陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

やっぱり昼の弁当はうまい

2008-09-16 07:05:56 | Weblog
雨の一日、道路の工事は早じまいだったのか
びしょ濡れで午後4時前帰ってきた。
開口一番
『やっぱり昼弁当はうまい』

前の日に仕事がなくて家で、しかも夜に食べた弁当は
言わなかったけれど不味かったらしい。
体を使って働くから弁当がおいしいと言うマジックが充分にあるし、
ちゃちゃかちゃと30分クッキングで作る弁当なんだけど
こう言ってもらえると作り手はとてもうれしい。

午前6時
この弁当作りのせわしない最中に姑から電話を受けていた。
「お買いものに連れて行ってもらう予定だけど、病院にしてくれる?」
体の調子が悪くなっているのなら躊躇してる間はない。
「すぐに行きます」

電話口ではためらい時間があって
「用事をすませるから8時過ぎに来て」
なんだ家の仕舞いやら身支度が出来るのなら大したことない。
祝日に受診だからいつものかかりつけ医ではなくまたも緊急外来になる。

たしかこの前の不調訴えから10日も経っていないのではなかったか?
何度も緊急で検査の結果『異常なし』。
内心『またか』と思った。でも万一ってことがある。
一人暮らしに限界がきているが、なかなか助けの手が出せない義理の仲。
姑はマイペースで他者の助けでは満足出来ないタイプなのだ。
良かれとこちらが思う事が迷惑でずっときている。

8時過ぎ、姑宅着。
5時にニトロベンを飲んで今はどこも悪くないと言う。
『じゃぁ病院はいいでしょう?』
心配だから行くと譲らない。
実母なら寝ておけと一喝して
出来ないでいる家事やら身の回りの世話を始めるところだどうけれど
カギをかけた屋外で外出着に着かえて待たれている義理母には強く言えない。

病院では予想どおり。なんでもない。薬も注射ない。
帰路に週一の買い物へ寄るかと訊ねたら寄ってくれと言う。
いつものお店は遠回りだからとやたら遠慮するから、
一番近い大型店は店内で疲れそうにみえたから、
小雨の中、小さめのスーパーに車を着ける。
よろけるからカートを取りに走ったり気使いがいる。
買い物の袋詰めを手伝っていたら切干大根の総菜が2パックあった。
切干大根が好きなのならこんど作ってあげようと声をかけたら

 『うん?きんぴらじゃない?』

と言う。目が悪くなっているから取り間違えたのだ。
私がレシート貰って交換に走った。
考えたら私の作ったものは好きでなかった。
自分が買ったきんぴらが好きなのだ。
朝手渡したおからを炊いたのはゴミになったかもしれない。
前回もおかず持っていったけれどおいしかったも何も聞いていない。

荷だけ家に降ろしたら『ありがとう』と言う。
帰れと言う意味らしい。手が出せない。家に入れない。

まぁいいかと
近くの実母と妹夫婦が住む実家へついでに回る。
母が包みを開いてニコニコしている。
今春巣立った内孫から敬老プレゼントが届いたところだった。
〈就職してはじめの敬老の日くらいおばぁちゃんにちゃんとしなさい〉
と言う妹からの裏差し金がこっそり耳打ちされた。

姑の通院顛末を話して、待合室の暇つぶし編み物を見せた。
自分たちのも『編んで。編んで。』と親子でやかましい。
母も昔は編み物をしていた。
あの残り糸をいっぱい貯めこんでいたのはどうなったろうか?
廃物利用ができれば無職の手慰みになるかもと
ちょっと聞いたら押入れの大捜索になってしまった。
母はいったい何をしまいこんでいたのだ?

妹が『これはいらない』と言う。母が『絶対にいる。』と言う。
中に入って仲裁しつつ片付け。
本題の毛糸類は面倒くさいので一切合財私が引き取ることにした。
母が『要る時はもらいに行くから』と言う。
ハイハイ。大事に保管しときます。

何にもなりそうもない毛糸だけど、
気の多い私の母らしくほどきかけのセーターやら編みかけやらが混じっている。
どうしようか?と考えるのも楽しい。

子供の頃読んだ↓
スウ姉さん (角川文庫クラシックス)
エレナ・ポーター,村岡 花子
角川書店

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を思い出す。
若くして突然病に倒れた父親介護にあけくれ婚約者を時間のある妹へ取られた
スウ姉さんが
『メインのお肉も脇のじゃがいもがないと引き立たない』
と自分の立場を肯定する。
主婦に倦んでこれで一生終わるのかとため息が出そうな時
何度も思い出した言葉だった。

びしょ濡れ泥だらけの作業着と雨合羽は
仕事の疲れと汚れをシャワーで流している主役の影で
きれいに始末する役が確かに必要だ。

懲りずに履歴書の用紙を買ってきてもいるけれど
支えが居る人々のためにスタンばっている自分が一番私らしい気もする。
生きてきて一番長い時間が主婦だったのだ。
夫の死後、がむしゃらに無理をしてきたのかもしれない。

30分クッキング弁当を
『ありがとう』と息子が受け取って雨上がりの朝へ出ていった。

家を片付けてから姑の様子見に行ってみよう。
母がほどきかけのセーターはもう一度繕って寒くなったら着てみようか?