山本あけみ「緑ゆたかな環境を子どもたちへ」

建築士や生活者として、都市計画・公共施設マネジメント・地球温暖化対策・SDGsなど、独自の視点で日々発信

明日(11/18)の議会一般質問と、第38回木曜茶話会休止のお知らせ

2016-11-17 | 議会報告
皆様へ

朝晩の寒さが厳しくなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

杉並区議会第4定例会が昨日から開催されました。
本年度最後の議会となります。

明日、11月18日(金)13時~、午後の2番目で
一般質問をいたします。

質問項目は、以下の通りです。

「公共施設マネジメントについて」

公共施設は主に高度経済成長期の右肩上がりの成長に支えられ、次々と建設されました。それらが一斉に更新の時期を迎えると同時に、少子高齢化、人口減少社会へと突入をして行きます。

今までと同じ数、内容の施設を作り直すのでは財政負担はあまりに大きく、またこれからの行政需要にあって行かない為、新たな時代に即して作り直す必要があると考えています。

  bこれは、全国全ての自治体が直面している課題であり、取り組みの結果しだいでは自治体運営に大きく影響が出てくると考え、区民として、また、私のこれまでの設計に従事してきた経験も基にして、公共施設のあり方を自分なりに捉え直し、今後必要以上に肥大化していく事があるとすれば、次世代に負の遺産を遺すことになる、といった危機感を強く持って質問をいたします。



「中央図書館について」

公共施設マネジメントのモデルケースにもなりうる中央図書館の改修にあたり、これまで「区民意見聴取」、「建物の可能性の追求」、「図書館サービス基本方針の具現化」等を求めて参りましたが、その後の取組をお伺いします。


「放射5号線周辺のまちづくりについて」

 来年度末の完成を目指し、現在久我山1丁目から3丁目にかけて大規模な放5の工事が進んでいます。

 これまで低層住宅が立ち並ぶ閑静な住宅街に幹線道路が通ることとなり、住民の間には計画は知っていたものの、出来あがって来た道路を見て実感が沸くのと同時に、ご自分の生活への影響を考え不安に思われている方も多いと感じており、時宜を捉えて質問を致します。

 

お時間がございましたら、ネット中継もしておりますので、
是非ご覧いただき、お気づきの点ご教授いただけましたら幸いです。


また、毎月開催の通常の木曜茶話会ですが、諸般の都合により、
11月の開催はありません。

次回予定は来年となります。

第39回 1月28日(木)15時~17時 

会場:アクロス テーマ「新年の取り組みについて」


です。また、改めてご案内をさせていただきます。

お時間がございましたら是非お出かけください。

 
時節柄、お体をご自愛ください。
よろしくお願い申し上げます。

杉並区議会議員
山本あけみ


平成27年度決算特別委員会の会派意見開陳に臨みました。

2016-10-17 | 議会報告

去る平成28年10月13日(木)に杉並区議会区民フォーラムみらい会派の代表として、

平成27年度決算特別委員会の意見開陳に臨みました。

長文ですが、全文を掲載させていただきます。


 (以下、全文)

区民フォーラムみらいを代表しまして、

平成27年度杉並区 各会計 歳入歳出決算について、意見を申し述べます。

既に具体的な質疑、要望については決算特別委員会で行っていますので、ここでは簡潔に述べさせていただきます。

 

まず、平成27年度を振り返りますと、この年は第二次世界大戦の敗戦後70年を迎え、私たち日本人にとっては過去の過ちを振り返り、二度と繰り返さないという、決意を新たにするという、大変大きな節目の年でした。

全国各地で平和を祈る式典が催され、終戦の日の正午、高校野球大会の途中で行われた黙とうの時間が、いつにも増して長く感じられました。

 

総務省が発表した前年の10月1日現在、日本総人口は、推計1億2708万余で、

前年比21万余り減りと4年連続の減少。

このうち「戦後生まれ」は1億203万余と、初めて総人口の8割を超えました。


 また、75歳以上の割合が初めて総人口の8人に1人となるなど、少子高齢化が加速化すると同時に戦争体験を語る世代が少なくなっており、風化が危惧されます。

 

9月には安全保障関連法が、憲法解釈や法案の中身に関して国民の理解が進まず、

その様な状態のまま、参議院で議事録が取れないほどの怒号と混乱の中可決されました。

 

国内経済においては、10月安倍総理が「アベノミクスは第2ステージに移る」と宣言、新しい「3本の矢」を発表し、経済最優先で政権の運営に当たるとし「1億総活躍社会」を実現目標としました。

家計消費の低迷により景気は踊り場、足踏み状態と表現されるように、掛け声ほどは景気の回復を実感できない状態が続きました。

 

その他の出来事では大変ショックを受けたイスラム国による邦人殺害、TPP大筋合意、新国立競技場計画見直し、五輪エンブレム白紙撤回、選挙権年齢18歳以上に引き下げ、東日本豪雨で鬼怒川決壊による多くの被害が出たことは、大変痛ましい出来事でした。

一方で、訪日観光客急増で「爆買い」という言葉がニュースを賑わせました。

 

世界や日本を取り巻く様々な出来事に、時には落ち込み、また時には勇気を奮い立たせながらも、会派として一人一人が区政繁栄の為に取り組んできました。

当区は身近な基礎自治体として、規律を重んじ、健全な財政運営に努め、主要諸課題や喫緊の課題である保育園整備や特別養護老人ホームの整備に、鋭意的確に取り組んで来たものと評価を致します。

当会派は、当該年度の決算審査に当たり、

『少子高齢化』社会へのチャレンジ予算の名前の通り、課題解決に向けて前向きに取り組み、5つの重点課題である、

「安全・安心を実感できるまちづくり」 「みどりとにぎわいが創出される環境づくり」

「健康長寿の推進」 「切れ目のない子育て環境づくり」

「共に輝く地方創生に向けた自治体連携の推進」に向け意欲を持ってチャレンジをし、

成果を残すことが出来たか。

また、区民目線で区政をみた場合に、納得の行く行政運営がされているか。

などの視点を持って審査を行ってきました。

 

当該年度における主な成果を、歳出内容を総合計画の5つの目標別に概観致しますと、

 

「災害に強く安全・安心に暮らせるまち」では、

 

震災などの減災対策として木造住宅密集地域での建て替えの積極的な普及啓発に努めて実績を出し、また、防災行政無線のデジタル化整備や防災アプリの配信を実施し、区民への災害情報等の情報提供の仕組みの充実が図られました。また、警察との連携強化や区の安全パトロール、防犯自主団体によるパトロール活動、防犯カメラ増設や区民への啓発活動が実を結び、刑法犯認知件数を最小件数にとどめることが出来ました。

 

「暮らしやすく快適で魅力あるまち」では、

 

大きな課題であった狭あい道路拡幅に踏み込み「杉並区狭あい道路拡幅整備条例」の改正に向けた検討に着手し、果敢に取り組む姿勢が区民にも大きく評価されました。

障がい者や高齢者など誰もが安心して暮らせる良好な住まいの確保を目指し、「杉並区総合的な住まいのあり方に関する審議会」を設置し、区民の付託に答えるべく施策を推進し、また、今や喫緊であり、何層にも課題が折り重なる、空き家等の対策にも総合的に取り組みを進めました。

 

「みどり豊かな環境にやさしいまち」では、

 

杉並区地域エネルギービジョンに基づき、震災救援所に太陽光発電機と蓄電池を設置して機能強化を図り、また低炭素推進の機器の設置助成を行い、住宅の省エネ性能向上や再生可能エネルギー利用機器の普及促進を図りました。

これまでの中学生に加え参加対象を小学生まで拡大し「小中学生環境サミット」として、参加者のグループディスカッションなどを通して身の丈にあった知恵を出し合い、環境配慮行動の推進力となる人材を育んできました。

 また、(仮)下高井戸公園や成田西ふれあい農業公園など、みどり豊かなまちづくりに大きく前進が見られました。

 

「健康長寿と支えあいのまち」では、

 

