問わず語りの...

流れに任せて

映画『空の大怪獣ラドン』4Kデジタルリマスター版

2023-01-10 03:47:08 | 怪獣、特撮

 

 

 

泣きながら観ちゃった。だって本当に素晴らしいんだもん!

 

 

 

今まで何度観たかわからないくらい、何度も何度も観ているし、ストーリーは勿論、カット割りからセリフに至るまでほぼ覚えているというのに

 

 

それなのに、観ていてドキドキが止まらないんですよ。

 

 

あんまり嬉しくて、あんまり素晴らしくて、終いには涙が出てきて止まらなくなった。

 

 

特撮が好きで、怪獣が好きで

 

円谷英二特技監督が好きで

 

 

本多猪四郎監督が好きで

 

 

映画が好きで

 

 

 

本当に良かった。

 

 

幸せだ。

 

 

 

 

 

 

 

ラドンって、ゴジラなんかとは明らかに違っていて、ラドンには破壊の「意思」は無いんです。

 

 

ゴジラには明らかに、人類文明に対する「怒り」があった。でもラドンは違う。

 

 

ラドンはただ単に、空を飛べるから飛翔しているだけ。ラドンにとっては極当たり前のことをしているだけなんです。

 

 

でもラドンが空を飛ぶだけで、まるで台風のような大風が起き、ソニック・ブーム(衝撃波)が発生してモノが壊れる、人が死ぬ。

 

 

存在しているだけで、人類にとって大変な脅威となる。

 

 

だから、倒すしかない。

 

 

この映画は、「生まれてくる時代を間違えてしまった、巨大生物の悲劇」なんです。だから最後に、ラドンが倒されても、そこにカタルシスはない。重い空気だけが残る。

 

 

もう何度も観たし、よく知っているラストなのに、それでもやっぱり哀しい。ラドンの断末魔は、何度観ても辛い。

 

 

4Kだから?いやいや

 

 

元から優れた映画であったから、であって、それプラス

 

 

4Kだから、でしょうよ。

 

 

優れた映画をよりクリアな映像で

 

 

良いね。

 

 

実際に4K化の作業をしている方々は大変でしょうけど、まだまだ名作、傑作特撮映画はたくさんあります。

 

 

特撮ファンとしては、お願いしたくなっちゃいますねえ。

 

 

 

映像がクリアになったことで、今まで見えなかったものが見えるようになった。これは大きい。

 

 

メガヌロンの体表の色使いとか、あんなだったなんて知らなかったですよ。結構気持ち悪い(笑)。メガヌロンのシーンはホラーでサスペンスで、クリーンな映像になったことでその点がより楽しめる。

 

 

この映画最大の見せ場、福岡の街の破壊シーンはもうね、凄すぎてため息と涙しか出ないです。

 

ミニチュアならではの重厚な破壊シーン。あの重々しさはミニチュアでなければ出せません。CGでは絶対ああはならない。『ゴジラVSコング』を観てもわかるように、CGのビル破壊って案外軽いんですよ。私はあれ、嫌いなんです。

 

 

他のシーンはCGでもいいけど、ビル破壊だけはミニチュアに敵わない。

 

 

特にラドンの福岡の街のミニチュア・セットは最高峰です。あれ以上のものは以降作られることはなかった。

 

 

その最高峰のミニチュア破壊を、最高にクリアな映像で観られる。

 

 

無上の喜び、ですわ。

 

 

 

クリアになったお陰で、周りの俳優さんたちの表情とかもよく見えるようになっています。

 

謎の連続殺人事件に、不安そうな表情を浮かべている周囲の人たちの表情がよく見える。この辺の描き方はリアルですね。本多監督のドキュメンタリー・タッチな演出が映えています。そういう細かいところが見えて、より楽しめるところもまた、4K化の利点でしょうね。

 

 

でも、4K化したことで、ラドンを吊っているピアノ線がはっきりと映っちゃってる。今どきの技術ならこのピアノ線を消すくらい簡単なのですが

 

それを敢えてやらないんですね。見えているものはそのまま見せる。修正とかは絶対にしない。

 

 

この4K化事業は、あくまでも「後世に伝える」ことを目的にしています。技術の伝承です。だから

 

 

下手にピアノ線を消してしまったり、そういう「修正」を加えてしまうと、もうそれを元に戻すことはできなくなりますから

 

 

「伝承」が叶わなくなっちゃう。だから

 

 

敢えてそのままにしている。

 

 

 

こういう姿勢、正しいです。

 

 

ピアノ線がみえているくらい、どうってことはないです。こちとらそんなことは、すべて分かった上で観てるんだよ。

 

 

それが楽しいんだよ。

 

 

この感覚、あなたにわかるかな?

 

 

分かるあなたは、特撮「センス」の持ち主だ。

 

 

 

最高峰のミニチュア・ワーク。ドキュメンタリー・タッチの本編演出。すべてが素晴らしい。

 

 

最高の特撮映画を最高の画質で観られた。

 

 

なんて幸せな!

 

 

 

もう、死んでもいい?

 

 

 

いや、まだまだ死ねません(笑)。

 

 

これから続々と、楽しみな映画の公開が続きます。まだまだ

 

 

まだまだ

 

 

死ねないよ(笑)。

 

 

 

 

 

 

オープニング・テーマ及び空中戦シーンのBGM

 

 

伊福部昭先生の音楽も最高!

 

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3 コメント

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Unknown (みき枝)
2023-01-10 16:17:45
コメント多くすみません💦

なんも悪いことしてないのに、彼らしく生きてるだけなのに、殺されるなんて可哀想だなぁぁ。。
 思えば沢山、そういう流れの小説や漫画や映画やら、もありました。
「霧」「うしおととら、の十郎」「松本零士先生の、、」「手塚治虫先生の、、」etc.
何度見ても泣いてたけど可哀想過ぎて今は見られない。
いたいけな動物さんが殺されてしまうお話しは歴史の実話にも沢山ありますね「戦時下の動物園のお話し」とか。
だからこそ、そういう作品が多いのでしょか。
人間側の反省やら慈悲の心とか?
万物の霊長、なんて、どの口が言っとるか。
人間なんてそんな偉いもんじゃないのになぁ。。
て思います(共に生きられたら良いのに)
返信する
Unknown ()
2023-01-10 16:19:46
忘れてた!
石ノ森章太郎先生の「クビクロ」とかね。
泣くわ。
返信する
Unknown (薫兄者)
2023-01-10 19:55:37
みき枝さん、もう、書きたいだけ書いちゃってください。
ホントにね、人間の都合で生き物が殺され、自然が破壊されていく。哀しいことですね。
怪獣映画とか特撮映画って、そういう人類文明に対する警告という意味を持ってるんです。ゴジラもそうだし、このラドンもそう。
それが徐々にそういう社会風刺みたいなことが薄れて行って、怪獣バトルにシフトしていった。これがシン・ゴジラでもう一度社会問題を扱うようになって、怪獣バトルはハリウッドが引き継いだという流れ、かな。
どちらの流れも好きですけどね。今年の11月に公開される新作ゴジラは、どっちの流れかな。
クビクロ!あれはホントに哀しい話でした。
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