中国が途上国に高利の融資をして返済できなくなったら利権を奪うという世界制覇のやり口を何度か書いた.
スリランカでは親中派の政権が中国の融資で大規模な港を造ったが,利益が出ないため,2015年の政権交代後に追加の開発計画の凍結を決めた.すると中国側は損害賠償を要求してきて,返済免除と引き換えに港の管理権を99年にわたって奪った.だが,これを機に中国に対する歓迎ムードの潮目が変わったという(朝日新聞2 . . . 本文を読む
アメリカ・トランプ大統領の当選にはロシアのSNSを使った介入作戦が寄与したと考えられている.日本の総選挙でも安倍政権支持の内容がボットにより自動拡散されていたことが確認されている(過去ブログ).2月の名護市長選では,米軍の普天間飛行場の同市辺野古への移設を容認する新顔が勝ったが,選挙期間中,移設反対派の現職のせいで「日ハムキャンプも逃げた」とする誤った情報が拡散された(朝日新聞2018-9-16) . . . 本文を読む
地震や豪雨など災害が相次いでいる.被災地を支援するには募金やボランティアなどの手立てがあるが,商店に品物がなくなった被災地に知人いたりすると,手っ取り早く宅配便で何でも直接送ってあげたいと思う.だが被災直後で交通が場合には運送業者に混乱をきたすだけではないかとためらってしまう.
もちろん場合によるのだが,まず,そもそも送ろうとしても受付を停止しているという場合がある.ただ宅配便が受付を停止しても . . . 本文を読む
横浜市の意見公募でカジノを含む統合型リゾート(IR)に対する反対意見が多数寄せられたが,林文子市長は「市民の関心が大きいことを表わしている」というだけで,反対の声に向き合う様子がない(朝日新聞2018-9-12横浜版).
「中期4カ年計画」というものの「素案」に対して5月に意見公募を行なったのだが,830の個人や団体から寄せられた計2129件のうち,IR関連が433件で,その9割以上が反対する内容 . . . 本文を読む
待機児童が4年ぶりに減少して2万人を割ったという(朝日新聞2018-9-8).自公政権は幼児教育無償化を実施して保育需要が増えたとしても待機児童は解消できると言い張っているが,その見通しの根拠が示されいないどころか,民間が政府資産と大幅に違う数字を出しても議論しようともしない.
さらに問題なのは,「待機児童」に含まれていない隠れ待機児童が7万人を超えるという点だ.隠れ待機児童を無視して表面的な「待 . . . 本文を読む
ソーシャルメディアが2016年のアメリカ大統領選にロシアが介入する足場として利用されたことをきっかけに,フェイスブックやツイッターなどは偽アカウント削除などの対策を進めている.その結果,トランプ大統領に近い極右ページなどが次々に削除されており,トランプ大統領は「彼らは『右』の多くの人々の声を封鎖している」と怒りをあらわにしている(朝日新聞2018-9-8).
一応「リベラル」な私は極右ページが削除 . . . 本文を読む
日本は先進国としては死刑制度を続けている例外的な国になりつつある.OECD(経済協力開発機構)に加盟する36か国のうちでは死刑制度が存続しているのは日・米・韓のみで,韓国では1997年以来停止しており,アメリカでも半数近い州で死刑を廃止・停止しているという.死刑の是非をめぐる議論もさかんだが,朝日新聞2018-9-9をきっかけに,各論以前にふまえておくべきことを整理しておきたい.
(1)上記記事 . . . 本文を読む
160人の子供を受け入れる保育園を作ったのに保育士が集まらず開園できずにいる空きビルが東京都墨田区にある.保育士不足のため定員よりも受け入れる子供の数を減らしている保育園も認可園だけで全国に204に上る.(朝日新聞2018-9-5)
政府も待機児童解消を謳っていて一応の対策はしているのだろうが,いくら「ハコ」を作っても人が集まらなければ意味がない.保育士の待遇改善に数百億円を振り向けるというが,月 . . . 本文を読む
中国は「中国アフリカ境界フォーラム」なるものを3年ごとに開催して着実にアフリカとの関係強化を進めており,日本や欧米は警戒を強めている(朝日新聞2018-9-4).「アフリカなんて遠い国,どこと仲良くしたっていいじゃないか」と思ったらとんでもない.国連総会などで意見が対立したとき,アフリカ諸国が中国に肩をもったらどうなるか考えてみればその怖さはよくわかる.
しかも,単に友好関係を築くにとどまらず,援 . . . 本文を読む
高層マンションのエレベーターが地震などで止まると買い物すらいけなくなる問題は以前から指摘されているが,そんな時でも宅配業者は階段を使って配達しているということを知った(朝日新聞2018-9-3).もちろん住人にとっては死活問題で,新聞では断水時に階段で重い水を届けて感謝されたといった美談にされているが,配達員のことを思うとどうも釈然としない.
ただでさえネット通販の普及で日用品の多くが配達してもら . . . 本文を読む
学校に行くのがつらい,こわいという子供が少なくない.そうした子供に寄り添う動きがあって,それはそれで大切なことだが,いろいろな問題を区別せずに「学校に行かなくてもいい」点が強調されすぎているような気がする.
たしかに「いじめ」による自殺が時折ニュースになるのはいたましいことだ.本来はいじめる側に登校停止などの処分を科すべきだが(言うまでもなく,金品の巻き上げとか,所持品を奪ったり壊したりすること . . . 本文を読む