「くらしのサポートステーション」を開設し、生活自立相談や就労に関してなど区民に寄り添う生活困窮者支援の取り組みを始めました。

「在宅医療地域ケア会議」を全地域で開催し、地域包括ケア推進員の配置と共に地域での医療・介護・生活支援の活動を有機的に横につなぐ施策に取り組み、成果を挙げつつあること。健康作りでは予防に重点を置き、糖尿病重症化予防やがん検診の質の向上、

そして、緩和ケアにも力を入れてきました。

 喫緊の課題である特別養護老人ホームや在宅介護を支える小規模多機能型居宅介護施設の計画的な整備に取り組みました。

 

「人を育み共につながる心豊かなまち」では、

 

保健センター内に子どもセンターを開設し母子保健との連携を図り子育て支援サービスの利用相談や情報提供等を行い、また新たな子育て支援拠点として子ども・子育てプラザ和泉を具体的に検討し、区民の利用のし易さをきめ細かく設計に反映しました。

中学生適応指導教室の区内3箇所目を開設し、通いやすい環境を整備しました。

新たな科学教育事業では、企業団体等と連携し、最先端の科学を、身近な地域施設等で提供する出前型・ネットワーク型の科学教育事業を開始しました。

自治体間連携を充実させ、「交流自治体フォーラム」やすぎなみフェスタなどの機会を通じて、区民に分かりやすく発信をしました。

 

以上、簡単ではありましたが、当該年度の事業を振りかえりました。

 

5つの重点課題に向けての施策設定の的確さを確認し、目標と目的、進捗状況において、また、課題解決へのアプローチにおいても妥当な内容であり、区民目線においても納得が得られる内容である事を確認しました。

 

歳出の執行率は、全体では昨年に引き続き96.1%と高い数値となり、着実に事業が実行されたことを確認しました。

 

これらのことから、平成27年度杉並区 一般会計歳入歳出における事業運営について、適正であったと判断致します。

 

 各保険事業に関わる3つの特別会計の決算状況を見ると、総じて歳入歳出とも増加をしており、一般会計からの繰入金の合計が一般会計歳出の1割を超える金額となっている事には今後とも注視が必要であると考えます。

 

国民健康保険事業においては当区単独の努力だけでは補う事の出来ない構造的な問題を抱え、収納率が7割強にとどまっている事は理解しつつも向上への取り組みを求めるところですが、加えて、地道な方法であっても歳出を抑制できる取り組みを期待する所です。当該年度の事業内容においてはそれぞれの制度趣旨に沿って適切に運用され、妥当なものである事を確認いたしました。

 

基金と区債においてはバランス感覚をもって取り組んでいる事、歳入歳出の構成に関しては義務的経費の構成比もさることながら、決算額増加に注視する必要性を感じるものの、特段大きな問題は認められず、また財政指標を用いた財政状況の判断においても一定程度の弾力性が保たれ、健全な財政運営がなされていると判断致しました。

 

以上の事から、平成27年度杉並区各会計歳入歳出決算について妥当な内容であることを認め、区民フォーラムみらいとして全てを認定いたします。

 

次に、平成29年度杉並区各会計予算の編成および今後の区政運営に際し、特に留意をして頂きたい事項について、わが会派の意見を要望として付します。


「政策経営分野」に関して

 

来年度は「杉並区実行計画」 「協働推進計画」 「行財政改革推進計画」 「区立施設再編整備計画」の改定後の再スタートという節目の年となり、更なる取り組みに期待をするところです。

区民目線で考えると、区の施策は決して縦割りの論理で割り切る事が出来ないと考えています。政策経営という、担当部署とは一歩離れた、広い視点で施策を捉え、一つ一つに実効性が伴うことで、真に区民福祉の向上に繋がっているのかについて、常に留意をお願いします。

また、区立施設再編整備計画はそれ自体が目的では無く、引いては公共施設をマネジメントし、持続可能性のある行財政運営に資することが最終の目標だと考えています。今後の公会計の在り方や社会的背景からくる本事業の必要性などの区民理解が進んでいくよう、今後とも力強い推進を望みます。

また、先行自治体視察や外部の講演会・講習会に参加し、情報を収集し、次の施策に活かして行く事は議員だけに任されている事ではありません。区職員自ら率先して情報収集に努め、課題意識を持ち、解決までの道のりを自ら切り拓き、区政へ反映していく、政策提言能力を上げていく、より一層の取り組みを要望いたします。

区民の生活を預かる立場として、都や国への提言が必要な場合にはそれを集約し、有効な手段を持って要請活動にも力を入れて下さい。

 

「総務分野」に関して

 

監査意見書にもありました通り、山積する行政諸課題に対応していくため、区職員には今後、より多様で高度な能力が求められてまいります。区にはこの重要性を認識して、長時間労働など特定の課や担当者に過度に負担が行く事が無いよう留意し助け合いながら、一人一人の職員が意欲を持って区政に取り組む事が出来る様、勤怠管理や人材の指導育成につとめ、活き活きとした組織づくりを目指して行くよう強く要望いたします。

また、広報専門監による「伝わる広報」への変革が行われています。これにより、区と区民との情報共有化が進み、思いをキャッチボールしながらより良い施策が産み出される様な環境を構築して下さい。

 

「区民生活分野」に関して

 

産業育成に関して、区内にある杉並ならではの産業にも目を向けて下さい。

言うまでもなく、杉並区は住宅都市です。良好な住宅都市を構成するための、一つ一つの住宅建設やリフォームの担い手を育成する事で、災害に強く省エネ性能にも長けた住宅を作り出すことが出来るよう、区内中小建設業の育成など、これまでにはない新たな分野への着手を望みます。また、アートイベントやプレーパーク事業など、協働事業を通して区民の評価を得られている事業に関しては、協働終了後にも継続をして行けるよう事業者と重々協議の上、今後とも推進をして下さい。

「保健福祉分野」に関して

 

 保育園の整備に関して、区長自ら陣頭指揮を執り、認可保育園の増設に取り組んで来られたことで、安心して出産育児と仕事との両立が出来る環境が整いつつあると考えておりますが、手を休めることなく、今後とも時代の要請である保育園整備に向けて取り組みを進めて下さい。

 障がい者施策に関して、区民のお声に耳を傾け、親亡き後の支援の取り組みに着手されたことを大いに評価し、今後とも区有地を活用したグループホームなどの住宅確保や広く障がい特性を踏まえた的確な支援に積極的に取り組んで下さい。

 また、高齢者介護の利用実態を実施し、真に必要な区民に必要なサービスが届くよう、現状を分析の上、何が区民にとって必要なのか、どうすれば課題の解決に到るのかを、もう一度見つめ直し、きめ細かな対応をして下さい。

 

「都市整備分野」に関して

 

 良好な住宅都市形成のために、住民の発意による地区計画などの活動を誘引し、当事者意識を持って自らの地域を作っていく機運を高め、これからの道路整備や木造密集地域の課題解決に向けての一助となる様、区民を巻き込んだ取り組みをお願いしたい。

 また、区内外からも期待が集まる、大規模公園、(仮)都市計画高井戸公園の整備が始まっています。隣接する放射第5号線の完成が来年度末に予定されており、この二つの事業によって大きく変化していく久我山・富士見ヶ丘駅周辺のまちづくりを、大きく俯瞰した視点での取り組みに着手をして下さい。

 

 

「環境分野」に関して

 

 都市整備分野や区民生活分野とも連携し、全国で建設され始めて来ている「低炭素住宅」や「長期優良住宅」など、省エネ性能が極めて高い住宅が区内に増えて行くよう、施策を講じて下さい。

ごみ減量に関しては、23区内で最少ではあるものの、剪定枝の分別処理やごみが出ないような商品を購入するなどの発生抑制の意識などを区民に持ってもらうような取り組みにも着手し、一層の減量を目指して下さい。

 

「教育分野」に関して

 

中央図書館を始めとして地域館などの改築等の取り組みにおいては、区民の知識の源となる様工夫を凝らし、区民が情報・知識を得ることによって成長し、生活を維持していける事、また,人間は文化的な,うるおいのある生活を営む権利を有する、といった公立図書館の責務に応える事が出来るよう、蔵書管理にも最新の注意をしながら、今後とも知恵を絞って下さい。

