のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

新しい衣装を着るまで

2007-07-04 | KA
 新しい衣装は練習で着て、試してみるというのが私の基本です。これは、私の中では当たり前のことですが、ここではそうではありません。私は新しい衣装をいただく度に「これを着て練習させてください。」と言っていたのでようやく「ノリコは新しい衣装を、トレーニングで着て試してから本番で着たい。」と分かってもらえたようです。
 フルートで踊るシーンで着ている赤い衣装、色も変わり、しょぼん、としていてかわいそうでした。今回の新しい衣装は全てが新しいのではなく、前に使っていた黒の土台に新しい花びらを付け直してくださったそうです。それでも、恋をして花咲くというコンセプトで作られた衣装の“花”がしょぼんとしているよりはずっといいです。「衣装ではない、自分が輝けばいいのだから。」と言い聞かせなくても良くなります。
 新しい衣装を渡された時に「舞台で着られるようになったら教えてください。古い衣装を取り去ります。」と言われました。分かってもらえていることを嬉しく思い、練習で着て確かめ、今日から舞台で使うことにしました。
 ところが一回目が始まる前に確認すると、古い衣装が二枚とも取り去られています。一回踊ると汗でびしょびしょになるので、もう一枚欲しいところです。衣裳部屋に確認に行きました。すると、ちょうど古い衣装の花びらを新しく付け直してくださっているところでした。そして「2回目のショーには間に合うから。」と。「…。」
 先日渡された衣装と、今直している衣装、同じことをしているのに、何故、片や事前に渡され、片や直前に渡されるのでしょう…。
 一回目のショーの途中でその衣装が届いていることに気付きました。私は踊る部分が終わるとすぐにその衣装を着てみました。汗が吹き出る前に着替えて、二回目にもう一度、一回目に着た衣装を着るためです。
 そして着てみると、動いてみる前に問題点がありました。スカートに付いている“オビ”が入るのに、二枚重ねになっている部分があります。そこは離れていなければならないのに、縫い合わされてしまっていました。一回目のショーが終わったあとにそれを言いに行くと、彼女は縫った部分をハサミでチョンチョンと切って、「これでいいかしら。」と。「…。」
 ハサミで切って終わりでいいのなら自分でしました。それは花びらを取り付けるために縫ったのですから、切ってしまったら花びらも取れてしまうことになります。
 もう時間もなかったのと、一回目に着た衣装をもう一度着られる状態にしておいたので、今日はそのまま受け取りました。
 衣装部屋とのやり取りには、いつも根気が要ります。