陽だまりのねごと

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生きるぼくら     原田 マハ 著

2013-04-05 23:00:08 | 
生きるぼくら
クリエーター情報なし
徳間書店


題名、くさいよね^^;
しかも本の装丁が田んぼ。
読まなくてもストーリーが分かるような気がした。
マハさんさから、説教くさくはないだろう?
まぁ~田植えはこれからがシーズンだしって事で、図書館から借りてきた。

   

この前のウォークでは棚田100選に選ばれている地区を歩いた。
まだ水が張られている田は一部だった。
本のように水が張られて田植えの済んだ棚田の夕日、朝日の頃には、
ずらっとアマチュアカメラマンが並ぶスポットと聞いた。

人の手間暇がかかって初めて美しい風景になるって事だ。

小説の書き出しは、典型的引きこもり青年の描写から。
その項のタイトルは『母の失踪』
それだけで話が読めてくるワケだけれども、
引きこもりの原因は高校時代のいじめで、
だんだん自己嫌悪に陥ってゆき、学校へ行けなくなる決定的シーンでは不覚にも泣いた。

何も悪くない者をいじめる側が無傷で、いじめられている方がここまで心に傷を負うのかと胸に詰まった。
涙がどうしても溢れてくる。
実は、定期的に骨粗鬆症の薬をもらいに受診する日で、散々待たされる待合室用にこの本を持って行く気だった。
この本の続きを読むのはちょっとヤバい^^;

この後、認知症のおばぁちゃんが出てきたり、
推測どおり、田んぼ作りで、ひきこもりは生きる力が漲るほどに変る。

この田んぼが普通ではない。
不耕農法とでもいうか、耕さず、除草も稲の生育を邪魔するものだけにし、土の持つ力で稲を育てる。
とにかく人の手を多くかける。
さらに機械は一切使わない。すべて人力。

稲を育てるのに、まず稲の成長を信じるとある。
これは信じて待つ、子育ての基本であり、人の成長に通じるモノがある。

職業柄、介護状況に目がいく。
認知症、要介護者にべったりと張り付いて、
人に任せられないで、双方で草臥れ果てる場面が出てきた。
妹が実はそうなんだけれど、
育ちのどこかで見捨てられた経験が、介護する人を離さない、固執すると
スパッと斬ってあった。
解決策としてデイケアを利用、介護者、要介護者分離策へ出る。
ケアマネの存在がないのがちと気になったが、一般的にはそんなもんでしょ^^;

辛いシーンについ感情移入させる。
上手い。
そしてちゃんと解決へと導いて、先に希望を見せて話が終わる。

読み手は作者の手のひらゆりかごに揺られて心地よい。
題名は相田みつおっぽくって、やっぱり少々照れる







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