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町田の断熱耐震改修工事の現場では、10月初めに気密測定を行いました。
気密測定では、このようなバズーカ状になったファンを窓開口に設置して室内の空気を吸出して室内の気圧を外よりも低くし、負圧状態にしてその状態がどの程度保たれるかを測定します。
結果はC値0.3、良好な値でほっと一安心しました。
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C値というのは、建物に存在する隙間の量を示す値で数字が小さいほど隙間の量が少なく、大きいほど隙間の量が多いことを表します。
0.3は新築でも高気密と言えるレベルで、断熱改修でこの値が出たことに気密測定技能者も驚いていました。
この値を実際の隙間の量に直すと建物全体の隙間を集めても41平方センチ、小銭入れくらいの面積にしかなりません。
この程度の気密性能が確保できれば、隙間風で室内の保温性を損ねず、壁の中で内部結露せず、改修した建物が長期間健全に保たれ、換気を有効に働かせることができます。
断熱と気密をしっかりさせることで、換気と冷暖房有効に働き、健全で快適な室内空間を実現することができるのです。
この結果は築50年の住宅の気密性能を確実に向上させる手法を教えていただいた北海道の山本亜耕さんと、現場見学をさせていただいたM建設の所長と棟梁のみなさんのおかげです。
また、この現場で隙間だらけの築50年の住宅を室内の意匠を保ちながら丁寧に工事して気密性を向上させたテクトハウジングのS棟梁、K棟梁の力量はお見事としか言いようがありません。
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今回の改修では、窓はすべて新しい樹脂窓としていますが引違窓がこのような掃き出し窓含めて全部で9窓あります。
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気密測定をした後、参考に引違窓の室内側にポリエチレンシートを張った状態で再度負圧状態にしてみました。
室内を負圧状態にすると、引違窓にロックをかけた状態でもサッシの隙間から通気して、室内側に張ったシートがパンパンに膨らみます。
このような隙間の多い引違窓を使用しながらC値0.3という結果が出せたということからも、大工さんたちの頑張りがわかります。
7月から始まった断熱耐震改修工事も気密測定で一旦の区切りがつきました。
これから11月末の引き渡しに向けてもう少し頑張ります。