昨年安倍首相がワクチンができるから東京オリンピックの延期は一年でいいと決断した時、そんなに早くできるはずはないとの懐疑論が多かった。現に日本では7月までにワクチンがいきわたるのは絶望的な状況だが、世界を見渡すと現にワクチンはでき、接種が進んでいる国もある(朝日新聞2021-4-25)。
人口の6割が接種を終えたイスラエルの場合、国民が臨床試験を引き受けるような形で接種が進んだ。
人口の4割が接種し . . . 本文を読む
東京オリンピック開催の3か月前になって日本は三度目の緊急事態宣言を発する状況になっており、海外では選手派遣を見合わせる決定も出始めている(朝日新聞2021-4-24)。私は東京オリンピックは無観客でさっさとすませるべきだと思っているが(過去ブログ)、事ここに至って、少なくとも「無観客」か「中止」の二択以外の選択肢はないと思う。
いずれにせよ判断の分かれ目になるのは「金」だ。(「頑張ってきたアスリー . . . 本文を読む
数年前からMMT(現代貨幣理論)なるものが注目を浴びている。自国通貨をもつ政府はインフレさえ抑えられれば政府債務があっても問題ないとするもので、日本政府には歓迎されている向きがあるが、経済学の主流派からは批判されていると聞く。だが莫大な政府債務があっても破綻しないという理論はほかにもあるそうだ。
「重要なのは国債の残高より、必要な資金調達ができるだけの国力があるか否かであり、経常収支の黒字がその目 . . . 本文を読む
福島の事故原発では原子炉内で溶けて固まった燃料が熱を放出し続けるので、それを冷やすために使う大量の水に放射性物質が混入し汚染水となる。建屋が壊れているためそこに地下水が流入するのでその量はさらに増える。放射性物質を除去する処理をした汚染水(処理水)でもトリチウムという水によく似た放射性物質は分離できずに残るので軽々に捨てるわけにもいかず、タンクに貯蔵することになるのだが、処理水は毎日約170トンた . . . 本文を読む
いくらきれいごとを言っても政治は力関係がものをいう。辺野古埋め立てや米軍機の超低空飛行など、日本政府の対米従属ぶりはひどいものだが、中国の脅威が増す一方、国力が低下する一方の近年、アメリカの軍事力に頼らざるを得ない日本はどうしても強い態度に出られない。
もちろんアメリカが日本に基地を維持することはアメリカの世界戦略の上で重要なのであって、安保条約は日本がアメリカに守ってもらうばかりの「安保ただのり . . . 本文を読む
昨年と今年、二度の緊急事態宣言には遅すぎたとの批判があるが、私はそうは思わなかった。裏返せば、緊急事態宣言をしてもしなくても、自粛する人はするし、しない人はしないと思っていたからだ。その一方、先ごろの緊急事態宣言の小幅延長での解除は早すぎたのではないかと思っている。緊急事態宣言は、時短や休業の命令そのものよりも「今はやばいんだから我慢しよう」というメッセージとしての意義が大きく、その解除は「もう大 . . . 本文を読む