山本あけみ「緑ゆたかな環境を子どもたちへ」

建築士や生活者として、都市計画・公共施設マネジメント・地球温暖化対策・SDGsなど、独自の視点で日々発信

エコ住宅から高齢者施設、そして不妊治療まで盛りだくさんの一般質問でした。

2023-04-16 | 活動日誌

この頃は、平成23年3月に起きた東日本大震災のショックが日本を覆っていました。杉並区でも、建物の不燃化や耐震性能向上など防災のまちづくりが大きくクローズアップされていました。 

現在の様に、地球温暖化の脅威に関して、議会での発言は殆どなく、エコ住宅促進を訴えてもどこ吹く風という感じだったのを覚えています。

今から思うと、あの頃から真剣にエネルギーを極力使わない生活への切り替えが進んでいたら、もっと温暖化は抑えられたのだろうと、悔しい思いです。

残念ながら、動画の配信は終了していますが、是非、議事録をご覧になってください。

 

平成23年第4回定例会 一般質問(会議日:平成23年11月21日)

    テーマ

「エコ住宅促進のための施策」

「放射第5号線及び都市計画高井戸公園周辺のまちづくり」

「今後の放射線対策」

「小規模多機能ホーム増設のための施策」

「不妊治療助成制度のより一層の推進」

 

◆21番(山本あけみ議員)

私は、民主・社民クラブの一員として、区政一般に関する質問をいたします。
 質問項目は、1、エコ住宅促進のための施策について、2、放射第5号線及び都市計画高井戸公園周辺のまちづくりについて、3、今後の放射線対策について、4、小規模多機能ホーム増設のための施策について、5、不妊治療助成制度のより一層の推進についてです。


 初めに、エコ住宅促進のための施策についてお尋ねいたします。


 我が会派に属する安斉あきら議員から、平成20年の第4回定例会の一般質問で、今後の環境施策についてという質問がされました。その内容は、洞爺湖サミットのテーマとして地球規模での環境問題が論議され、議長国である我が国は、先導的役割のもと、京都議定書の約束期間以降の新たな枠組みづくりと国際的な環境協力、さらには技術革新による低炭素社会の構築に向けた構想を提案したこと、国内において、再生可能エネルギーや原子力などのゼロ・エミッション電源の比率、太陽光発電の普及率の向上、省エネ技術を組み込んだ家電製品の普及促進、国内排出量取引制度、税制のグリーン化、カーボンフットプリント制度の導入などが示され、低炭素社会への移行に向けた第一歩を踏み出したこと。また、東京都において、環境確保条例の一部見直しにより、少ないエネルギーの利用で快適な生活が送れるような都市へと転換を進めていく方針が確認され、そのためには、現在のエネルギー需要のあり方そのものを見直し、ライフスタイル、都市づくりや建築のあり方を含め、社会システムを変革していくことが重要であるとしたこと。国と東京都において同時期に低炭素社会への中長期的な取り組みが示されたことを踏まえ、これを受けて杉並区においても、従来からの杉並区環境基本計画や地域省エネ行動による先進的な環境施策を実践してきたことを踏まえ、国や東京都の取り組みとの整合性を図る必要があるのではないかという提言がなされました。


 それに対してのご答弁の一部には、「今後、家庭における省エネ対策の一層の普及促進を図るための施策のあり方については、国や東京都の動向を見きわめながら、環境基本計画の改定の中で検討してまいりたいと存じます。」とのことでした。


 それから3年が経過し、その間日本には大きな出来事と動きがありました。本年3月11日には東日本大震災が起こり、11月18日現在の警察庁の発表では、死者1万5,839人、今まだ見つかっていない人の数3,641人という未曾有の被害をもたらしました。


 福島第一原子力発電所の事故の影響による原子力発電所等の停止によって、今回一時的な電力不足に陥るとの懸念により、社会生活に多大な混乱をもたらすという事案が発生いたしました。今夏の電力不足への懸念、言いかえると、自分の生活においてもエネルギーの使用を根本から見直さなければならないという危機感とも言える体験をしたのは、国民にとっては初めてのことだったのではないでしょうか。


