のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

二つの涙

2007-07-13 | KA
 気持ちの落ちている日。珍しく頭痛もある。MGM行くと、涙が滲んでくる。今日はお客さまを迎える日。何とかしないと。時間はある。ゆっくりと。

 今日の一回目の代役のフルートは、昨日とは比べ物にならないほど良く回っていました。一回目にこれぐらいの演技をさせてあげたかったです。

 一回目のショーの間中、私はフルートと遊んでいました。身体を動かしていると、フルートを回していると、自然と活き活きしてきました。
 衣装に着替えカツラをつけて、ウォーミングアップをしにトレーニングルームに向かう足取りも軽く、階段も自然と駆け上がっています。うきうきとしているのを感じました。やらなかったショーはたった二回なのに、なんだかとても久しぶりな気がして、ショーに出る喜びで幸せいっぱいになりました。
 今日は日本からのお客様のことを考えて踊ることになるだろうと思いました。モントリオールからジュリも遊びに来ていますが、彼女はまた観るだろうから、きっと彼らのことを考えるだろうなと思っていました。
 舞台に立つと、やはり日本からのお客様の顔が浮かびました。でも、やっぱりジュリも出てきて、ニコッと。するとそのあと、いろいろな人の顔が浮かんできて、みんなに見守られている気がして、幸せでいっぱいになりました。舞台が下がりながら涙さえ出ました。
 朝、落ちていた気持ちはうそのように晴れやかに舞台に立ち、幸せいっぱいに舞台を終えました。「まずは自分が心から幸せでないと…。」そう思うと、ふと代役の彼女のことが思い出されました。
 きっと彼女はあの舞台に立ってとても幸せだったことでしょう。いつもの役ではなく、憧れの役が出来て満足だったことでしょう。だとしたら、私のように冷静にあの一回を観ていた人でなければ、彼女の満ち満ちた幸せから、伝わるものもあったはず。だからそれはそれで良かったのかな。
 そして、この二回があったお蔭で、私も幸せに満ちることが出来たのできたのですから。