4年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックに向け、杉並区の子ども達と世界各国の人々との交流を通じて、「世界の発展、国際理解、平和に共存する」というオリンピズムを体現し、この機会を子ども達の成長に結びつけて下さい。

当区では国内外の友好都市との交流やオーストラリアウィロビー市での中学生海外留学の実績があり、また区内和泉にある明治大学の外国人留学生・日本人学生が共に暮らす混在型学生宿舎や阿佐谷にある朝鮮学校、ネパールの学校、そして、区民が持つ世界各国とのコネクションなどが充実しています。これらを活かして来街者を呼び寄せホームステイなど宿泊先を提供し、当区が誇る学校施設や区所有の日本庭園・お茶室などを利用して、顔の見える関係での交流事業を開催出来ると考えます。

東京での開催という貴重な機会を、杉並区ならではの知恵と工夫で、次世代を担う子ども達の為に活かしていただけるよう、区の取り組みを強く要望いたします。

 この他、先日、私ども会派から書面で提出しました会派要望についても、平成29年度予算編成に際し、前向きに検

討される事を重ねて要望いたします。

 

最期になりますが、私たちの会派は、「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場に立ち、同時に未来への責任を果たすため、区民の声を集約して熟議を尽くし、未来志向の政策提言を行ってまいります。共生社会を目ざし、新しい公共を推進していく。また、正義と公正を貫き、地域社会に根ざした活動の中から課題を見出し行動します。広く区民との協働による政策の決定と実行を目指し今後ともより良い区政に向けての提言を今後とも続けて参る事をお誓い申し上げます。

 

結びに当たりまして、決算特別委員会の審議に際し、誠意を持ってご答弁いただきました田中良区長をはじめ、理事者の皆様、資料作成に従事をされた職員の皆様、また、円滑かつ公正公平な委員会運営に尽力いただきました正副委員長に対し、感謝とお礼を申し上げ、区民フォーラムみらいの意見開陳を終わります。


杉並区立中央図書館改修を契機に未来志向の図書館づくりを!

2016-02-14 | 議会報告

皆さまは、杉並区のJR荻窪駅の南側に杉並区立中央図書館をご存知でしょうか。

(中央図書館→https://www.library.city.suginami.tokyo.jp/)

 

建物の設計は黒川紀章さん。ガラスを多用し西に開かれた建物に光を取り込んでいます。

荻窪の閑静な住宅街にありながらも圧迫感を感じない建て方には、街並みを守る姿勢を感じます。

 

築30年以上を経過し、杉並区では区立施設再編計画の中で、平成29年度に設計、翌年に改修工事の予定としています。

(区立施設再編整備計画→http://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/seisaku/gyousei/bumon1/1013498.html)

 

昨年の夏、「ちょっと夫の図書館の話を聞きに来ませんか?」との奥様からの呼びかけで、自称ライブリアンと称する区民の方の図書館にかける思いを聞く機会に恵まれました。

杉並区で図書館協議会の前会長を務められ、杉並区のこれからの図書のあり方をまとめた「図書館サービス基本方針」の取りまとめにご尽力をいただいた方です。最初は気軽に伺わせていただいたのですが、この方のお話を伺う内に、すっかり図書館改革の必要性、将来性に目覚めて行きました。

(図書館サービス基本方針→https://www.library.city.suginami.tokyo.jp/outline/index.html)

その方のご経歴を簡単にご紹介させていただきますと、

「1960年代の初めに都内私立大学で図書館学を学び、卒業後同大学図書館に勤務。その後ハワイ大学に留学、大学院図書館学研究科を修了した。図書館コンピューター化の初源的実験的研究の洗礼を受けて、未来の図書館のカルチャーショックに悩みながら帰国。34年間プロフェッショナル・ライブラリアンとして今では当たり前になった図書館システムの方向を探りながら、日々人びとのために書物を集めて、まとめて、しまっておいて、提供することに努めてきた。

1996年同大学環境情報学部教授に移籍。主に図書館やインターネット空間における知識情報環境整備について研究を進め、日本の古典資料(奈良絵本・絵巻)のデジタルアーカイブの実証実験を行ってきた。

ライブラリアンとして常に新しい図書館創成に腐心すると同時に、同大学の図書館3箇所の建設に企画立案から携わる経験を持つ。絵本に夢中になっていて親戚が営んでいる本屋の平積みの本の上で粗相をしたという3才の時から60余年、書物は人類の知の連鎖を織ってきたという信念を持つ。」

というもので、

お話の中で私が最も興味を持ったのが「常に新しい図書館創成に腐心」という部分でした。とにかくお話が尽きない。初めは緊張していましたが、私にとっては「図書館を創る」という未知の世界に大いに魅力を感じるきっかけとなりました。


一方で、長年住宅の設計に携わってきた経験から、中央図書館の建物の活かし方自体に興味を持ち、区内設計士の仲間と視察と議論を重ね、この建物をもう一度新たな図書館へと創りかえることが十分可能であるという結論に達しました。


「杉並区立中央図書館改修を契機に未来志向の図書館づくりを!」との思いにたち、議会では平成27年第3定例会の一般質問で「中央図書館の改修について」というテーマで質疑を行いました。

(一般質問の様子→

http://suginami.gijiroku.com/voices/CGI/voiweb.exe?ACT=200&KENSAKU=1&SORT=0&KTYP=1,2,3&FBMODE1=SYNONYM&FBMODE2=SYNONYM&KGTP=1,2,3&FYY=2015&FMM=9&FDD=11&TYY=2015&TMM=9&TDD=11&TITL=%95%BD%90%AC%82Q%82V%94N%91%E6%82R%89%F1%92%E8%97%E1%89%EF&NAME=%8ER%96%7B%82%A0%82%AF%82%DD&TITL_SUBT=%95%BD%90%AC%82Q%82V%94N%91%E6%82R%89%F1%92%E8%97%E1%89%EF%81%7C09%8C%8E11%93%FA-16%8D%86&KGNO=1119&FINO=1612&HUID=259536&UNID=K_H270911001664

(区政報告vol.18→http://www.geooctopus.com/ay_pdf/report_2016vol18.pdf)


杉並区の動きを調べていくと、この改修は空調や電気などの老朽化した施設の改修のみの営繕工事を予定していることが分かって来ましたが、せっかくの改修工事を好機と捉え、今後30年にわたって区民が有意義に使って行ける図書館を目指してほしいとの視点に立ちました。


しかしながら、当時は杉並区でその必要性を感じていない状態でした。先ずはどういう図書館を目指すのかといった議論の場を作り、必要な項目を絞っていくといったプロセスへ進めていくのは容易な事ではありません。

第3定例会での一般質問に続き、第4定例会でも議論の場を作ることを要望し、決算特別委員会でも触れ、そして次年度予算に会派要望に重点項目として盛り込み、区庁舎内で数度にわたり要望をして参りました。

私は民主党所属議員を中心とした区民フォーラムみらいという会派に属しています。単独の一個人としての意見に留まらず、会派として要望をする事により、より大きな推進力を持つことが出来ます。今回も当会派の増田裕一幹事長に大いに尽力してていただきました。

 

そして、この期間中には他自治体の図書館に関する先進事例調査を、また、今年度文教委員会副委員長として委員と共に行政視察にも市民意見を反映した図書館事例を視察してきました。また、図書館に興味を持ちご活動をされている団体や個人、地元の住民の方へのヒアリング、建築士との議論を重ねてきました。


これらの活動をまとめ、区に提案するため「杉並ライブラリーの提案~杉並区立中央図書館改修イメージ~」としてイメージコラージュとしてまとめ、副区長宛に区民の方とともに提出をし、区と区民との直接の意見交換の場を作って参りました。

 

これらの活動が功を奏し、来年度(平成28年度)の事業計画の中に、

「中央図書館の改修検討」

教育委員会の付属機関である図書館協議会のほか、区民参加による意見交換会を開催するなど、幅広い区民等の意見を聴きながら、改修設計に向けた検討を進めます。

と載ってきました。区民参画に幅を広げたという点では、大変大きな一歩となりました。 


個人的には既存の公共建築物の省エネ化に大変興味を持っており、中央図書館改修においても、現行のエネルギー消費量の実測値をとりながら、省エネ改修によってどれ位効果が出たのか予測値と実測値を比べるなどにも取り組み、省エネ改修の成功例を作っていってもらいたいと考えています。

これに関しては中央図書館だけに限らず、区内の公共建築物全般に関わることなので、専門家のヒアリングなどを通して今後とも研究していきたい分野です。


来年度にどういった形で区民意見交換会が実施されていくのかはこれからとなりますが、杉並区民の共有の財産である中央図書館が、建て替えではなく改修という制約がありながらも、気軽に本を読みながらお茶を飲めるカフェスペースや立地を活かした展示スペースの活用、読書の森との連続性、そして生涯学習や市民活動、青少年活動の活発な場となり、「新しい図書館創成」を標榜できる素晴らしい改修となるよう、今後も提言を続けて行く予定です。


 


 

 

 


スマートコミュニティ​化先導モデル地区づく​り調査予算決定!

