こういうスタッフによる裏話とか、メイキングとか、大好きなんですよね。ある意味本編より面白かったりして。
いやいや、この作品に関しては、本編もメッチャ面白いです。
やっぱり光と闇と描写ですよね。江戸時代の夜は暗かった。その暗さを表現するための僅かな光。これが美しいんだ。
テレビの必殺シリーズでは、光源がわからない(笑)強烈な照明を当てて、光と闇のコントラストを表現していたけど、あれはもう理屈抜きに、とにかくカッコいい映像にしようと毎回努力していた結果なんであって、リアリティは度返ししていたわけです。まあ、それが許された時代だったんでしょう。私も好きだったし。
今回はそれとは違うんです。高感度4Kカメラを使用することで、僅かな照明でも写すことができる。まさしく「現代」の技術によってなし得た映像なんです。
そういう意味でも、これは「現代」の「時代劇」なんです。
時代劇というと「古臭い」というイメージを持たれる方もおられるでしょう。それはとんでもない間違いです。
映像作品というのは、いや映像に限らずすべてのエンタテインメントは、それが制作された時代を映す鏡です。制作された時代の空気が必ず映し込まれているもの。
時代劇というある種の「ファンタジー」に込められている「現代性」を観るのも、面白いですよ。
VFXの尾上克郎さん。最近よくお名前をお見掛けします。やはり現代の映像表現にVFX、とくにCGは欠かせない要素の一つ。お忙しいようで、なによりです。
CGによる江戸時代の風景や、江戸の街。そして梅安の針。
今回の作品では、梅安の使用する針は非常に細く、僅かな照明しか当てない夜のシーンなどではカメラに映らないんです。だからCGを使う。
やはり現代の技術が成せる技。時代劇は現代劇だ!
今までにない新しい要素が、この作品には詰まっていると思う。「時代劇新時代」は伊達じゃない。
豊川さんの所作、衣装の着こなし。豊川さんに限らず出演者の皆さん、その点はとても見事。そういう時代劇の基礎中の基礎を疎かにしていない。当たり前と言えば当たり前なのですが、最近そういう基礎を蔑ろにしている作品も、まま見かけるのでね。ああいうのはホント。
見苦しいし
情けない。
時代劇の伝統を大事にしつつ、現代性を加味した、現代の時代劇、『仕掛人・藤枝梅安』。
PART2は愈々明日、4月7日より公開。
観ない手はないぜ!
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