再読のための覚え書き
牛肉と馬鈴薯
国木田独歩(1871-1908)
「牛肉と馬鈴薯」
時は明治30年、櫻田本郷町の明治倶楽部では、文人や思想家などが、「実際と理想」を「牛肉と馬鈴薯」になぞらえ、「どちらが大切か」などと愉快に議論している。
岡本(国木田独歩がモデル)は、「どちらにも従えない。なぜなら、『不思議な願い』を持っているから」と言い、女性論や思想論を展開していく。
「女難」
銀座の四辻で尺八を吹く盲人。子どもの頃、その気質の気弱さから将来を心配するあまり、母親は彼を易者のもとに連れてゆく。
「女難の相がある」と言われたばかりに、彼はその言葉から逃れることができず、人生を狂わしてゆく。
他2編収録
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表題作のようなコミカルなものよりも、人生の深淵と哀切を描いたものの方が独歩らしさを感じるのは、最初に読んだ小説の印象の強さだろうか。
2021.6.16読了
牛肉と馬鈴薯
岩波文庫
昭和14年3月2日初版発行
昭和47年3月10日32刷
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