再読のための覚え書き
曠野の虹
竹田敏彦(1891-1961)
満洲で終戦を迎えた小坂惠津子は、引き上げの混乱の中、開拓事務所の藤田準一と行動を共にして無事に帰国した。
三ヶ月を費やした引き上げの間で、互いに愛情を感じながらも言葉にしなかった二人。
そして、準一は連絡の取れない妻子を探すために青森へ。惠津子は兄のいる北海道へ渡った……。
「人の欲望は無限ですのに、その対象はいつも有限です。それを争い合うところに世の不安と悲劇が絶えないのではないでしょうか。私はいっそ人と闘うかわりに、一生寂しい孤独と闘って、別な幸福を捜してみたいと思っています」
2023.3.20読了
曠野の虹
春陽文庫
昭和29年6月15日初版発行
旧仮名遣い
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