再読のための覚え書き
退屈な話・六号病室
アントン・チェーホフ(1860-1904)
湯浅芳子訳
「退屈な話」
学者として成功と名声を勝ち得たニコライ・ステパノヴィチ。しかし、死を目前にして、これまでの人生が空虚なものに思われてくる……。
「六号病室」
町立病院の六号病室には、精神病患者たちが収容されている。病院長のアンドレイ・エフィームイチは、病室の患者イヴァン・ドミートリチとの知的な会話にのめり込んでゆくが、周囲はそんな彼らを奇異の目で見つめ、病院長への不信が高まるのだった……。
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「六号病室」で、病院長と患者の間で語られるのは、公正と自由。「強者の無関心」の上に成り立つ病院長の哲学が崩壊するのとともに、世間からも抹殺されてゆく姿が、陰惨で恐ろしい。
2021.6.23読了
退屈な話・六号病室
岩波文庫
昭和38年8月16日初版発行
昭和45年11月10日7刷
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