標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

蝉の抜け殻を見る。空蝉(うつせみ)の意味は?

2017-07-24 19:49:09 | 日記
柱にしがみついた抜け殻

わが家のリビングに掃き出し窓がある。そこから足を踏み出すと手作りだがウッドデッキがある。デッキに夏から秋口まで蝉の抜け殻が点在するようになる。あるものは垂直の柱に、あるものは天井の横木にぶら下がっている。地面にも転がっていることがる。

天井にぶら下がる抜け殻


タイルの上の抜け殻

羽化前の蝉は昼間のうちに地面から這い出て木に登る。そして、暗くなって羽化するそうだ。通常、木の60cm位の高さまで登るそうだ。脱皮はリスクも伴うらしい。登るのには体力を要するので、高いところまで登ると力尽きる場合もあるらしい。また、スズメバチに襲われることあるそうだ。でも、私が見た空蝉は背が割れているので無事脱皮に成功したものだ。まして、2mの高さの天井まで登った蝉は相当体力がある。きっと元気な声で鳴いていることだろう。

「空蝉」とは蝉の抜け殻を指すということは知っていた。そして私は次のような意味もあると長年理解していた。わびしさを伴った世の中を表現すると。しかし、辞典で調べてみたら、語源は「うつしおみ(生きている現実の人間)」⇒「うつそみ」から音が変化したものとある。わびしさというより、現実の人という意味合いが強い。

しかし、枕詞として「空蝉の」と用いる場合は、「世」「世の人」や「むなし」「わびし」に係るとのこと。私が理解していたわびしい世は全くの見当違いでもなかったようだ。「空蝉」を粛々と現実に生きる人、または、わびしい世の人と捉えるかは、使い手や使い方によって変化するのだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする