再読のための覚え書き
縦走路
新田次郎(1912-1980)
山仲間の蜂屋道太郎と木暮英作は、剣岳へ向かう途中、単独行をする女性、河原田千穂に出会う。女流登山家に美人はいないという俗説をくつがえす容姿の人だった。
千穂に魅了された二人は、東京で千穂との再会を果たし、それぞれ彼女との山行を企てるが……。
「彼女には目的よりも手段が大事だった。山に来て化粧をすることが大事なように、彼女は、綺麗に痛快に行動したと、いつでも満足できるように身を置きたかった。」
新田次郎の作品は、恋愛の要素を一切省いた、男しか登場しないような設定のものの方が好きだけれど、これはこれで、ヒロインが狂言回しのようになっていておもしろかった。
2023.3.1読了
縦走路
新潮文庫
昭和37年7月10日初版発行
昭和42年9月10日7刷
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