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茨城県で築40年の木造平屋住宅の断熱改修のための建物調査を行っています。
平屋で小屋裏と床下が大きいので調査は2回に分けて行いましたが、昨日はその2回目でした。
断熱改修では、断熱材と気密シートを連続してつくる必要があり、そのために町田の断熱改修では建物の外側で気密シートと断熱材を連続させる外張り断熱気密改修を行いました。その結果、気密性能を表わす相当隙間面積は0.5、断熱性能を表わす外皮平均熱還流率は0.3と改修としては十分な性能が確保でき、この冬も快適で省エネに暮らしていただくことができています。
調査の目的の一つは、既存の断熱と気密の弱点を把握し、どうしたら断熱材と気密シートを連続させられるかを確認することです。
今回の木造平屋住宅は重厚な瓦屋根の立派な農家住宅なので、それを生かしたまま断熱改修をしたいと考えています。外張り断熱気密改修では屋根の仕上げを全て取り外し、新たな仕上げて覆わなくてはいけなくなりますので、現在の瓦屋根は生かせなくなります。また、小屋組みも丸太梁が幾重にも重なるような複雑なもので、屋根面の直下に断熱材を設けると丸太梁などで欠損が大きくなり、隙間なく施工するのも難しくなってしまいます。
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また、南側には広縁があり、広縁にかかっている屋根と大屋根が重なりあっているので、施工の難易度があがりそうです。
そのような状況でも、現況をしっかり把握し検討するため調査では床下と小屋裏等に潜って状況確認するのがマストだと考えています。
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今回の調査のメインは小屋裏と床下の確認でした。
前回、小屋裏の梁のレベルが把握しにくく混乱したので、今回はレーザーレベルで確認したらスッキリ把握できました。手持の出力の小さいレーザーでも、暗闇の中なので全く問題なしでした。
小屋裏も床下も隙間から外の明かりが見えるのは昔の建物ならではです。
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床下は盛土をして地盤を高くしてあるので、湿気の影響はそれほどありませんでした。広縁の部分は基礎が低くなっていたので、断熱ラインをどう作るかが一つのポイントになりそうです。
基礎も当時としてはしっかり作ってある印象で、一安心でした。
さあ、調査結果をまとめて、方針検討のための作業に入ります。