再読のための覚え書き
青銅の基督
長与善郎(1888-1961)
徳川家綱の治世、キリスト教弾圧の時代。多くの信者たちが酷い拷問の末に処刑されていった。
長崎の鋳物師の萩原裕佐は、キリスト教信者の改宗を迫るため、青銅の踏み絵を作ることを依頼される。
仕上がった踏み絵は、まるで彼が崇高な信仰を持っているかのような素晴らしい出来上がりだった……。
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長崎の南蛮鋳物師萩原の存在とその運命は、事実なのだそうだ。拷問ゆえに信仰を捨て、信者迫害の先鋒となるオランダ人の元神父フェレラ。肉体の死をもろともせず魂の死を拒み、信仰を全うする切支丹たち。信仰はないが、信者を守り、しかし鋳物師としての名声を選ぶ萩原裕佐。物語中盤、不穏な気配が起き始めると、結末まで一気に急展開してゆく。
2021.6.15読了
青銅の基督
岩波文庫
昭和2年12月5日初版発行
昭和47年7月10日27刷
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