 日本は、第2次世界大戦の敗戦からの復興を遂げ、高度成長期を通して飛躍的に発展をしてきました。昭和39年には東京オリンピックが開催され、敗戦からの完全な復興を印象づけました。昭和48年の第1次石油危機やその後の第2次石油危機を契機に、エネルギー資源の大半を海外に依存せざるを得ない状況を踏まえ、石油等の燃料資源の有効な利用の確保に資することを第1の目的として、昭和54年にエネルギーの使用の合理化に関する法律、いわゆる省エネ法が制定されました。この法律は、その後に発覚していく地球温暖化対策として、平成9年の気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書の締結などを踏まえ、当初のエネルギー資源の確保という目的から、地球温暖化対策のためのCO2排出量削減という方向へ変化をしてきました。


 そして、平成20年の安斉議員の提言がされてからの3年の間には、国の動きにおいても、環境配慮型住宅の施策に関して大きな動きがありました。それは、平成22年12月に国土交通省により制定された長期優良住宅の普及の促進に関する法律が公布をされたというものです。これは、これまで踏み込むことのなかった住宅、家庭の分野へ積極的に国として関与をしていこうという考えのあらわれであると考えます。


 この国の動向を踏まえ、私は、杉並区においては何ができるのか議論を始めることが必要だと考えています。この法律をもとにして、杉並区独自の杉並区らしい環境配慮型住宅、いわゆるエコ住宅促進のための総合的な施策が今必要なのではないでしょうか。現行の杉並区環境基本計画の中の将来像の中に、「省エネルギーで、質の高い生活が定着」とのビジョンが示されています。これには、「太陽光発電など自然エネルギーを利用した家庭や事業所が大幅に増えるとともに、環境技術の進展により、省エネルギーで、経済的かつ快適な生活空間が実現されています。」とあります。杉並区を真の環境先進都市杉並実現へと導きたいとするならば、国の能動的な動きに呼応するような具体的な動きが求められているのではないでしょうか。


 そこでお尋ねいたします。杉並区らしい住宅のあり方をどのようにお考えでしょうか。現状の杉並区内の住宅の成り立ちを含めて、区の見解をお伺いいたします。


 また、エコ住宅普及率の現状把握は行っているのでしょうか。そして、今後普及率を向上させていく必要性を認識しているのでしょうか、ご見解をお伺いいたします。


 長期優良住宅の普及の促進に関する法律が規定する認定基準の中には、従来あった住宅性能表示制度で基準が示されていた劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、そして省エネルギー性のほかに、新たな項目として住居環境があります。国土交通省の住宅局長である川本正一郎氏は、「長期優良住宅&エコ住宅2011」という雑誌のインタビューに答える形で、「コミュニティや街づくりの充実等、周辺環境の質の向上については、住宅の質を議論するうえで重要な視点であると考えています。現行制度では、長期優良住宅の認定要件の1つとして、地方公共団体が地区計画・景観計画・条例による街並み等の計画や建築協定・景観協定を指定し、その内容との調和を長期優良住宅に求めることが可能となっています。」としています。つまり、杉並区内で長期優良住宅を普及させることにより、地域全体の居住環境の維持向上に配慮をすることができるということです。


 また、この法律には、住戸面積、維持保全計画の基準が設けられており、居住水準の確保と、建築時から良好なストックとなるべき将来を見据えて、定期的な点検、補修等に関する計画が求められています。この法律が意図するところは、住宅や共同住宅などの建築物をこれまでのように個人の資産としてのみとらえるのではなく、これからの環境配慮型社会を構成していく重要な1つとしてとらえていくという強いメッセージが含まれているのだと考えています。


 また、長期優良住宅の普及を含めたエコ住宅促進には、これまで述べてきたような建物単体の性能だけではなく、自然通風の確保が不可欠となります。天然の風を利用して、できるだけ機械換気や冷暖房の使用を抑制するためには、現状においては杉並区内でも多く見受けられるような高さ1メートル80センチにも及ぶブロック塀や万年塀に囲まれていては、その確保は難しいと言わざるを得ないでしょう。


