小袋焼とは熊本県の北部、小袋山麓で約400年前から焼き継がれている陶器の系譜を言います。2003年に、晴れて国の「伝統工芸品」に指定され、現在は荒尾市を中心に12の窯元が小袋焼を受け継いでいます。その起源は文禄の役後、加藤清正に伴われてきた朝鮮の陶工達が、小袋山麓に窯を拓いた事に遡ります。
小袋焼の特徴は鉄分の多い小袋粘土を使った素朴で力強い作風にあります。粗めの陶土に、藁や笹の灰からとった白釉や黄色釉を流しかけて焼成します。釉薬の微妙な配合の違いで青小袋、黄小袋、白小袋の3系統に分かれるのが、最も際立つ点です。
藁灰と土の中の鉄分が融合する事で青く発色します。白小袋は藁灰を多めに、黄小袋は木灰を多くします。この調合によって釉薬の深い色合いと躍動感あふれる自由奔放な流しかけの文様が素朴ながら、品格のある器を作り出します。