陽だまりのねごと

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ミスコン  後藤 悦子著

2008-09-08 22:51:01 | 
ミスコン―mis‐control
後藤 悦子
小学館

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この小説はケイタイサイトで連載されたもの。
著者は主人公とほぼ同じ経歴持つ。
私小説っぽいフィクションと言ったところか?

短大在学中に受賞したミスの称号は小説内とまったくおんなじ。
ミス日本神奈川代表とミス鎌倉。
その後、スチュワーデスとなるところも合致。

退職してだんだん精神の均衡を崩して幻覚幻聴が起こるあたり
統合失調症みたいだけれどもアル中とされている。
この辺りがなんとなく
現実に精神科の薬にずっと世話になっている身内を抱えていると釈然としない。

『恋空』ほどレイプだ難病だとパターン化したアクシデントがないだけ
読みやすい小説ではあった。
初期ものであそこまでいってしまってないってことかも。
なんだかんだとケイタイ小説も
おばさんの野次馬根性で手に取ってみたくなる。

ミスコンは女性蔑視であるとか言う意見もあるが、
あちこちのミスコン荒しが出てくるこの小説を読んでいると
うまく当日だけ審査基準を通過し一位になる事目指す姿勢は
人前で鍛えた筋肉もりもりの肉体を披露して競うボディビルっぽい感じ。

つい最近(?)ミス日本の入賞秘話など観た記憶とダブった。
内容的にはもっと下世話に書いてあり、
外面の作り方と内面をそれらしく見せる方法論と
人の目に映る美ってなんだ?と疑問がわく。

美人はしあわせか?

女性はとかく少しでも美しくありたいと願って
あれこれ無駄な抵抗を楽しむパーツを
多かれ少なかれ持ち合わせているものだけれど
あの追求力は何の意味があるのだろうとちょっと疑問。

林真理子の小説なんかに出てくる
美しいだけでちやほやと分かりやすい金を出す男たちもここにも出てきた。
そう言うので満たされると思うおバカな女は少ないと思うけど
美人はしあわせか?
女はなぜ美しさ求めるか?

最近、そう言うのからちょっと降りた感じが自分でしないでもないのだけども
若かりし頃にも自分からは遠かったミスコンの話、
ミスになる人ってどんな人だったか?一読の価値あり。



建てて、いい?   中島 たい子著

2008-09-08 04:50:32 | 
建てて、いい?
中島 たい子
講談社

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独身女性がマンションを買うまでは世間が認めるけれど
『家を建てる』は認めないという常識の壁があるらしい。
建てるからには自分らしい世界にひとつの家と思いつきが
予算とにらめっこしながら現実にしてゆく話。
親の土地あり、恵まれた仕事ありと
ちょっと頑張れば小さな家が持てそうな40歳前の女性が主人公。
すこぶる現実的っぽい仕立てにはなっているが
ワンランク上の生活が一般的に描かれるテレビドラマっぽい感じもした。

『建てて、いい?』
と、回りに聞いているようで
『よし、建てるゾ!』
と、回りの反対があればあるほど意地になっていくのも人の習い性か? 

ジャニーズ事務所かと思う美形の設計士ばかりの事務所で
家を建てたい人の話を設計士全員が
ゆっくり聞いてくれるところから家作りが始まる。
その人を良く知らないとその人にあった家が仕上がらないと言う。

ふと介護のケアプランを思った。
その人の生きてきた道を知らないと本当はぴったりしたプランには仕上がらない。
辞めた仕事が読んでいる途中で顔を出す。シッシッシ。

主人公のはちゃめちゃな空想ばりの家の構想を聞きながら
どういう設計になるのか想像がつかなかったけれど
最終的にはちゃんと現実の家に仕上がった。

一生に一度の家を建てるのは
でっかい買い物だけにわくわくしたりや迷いが生じたりする。
ファミリーでなくお一人様仕様、しかも女性と言うことで
どことなく自分だけのデザインのお洋服作りに似ている感じもした。

出来あがるまでストーリは楽しかったけれど
出来あがった家の様子が鮮明なったら急に現実に引き戻された。
この家のローンのためにも彼女は頑張るのね。
しかも経済基盤もすべての生活を一新するところで話は終わっている。
先に苦労が多そう。

さらにワンランク年上の私は思う。現実的な空想が膨らむ。
出来あがった家は今現在、40代の人が住むにはぴったりかもしれないけれど
年齢があがったら住み辛いかも?と。

1階がベッドルームで2階がキッチンで
ゆったりスペースのらせん階段を上がらないと2階へ辿りつかないのは
足腰に難が出る年齢のことまでの考慮がない。


家って作るまでで住むと不都合が出来てくる。
結婚とおんなじか?
考えたら
不都合だらけの思うようにならないオーダーメイド人生を生きているんだわ。