 一方で、ブロック塀や万年塀は、耐震性においては、建築物とは違い、建築基準法施行令第62条の8で、最小限守らなければならないことが規定されていますが、建築確認申請が必要ないため、その品質は現場の職人さん任せとなり、性能を後世にわたり担保してくれるものがないのが現状です。1995年の阪神・淡路大震災では、1,480カ所のブロック塀が倒壊しており、多くの方が被害に遭われました。また1978年の宮城県沖地震では、17時14分という夕方の発生であったために、死者28名のうち18名という半数を超える方々がブロック塀の倒壊により被害に遭われました。いざ震災が起きたときには、杉並区でもブロック塀の倒壊により被災者を増やし、緊急車両の往来を阻害することになることでしょう。エコ住宅の促進の施策の1つとして、また良好な景観形成のためにも、ブロック塀などのあり方を見直す必要があると考えています。


 そこでお尋ねいたします。敷地を取り囲むブロック塀を緑化することにより、通風と良好な景観の形成が可能と考えますが、対策はあるのか、見解をお伺いいたします。
 エコ住宅の促進には、良好な住宅のストック形成という一義的な目的のほかに、期待できる副次効果を挙げることができます。


 第1には、新たな区内産業の育成につながるという側面です。
 現在においては、前述の長期優良住宅の要件を満たす建物を供給できる体制を持つビルダーは、ほぼ大手プレハブメーカーに限られており、一定の性能を持つ建物をつくり、その履歴を残していくなどの、これまでになかった書類の作成やデータの管理に至るまで大変な業務量の増大と煩雑さがあるために、中小の工務店では賄い切れないと予測されています。これまで杉並区の住宅建築を支え、近隣に住む顔の見える工務店として住まいをつくり、そして引き渡しをした後にも、区民の小さな要望にもこたえてメンテナンスをしてこられた区内業者に対し、エコ住宅の促進施策の中で長期優良住宅などの実践的な講習会などを実施することは、今後の区内産業の育成という観点からしても有効な施策と考えます。


 また、環境省が現在推進している家庭エコ診断推進基盤整備事業では、家庭部門での地球温暖化対策を推進するための取り組みである、うちエコ診断の早期の普及を図るための事業を本年度から新たに実施しています。このエコ診断士に区内産業の多くが登録をすれば、より一層の産業の成長及び拡大につながり、ひいては杉並区民が多く環境配慮型の生活を身近にアドバイスしてもらえるという体制づくりにもつながると考えます。


 第2には、省エネルギー性を有した住宅に住むということは、言いかえると、建物の中の部屋ごとの温度のバリアフリー化が実現するということにもなります。


 厚生労働省が発表している平成19年人口動態統計の中の家庭内の不慮の事故死は1万2,000件を超え、現在では交通事故による死亡数を上回っています。家庭内における主な不慮の事故の種類別で見た年齢別死亡数構成割合では、浴槽内での溺死及び溺水による死者の数は3,253人、そのうち65歳以上が占める割合は90%近くを占めています。省エネルギー性能が十分でない住宅では、家族が大勢集まり長い時間を過ごす居間や食堂は暖房をし、廊下や洗面・脱衣は寒いまま、そして日本人特有の熱いおふろにつかるということで、心臓や脳疾患により高齢者が浴槽内で死亡に至るというケースが大半であると推察されます。


 平成22年に民主党内では、健康・省エネ住宅推進議員連盟による勉強会を行いました。会長は現国土交通大臣の前田武志氏です。その内容は、住宅施策は統合施策であるものの、健康・省エネ住宅という言葉は、行政の所管としては、健康は厚生労働省、省エネ住宅は国土交通省と見事に縦割りになっており、そのことを理解していただくために、厚生労働省に健康・省エネ住宅という切り口から省としてのスタンスをお聞きするといったものでした。このように、住宅内の温度のバリアフリー化は健康に影響を及ぼすという議論は始まっているのです。


