月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

2012年も明日でおしまい

2012-12-30 19:06:34 | どこかへ行きたい(日本)


今年もいろいろと美味しいものを食べたり、愉しいところへ、沢山、出掛けた。

それらひとつひとつを、真珠の数珠つなぎのように、振り返る。


11月後半には、「行ってみない?」と突然に誘われた、非公開異人館「神戸北野異人館キャサリンハウス」も。



この頃、わたしは仕事がてんやわんやで余裕が全くなかった。
それにわが家の受験生の「保護者講習会」(塾主催)が午後2時からと重なっていて、
それでも、なんとか都合をつけてせめて午前中だけでもと思い、出掛けたイベントだった。


「神戸北野異人館キャサリンハウス」は、1899年に、イギリス人建築家ハンセル(A.N.Hansell)によって
設計された美しい異人館だ。




この館の主は、キャセリン・アンダーセンというスウェーデンの女性で、
彼女はドイツ人の陸軍少佐C.A.アンダーセンと結ばれ、2人の新居として建てられたのが、ここ。


だから例えば、白亜の外観の東側にある二つの違った形のベイ・ウィンドゥ(張り出し窓)や、
太陽の光が館の全体を温めるように注ぐサンルーム、民族楽器や調度品などに、



キャセリンのこだわりが大いに反映されていて、それらを見て歩くのが愉しかった。







窓から眺める六甲山や神戸港や海はさぞかし、異邦人の心をいやしてくれたのだろうなあ、と想いながら目前の風景を重ねた。






ひととおり見終わった後で友人と水出し緑茶アールグレイと焼き菓子を、緑のガーデンを見ながら食べる。

隣の男性が咳払いするほど、おしゃべりを弾ませながら…。(赤面)



わたしは、過去の作家や文化人たちの暮らした家や愛好していたものなどを、訪ねる旅が昔から大好きだ。
特に住まいや暮らし方に、関心がある。

時空を超えて、そこに存在したはずの人の息づかいや残像が自分のなかに淡々と伝わってきて、それらと対峙するひととときが、とてつもなく好きなのである。



異人館を出た後に、北野のフレンチレストラン「シェローズ」へと場所を移動。そのお話はまたこの次に…。