朝から空はどんよりで
クルージングするには
寒すぎるきがしてちょっとけだるい。
部屋を出た瞬間、娘の
首回りが寒々しいのに気づく。
ダウンジャケットを羽織っているものの、
インナーが襟ぐりが広いTシャツで
肌の露出が多すぎる。
「マフラーをつけなさい」
と言うと「面倒くさい」
こんな娘が本当に嫌になる瞬間!
「海に行くからさむいのよ」
と説明しても言うことを聞かない。
呆れつつロビーで
ツアーの送迎を待つことにした。
運転手のクリフは日本語が達者なマルセイユ生まれ。
北海道で一年留学し、日本で働いたことも
あるという。
それでか、フランス人なのに
日本人のようにお辞儀をいっぱいしつつ
私たちのためにミニバンのドアを開けてくれた。
さて、ツアーなのに参加者は私たち二人だけだった。
嬉しいような淋しいような。
サント・ポーム山塊を抜け、車で走ること約45分。
可愛い港町、カシスに着く。
そこから8人乗りのボートで夢にまで見た
カランク巡りだ。
10時半出港までの20分町を
自由に散策できた。
カシスはどこかイタリアのチンクエ・テッレ
の村々に似ている。
クルージングのボートに座った瞬間、
「吐きそう、めちゃ寒いし」と娘。
きた~、私は心の中で憤る。
が、せっかくの
ツアーを台無しにしたくないので
「持ってきたあられでも食べれば」
と私なりに解決策を放り投げた。
実際、小さい頃船酔いをスナック菓子で
凌いだことがある。
ただ、やけくそな発言だった。
ところが、ボートの操縦士でガイドでもある女性が、
「船酔いを防ぐために、
お腹に何か入れた方がいいのよ」
とボートでお菓子を食べるのを
許可してくれた。
さあ、楽しいクルージングタイムが始まって、
どんよりした天気でも海深5メートルの
入江ではあの目のさめるような地中海ブルーに出会えた。
石灰石の白と松の木のみどり。
そして、神の指と呼ばれる
とんがった頂上。
背景が
分厚い雲の灰色だったので、
どこか墨絵の景色のようでもあった。
空高くカモメたちがナーバスな感じで
円を描いていた。
おもいがけず、ツアーでの最大の感動は
クルージング後のカナイユ岬からの絶景だった。
海抜399メートル、ヨーロッパで
二番目に高い断崖からカシスの町一帯を見下ろすと、
足が震えるのが分かった。
もっとも1番私を震え上がらせたのは、
娘が崖の淵でピョンピョン跳ねて見せた時だ。
岩の上以外は危ないと忠告受けておきながら、
砂の上を一瞬でも歩いてしまった娘が、
「やばい、今砂の上歩いちゃった」
と言った時、
親として返す言葉を完全に失った。
「ミストラルが吹いているとここへは入れないから、
今日は風がなくてラッキーです」とクリス。
そんなクリスは帰り道を一度間違えた時、
「私今日が仕事、初めてです」
とすなおに言い訳するのが可愛くて、
ついついチップを20ユーロ、
渡してしまったのであった。
私もおばさんになったもんだ。
クルージングするには
寒すぎるきがしてちょっとけだるい。
部屋を出た瞬間、娘の
首回りが寒々しいのに気づく。
ダウンジャケットを羽織っているものの、
インナーが襟ぐりが広いTシャツで
肌の露出が多すぎる。
「マフラーをつけなさい」
と言うと「面倒くさい」
こんな娘が本当に嫌になる瞬間!
「海に行くからさむいのよ」
と説明しても言うことを聞かない。
呆れつつロビーで
ツアーの送迎を待つことにした。
運転手のクリフは日本語が達者なマルセイユ生まれ。
北海道で一年留学し、日本で働いたことも
あるという。
それでか、フランス人なのに
日本人のようにお辞儀をいっぱいしつつ
私たちのためにミニバンのドアを開けてくれた。
さて、ツアーなのに参加者は私たち二人だけだった。
嬉しいような淋しいような。
サント・ポーム山塊を抜け、車で走ること約45分。
可愛い港町、カシスに着く。
そこから8人乗りのボートで夢にまで見た
カランク巡りだ。
10時半出港までの20分町を
自由に散策できた。
カシスはどこかイタリアのチンクエ・テッレ
の村々に似ている。
クルージングのボートに座った瞬間、
「吐きそう、めちゃ寒いし」と娘。
きた~、私は心の中で憤る。
が、せっかくの
ツアーを台無しにしたくないので
「持ってきたあられでも食べれば」
と私なりに解決策を放り投げた。
実際、小さい頃船酔いをスナック菓子で
凌いだことがある。
ただ、やけくそな発言だった。
ところが、ボートの操縦士でガイドでもある女性が、
「船酔いを防ぐために、
お腹に何か入れた方がいいのよ」
とボートでお菓子を食べるのを
許可してくれた。
さあ、楽しいクルージングタイムが始まって、
どんよりした天気でも海深5メートルの
入江ではあの目のさめるような地中海ブルーに出会えた。
石灰石の白と松の木のみどり。
そして、神の指と呼ばれる
とんがった頂上。
背景が
分厚い雲の灰色だったので、
どこか墨絵の景色のようでもあった。
空高くカモメたちがナーバスな感じで
円を描いていた。
おもいがけず、ツアーでの最大の感動は
クルージング後のカナイユ岬からの絶景だった。
海抜399メートル、ヨーロッパで
二番目に高い断崖からカシスの町一帯を見下ろすと、
足が震えるのが分かった。
もっとも1番私を震え上がらせたのは、
娘が崖の淵でピョンピョン跳ねて見せた時だ。
岩の上以外は危ないと忠告受けておきながら、
砂の上を一瞬でも歩いてしまった娘が、
「やばい、今砂の上歩いちゃった」
と言った時、
親として返す言葉を完全に失った。
「ミストラルが吹いているとここへは入れないから、
今日は風がなくてラッキーです」とクリス。
そんなクリスは帰り道を一度間違えた時、
「私今日が仕事、初めてです」
とすなおに言い訳するのが可愛くて、
ついついチップを20ユーロ、
渡してしまったのであった。
私もおばさんになったもんだ。
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