 そして最後に第3の予測される大きな副次効果としては、杉並区においてその地域性を考慮した住宅施策の中に大きくエコ住宅の促進を掲げることによって、杉並区イコール環境先進都市として区内外に認識され、杉並区に住まうことという意識づけ、動機づけが大きく向上するきっかけになるであろうということです。


 こういった多方面にわたり大きな効果を生むことが望めるという点においても、エコ住宅の促進をぜひとも推進していくために、協議会などの設置により各分野のご意見を伺うなどの新たな取り組みの検討をお願いし、次の質問に移ります。


 次に、放射第5号線及び都市計画高井戸公園周辺のまちづくりについてお尋ねいたします。
 久我山地区においては、平成20年に玉川上水・放5周辺まちづくり協議会を発足し、事務局を杉並区都市整備部まちづくり推進課に置き、コンサルタントには、これまで杉並区で蚕糸の森公園を中心としたまちづくりなどで実績のある計画工房主宰の村上美奈子氏を迎え、約2年半をかけてまちづくりを協議してまいりました。


 この会の活動の目的は、放射第5号線事業の推進のための検討協議会での報告を尊重し、まちの将来を見据えて、地区計画制度の活用を柱とするまちづくり構想の検討を行い、その結果を杉並区長に提案することでした。


 これによりまとめられたまちづくり構想では、まちの将来像を踏まえ、「いえとまちづくりにおいて」建物の高さ、用途に関するルール、「みどり・環境とまちづくり」において、玉川上水のみどりを地域全体につなげていくために、そしてまた「安全安心とまちづくり」において、防犯・防災と交通安全の観点からブロック塀から緑化への転換の検討もされました。「景観とまちづくり」において提言書から引用すると、「杉並区の景観計画の玉川上水部分の景観形成基準の考え方をこの区域全域に取り入れ、玉川上水のみどり豊かな景観と調和する、魅力ある街並みとなるように、建物の配置や色調などのルールを定めます。」とまとめられています。そして杉並区へは、「まちづくりを進める政策の具体化に向けて、努力してもらいたいと考えています。」としています。この提言書を取りまとめるには、各委員が、たとえ違う意見を持っていたとしても、その集約を図る努力の積み重ねがなくしてはなし遂げることはできなかったものと考えております。


 そこでお尋ねいたします。放射第5号線周辺のまちづくりにおいて、まちづくり協議会によって提言されたまちづくり構想を具体的に進めていくための施策はどのようにお考えなのでしょうか。また、今後この地域住民との協働についてはどのようにお考えなのか、区の見解をお伺いいたします。


 地域主権の具体的な動きの1つであるまちづくりの芽を今後とも育てていくためのきめの細やかなご対応をお願いし、次の質問に移ります。


 次に、今後の放射線対策についてお尋ねいたします。


 福島第一原子力発電所の事故の影響により、日本においても有史以来初となる一般の生活において放射線の危険にさられるという危機的な状況が今も続いています。杉並区においては、一義的にはこの対応は東京都にあるとしながらも、区民の安全・安心のために、空間放射線量の独自測定や説明会の実施、ゲルマニウム半導体検出器による給食食材の抜き取り検査の実施など、手厚いご対応をしていただいていることに関しては、一区民としても大変感謝をしております。


 ただ、大変残念ながら、原子力発電所の事故の収束は容易ではなく、生涯にわたっての健康被害への影響は目に見えないことから、区民の安心を得るという努力を望む声は、まだまだ尽きないのが現状です。


 そこでお尋ねいたします。今後とも、給食食材の放射線測定や空間放射線量のモニタリングを継続して行う必要があると考えるが、区のお考えはどのようなものでしょうか。


 また、東京都の被災地からの瓦れき受け入れにより、杉並区の空間放射線量の上昇を懸念する区民の声をどのようにお考えか、ご所見をお伺いいたします。


 また、私からの要望といたしまして、区民の方々が杉並区の対応を容易に確認することができるよう、ホームページの中で、放射線対策を特化し対策の全体像を後からでも検索、把握しやすくするといった工夫などをお願いしまして、次の質問に移らせていただきます。
 次に、小規模多機能ホーム増設のための施策についてお尋ねいたします。