2013-09-18 | 議会報告

写真:JR阿佐ヶ谷駅周辺

今定例会で提出された補正予算に「スマートコミュニティ化先導モデル地区づくり調査予算」が計上されました。

これまで、杉並区地域エネルギービジョンの取り組みの一つである「スマートコミュニティづくりの推進」に向けて、久我山地区周辺における地区計画に併せた既存市街地のスマートコミュニティ化先導モデル地区づくりを区に提案をしてきましたが、これが実りを得ました。

(一般質問の様子→本会議録画中継・平成24年11月19日http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/24-04/241119.htm

今回はこの事業の実現可能性に関する調査予算とのことで、経済産業省からの助成事業が決定をし議会に報告がありました。9,395千円で全額助成です。

新たに森林を開拓し、市街地化が進む都市においては、スマートコミュニティーを目指す自治体が多くなってきましたが、
杉並区のような既存住宅街はその分野では遅れを取りつつあります。
つまり、省エネが進まないまま従来の生活をしている状態が続くのですが、この調査がスマート化のきっかけとなり、モデル地区として成功し、全国に先駆けて先行事例となるよう、
そして、これが区内全体に広がっていく事を願い、今後とも活動を続けていきます!

 

 


平成25年度第3定例会で「区立施設再編」が示されました。

2013-09-16 | 議会報告

 

今定例会で「杉並区区立施設再編整備計画(第一期)(素案)」が示され、9月12日に区議会と区役所側との質疑が行われました。

区には現在、596箇所の施設があり、その多くは人口増加や経済成長を背景に昭和40年代から50年代にかけて整備され、現在はその50%が築30年、約30%は築40年を越えています。今後はこれらの老朽化に伴い次々に更新時期を迎えますが、現在のままの規模を維持するには多大な財政負担となります。

一方で、少子高齢化による人口構造の変化等により、多くの施設で設置当初と現在の利用状況が変化しています。小中一貫校整備、児童館のあり方、ゆうゆう館の利用率など、改めて施設ごとに現状と今後を把握しなおし、区民共通の財産である施設の有効利用をはかる必要があります。

今計画の中の基本方針として

(1)施設設置基準の見直し-7地域の継承と46地区の基準の転換

(2)複合化・多機能化等による効率化の推進

(3)学校施設と学校跡地の有効活用

(4)児童館の再編と子育て支援事業の新たな展開 

(5)ゆうゆう館の再編と地域展開

(6)地域コミュニティ施設の再編 

(7)緊急性の高い施設の優先整備

が掲げられ、

・保育園子供園 ・学校施設 ・児童館学童クラブ ・ゆうゆう館 ・集会施設 ・文化教育施設 ・体育し施設 ・庁舎等 ・障害者施設 ・公共住宅 ・自転車駐車場集積所 ・児童遊園遊び場 ・民営化宿泊施設に関しての方向性と具体的な取り組みが示されました。

保育園や学童クラブのあり方や公共住宅の行く末など、私たちの生活に直結する政策が反映された形で施設の再編整備が進むことになるため、ひとつひとつの施設がどの様に使われ、今後どの様に再編が進むのかは、大変重要です。

また、大げさに言えば54万人区民のほぼ全ての区民に関連する事業となるため、まずは「時代の変化に応じた区民ニーズへの対応を図るため区立施設の計画的な再編が必要。」という大きな目的を区民自身が共有し、理解を深めていくことがまず最初のステップであり、最も重要と考えています。


平成25年度第3定例会で一般質問に望みます。

2013-09-05 | 議会報告

 

長い間、ブログ更新をお休みしてしまいました。久々ですが再開を致します。

 

来週からいよいよ第3定例会が開催されます。

最初は一般質問から始まり、議案の説明、常任と特別委員会、

そして今回は決算特別委員会という、昨年度の予算の使われ方を審議する重要な委員会があり、

その後本会議が再度開会されるという全32日間の長丁場となります。

 

今回の一般質問では「地域防災力について」を取り上げます。

震災が起きたときに地域の救助の核となるべき震災救援所が設置されます。

これまでその訓練の様子を視察してまいりました。

そこで持った疑問点を今回は一般質問として区に問います。


「震災救援所訓練で到達するべき目標が杉並区内において統一されていないのではないか?」、

言い換えると

「地域防災力の地域間格差が顕著に存在し、現状においてはいざ震災が起きた時には地域によって対応力に大きな差が出てくるのではないか?」


一般質問を通して区に提言をし、改善を求めていく。

直ぐには自分の思ったような答弁は出てこないかもしれませんが、

この繰り返しによって少しでも安全・安心なまちづくりを目指していくよう、今後とも活動を続けていきます。

 

一般質問日時

9月9日(月)13時くらいから
ホームページで生中継をご覧いただけます。
http://suginami.gijiroku.com/voices/g07_broadcasting.asp

お近くの方は議場で是非傍聴を、お待ち申し上げます。
※写真は近隣中学校でのAED取り扱い訓練の様子です。


平成25年度 第一回定例会 一般質問の日程が決まりました。

2013-02-13 | 議会報告

明日から平成25年度の第一回定例会が始まります。区議になってから2回目の第一回定例会となりますが、来年度の予算審議がある重要な議会となります。

一般質問は2月15日午後の2番目、13時30分過ぎの予定です。

テーマは「中学生海外留学について」「保育園と学童クラブの待機児童対策について」です。

杉並区の来年度予算に新規事業として「中学生海外留学」が予算にあがってきました。友好都市であるオーストリア・ウイロビー市に区内中学生15人が留学生として派遣される予定です。

昨年の第1回と第3回定例会の一般質問で国際理解教育を推進する立場から、「フィンランドへの教師の研修派遣の推進」や「渋谷区での小学生のフィンランド派遣事業」の話を盛り込んできましたが、その活動が実りを得た思いです。

中学生が区の後押しによって海外へ留学をし、いつもの生活圏から出て異文化を知り、コミュニケーションを通して互いを知るということは、国内においては決して実現出来ない成果を期待することが出来ます。

また、子ども・子育て関連3法の制定により、今後より一層必要となってくる保育園と学童クラブの整備に目を向け、その推進を図ります。

お時間がございましたら是非傍聴にお越しくださいませ。

 


平成24年度 第4定例会での一般質問に臨みます。

2012-11-17 | 議会報告

来週から開催される、杉並区第4定例会における一般質問において、

「放射第5号線と都市計画高井戸公園と低炭素のまちづくりについて」をテーマに

質問をいたします。

 

現在、杉並区久我山では東京都により放射第5号線と都市計画高井戸公園という事業が行われています。

それにプラスをして、今後策定する予定の地区計画の中に、

低炭素のまちづくりを実現できるような方向性を盛り込んでいってもらいたいと考えています。

 

11月19日(月)およそ14時~15時の内30分くらいです。

お時間のある方は是非区役所まで傍聴にいらしてください。

よろしくお願いいたします。


平成23年度の決算特別委員会・途中経過報告です。

2012-09-28 | 議会報告

現在行われている杉並区議会では、

平成23年度の決算が妥当なものかという区議会議員と区担当部局との議論のやり取りが続いています。

私がこれまで行った質問は以下の6点、そして最終日の10月3日の午前中には際下段の項目の質問で締めくくります。

翌、10月4日午前中には意見開陳を行う予定で、初めての会派の代表としての登壇と緊張が続きます。

 

<決算特別委員会での質問と答弁要約>

Q1、SOHO設立による起業の支援について

杉並区でのSOHO設立の支援の事業の目的や内容、進捗は?

