ヴァレッタから若者たちがほろ酔い加減な様相で、
楽しげにバスに乗り込んできたことがあった。
皆一様に手にはワイングラスを持っていた。
なんなんだ、この人たち!
と多少、虐げたような目で眺めた覚えがあった。
そして、8月9日(土)
娘がサマーキャンプから戻ってきて
三戸さん親子とバレッタへと行くことになってようやく
ワイングラスのナゾが解けたのだ。
ヴァレッタの一番お気に入りの場所、
「Upper Barrakka Gardesnアッパーバラッカ・ガーデン」に
立ち寄ろうとしたところ、
そこがワインフェスティバルの会場と化していて、
大にぎわいになっていた。
飲める口の私と三戸さんは迷わず、入場することに。
ワインを飲み放題で飲む場合は10ユーロ、
入場だけだと2ユーロということだった。
当然、「ワインも飲みます」と意気込んで入場料を払いながらいうと、
ワイングラスを渡されたのだ。
それはバスに乗り込んできた若者たちが
手にしていたグラスと全く同じもの!
そうかこれ、返却しなくていいんだ、と納得した。
しかも、このワイングラスで飲みたい放題に飲めるということなのだ!
「おお、太っ腹」と感心しながら、会場に入った。
飲み物以外の食べ物は個別にお金を払ってゲットする。
娘の大好きなスパゲッティを買ってあげると、このように
美味しそうに食べている。日本でいうとお祭りで焼きそばを買う感覚だ。
楽しげ! でしょ。
さて、公園のベンチはほとんどふさがっていたので、
このようにほぼ地べたに近い植え込みのところにて、しゃがみ込む。
子供は探検が好きだ。
親がワインを片手におしゃべりに興じている間、
子供たちはとっととどこかへ行ってしまう。
慌てて探すこと、30分、
公園の大砲のある階段下で見つかった。
なるほど、公園の中ほどにある
階段を下りていくと、そこは広場になっている。
娘とカイト君はその広場にある大砲を見たくて下りていったに違いなかった。
が、そこはセレブな祝宴の場となっていて、
しばらくその優雅な人々の様子に圧倒されて佇んでいると、
警備員がやって来て、
「ここはチケットがなければ入れないから」と
追い出されてしまった。
階段を上って庶民の祝宴の場に戻ったとき、
さっきかいま見たセレブな世界との落差でこれまた、
呆然としてしまった。
ちなみに娘はこの階段で足をくじいてしまっていた。
それがのちのち、大変なことになるとは
この時の私には思いもよらなかった。
ところでこのフェステバル正確には、
「The 7th Delicata Classic Wine Festival」という。
2008年度は8月7~10日にヴァレッタで、
8月22日~24日まではゴゾ島のNadurで開催された。