震災に備えて防災へと繋げていくことが
いかに重要なことなのかということを学びました。
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私が住宅設計の仕事を始めてから5年後に、阪神淡路大震災が起きました。
未明のニュースから伝えられる被害の大きさはとても信じられないものばかりでした。
同じ仕事をしていた女性の先輩がひとり、廃墟と化した被災地を歩いてまわり、
その大きさを実感してきた話を聞きました。
およそ建物と言う建物が倒壊し、既に撤去をされ、
どこに誰の家があったのかも分からない状態だったものが、
見て歩くうちに、あるとき気が付くと、
そこに人の住む家があったことを教えてくれるものを発見したと言います。
それは、家の周りに植えられた生垣でした
想像も付かない火の猛威にさらされながらも、水を含んだ生垣は生き残ったのです。
思い起こせば、広域避難所として緑豊かな大きなスペースを絶対になくしてはいけない、
その思いを強くしたきっかけとなった出来事でした。
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http://www2.city.suginami.tokyo.jp/guide/guide.asp?n1=80&n2=100&n3=860
上の写真は2005年1月17日に発生した阪神淡路大震災の火事の写真です。
ビル倒壊などにより道路による交通網が寸断され、
消防車が火事の現場にたどり着けず、
火の勢いは衰えるばかりか勢いを増していったと言います。
その延焼をとめたのは緑に囲まれた大きなスペースでした。
上の写真は高速道路の倒壊現場写真です。
朝の早い時間帯であったため、通勤の車がまばらであったことが、
これ以上の被害を防いでくれました。
建物が倒壊し、火事の延焼もあり、死者は6000人を超えました。
この時既に住宅の設計の仕事をしていた私は、
この災害は地震による震災なのか
あるいは備えがなかったために起こった人災なのかわからないといった、
渾然一体となったなんともやり場のない悲しみと恐怖に包まれました。
神戸ポートアイランドに住んでいた叔母はなんとか難を逃れたものの、
その時の恐怖を何度も話してくれました。
杉並区でも、いざ震災が起きたときのことを想定して訓練を重ねていますが、
広域避難所を絶対に守らなければならないとの議論は十分ではないと感じています。
それを示す良い例が、浜田山の三井のグラウンドが民有地であったためにマンション郡に
なってしまったことです。
このグラウンドがなくなってしまったことによって予測される被害は間違いなく人災でしょう。
私が田中区長とともに強力に東京都に実現を求めている、
「都市計画高井戸公園」も地域の広域避難所として
4.2000人もの人が避難をする予定の場所です。
その人を助けるための場所が
マンションになってはいけない、
大型ショッピングセンターになってもいけないのです。
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http://yamamotoakemi.web.fc2.com/vision.html#machi
私は4年ほど前から旧NHKグラウンドの活用計画などについて地域の活動に興味を持ち、
本来あるべき都市計画高井戸公園の実現がどのような形で進むのかを
東京都や杉並区への質問を繰り返し調べてきました。
1年間閉鎖をされ、草が生い茂る旧NHKグラウンドは地域の方々の献身的なご努力によって、
杉並区管理の遊び場として暫定的に開放されることが決まり、現在に至っています。
都市計画高井戸公園は昭和32年(1957年)に都市基幹公園の運動公園として都市計画決定されたものの、
東京都による整備が進まないまま現在に至っています。
その広さは17ヘクタール、久我山にある3つの大きなグラウンド(NHKグラウンド・王子製紙・財務省)と
一部周辺の住宅地、そして京王井の頭線の検車区も含まれています。
この場所は広域避難所としても指定をされており、
避難有効面積は69.800㎡、避難計画人口は48.200人とされています。
(「都市計画・周辺まちづくりグランドデザイン」より)
前区長の下、平成21年3月には杉並区の議会において、
この計画を現在において実行するための指針が示されました。
この報告書(提言)が
「都市計画高井戸公園・周辺まちづくりグランドデザイン」
(都市計画高井戸公園・周辺まちづくりグランドデザイン研究会、
座長 伊藤 滋(早稲田大学特命教授)、委員 丸太頼一(千葉大学名誉教授))
として取りまとめられ、
これをもって杉並区から東京都へ早期の公園の実現に向けての提言がされました。
私は本来あるべき都立公園としての整備をすすめることで、
・みどりの財産を守る
・広域避難所を守る
・スポーツ広場創出
・久我山・富士見が丘商店街の活性化
などを実現することが出来ると考えています。
また、来年度から久我山にある3つのグラウンドの内、
旧NHKグラウンドに続いて国立印刷局のグラウンドも
杉並区の管理により、区民に開放されることが決定されました。
http://www.ball-boy.net/tokyo23-1/1202.html
これまで予約が必要だったこの広大なスペースに、
区民が自由に入って利用することが出来るようになったのです。
田中 良杉並区長の新しい区政の公約にも
この都立高井戸公園の早期整備は盛り込まれていて、
区長と地元の連携の下、実現に向けて大きく動き出しています。
とはいえ、まだ暫定的な形であることは確かで、
早く東京都により都立公園としての事業化の計画が決定しないことには、
これらを達成することは出来ないと考えています。
皆様のご意見をお待ちしております。
yamamoto.akemi1965@gmail.com
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http://yamamotoakemi.web.fc2.com/vision.html#machi
田中 良杉並区長のメッセージ
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/greetings/back_num.asp?id=1
「都市計画高井戸公園・周辺まちづくりグランドデザイン」の議会報告
私がまちづくりビジョンの第一に挙げたのが、「エコシティー杉並構想の推進」です。
これは20年間に渡って携わってきた住宅設計という仕事を通して感じていたことのひとつですが、
生活の基盤となる住宅一軒一軒に「省エネ」を実現するには大変時間が掛かるということ。
家は一度建ててしまうと少なくとも20年くらい、場合によっては60年以上もそのまま使い続けることが可能でしょう。
逆に考えるとその間中、その住宅が持っている省エネ性能を見直す機会は殆ど無いと言えます。
一方、住宅設備の技術開発は目覚しく、年を追うごとに性能が上がっていて、
メーカーごとの競争はより激化しています。
例えばトイレの暖房便座の省エネ性能と言えば、一頃はつけっぱなしだったものが、
それでは無駄と言うことになり、夜間に人が使わない時間帯だけOFFになるようにタイマーが付き、
その数年後には人感センサーが付いて、瞬時にそのときだけのために便座を暖めてくれる、
といった具合に日進月歩の技術開発が続いています。
新築の住宅を建てる機会がある人は地球環境のことを考え、
また住み始めてからの光熱費のランニングコストを考えると「省エネ」を念頭に置いた
住宅作りを進めて行くことは容易なことでしょう。
問題なのは既存の住宅です。
余程壊れてでもしない限りは現在の住宅設備を見直すということはないと思われますが、
これではせっかく世の中にある良い性能のものを検討していく機会が少ないのです。
既存住宅の省エネリフォームのメニューを杉並区で用意をして、
推進をしてはどうでしょうか?
そして、地区毎の省エネの成果をスマートグリッドの手法で定点観測
して、発表・表彰することでより一層の省エネを杉並区として強力に推進することが出来ると考えています。
(スマートグリッド=発電設備から末端の電力機器までを通信網で接続し、自動的に需給調整が可能な電力系統を構築することで電力の需給バランスを最適化しようというもの)
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