先日、杉並区民の方から、就学援助費にPTA会費が含まれない件についてお問い合わせをいただきました。
就学援助とは、自治体が実施主体となり、学校教育法第19条において、「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」とされているものです。
杉並区では小学生の5人に一人、中学生では3人に一人が援助を受けています。
国が定める補助対象品目には、学用品費/体育実技用具費/新入学児童生徒学用品費等/通学用品費/通学費/修学旅行費/校外活動費/医療費/学校給食費/クラブ活動費/生徒会費/PTA会費/卒業アルバム代等/オンライン学習通信費があり、PTA会費も含まれています。https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/05010502/017.htm
一方で、杉並区が定める基準にはPTA会費が含まれないため、何故かというお問い合わせでした。https://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/741/syuugakuenjyo_annnai_kunai0404.pdf
写真:PIXTA
杉並区の様な自治体が主体となり援助(補助)を行う場合の原資は大きく国、都がありますが、その基準に入っていないものを区独自で援助(補助)していく場合には、区の一般財源から独自の判断で行います。
今回お問い合わせのあった就学援助の支給項目は、各自治体において定められていますが、杉並区では原則的に都区財政調整制度(通常基礎自治体の財源とされる税の一部を都が都税として徴収し、都区の協議により、都区間及び特別区間の財政調整を行っている仕組み)に基づいて決めており、この都区財政調整が示す項目にPTA会費が無いため、杉並区でも入れていないのが現状です。
要するに、都が入れていないから、杉並区も入れていない、という事です。
残念ながら杉並区ではPTA会費は児童・生徒の「就学に必要な費用」とまでは言い難いという解釈です。
とは言え、私もPTAの役員として、息子の小学校では防災に関して、中学校では会計をしていた経験からすると、通常の小学校や中学校の生活において、PTAが果たす役割は見守りやイベント開催など、教師や地域の方々とはまた違った、保護者の任意の活動をしている重要な役割がある組織だと考えており、杉並区が言う最低限に必要な就学に必要な費用では無いにしても、共に学ぶ仲間としての活動に参加をするための費用であり、杉並区の独自加算であっても就学援助費で使える項目に入れて行くべきと考えます。
令和3年度 児童・生徒数、学級数一覧(12月1日現在)を見ると、児童数(小学生)は21,748名、生徒数(中学生)は6,855名であり、合わせて約6,500名ほどとなり、仮に2,000円/年のPTA会費を杉並区が負担する場合には、受給率を掛けた推計では、約1,300万円になります。
この金額をPTA会費として区が負担することを、高いと考えるか安いと考えるかはご意見の分かれるところだと思います。
一方で現下のコロナ禍でご家庭の経済状況が悪化しているとすれば、2,000円のPTA会費は決して安い金額ではなく、そのしわ寄せが子どもに行ってしまうのを避ける意味でも、私は区が負担しても良いのでは無いか、と考えています。
これまで、杉並区の担当課には、コロナ禍で影響を受けたご家庭へのきめ細かな対応をするために、就学援助制度が期の途中からでも利用できることを広く告知に努めてほしいと要望してきており、区では、【就学援助は、前年中の所得を基に審査を行いますが、新型コロナウイルス感染症の影響等により家計が急変した世帯の方については、令和4年1月から直近の月までの収入状況を踏まえた審査を行うことができます。】として、HP上に掲載をしてくれています。
https://www.city.suginami.tokyo.jp/news/r0304/1064557.html
その他、ご質問やご要望がございましたら、是非お寄せくださいます様、よろしくお願いします。
yamamoto.akemi1965@gmail.com
自由なのだから、就学援助費にPTA会費が含まれないのは全く問題ありません。