 昨今まちを車で走っていると、朝と夕方に高齢者のためのデイサービスの送迎の車に出会うことが多くなってきました。それぞれの家から車へと、介護サービスの方と家族に見守られている高齢者の姿を見ていると、よりよい福祉サービスを進めていくことは、区民の生活にとって不可欠であることを痛感いたします。


 しかしながら、施設の整備というものは理念だけでは推進は望めず、施設を建てるための場所の確保、事業者の確保、区民への周知、そしてサービス開始へと、大変長いプロセスを踏む必要があります。厚生労働省の介護保険制度の改正により、小規模多機能型居宅介護施設、通称小規模多機能ホームは、平成18年4月に地域密着型サービスの1つとして創設されました。介護が必要となった高齢者、主に認知症高齢者が今までの人間関係や生活環境をできるだけ維持できるよう、通いを中心に訪問、泊まりの3つのサービス形態が1つとなり、24時間切れ目なく1つの事業者でサービス提供ができるのがその大きな特徴で、いつも顔なじみの職員がケアを行えること、少人数登録制で家庭的な雰囲気の中で高齢者が楽しく過ごすことができること、また月額定額制のため、利用者は介護保険利用限度額の調整の必要がなく、認知症による介護度がたとえ重度になっても、住みなれた自宅での生活を可能にしています。


 今月10日には第84回社会保障審議会介護給付費分科会が行われ、小規模多機能型居宅介護について議論をされております。今後も小規模多機能型居宅介護の普及促進の継続を図る必要があるとし、平成24年度以降は、地域密着型サービス等の介護報酬については、厚生労働大臣の認可によらず、市町村独自の判断で全国一律の介護報酬額を上回る報酬を設定可能という改正を予定しており、この制度もその推進において第2段階に入った感があります。


 杉並区の小規模多機能ホームの実際の利用者からは、これまでのような、それぞれのサービスの組み合わせの日程調整や介護保険利用限度額などを気にせず、仕事を続けながらでも介護を続けていられるのは、小規模多機能ホームに登録できたおかげというふうに伺っております。


 そこでお尋ねいたします。小規模多機能型居宅介護施設、通称小規模多機能ホームの杉並区における設置の現状はどのようになっているのでしょうか。今後増設のための施策をどのようにお考えなのでしょうか。また、杉並区が進めている区立施設の再編整備と在宅介護推進施策との区内での連携はどのようになっているのでしょうか。


 私のような働き盛りの年代に、今まで元気だったはずの親御さんの介護の必要が出てくる。努力を惜しまず続けてきた仕事を離れてでも、自分を育ててくれた親の介護をしていきたいといった区民の方々が今後とも増えることが予想されますが、これにはまた、一たん職を離れた後には復職が難しいといった深刻な問題もあわせ持っています。今後の高齢化社会において、いざ介護が必要になったときでも、杉並区の手厚いサポートにより仕事と両立ができる、そういった区民の安心感を得るためには、この小規模多機能型居宅介護施設の増設に関しての諸問題を前向きに解決することによって、より一層の充実した福祉を目指していくことをお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。


 そして最後に、不妊治療助成制度のより一層の推進についてお尋ねいたします。


 現在、杉並区のホームページのくらしの情報の中の「子ども 教育」の「妊娠・出産」という項目の中に、特定不妊治療費助成というページがあります。不妊治療という言葉へのイメージを前向きなものととらえるか否かは、個人の判断にゆだねられることになると考えますが、現在の少子高齢化社会の改善策としては、子どもを産み育てる環境を社会として整えていくという考え方が最優先されると考えますが、もしそうであるならば、子どもを持つための不妊治療に取り組む夫婦は最大限の社会貢献への前向きな行動をしているものであり、これを行政として後押しをしていくことが望まれていると考えています。


