アメリカ大統領選でハリス氏が予想以上の大差でトランプ氏に負けた。ヒスパニック、黒人といった民主党の支持層も切り崩されたようだ。インフレなどの現政権下での社会問題を突かれたこともあるが、民主党全体の問題とする声が根強いという(朝日新聞2024-11-8)。
「民主党は近年、ジェンダーや特定の人種などの権利や利益を擁護するアイデンティティー政治の色合いを強めてきた。ただ、行き過ぎへの反発も生まれている . . . 本文を読む
先日、池上彰氏がテレビで先のトランプ政権の話をしていた。トランプ大統領がTPP(環太平洋パートナーシップ協定)から離脱したことでアメリカ産牛肉の関税は引き下げられず、日本では安くなったカナダやオーストラリア産に押されて米国の畜産農家が苦境に立たされた。そこでトランプ大統領は日本と二国間協定によりTPP並みに牛肉の関税を下げさせることに成功した。トランプ氏は自分が交渉して勝ち取った勝利だと誇ったが、 . . . 本文を読む
「財布の中身 米大統領選次第? 株価に影響『NISAが世界知るきっかけに』」(朝日新聞2024-11-6)という記事を読んだ。
NISA(少額投資非課税制度)を利用している普通の庶民が世界情勢に関心をもつようになった、と肯定的に報じている。
だが実はこれこそ私がここ数年危惧していたことだ(どこかで読んで触れた覚えがあるが思い出せない)。
景気がよくなってほしい――それは誰しも政府に望むことだ。だが . . . 本文を読む
大富豪によって政治的スタンスが左右されるメディアは、イーロン・マスク氏に買収されたツイッター(現X)だけではなかった。
マスク氏は、連邦議会襲撃事件のような暴力行為を扇動するおそれがあるとしてツイッター社が凍結していたトランプ前大統領のアカウントの凍結を、同社買収後に解除していた(BBC)。今回の大統領選ではトランプ候補支援のための団体に約7500万ドルを寄付したほか、保守派の有権者に直接現金を支 . . . 本文を読む
フランスの総選挙で右翼「国民連合(RN)」が第一党になりそうな勢いで、その経済政策に警戒が広がっているという。電気やガス料金にかかる税金の引き下げや年金改革の見直しなどを経済政策として発表しており、財政拡大が必要になるものだ。インフレに苦しむ庶民に寄り添うと謳ってはいるが、財政が悪化すれば、日本の投資家も多く保有する仏国債が売られることになるという。(朝日新聞2024-6-29)
だが待ってほし . . . 本文を読む
米軍の核搭載艦の日本寄港が、日本領土への持ち込みに関する事前協議の対象外であることを日本側が認めた記録がアメリカの公文書館でみつかった(朝日新聞2024-5-19)。密約そのものについては日本の外務省は2009~2010年に調査し、確認できなかったと発表したが、「…原点にあたる安保条約改定交渉に関し日本側の記録が不完全なことは外交力を弱める」との識者の指摘(同3面)にはっとした。
日本政府はなにか . . . 本文を読む
2023年に生まれた子供の数が過去最少だそうだ(朝日新聞2024-2-28)。今の数値はつい昨年の推計よりも12年も早いペースだという。しかも婚姻数も戦後初めて50万人を割ったというから、今後も出生数の減少は続きそうだ。当面若者人口が急減することは確定しているから、それまでに少子化をなんとかできないと人口減はいよいよ止まらなくなる。だから政府は「2030年までがラストチャンス」と強調しているのだと . . . 本文を読む
国民の疑問の声や地元の反対を無視して辺野古への土砂投入が始まって5年がたったという。だが開始前から地盤が「マヨネーズ並み」の軟弱さであることがわかり、工事の難航が予想されていた。政府は総工費を「3500億円以上」としていたが、地盤対策費を考慮した2019年の数字は9300億円にもふくらんだ。投入済みの土砂はまだ予定の16%だが、予算は2022年度までですでに4312億円が支出済みだという(朝日新聞 . . . 本文を読む
ハマスによるイスラエル攻撃に対し、イスラエルはパレスチナのガザ地区に激しい攻撃を続けており、自衛の範囲を超えるのではとの声が高まっている。だが伝統的にイスラエル寄りの欧米政府はイスラエル寄りの姿勢を取り続け、市民感覚とのずれが浮き彫りになっている。
アメリカでは、アラブ系の間でのバイデン大統領の支持が急落しているそうだ(朝日新聞2023-11-16)。人口の1%ほどだというアラブ系米国人だが、前回 . . . 本文を読む
岸田首相が「税収増の国民への還元」と言って所得減税を打ち出したが、選挙目当てのばらまきであることが見透かされて支持率向上には役立っていないようだ。
そもそも日本の借金は先進国最悪。税収が増えたならその分は借金返済に充てるのが本来の国民への還元だ。防衛費のために増税さえ議論されているさなかに減税政策というちぐはぐさを指摘されると、防衛増税をあっさり先送りする。防衛費の増額を先送りするならともかく、支 . . . 本文を読む
あまりSNSをやらないのでフェイクニュースに触れる機会はあまりないと思っているが、これはひどいフェイクでは、と思える事例があった。
なんとなくYouTubeを見ていた時のこと、「WCが解体確定か!?日本の脱退により巨額賠償で本部解体+加盟国が大量脱退する異常事態に【ゆっくり解説】」という動画が目についた。「2か月前」とのことだが「数週間前に同じ内容の動画アップロードされていた」とコメントで指摘さ . . . 本文を読む
消費税額を取引先に伝えるインボイス制度が10月から始まるのを前に、これまで免税だった小規模事業者などに戸惑いが広がっている(朝日新聞2023-9-5)。インボイスを発行しないと取引先が消費税額の控除ができないため、取引を打ち切られる可能性がある。かといってインボイスを発行するために課税事業者に転換すれば税負担が生じ、仮に税負担を押し付けられなくても、事務負担は確実に増える。
何のためにインボイスを . . . 本文を読む
福島原発で増え続ける処理水の海洋放出が始まった。中国は即日、日本産の海産物の全面輸入禁止を打ち出した。放出開始前から通関手続きの厳格化など嫌がらせは始まっており、放出を開始すればさらなる手を講じてくることは予想されていたが、全面禁輸は関係者にとっても想定外だったようだ。福島周辺のみならず、日本中の漁師や輸出業者に影響が及ぶ。日本にとって中国は海産物の輸出先の大事な市場だが、中国にとって日本は海産物 . . . 本文を読む
かつて中国漁船体当たり事件の際、中国は「環境保護のため」との名目で日本に対するレアアース輸出規制に乗り出したが、それはその後WTO協定違反だとされた。中国が国際ルールに従うかどうかはともかく、この判定が一定の歯止めにはなると思っていた。
ところが「中国はその後、安全保障を理由にすれば輸出規制が違反にならないことを学んでいる」(朝日新聞2023-8-9)と聞いて仰天した。資源を握っている中国が安全保 . . . 本文を読む
ウクライナとポーランドにも対立の歴史があるという。第二次大戦中、ナチスドイツが占領するウクライナ西部で、ウクライナ武装勢力がポーランド系住民を虐殺する事件があった。ウクライナにとってはポーランドの抑圧的な姿勢が背景にあったという。そんないきさつを考えると、ロシアに侵攻されたウクライナに対するポーランドの熱心な支援には胸を打たれる。
両国間には反目もあったが、1991年のウクライナ独立後に対話を重ね . . . 本文を読む