陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

熊野古道~大雲取越 (3)

2009-09-26 06:44:19 | Weblog
体よれよれ~意識もうろう~
後4キロのナンバー8の道標を通過した頃、
斜めに夕陽が杉木立の間を赤く照らし出した。
ときどき覗く山の端の夕焼け。ここまで歩いたから見られる。この瞬間に立ち会えている。

 →    →   → 
もう惰性で足が前に出ているだけなのに、夕陽に神経は興奮している。
陽は除々に輝きとトーンを落とし、そして山道を闇に落とした。

こうなったら列の中をおりこうさんで黙々と付いて行くしかない。
語り部さんのお尻にぴったり張り付く。離れたら何にも見えない闇の山で迷子。
懐中電灯をリュックから出そうしたら語り部さんが止めた。正直、リュックを降ろす元気もなかった。
先頭の語り部さんが高く灯りを掲げて私の足元を照らして下さった。
「もう少しだから」と励まされ、後ろからの光にも助けられ道標0に辿り着いた。
熊野古道は終わった。
本当はこっちから登って最後の道標28まであるくのだろう。たぶん。
そこには階段があった。登れば阿弥陀寺。その上をもっと登れば黄泉の国とか。
亡夫が居るのなら登ってみたい衝動にかられた。

古道は終わってもバスの待つ駐車場は遥か下らしい。まだ歩く。
闇には弱い怖れんぼADHD。おとなしく列の二番手で降りていった。 
 
熊野那智大社と那智山青岸渡寺と神仏があっちとこっちとと説明が始まっていたけど、空には一番星、二番星。
一時も早く里へ降りたい。バスに乗りたい。歴史講釈が脳を素通りする。
最後の最後の参道階段を降りる。踊り場に夕涼みのおっちゃん二人とわんこ。
かわいい~おっちゃんでなく犬が。

 

「写真を撮っていいですか?」と言えばおっちゃんがシャッターを押してくれた。
わんこはビーグルと柴犬のミックスで名前はビーちゃん。
わんこと遊んでいて、ハッと気が付いたらまた周りに誰もまたいない
急ぎたいけど急ぐことができない足を引きずって、みなさんのところへ追いついたら
クールダウンストレッチの真っ最中
わ~ごめんなさい。19:30。宿は?夕食は?8時には無理か
熊野古道の最初と最後にわんこたん。ちゃんと帳尻があっている


朝の明るさで見ればこういうところで、もうビーちゃんは見つからなかった。
参道を上がるだけでもかなりなもの。誰がその奥の奥の古道を歩いたの!?
だれも昨日降りたこの参道階段は上がりたくないので、横の那智の大滝だけ見た。
この水を飲んだり飛沫浴びると延命できるとか?
ワタシ?絶対飲まず飛沫を避けておりましたとさ。
熊野古道~大雲取越のおはなし。おしまい。おしまい。あぁ~疲れた、疲れた。2度と歩けましぇん