リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

まともな労働環境なら一生働き続ける社会も悪くない

2018-01-08 | 一般
少子高齢化に関し,海外では日本以上に高齢化が進んでいる国がある.その一つ,シンガポールについて「生涯働くのが幸せ」という記事を読んだ(朝日新聞GLOBE 2018年1月7日).
日本で高齢者福祉が負担になっていることを他山の石として,シンガポールでは2014年から元気な高齢者を「楽齢」(アクティブ・エイジャー)と呼んで就労を奨励している.その結果,65歳以上の就労率は2005年の14%に比べ2016年には27%となり,日本の22%を抜いたという.日本よりも高齢者福祉が手薄という事情はあるが,参考になる.また,アメリカでは定年は原則禁止だというが,働く人はどういうタイミングでリタイアしているのだろう.
同紙冒頭記事にあるように,2007年生まれの日本人の半分が107歳まで生きるとの推計もあるなど,100歳まで生きることが当たり前の時代になりつつある.60歳で定年退職してから100歳までの40年を年金で支えるというのは,高齢化社会を考えなくても無理に思える.高齢者一人を支える働き手が1950年には12.1人いたのに2015年には2.2人という高齢化のデータを突きつけられるとなおさらだ.
日本では年金支給年齢の繰り下げの関係で企業は希望する人は全員65歳まで雇用することが義務付けられているが,65歳までの定年延長ではなく,60歳での定年後は低賃金での再雇用という形が多い.いずれにせよ65歳からは年金生活になれるということだが,これが生涯働き続けろと言われたらどうだろうか.「逃げ水」のように年金支給年齢が繰り下げられる悪夢が頭をよぎる.
だが「生涯働く」というのは悪夢なのだろうか.働いて社会に貢献するというのは生きがいでもあるはずだ.私自身も年金が出るから働かなくてもいいとなってうれしいかと言われれば微妙なところだが,それでも定年を夢見ている部分はある.それはやはり,有給休暇も自由に取れない現状があるからだ.
過重な残業を強いられないのはもちろん,有給休暇が気兼ねなく取れるなど,まっとうな労働環境であれば,65歳以降も働き続けたいという人もいるのではないかと思う.
働くことに喜びを感じられるような「働き方改革」ができれば,生産人口減少を少しは食い止められるかもしれない.

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