のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

責任が果たせなかったときに

2010-04-18 | イベント
 昨日は、緊張し過ぎて疲れたのか、夜はぐっすりと眠れました。そして、朝の目覚め良く。
 お蔭で、行く準備をして化粧を終えても、カンパニーのバレエレッスンを受けられる時間に間に合いました。バレエは一時間、バーレッスンだけ受けさせて頂いて、センターをしている間は、本番を迎えられる状態まで身支度をし、レッスンが終わるとすぐにバトンの練習をしました。そのほんの少しの時間が、バトンを空中に投げられる唯一の時間なのです。
 今日は、『A CHOREOGRAPHERS' SHOWCASE』本番。昨日のようなおかしいほどの緊張はなく、ほど良い具合だったと思います。ショーの始まりとなるメリーの作品前は、充分に身体を動かし、復習ができました。ただ、始まりが遅れたので、滑る舞台に対応するために、バレエシューズの裏を濡らしに、何度も水があるところまで行かなくてはなりませんでした。
 メリーの作品は、少しバトンをするところがあり、飛ばし過ぎてしまいましたが、他は間違えることもなく、迷惑も掛けずに出来たと思います。
 そして、『瀕死の白鳥』。ゆっくりと、ゆっくりと踊り始めることにしました。始めの部分が落ち着いて出来れば、あとは落ち着いて出来ると思っていました。しかし、そこは上手くいったのですが、その後、そのまま動くとライトの中にバトンが入ってしまうので、ほんの少し移動を小さくすると、そこで曲が余り、ゆっくり動いているとタイミングを失いバトンを落としました。小さな違いに対応できるほど充分なものは、まだありませんでした。細かいことがいろいろとあり、その上、首の辺りで回し始めた時に髪飾りに当ててしまい、またバトンは床に落ちて行きました。最後の方に心配なところがありました。一番失敗の確率の高いところです。そして、もう失敗は出来ません。やらないで終えることも出来たのですが、神経をさらに集中させ、やってみました。バトンは手の中に入ってきました。
 踊り終え、客席の中に退場し、カーテンの中に入ると、「ああ。」と言いながら、床に大の字になりました。責任は果たせませんでした。
 充分なことが出来なかった時ほど、多様な反応があります。特に触れないようにしていると窺い知れば、自分のしたことを顧みます。残念がって声を掛けてくれることもあれば、良かったことを見付けて声を掛けてくれることもあります。失敗したことなど全然気にしないで、「本当に良かったよ。」と元気に言ってくれることもあります。終わってしまったことは変わりません。そして、自分の本当の気持ちも変わらないのですが、言葉によって癒され、次に向かって進む気持ちへと切り替えられる時間が短くなることはあります。こんな時、自分はどんな言葉を掛けられるのだろうと思うのです。
 ショーが終わり、着替えていると、衣装担当の方が近づいてきました。「ちょっと言っておきたいことがあってね…。」衣装は返したはずです。何だろうと思っていると、「あなたの番になった時、みんなが『次だ次だ。』と出て来て、じっと観ていたのよ。」と。私は、「それなのに、上手く出来ませんでした。」と言うと、その人はそれが聞こえたか聞こえないか、何も言わずに去っていきました。
 着替えて帰り支度をしませ、客席に出て行くと、照明でお世話になった方と一家族が話していました。その方にお礼を言い、通り過ぎようとすると、「今、丁度あなたのことを話していたところだったんだ。」と。そこには、小学生位の男の子と女の子が居ました。「子供達が、あなたのが一番良かったって。」横に居たその子達は、二人して私をじっと見てうなずいていました。そして、将来舞台に立ちたいと言うその女の子と写真を撮ることになりました。
 あらゆる面で一番お世話になったゲイルにお礼を言うと、涙がこぼれてきました。彼女は「あら、あら…。」と言ってやさしく抱いてくれました。
 ショーが終わってからもうだいぶ時間が経っているのに、ずっと待っていてくれた友人が居て、ご飯を食べに行くことにしました。久しぶりのベトナム料理。ベトナム料理は初めて、というその友人は「おいしい、おいしい。」と言って、喜んでいました。のんびりとゆっくりと、おいしく楽しく時間を過ごしました。デザートは、隣のスーパーで買うことにしました。中華系のスーパーに行ったことがないというその友人は、そこで見るものすべてが新しいようで、キョロキョロ、キョロキョロしていました。それを見るのも楽しいひとときでした。
 家に戻ると、一時間程でまた出掛けることになりました。以前にお会いした落語家の方が、昨日ラスベガスでの公演を終え、今晩の夕食に誘って下さったのです。今度はタイ料理。ここには十数名が集まっていました。私は食べ終えたばかりでしたので、飲み物だけにしようと思っていたのに、料理が並ぶ頃にはお腹が空き始め、しっかり頂きました。たくさんの人数でしたので、いろいろなお料理を頂くことが出来ました。そして、思いがけずいろいろな方にお会いでき、いろいろな話を伺い、本当に楽しいひとときでした。
 今日は、元気をすぐに回復できるよう、神様がその時を与えて下さっているかのように思われました。
 アパートに戻ると、ショーを観に来てくれた友達を訪ねました。彼らとしばらく話しながら、私はここでも元気を取り戻していることを感じていました。何気ない会話でこうやって人の心を癒せる彼らは本当に素敵です。電話もせず、帰りがけに突然寄ってしまいましたが、立ち寄らせて頂き本当に良かったです。
 朝8時半に起きてから、どれだけの事をしたのでしょう。どれだけの人に会い、どれだけの言葉を交わしたのでしょう。人と人との間に生きていることを感じた、長い一日でした。
コメント
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