患者さんの採血データを見て気になること。
しっかり食べているとは言っても、総蛋白が少なかったり、アルブミンが少なかったり・・・
「国民健康・栄養調査」(2018年)によると、65歳以上の女性の5人に1人、男性の10人に1人は低栄養傾向です。
多くの高齢者にとって、低栄養は他人事ではありません。
栄養が不足して体重や筋肉量が減ってしまうと、体を守る免疫機能が低下して感染症などの病気にかかりやすいばかりか、重症化しやすく命にかかわることもあります。
低栄養は食欲低下や食事の偏り、病気などの影響で体を動かすために必要なエネルギーやたんぱく質が不足した状態です。
自身で低栄養かどうかを判断するには低栄養の診断基準(GLIM Criteria)に則って体重減少の有無、低BMIの有無、筋肉量減少などを確認すればよいです。
BMIというのは Body Mass Indexの略であり、体重(kg)÷(身長m×身長m)で計算します。
アジア人の場合に70歳未満ではBMI18.5未満 70歳以上ではBMI20以下が低BMIに該当します。
例えば身長1.6mで50kgであれば、BMIは19.5 となり、70歳以上では低BMIに当てはまります。
筋肉の量を測るには本当に簡単にできるのが指わっかテストです。道具は何もいらず、両手の親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの最も太い部分を囲みます。隙間ができるなら筋肉量が減量している可能性があります。
浮腫などがあれば判定は難しいですが、本当に簡単です。外来で時々、患者さんにやってもらうことがありますが、体格にかかわらず、隙間が空く人もいて驚きます。
一度やってみることをお勧めします。1秒でできますから!
(上記エーザイさんのサイトからお借りしています)
低栄養を防ぐにはエネルギーのもとになる炭水化物、脂質 骨・筋肉・血液などのもとになるたんぱく質などの栄養素をしっかりとることが大切です。特に、高齢の方はたんぱく質を意識して取っていただきたいと思います。
腎臓病での食事制限がある人以外はたんぱく質を積極的にとって、運動に努めるのが有効です。
これからの季節特に免疫力を低下させないためにもしっかり食事としっかり運動を心がけていくのが大切だと思います。