A1、平成15年から開始し、9室が待ちが出るほど堅調に推移。

起業支援も手厚く行っている。

 

Q2、すぎなみ地域大学の運営について

目的は?新たな講座は毎年どのように決まってくるのか?

A2、地域活動に必要な知識・技術を学び、仲間を拡げ、区民自らが地域社会に貢献する人材、協働の担い手として活躍するための仕組みで、

新たな講座は担当課と協議の上、杉並区に貢献していく人材の排出を目的とするならば創設を検討していく。

※提案を含めて、大人の発達障害の支援体制として、当事者の会が主催しているような、気づきを通して生活改善を図って行くワークショップの推進役であるファシリテーター養成講座や省エネ住宅の区内普及を目的として、区内建設事業者やリフォーム関連の仕事をしている方向けやこれから省エネ住宅の建設を予定しているだとか、リフォームを検討している一般の区民向けの講座などが考えられると思いますが、こういった講座は可能かを質問し、前向きな答弁をもらいました。

 

Q3、契約制度について

現在の契約に至る案内開始から締め切りまでの期間、言い換えると入札する会社側が積算をする期間が妥当なものか?

A3、法連遵守での運用であり議会承認が必要な案件において発注までの期間からするとギリギリだが、

告示までの案内を10日ほど延長することを検討していく。

※たとえば契約金額が23億円の中学校の建て替え工事で積算期間が23日とあるが、きわめて短期間。この建物を積算するにあたって予想される大きな項目だけを想像しても、基礎工事、本体工事、内外装工事、ガスや水道、電気などの設備工事、トイレ、台所などの住宅設備設置工事、ウインドウトリートメントや置き家具といった広範囲にわたるので、金額に応じた標準的な日数を再検討を要望し、後世に良質な建物を残していくために強く提言をしました。

 

Q4発達障害の相談窓口について

発達障害のライフステージ毎の支援策は?大人の発達障害の相談窓口をわかりやすく区民に提示すべきでは?また、相談内容の集積・分析、また横の連携やその後の区政への反映はどの様にされているか?

A4、就学前、小・中・高までの相談窓口は担当ごとでわかりやすいが、大人の発達障害は就労や生活など、事象ごとの窓口になっておりわかりづらく今後の検討課題。相談内容の集積・分析は今後より一層取り組んでいく。

※大人の発達障害の相談窓口をわかりやすくし、幼児期から一貫して区で支援していく体制作りを推進していきます。

 

Q5、不妊治療支援策について

区内の不妊治療をしている人数などの最近の傾向は?

 不妊について、成人期以前から教育等での啓発や、成人期でも妊娠に関する正しい情報を提供していく事が必要では?

不妊治療の最初のハードルを下げるため、スターターセットのような不妊治療初期の検査の助成をする方法は?

A5、全国的な統計からして、増える傾向にある。講座開設や大学生向けのチラシ作成などで啓発していく。初期の検査助成は検討課題。

 

Q6、ごみ減量について

現在、23区内でトップの排出量を誇る杉並区だが、業者さんからは戸別回収に近い形になっていることへの戸惑いの声もある。また、今後は可燃ごみに含まれる生ごみと生木の水分減少策を講じては?

A6、回収業者さんへは運行距離により費用を算定している。これ以上の排出量抑制へは総量削減のための啓発と、生ごみの水分減少策を講じる必要あり。生木の処理方法は検討課題。

※生ごみと生木はいずれも水分を多く含んだまま収集され、そのまま焼却処分となっています。生ごみを絞ってもらう、生木は乾燥させてから収集するなどのルール作りが必要と考えています。

 

今週の登壇予定。

10月3日(水)午前中「一般会計第57都市整備費・教育費」

◇省エネ住宅促進について

◇荻窪駅周辺まちづくりについて

◇小・中学生の移動教室について

 

以上

 


平成24年 第三定例会がはじまり一般質問が終わりました。

2012-09-06 | 議会報告

昨日から第三定例会がはじまりました。

事後報告ですが、今回の一般質問では「教育について」を取り上げ、

約15分にわたり質問をし、教育委員会から答弁を頂きました。

杉並区でもグローバル化を見据えた教育体制を構築していってほしい、

という願いを込めて。

次世代を担う子供たち、ひとりひとりに力をつけていって欲しい、その仕組みを考えてほしいという問題的です。

正直なところ、今回の答弁の内容には期待が持てるものではなかったのですが、

これからも意を固くして推進していきたいと考えています。

(答弁を含めた区政報告は作成次第アップいたします。)

 

質問全文

 

先の第一定例会の一般質問で、「ガラパゴス化現象」という言葉を

ご紹介致しました。

「技術やサービスなどが日本市場で独自の進化をとげて、世界標準からかけ離れてしまうという現象が起きており、ガラパゴス諸島における、

固有の生物の進化にたとえられている。」

というものです。

 

昨今見られる具体的な事例としては、

・耐震基準が厳しく技術水準は世界トップでありながらもコストが高く

積極的に海外展開できない日本の建設業であるとか、

・大型液晶テレビにおいては、

当初は世界市場をリードする技術力を誇っていたものの、

数年経つと、国内市場の顧客の一部に目を向けた技術の過度な追求によるコスト高となり、また、不必要とも思われる機能を多数付けてしまった結果として評価をされない、つまり購買につながらなくなってしまったという例があげられると考えます。

 

高度なニーズに基づいた市場が日本国内に存在するため、日本市場がそれに照準を合わせて独自の進化を遂げている間に、

海外では「事実上の世界標準」が決まり、気がついた時には、世界の標準から大きく取り残されているということです。

言い換えると、内向きばかりに気を取られた結果、外から見た内、を見ることが出来なくなってきたと言うことでは無いでしょうか?

 

1980年代に入ってからのインターネットの普及により情報革命が起こった結果、一挙にグローバル化の進展が地球規模で始まりました。

これまで存在していた国家・地域などタテ割りの境界を超え、地球が

ひとつの単位となりました。

国家ではなく人類の視点から、先に述べたようなそれぞれの国の経済活動の動向においても、また

環境破壊、戦争、貧困などの地球的問題にも取り組む時代へと突入しています。

一方で各国が金融自由化を進めてきた結果、地球上の1カ所の経済破綻が、通貨危機や世界同時不況として波及する事態が相次ぎ発生し、私たちの生活をも直撃するという経験もしました。

そして昨今では一度何かことが起こると、その波及する早さが加速度を増してきているように感じています。

 

この様にグローバル化されていく世の中をこれから生きていく、次世代を担う子どもを育てていくために、今最も改革を迫られる分野として

グローバル化を見据えた教育があるのではないでしょうか。

これはOECDの生徒の学習到達度調査である通称PISAの創設理念にも通じるものであると考えています。

つまり、これからの学力の向上は国際的にみても柔軟に対応ができる能力を持った生徒の育成を目標とすべきという、明確な方向性を示しているのだと考えています。このことは先ほど例示をしたような経済活動に限ったことではありません。

 

文部科学省が平成21年に行った国際教育 交流政策懇談会の具体的な論点としては、

「グローバル化する世界の中で文化の多様性を尊重し受け入れる寛容な姿勢を育むための国際教育交流はグローバル化に伴い、地球規模での相互連結性が高まり、異なる文化・文明の接点が大規模に広がっていく。

このことは異なる倫理観・価値観の間での摩擦を生み出す危険性が高まっていくことを意味している。このため、異なる文化・文明を理解、尊重し受け入れる寛容さが国際的な摩擦を緩和し、平和な国際社会を維持する上で重要となる。」としています。

そして結びには「このような精神的寛容さを培い、共通の倫理観・価値観を確認するためには実際に異文化・文明に属する人びとと接触する機会を増やすことが重要であり、国際教育交流を通じた取り組みが必要である。」とあります。

 

