リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

アマゾンは配達員にいくら仕事を託しても定額日当制!?

2022-06-15 | 一般
ひところ、通販大手のアマゾンの配送が料金が安くて配送業者の負担になっていることが話題になった(過去ブログ)が、2018年1月には値上げを受け入れたとの報道があり(過去ブログ)、運送業界に関する限り、この問題は解決したのかと思っていた。だが約2年前に配達料が日当制に変わり、同じ配達料のまま荷物量が2倍に増えた事例があるという(朝日新聞2022-6-14)。特に約1年前に配達先の管理にAIが導入されてからは荷物量が急増したという。このたびアマゾンの委託先の運送会社やその下請けと業務委託契約を結んでいるドライバー10人が労働組合を結成し、委託先の会社だけでなくアマゾンにも団体交渉を申し入れている。
私はこの手の問題には全くの素人だが、日当制で同じ料金のまま仕事が2倍というのはありえないと思う。「そういう委託契約になっている」ことなのだろうが、優位な大手企業と立場の弱い個人事業主の間の契約であまりに理不尽な条項を無効とすることはできないのだろうか。配送員の「定額使い放題」は異常だと思う。
もちろん、業務委託でなく、雇用されている労働者であれば、給料は同じで仕事が増えるということはよくある話だ(それにしても受忍限度というものがあると思うが)。だから個人事業主だと突っぱねるのではなく、労働者として契約すべきだというのは至極まっとうな要求だと思う。要求相手がアマゾンになるかどうかは微妙なところだが、配送先はアマゾンのアプリで指示されているというから、アマゾンにも一定の責任はあるだろう。アマゾンの言い分は「アプリの利用は必須ではない。ドライバーの安全な配送と、客が配送状況の通知を受けられるように提供している」というが、「必須ではない」というのがどのくらい実態に合っているのか、識者の見解を聞きたいところだ。
AIの導入についても懸念がある。労組結成を呼びかけた男性によると、以前は配達するエリアは基本的に同じだったため、配達先のおおよそのライフスタイルから在宅状況を把握して効率的なルートで運べたが、最近は、行ったことのない場所に配達することが増えたと感じているという。AIを使って配達員を無駄なく活用している結果なのだろう。だからこれ自体は否定することはできないのだが、客にとってもおなじみの配達員というのは一定の安心感があるのではないか。無駄をとことんつぶすという数学的な最適化問題ではすまないのではないかと思うのだが(最近たまにきく、宅配業者による地域の見守り、とまでは言わないが。)
上記男性の場合、朝8時に配送拠点に出勤し、配り終えるのは夜10時ごろという。定額日当制なら、1日8時間労働に収まる範囲内の業務量とするのが当然ではないか。直接の契約先はアマゾンではなく運送会社ということらしいが、アマゾンから運送会社への安すぎる委託にも問題はあると思う。運送会社もアマゾンも、ドライバーたちの要求に真摯に向き合ってほしい。

関連リンク:
「(政治とくらし 2022参院選)荷物3倍、家族との時間がない 配送業、AIがルート選定」(朝日新聞2022-7-2

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