 そのような社会情勢の中、杉並区においては不妊治療助成制度にいち早く取り組み、具体化させていることに関しては、区内外から高い評価をいただいております。


 そこでお尋ねいたします。4月からの不妊治療助成制度の実績はどのようなものでしょうか。今後は、不妊治療を始めるときの治療開始へのハードルを低くするための有効な施策が必要と思われますが、どのようにお考えなのでしょうか。


 また、行政の動きとは別に、杉並区とNPO組織などによるカウンセリングなどを行っている団体もありますが、区との連携はとられているのでしょうか、お尋ねいたします。
 質問の最後に、山積する取り組むべき課題に囲まれながらも、長い上り坂を上るごとく、この一般質問を通じて少しずつでも着実に解決へと近づいていくことを願って、今回の質問を終わらせていただきます。


 ありがとうございました。

○議長(藤本なおや議員) 理事者の答弁を求めます。
 都市整備部長。
      〔都市整備部長(上原和義)登壇〕

◎都市整備部長(上原和義) 私からは、エコ住宅に関するご質問及び放射第5号線の周辺まちづくりに関するご質問にお答えいたします。
 初めに、環境配慮型住宅に係る総合的な施策と普及率の向上についてのお尋ねにお答えします。
 3月11日の東日本大震災以降、再生可能エネルギーの利用など、環境に配慮した住宅への区民の関心が高まっていると認識しております。省資源や省エネルギーがますます重要な社会的課題となる中、住宅の断熱性や気密性の向上、再利用可能な資材の使用、長期にわたる耐久性の確保、またエネルギー効率の高い設備の利用など、環境に配慮した住宅建設は1つの趨勢となってくるものと考えております。そのため、エコ住宅の普及率を高めることは重要であると認識しております。近年、住宅市場では、住宅の省エネ性能などが大きく向上してきておりますので、区といたしましては、今後このような技術動向を注視していきたいと考えております。
 次に、エコ住宅の普及率についてのお尋ねですが、高い省エネ基準を満たすエコ住宅として、現在いわゆる省エネ法に基づく建築物の省エネ計画の届け出がなされたものと、いわゆる200年住宅法による長期優良住宅の認定がなされたものが該当すると考えております。省エネ計画の届け出は規模の大きな建築物が対象で、区内ではまだ届け出はごく少数ですが、長期優良住宅は、平成22年度376件と、建築確認に占める割合は18%ほどとなっております。このほかに住宅エコポイントの対象となる窓断熱などの省エネ改修などがあり、エコ住宅は現在普及しつつあると考えております。
 次に、ブロック塀対策についてのお尋ねですが、現在、平成19年度から今年度まで5カ年で、震災救援所への避難路を含め、通学路沿道の約4,500件のブロック塀調査を行ってきております。調査を行うに当たっては、対象のブロック塀の所有者にできる限り塀の緑化改修を行うようご案内し、働きかけてまいりました。今後も、ブロック塀の撤去や生け垣、緑化フェンス設置などに助成制度があることなど、景観形成にも資する立場から働きかけてまいりたいと存じます。
 私からの最後に、放射5号線周辺まちづくりの施策に関するお尋ねですが、現在、道路構造の決定を受けて、区では、平成22年7月に玉川上水・放5周辺まちづくり協議会よりご提案いただきましたまちづくり構想の検証を行っております。今後は、玉川上水のみどりと水を生かした良好な住環境の形成を目指して、地区計画を策定することを前提に、まちづくりを進めていきたいと考えております。
 また、今後の地域住民との協働につきましては、周辺まちづくりを進めていく上で、地域の方々へ十分にご説明するとともに、ご意見を伺いながら住民との合意形成を図っていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