本年2月の第一定例会でのわたくしの一般質問、

「教師が教育についての見識を広める目的に行う海外の友好都市や先進地域への教育視察・研修派遣については大変大きな成果を期待できると思いますが、区の考えや今後の方向性についてはいかがでしょうか。」とい問いに対し、

 

 

教育長からの答弁では、

「教員が海外に行き、諸外国の教育事情について見識を広めることは、教員としての資質能力を向上させるとともに異なった文化に触れ、交流を深めることができ、様々な効果が期待できるものと認識している。教育委員会としては、文部科学省や東京都教育委員会が実施している海外

派遣研修等へ積極的に参加するよう働き掛けていく。」

という大変心強いもので、私の質問した意図と区の方向性が合致した

ことに対してはありがたく感じました。

 

現在、文部科学省の海外教師派遣制度では、

「教育課題研修 指導者 海外派遣プログラム」というものがあり、

派遣テーマに関しての地域の中核的な役割を担う指導者となる者を

参加者対象者としています。

ねらいは学校現場が抱える重要な教育課題についてとし、先進的に取り組んでいる諸外国の指導内容や指導方法の調査・研究を行い、各地域における教育課題研修の指導者を養成することとしています。

 

平成24年度の教育課題は10テーマあります。

①学校経営の改善   ②言語力・コミュニケーション力の育成 

②ISA型学力の育成  ④学校安全・防災教育の推進   

⑤生徒指導・教育相談の充実   ⑥キャリア教育の充実

⑦スポーツ・健康教育の推進   ⑧学校教員の情報化・ICTの活用   ⑨特別支援教育の充実 そして⑩学校と地域等の連携

が挙げられています。

 

これらは、いずれも杉並区においても取り組みをしているものであり、

これから一層の充実が望まれるテーマであると考えます。

派遣対象国はアメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・スウェーデン・フィンランド等があり研修期間も長期に渡ります。

参加は各都道府県、および政令指定都市の推薦にもとづき、教員研修センターと文部科学省によって選考は決定されることになり、

参加をするには大変ハードルの高いものと考えられます。

 

また、東京都教育委員会での休職制度を適用することが出来る教師向けの海外研修プログラムを用意している東京都指定の民間の団体によると、教員や学校職員の方々が、海外の小・中・高等学校等の

客員教員として、日本文化や日本事情を紹介しながら、海外の教職員と交流する海外研修として、春休みや夏休みを利用した教育交流である

インターンシップ プログラムがあり、 2週間から9週間を選択して、海外の教育事情を身近に体験する、というものがあります。

 

日本語教育に熱心なオーストラリアやニュージーランド、そして前述のPISAという学習到達度調査においてトップの成績をあげてきた

フィンランドを始めとする北欧での短期研修も用意されています。

 

実際に制度を利用してオーストラリアのインターンシップに行かれた

先生の感想として、

「これから日本で教員をやる上で良い経験だったと思います。海外へ行かずに毎日、時間に追われて学校教育という仕事をするよりも自分の経験を生かして幅広い見識から生徒との関係をもてるような気がします。

そして、一番は、これからの国際社会の先頭に立つ子供たちに、

国一つ一つという考えから世界は一つであること。そして、子供達がその世界で必ずできる事があるということを自分の経験から教えることができるのではないでしょうか。

とおっしゃっています。

これから杉並区内に一人でも多くのこういった経験を持つ教員を増やすことで、自らの経験として国際社会を語ることが出来るのでは無いで

しょうか?

 

そこで質問をいたします。

≪質問1≫

杉並区においては休職制度を利用しての海外留学にはどの様なものがあるのかお尋ねいたします。

≪質問2≫

また、教員が文部科学省や東京都教育委員会が実施している公的な海外派遣研修制度や休職制度を活用した「海外教育交換プログラム」などの海外留学による自己啓発を行う意義とこれまでの

杉並区での教員の派遣・参加状況について伺います。

≪質問3≫  

そして、今後教員の休職による、海外留学ができる制度についての

広報・啓発に努めるとともに、

参加したいという強い意欲をもつ教員の思いに応えていける必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 

さて、この夏、渋谷区では児童のフィンランド派遣が実施されました。公立小学校5 、6 年生の志願者が面接と作文による選考の上、

各校1 名、全19 名が渋谷区としてもはじめて派遣をされたのです。

この児童派遣が実施された背景には、それまでの7年にわたる準備

期間がありました。

平成17、18年に 小中学校校長と教職員、

平成20年に    区長と区議会議員、

平成22年に    教育長と区議会議員、

そして中学校校長と区職員が相次いでフィンランド視察に行かれました。

そして区役所内の会議室では「フィンランドの生活」や「フィンランドの教育」といったテーマで在日フィンランド大使による講習会を重ね、

その重要性を区内議論として熟成していきました。

そして本年8月小学生による5泊のフィンランド派遣研修が実現しました。

 

募集要項によると、その目的として、

「次世代を担う子どもたちに、異文化を理解し、国際的視野や感覚を

養う機会を提供することを目的として、フィンランド共和国へ派遣します。児童相互が交流に取り組む中で、コミュニケーションの重要性を理解し、文化や習慣の違いについても認識していく機会とします。」としています。

 

 先日、わたくしは実際にこの研修に参加をした児童の保護者にお話を伺うことができました。

フィンランドでの研修は、首都ヘルシンキ近辺の総合学校といわれる、

小中一貫校及び特別支援学校において片言の英語とボディーランゲージを駆使しながらも、現地の生徒と一緒に、

夏真っ盛りの、緑豊かな森へのハイキングや、設備・情報とも充実した

科学館の見学をしてきたといいます。

帰国をしてからは、児童自らが撮影した写真をご両親に説明をしながら、とりわけこの児童が興味を持った東京とはまったく異なるヨーロッパの

街並みのすばらしさを、興奮した様子で「楽しかった。」と話してくれたと

いうことです。

渋谷区ではこの実際のフィンランドでの研修のほかに、事前と事後においても研修を用意し、また、児童の安全を一番に気遣う、国内で待つ保護者への報告には、日々フィンランドでの児童の様子をネット配信して報告をしてくれたといいます。

 

この派遣に関してはそれぞれの自治体の事情により、一概に直ぐに

そのまま実現を望むということではないものの、その先進的な取り組みには学ぶところが大きいと考えます。

また、派遣の成果を拙速に児童や学校、また自治体に求めるという

ことも難しいと考えていますが、渋谷区がこれらの取組みをすることで、

児童・生徒が国際社会への関心を当時者として持つことができる、

という点においては、これは大きな成果の一つではないかと考えます。

 

そこで質問を致します。

≪質問4≫ 

 杉並区の児童・生徒の海外派遣のねらいと、これまでの実施状況及び今後の方向性についてお伺いしたいと思います。

 

また、私は、国内においてもグローバル化に対応できる教育を後押しするための、国際理解教育を推進することが出来ると考えています。

現在、区有施設の再編整備が行われる中で、これらを有効活用した

夏季限定の小・中学生向けのイングリッシュ キャンプを実施しては

いかがと考えています。

 

イングリッシュ キャンプとは宿泊を伴うキャンプをネイティブイングリッシュスピーカーが引率し、川遊びやバーベキュー、キャンプファイヤーなどの遊びを通して、英語漬けの時間を過ごすことにより、

日本にいながらにして英語のヒアリング能力を高め、異文化を持つ引率者との交流により異文化コミュニケーション能力を高める効果が期待できると考えます。

民間営利団体が夏休み期間中に主催するものも多くありますが、参加のためにまとまった費用がかかるために、その意義は感じながらも残念ながら参加を躊躇する家庭も多くあると伺っています。

 

そこで質問をいたします。

 

≪質問5≫  

現在、区立学校において、夏季休業期間中を利用した「イングリッシュ キャンプ」のような国際理解教育や英語教育にかかわる特色ある

教育活動の実施状況はいかがでしょうか。

≪質問6≫  

また、小中学生を対象とした「イングリッシュ キャンプ」を区宿泊施設等において実施することについて、今後の方向性を伺います。

私は、お子様を持つ各ご家庭が経済的にどのような状況であっても、イングリッシュ キャンプのような未来の国際社会で生きるために

役に立つ学習プログラムに参加することができる社会であって欲しい、

それを推進していける杉並区であってもらいたいと考えております。

 

大変残念なことに、これからの少子高齢化に伴い、次世代を担うという子供たちへの負担はさらに増してくると考えます。

ひとりひとりの力を育成していく、それを培うためのグローバル化を見据えた教育への期待もさらに増すばかりでしょう。

 

是非とも前向きな導入のご検討を要望いたしまして、わたくしの質問を終わらせていただきます。

 

 


平成24年 第2回定例会での一般質問のご報告です。その2・小規模多機能型居宅介護施設について

2012-06-20 | 議会報告

第2定例会において、6月8日に一般質問をいたしました。

・発達障害について

・小規模多機能型居宅介護施設について

です。

 

「小規模多機能型居宅介護施設」という耳慣れない施設をご存知の方は少ないのではないでしょうか?

