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先日、里山資本主義の藻谷さんの講演を聴きました。内容は日本からの資本流出、地域の人口流出・流入と年齢構成のリフレッシュについて。
日本の貿易、投資の収支はアメリカ、中国に対しては黒字を維持しているものの、中東に対しては40年間継続して赤字とのこと。内訳は原油等のエネルギー資源です。このうち26%が住宅のエネルギーとして消費されています。また、高知、鹿児島等の地方ではエネルギー資源を地域の外から購入することで、資本流出が進む一方ということです。住宅、車等でのエネルギー消費を抑えないと、日本としても、地域としても貧しくなる一方ということがわかります。断熱性能が高く、エネルギー消費の少ない住宅を作ることで、域外への資本流出を減らし、地域の中での富の循環が実現できるのです。
しかし、どんなに断熱性能が高くエネルギー消費の少ない住宅を作ったとしても、その地域に人が済まなくなってしまったら意味がないのではないかと心配になります。その答えは過疎化が進み、高齢化率が高いと言われた島根県の人口年齢分布の変化にあります。
島根県では高齢者の割合が減りつつあるそうです。そして徐々に子供が生まれ始めているとのこと。この段階で子育て支援をすると子育て世帯が定着するそうです。高齢化が進みすぎると年齢分布の構成がリフレッシュすることをデータで見て驚きました。
一方、人口流入が進む東京23区はこのリフレッシュが始まるのは50年後、私たちが事務所を構える町田では25年後だそうです。この段階を見据え、将来見劣りしない性能の住宅を作ること、将来的なリセールバリューのある住宅を作ることが私たちの使命と実感しました。また、この段階に向けて子育て支援策を充実させていくことも大事です。
将来見劣りしない性能の住宅、リセールバリューのある住宅は工事費が高くなってしまうと思われるかもしれません。しかし、将来に渡って支払い続けるエネルギーコストや健康メリット等による便益を考えると総コストでは逆に得になることも大いにあります。
シミュレーションの数値でお示しできますので、お問い合わせ下さい。住まいづくりを考えているのであれば、生涯コストを考えて作ることを是非お勧めしたいと思います。