日本の「国技」と言われる相撲の歴史は大変古く、古事記、日本書紀にはすでに記述が見られ、初めは殴る蹴るなんでもありの格闘技だったらしい。
鎌倉時代には、今に繋がるルールが確立されていき、室町時代あたりには力士を生業とするものたちも現れはじめたらしい。
戦国時代には武士たちのトレーニングの一つとして相撲が取り入れられていたようです。織田信長の相撲好きは結構有名ですよね。
で、江戸時代にはより組織化は進んでいき、勧進興行などで庶民にも人気が広がっていく。そうして明治以降さらに整理され、今の大相撲へと繋がっているという次第。
さて、八百長というのは江戸時代頃には当たり前のように行われていたようです。
落語の演目にある「佐田山」。これは横綱の雷電が、佐田山という力士の境遇に同情してわざと負けてやるという話。まあこれは「八百長」というより「人情相撲」として伝えられている噺で、情けをかける横綱の人間性に涙する。
日本人はこういう話が好きですね。「義経勧進帳」や「大石東下り」に通じる精神性を感じます。
まあこれはまだ、人情に基づいたもので、お金がからんでいるわけではないですが、わざと負けてやっていることには変わりはない。現代の感覚からすれば、これも立派な
「八百長」だ、と
言える、かもしれない。
初めは「情け」をかけて勝負に手心を加えるもの、だったとしても、やがてそれは、お金で星を売り買いする行為となっていく。
横綱は負け続ければ引退、降格はない。
とか
大関は2場所連続負け越しをすれば降格
とか
そうしたルールのなかで、まだ引退したくない、降格したくないという力士たちが
お金で星取りを「調整」するようになっていく。
その歴史は長く、闇は
深い。
気分が悪くなるくらい衝撃的な話。閲覧注意です。
元関脇、貴闘力氏のYou Tubeチャンネルは、こうした相撲界、主に相撲協会の抱えている問題点を忖度なしに、実名で公表し、大胆な問題提起を行っています。
これはただの暴露ではありません。ここにあるのは、貴闘力氏の相撲に対する
限りなき「愛」。
愛があるからこそ、変えたいと思う。膿をだして健全化していくにはどうしたらいいのかを考えている。
関取時代は必ずしも真面目な方ではなかったですが、でも相撲愛だけは本物だった。そういう人だからこそ、
なにか心惹かれるものがある。
日本の伝統文化であり、神事とも繋がる大相撲を健全化することは、日本の今後のためにとても大事なことなんじゃなかろうかという気がする。
相撲界には理不尽なことがたくさんある。その理不尽なことすべてが悪いとは言えない、とは思うけど
八百長はだめでしょ?
もし「八百長あってもいいじゃん!それが相撲でしょ?」というならなぜ隠す?それは後ろ暗いということを感じているから、世間一般からは許されないということがわかっているからでしょ?
でも無くせない。なぜ?
それは、今親方になっている人たちのかなりの多くが、
相撲協会の理事を務めている方々のかなり多くが、
実際に行ってきたから。
行っていながら、それをひた隠しに隠してきたから
だから今更。
自分たちの「罪」を
認めたくないから。
八百長は大相撲の発展の歴史にくっついたかたちで続いてきたもの。歴史なら堂々と公にしてやっちゃえよ!
でもそれで世間が
納得するかな?
という話。
伝統文化は時代の流れとともに、変わるべきところは変わっていかなきゃならない。そうでなければ潰れていく。
大相撲、潰しちゃっていいの?って
話だね。
貴闘力氏の活動が、少しづつ少しづつでも
確実に広がっていくことを。