 

 昨年11月第4定例会の一般質問で、私は区内の小規模多機能型居宅介護施設の

整備状況と増設推進に向けての施策をお伺いいたしました。

今回はその後の取り組みについてお尋ねしました。

 

 小規模多機能型居宅介護施設は、主に認知症高齢者が今までの人間関係や生活環境をできるだけ維持できるよう、

通いを中心に訪問、泊まりの3つのサービス形態が1つとなり、

24時間切れ目なく1つの事業者でサービス提供ができるのが大きな特徴で、いつも顔なじみの職員がケアを行えること、

少人数登録制で家庭的な雰囲気の中で高齢者が楽しく過ごすことができること、

また月額定額制のため、利用者は介護保険利用限度額の調整の必要がなく、介護度がたとえ重度になっても、

住みなれた自宅での生活を可能にしています。

 

 先の一般質問に対して、高齢者担当部長からの答弁では、

方南2丁目に平成18年から1カ所運営していること、また、

平成24年2月に上井草2丁目で区内2カ所目の施設が開所する予定されているとありこの施設は既に運営が始まっています。

 

また、制度上登録定員の上限が25人とされ小規模であり認知度が低く

利用者が集まらないため運営が困難であり、事業所の設置が進んでいない状況があるとしながらも、

以下、具体的な4つの項目、

1、地域のバランスを考慮しながら、公有地を活用する

2、認知症高齢者グループホームと併設することを条件にした公募を行う

3、補助金を手厚くする

4、区民に対してサービスの内容を周知するなどして、利用者の確保についても支援      

  して行く

の改善により整備を進めていきたいと考えている、とありました。

 

区ではその翌12月に上高井戸に小規模多機能居宅型介護施設を設置することを決められました。

ホームページによるとこの施設は区有地に保育園及び高齢者複合施設として整備が進められ、

この度運営事業者が決まったとのことですが、先の一般質問の答弁の中であげられた4つの項目の中で、

今回どいずれの改善を行ったことで小規模多機能型居宅介護施設の整備が進められたのか?

 

また、この地域に少ない0歳児から受け入れが出来る大規模保育園が出来るということで住民の期待が膨らむところですが、

保育園と高齢者の複合施設といと、一般的には事業の立ち上げや運営が難しいと思われ、

今回、保育園と高齢者の複合施設を整備することとした趣旨と、

事業者募集から開設に至る過程において、よりよい運営に向けて、区が特に講じている方策はあるのか質問をしました。

  

練馬区では同施設が現在11ケ所ありますが、3年前までは4ケ所であったとのことです。

2年ほど前にグループホーム設置が目標数に達したこともあり、グループホームの事業者公募の際の条件として

小規模多機能型居宅介護施設を併設をすることをあげたところ、順調に増えてきました。

最終目標は17ケ所で平成26年迄に達成する計画を立てているとの事です。

当区のように公有地ではなく大規模民有地活用の要望がまずあり、

そこから事業を計画することが多いという理由から、

人口密集地には施設が少ないという区内でも偏在しているという課題があるとのことですが、

杉並区においても例えば区政の大きな課題のひとつである屋敷林の保全という観点から、

民間の知恵をお借りしつつスケルトン定期借地権といった方法を利用して

施設計画を検討してみるという方法も考えられるのではないかと思います。

 

また、小規模多機能型居宅介護施設という極めて長い名称を改め、

杉並区独自の愛称をつけ、区民への認知度をあげるための工夫をするといったことも考えられるとの提案をしました。


平成24年 第2回定例会での一般質問のご報告です。その1・発達障害について

2012-06-15 | 議会報告

6月8日に第2定例会において一般質問をいたしました。

項目は

・発達障害について

・小規模多機能型居宅介護について

です。

 

発達障害はその言葉が一般に知られるようになってから約10年が経ちました。

乳幼児の頃から発見されるものや青年期になってから発見されるものと

人それぞれですが、一般には知的障害を伴わないとはいえ、

障害をお持ちの方々の表にはわかりづらい生活の困難さは

段々と世の中に知られるところとなりました。

 

これに伴い、平成23年には「障害者基本法の一部を改正する法律」により、

発達障害が障害者基本法の対象になることが明文化されました。

これまでの身体障害、知的障害に加え、精神障害に付記する形で

発達障害も含むとあり、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活または

社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものという定義がされ、

障害者支援のたいへん大きな進捗となりました。

 

早期発見と早期の療育開始が最善の策といわれますが、

これまでは乳幼児期や学童期にのみ対策がされ、

その後の高校や大学、就学時を含め成人期においての支援体制は未だ

整っていません。

 

人の一生を通して、ライフステージごとに支援の体制を整え、

たとえ発達障害があったとしても明るい将来を思い描くことができるよう、

杉並区において切れ目のない支援体制の整備を強く要望いたしました。

 

一般質問の様子(動画)をご覧ください。

http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/24-02/240608.htm

6月8日の2番目です。

 

 

 


平成24年第二定例会の日程が決まりました。

2012-06-04 | 議会報告

6月7日午後1時から第二定例会が始まります。

http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/nittei/201206.htm

 

本会議はインターネット中継されるので、

ご自宅でもリアルタイムで様子をご覧いただけるのですが、

カメラを通してではやはり限りがあります。

お時間がございましたら是非傍聴にいらしてください。

 

私の一般質問は8番目、

6月8日(金)午前中の予定です。

・発達障害について

・小規模多機能型居宅介護施設について

の2項目の質問をいたします。


発達障害について、

平成23年8月に「障害者基本法の一部を改正する法律」により、

障害者基本法の対象になることが明文化されました。

人の一生を通してこの障害に悩む方々の受け皿として杉並区に

どのような体制が必要なのか?提案をして行きたいと考えています。


小規模多機能型居宅介護施設について、

現在区内3か所目の施設整備が進んでいますが、

まだまだ施設自体の認知度が低く、需要に対する整備がされている

とは考えていません。

たとえ重度の要介護者となっても家族の負担を軽減しながら自宅で

家族が一緒に暮らしていくことができる体制を整えるため、

この施設の整備に尽力しております。


質問を通して杉並区の現状を把握し、

より良い区政を提案していくため、準備をしています。

 

 

 


平成24年 第一定例会が終わりました。

2012-03-26 | 議会報告

第一定例会(平成24年2月16日~3月22日)が開催され、一般質問をいたしました。

質疑と答弁の内容を下記のとおりまとめました。

是非ご覧になってくださいませ。

また、杉並区議会のホームページに動画がアップされています。

http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/24-01/240217.htm

 

 

「放射第5号線と都市計画高井戸公園周辺のまちづくりについて」

本年2月3日、東京都による放射第5号線久我山区間と都市計画緑地玉川上水緑道についての工事説明会があり①工事用車両の通行経路②施工順序③平成23年度工事(搬入路設置工事、樹木植栽工事)④安全対策⑤環境対策について説明がありました。また昨年12月26日都市計画高井戸公園が正式に東京都の優先整備区域に入り、平成24年度予算で既に旧NHKグラウンドの取得金額が計上されています。

杉並区南部地域を大きく変化させるこの2つの事業が及ぼす区民生活への影響等質問をしました。

 

Q1放5工事用車両の通行時間帯など住民への配慮が必要では? 

