森鷗外著『うたかたの記』。
漢文調古文調の文体、 気に入った箇所を列記。
① 人生いくばくもあらず。
② 雨いよいよ激しくなりて、湖水のかたを見わたせば、吹き寄する風一陣々、
濃淡のたて縞おり出して、濃き所には風白く、淡き所には風黒し。
③ 林を出でて、坂路を下るほどに、風村雲を払ひさりて、雨もまたやみぬ。
湖の上なる霧は、重ねたる布を一重、二重と剥ぐごとく、
つかの間に晴れて、西岸なる人家も、また手にとるやうに見ゆ。
ただここかしこなる木の下陰を過ぐるごとに、
梢に残る露の風に払われて落つるを見るのみ。
①の文章、人生は短いものだと、心に突き刺さる。
作品の内容とは別にして、
やりたい事はたくさんあるのに、
何一つ出来ていない自分を反省。
②と③の文章、自然描写が気に入った。
②の 「濃き所には風白く、淡き所には風黒し」 白黒の対比が色鮮やかに浮かぶ。
③の 「湖の上なる霧は、重ねたる布を一重、二重と剥ぐごとく」 比喩の表現が具体的で明瞭。
漢文調古文調の文体、 気に入った箇所を列記。
① 人生いくばくもあらず。
② 雨いよいよ激しくなりて、湖水のかたを見わたせば、吹き寄する風一陣々、
濃淡のたて縞おり出して、濃き所には風白く、淡き所には風黒し。
③ 林を出でて、坂路を下るほどに、風村雲を払ひさりて、雨もまたやみぬ。
湖の上なる霧は、重ねたる布を一重、二重と剥ぐごとく、
つかの間に晴れて、西岸なる人家も、また手にとるやうに見ゆ。
ただここかしこなる木の下陰を過ぐるごとに、
梢に残る露の風に払われて落つるを見るのみ。
①の文章、人生は短いものだと、心に突き刺さる。
作品の内容とは別にして、
やりたい事はたくさんあるのに、
何一つ出来ていない自分を反省。
②と③の文章、自然描写が気に入った。
②の 「濃き所には風白く、淡き所には風黒し」 白黒の対比が色鮮やかに浮かぶ。
③の 「湖の上なる霧は、重ねたる布を一重、二重と剥ぐごとく」 比喩の表現が具体的で明瞭。