○議長(藤本なおや議員) 危機管理室長。
      〔危機管理室長(井口順司)登壇〕

◎危機管理室長(井口順司) 私からは、今後の放射線対策についてのご質問にお答えいたします。
 まず、給食食材の測定についてでございますが、10月から放射能測定を開始し、順次結果を公表しております。現在測定は外部に委託して行っておりますが、年度内には測定機器が導入できる予定ですので、その後はこれを活用し、継続的に測定してまいります。
 また、空間放射線量測定については、これまでの学校、公園等での測定に加えまして、モニタリングを行っていく趣旨で、11月から、区役所、杉並保健所、衛生試験所の3カ所で毎週1回の測定を開始いたしました。モニタリング測定は、予期せぬさまざまな事態に備える意味でも必要でございますので、長期的に行っていく考えです。
 次に、東京都の災害廃棄物の受け入れに伴う区内放射線量への影響についてのお尋ねですが、都では、受け入れに当たり、国の広域処理推進ガイドラインを満たすことを条件とし、事前の災害廃棄物の焼却試験で基準を満たしていることを確認しているほか、実際に被災地からの搬出前に放射線量を測定し、高いものは現地から搬出しないこととしております。また、都内受け入れ後も、破壊、焼却、埋め立ての段階で放射線量を測定し、結果を都のホームページで公表しております。これに加えまして、区でも空間放射線量のモニタリング測定を行っておりますので、仮に上昇の兆しがあれば、これにより確認できるものと考えております。
 私から以上でございます。

○議長(藤本なおや議員) 高齢者担当部長。
      〔高齢者担当部長(武笠 茂)登壇〕

◎高齢者担当部長(武笠茂) 私からは、まず、小規模多機能型居宅介護施設の現況についてお答えいたします。
 現在、方南2丁目に平成18年から1カ所運営してございます。また、平成24年2月に上井草2丁目で区内2カ所目の施設が開所する予定でございます。
 小規模多機能型居宅介護施設については、制度上、登録定員の上限が25人とされ小規模であること、施設の認知度が低く利用者が集まらないことなどから、運営が困難なため、事業所の設置が進んでいない状況がございます。
 区としては、地域のバランスを考慮しながら、公有地を活用し、認知症高齢者グループホームと併設することを条件にした公募を行うことや、補助金を手厚くすることにより、整備を進めていきたいと考えております。
 また、区民に対してサービスの内容を周知するなどして、利用者の確保についても支援してまいりたいと存じます。
 次に、公有地の活用と在宅介護推進施策との関連についてのお尋ねですが、区では、区有地や都有地などの公有地を活用し、在宅介護を含めた高齢者施設の整備を進めているところでございます。そのうち在宅介護を支援する施設としては、今年度8月に堀ノ内2丁目区有地に認知症高齢者グループホーム、認知症対応型デイサービス、ショートステイの多機能施設を開設いたしました。また、10月に西荻北1丁目区有地に区内で初めての全室個室のショートステイ専用施設を開設いたしました。さらに、特別養護老人ホームを整備する場合にもショートステイを併設するなど、介護者の支援を含めた施策を行っております。今後も公有地の積極的な活用を図り、計画的に施設の整備を進めていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

○議長(藤本なおや議員) 杉並保健所長。
      〔杉並保健所長(深澤啓治)登壇〕

◎杉並保健所長(深澤啓治) 私からは、不妊治療助成についてのご質問にお答えいたします。
 まず、不妊治療助成の実績に関するお尋ねですが、本年度10月までの実績は78件でございました。初めて不妊治療を受けようとする方が専門医療機関の門をくぐるのは敷居が高いものと思われます。そのため区では、不妊に関する悩みなどを気軽に相談できるよう、随時保健センターにおいて相談を受け付けるとともに、杉並保健所で妊娠を望む方のための基礎講座や専門相談を実施するなど、体制を整備しております。
 また、民間の不妊カウンセリング団体との連携に関するお尋ねですが、杉並を拠点として不妊に悩まれている方の心のサポートを行っている民間団体に、妊娠を望む方のための基礎講座のプログラムづくりに参画してもらうなど、連携を図ってまいります。
 私から以上です。

 


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