A1 都では交通誘導員配置と通学時間帯配慮の安全対策を実施、区は必要な要望をしていく。

 

Q2岩崎橋の歩行者用通路は片側一か所、幅1m70cmだが、この通路は通常の歩行者や高齢者、車椅子、ベビーカーを押す人、そして白い杖を使いながら特別支援学校に通う視覚障害の生徒さんなどの往来に不十分。滞りなく放5を渡るため岩崎橋拡幅が必要では?

A2 都と警視庁の右左折規制協議の結果に基づく信号の間隔決定後、歩行者の滞留度合から判断する。

 

Q3玉川上水沿へ横断道が少なく分断され、新たな緑地は陸の孤島となり、近づきづらく防犯上大変危険な場所になるのでは?

A3都や警視庁による横断箇所協議後、必要であれば要望をして行く。

 

Q4久我山の1,3km区間が完成しても、それに続く暫定供用区間の道路整備が完成しないと新たな渋滞を巻き起こす。都が4車線化すると説明をしている暫定供用区間の現状は?

A4昭和48年から51年にかけての地域住民と当時の日本道路公団、東京都などで構成された協議会での協定締結を踏まえ、継続して協議していく。

 

Q5現在の久我山駅に向かう岩通通りで行われている車両の通行時間規制の継続は?

Q6富士見ヶ丘駅近辺の道路は幅が狭い上に交通量が多く事故件数も多い。岩通通りや富士見丘通りを含む生活道路への通過交通の抑制により区民の安全を守ることへの区の見解は?

A56都は岩通通りの規制は工事中及び完成後も変更の予定なしと説明。区も変更必要なしと考え、都や交通管理者と調整しながら通過交通の流入防止のための工夫に努め、交通安全を図って行く。

 

Q7放5開通後、岩通通りホタルまつりや富士見丘通り夏祭りの開催が危ぶまれるのでは?

A7地域行事は区民交流や商店街振興など重要。継続開催と考え、出来る限りの協力・支援をしていく。

 

Q8久我山3か所の大きなグラウンドを含む一帯が都市計画高井戸公園として東京都により優先整備区域に指定されたが進捗は?

A8(田中区長)3か所全てが指定されたことで大きく前進、今後は基本計画の策定、設計、整備と順次進められる予定。区は区民意見を踏まえ、東京都に積極的に意見を述べていく。

 

(いつものパークウェイの時に載せている3枚の写真、今回からパークウェイはしばらく載せません。)

 

Q9今後の整備に地域住民の意見を取り入れるべきと考えるがいかがか?

Q10今後この地域の用途地域変更の予定は?また、その場合の手順は?景観計画との関連は?

A9,10

「まちづくり構想」を受け止め、地元意見を聞きながら地区計画策定を目指し、その中で用途地域の見直しを行う予定。平成24年度に住民意向調査などを行い、「まちづくり計画」を策定し、平成25年度に住民説明会などを開催し、都市計画の手続きを進めていく。景観計画の基本的な考え方の変更なし。

  杉並区に新たに出来る大きな都立公園への区民の期待は大きく、私の元へは防災機能の他に子供たちが自由な発想で遊べるスペースやこの地域に少ない図書館、世代を問わずに利用できるコミュニケーションスペースを作って欲しいなどの声を多数頂いております。山本あけみはこれらの声を杉並区へ届け、そして、区は区民要望を東京都に届けて行ってもらいたいと考えております。「放射第5号線」と「都市計画高井戸公園」という二つの大きな東京都の事業は隣接し、みどりの形成や利便性向上から一体のものとして進めていく必要性があります。ランドスケープデザインを取り入れた新たな都市整備計画を杉並区から提案をするといった、前向きでより一層踏み込んだ形での整備推進を要望していきます。

 

 

「区立小中学校の教育について」

Q1杉並区の国語教育や外国語活動の充実による児童・生徒の言語能力をはぐくむ教育の必要性と

区立学校で行われる教育活動の現状とは?

A1言語能力育成は重要、国語は「言葉の教育」を、英語はコミュニケーションを図る態度を養っていく。

 

Q2中学校保健体育科で必修となる武道の危険性の認識と指導者の安全指導力量向上を含む対応策は? 

A2保健体育科教員の安全指導の資質・能力向上に努め、専門指導員の派遣により適切な安全指導を指導・助言していき、その力量向上のための研修を実施。

 

Q3教師が教育についての見識を広める目的に行う海外の友好都市や先進地域への教育視察・研修派遣に大変大きな成果を期待できると思う、区の考えや今後の方向性は?

A3教員が海外に行き見識を広めることは資質・能力向上等効果が期待できる。文部科学省や東京都教育委員会実施の海外派遣研修等への積極参加を働きかける。


平成24年第一定例会一般質問・教育その3

2012-03-08 | 議会報告

今回の一般質問の最後に教育の現場での研修制度の一環として教師の留学制度を推進してはどうかという提案をいたしました。

内向きの足元だけを見ている議論では良い教育はできないと思います。

瑞々しい子たちの感性を刺激し続けることができる教育とは?と問い続けることが必要だと考えています。

 

以下、質問内容です。

さて、皆様は「ガラパゴス化現象」という言葉をご存知でしょうか?

2007年に発売された『2015年の日本』(野村総合研究所著によると、技術やサービスなどが日本市場で独自の進化をとげて、世界標準からかけ離れてしまうという現象が起こっており、生物の世界でいうガラパゴス諸島における現象にたとえられて「ガラパゴス化」といわれているとあります。日本特有の商慣行や独自の機能にこだわりのある消費者により、海外とは異なる独特の市場が作られ,このような日本市場の異質性は、生物の世界でいう諸島内で独自の進化をとげた固有の生物が数多くあるガラパゴス諸島の現象に例えられているというものです。

 

 長引く景気低迷やこれから起こる人口減少による国内需要の低迷は経済活動において、より一層のグローバル化を求めることになるにもかかわらず、海外への留学者数減少などに見られるような国民の内向きの思考には前述のガラパゴス化現象が一層進み、この先経済発展を遂げられず日本全体が萎縮していくのではないかという懸念が生まれてきます。

 

 教育においてはさまざまな改善策が日々続けられていくことを望みますが、その中では、教師自身も内向き思考にならないように教育についての見識を広めることが必要だと考えています。

 

 先日、北欧の国、フィンランドのミッケリ市という都市に教育関連の施設の視察に行ってまいりましたが、これは国際的にも評価の高く、PISAの学習到達度調査において10年以上も最上位にあるフィンランドの教育現場を実際に見ることによって、今後の区政運営の一助にすること、また、教育先進国であるフィンランドの都市と友好的な関係を築くことにより、杉並区の基本構想にも掲げられている「次世代を担う子どもや青少年が国内外の交流等の体験活動を通じて、健やかな成長を育んで行く」ことができる杉並区として、区内外にそのイメージを強固なものとし、かつ今後の実践的な活動に発展させることができないかを模索するという目的でありました。

 

 フィンランドと日本では人口・地理的条件・歴史や国民性の違いはありながらも学ぶことは多いと感じております。人口約520万人という北海道とほぼ同等の少なさであり、また、資源に恵まれないという条件ながらも教育こそ次世代の国を作る資本であるとの考え方から教育改革に取り組み、ノキアという世界的な企業を作り出したこと。グローバル化促進のため第二外国語の英語教育に力を注ぎ、その体制で教育を受けた人は英語をほぼ話すことが出来るという現状を見て知ったことは私にとって大変な成果でした。

 

実際に日々教育の改革に取り組んでいる人こそ、こういった体験をして欲しいと考えています。

 

そこで最後にお尋ねをいたします。

教師が教育についての見識を広める目的に行う海外の友好都市や先進地域への教育視察・研修派遣については大変大きな成果を期待できると思いますが、区の考えや今後の方向性についてはいかがでしょうか。

 

最後に、住宅都市「杉並」のさらなる発展に向けて10年ビジョンの区政を模索するという大きな節目において、区議会議員として何が求められ、どういったことが出来るのか?日々考えながら私も模索を続けておりますが、今後とも杉並区の発展に向けて杉並区議会が活動を続けていくことへの一助となることをお約束をして質問を終わらせていただきます。