朝晩寒くなってきました。それに伴い、夏場はよかった血圧が上がってきた という患者さんも多くみられます。
これから日に日に寒さが増してきますが、この時期、血圧が高めの人は注意が必要です。
寒くなると私たちの体は体温を逃がさないように血管が収縮するので、血圧が上がりやすくなります。
血圧が高めの人は寒さを感じたり、冷たい水に触れたりするときには血圧がさらに高くなり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす恐れがあります。
高血圧のほとんどがその原因がはっきりしない本態性高血圧と呼ばれるものです。
これに遺伝的因子と環境因子が関連していると考えられています。
両親が高血圧の場合、その子供は約50%の確立で高血圧になるといわれています。このような「遺伝的因子」は避けることができません。しかし、「環境的因子」については、生活習慣を改善することで、高血圧を予防またはその進行を遅らせることができます。
日常生活における高血圧の予防策をご紹介しますので、遺伝的因子を持つ可能性のある方はもちろん、そうでない方も生活習慣の改善に心がけ、これからの時期を乗り切りましょう。
- 塩分のとりすぎに注意
薄い味付けを心がけましょう。
めん類の汁は残し、加工食品やインスタント食品の摂取はできるだけは控えましょう。 - 肥満を防ぐ
肥満は高血圧の進行を助長します。肥満の人は減量に努めましょう。 - ストレス解消
多忙な生活や精神的な緊張の連続は血圧に悪影響を及ぼします。できるだけ息抜きをするよう心がけ、睡眠を十分にとりましょう。 - 適度な運動
ウォーキングなどの適度な運動は血圧を下げる効果があります。日ごろから適度な運動に心がけましょう。 - たばこやお酒は控えめに
喫煙や過度な飲酒は、血圧を上げ動脈硬化を促進したり血管に負担をかけますので控えましょう。
中でも日本人はどんな食品から食塩を取っているのか、摂取実態を解析することを目的に行われた調査報告があります。
一日あたりで食塩摂取量が最も多い食品はカップ麺、次いでインスタントラーメンでした。これらは一食当たりの塩分量が5g以上と多いので一回食べただけでの摂取量が多くなります。また、一日の摂食者数が一番多い食品はパンでした。
パン食では一日あたりの平均塩分摂取量が0.9gです。最近はお米よりパンを食べる人も増えています。毎日食べるものだけに意外とパン食をごはんに変えるだけで塩分量が減らせるかもしれません。そのほか、梅干し・塩鮭・さつま揚げ・ウインナーなど 加工された食品などは塩分量が多いので、これらの食品を重複して食べるような場合は塩分摂取量が増えてしまいます。
日頃よく食べる食品に含まれる塩分量にも注目し、食品の選び方・食べ方に工夫をすればより効果的に減塩ができるかなと思います。