
昨日のブログの最後にBARDの難点は典拠が不明だと書いた
自らも反省 このブログでも今後は出来る限り典拠を明示したいと思う
さて 昨日はコクトーの来日のことを書いた
その時の模様をもう少し詳しく知りたい・・・ネットで格好の論文が見つかった
「コクトーと日本の芸術家達 ジャン・コクトーの日本訪問」(西川正也氏)
「コクトーと日本の芸術家達 ジャン・コクトーの日本訪問」(西川正也氏)
以下、そこから超要約記述する(””内が引用部分)
”滞京中のコクトーに接した文学者の一人に林芙美子がいる
花束の贈呈役に林が選ばれたのは、パリ滞在中、コクトー製作の実験映画「詩人の血」を三度も見に出かけたほどのコクトー・ファンだったからだろう”
以下、林の自筆日記(※)の内容が引用されてる(そのまま引用)
~「八時半、ビユウ・コロンビヱにひとりで、ジヤンコクトウのシネマを見に行く。『或詩人の血』とてもよかつた。白と黒とのたたかひだ、多分に東洋的であつた。一寸おそろしい映画だ、あんなのを見るといい小説が書きたくなる」
(昭和7年1月13日付)
※芙美子がパリの百貨店ボン・マルシェで買った日記帳に自筆で記録したもの
芙美子や緑敏の死後の遺品(遺族より区に寄贈)の中から発見された
この日記帳は、林芙美子研究者の今井英子氏が編纂、「林芙美子 巴里の恋」として
2001年発刊されている(2004年に文庫本化)
西方氏の論文もパリ滞在時の芙美子の記録はこの今井氏の本に依拠している
以下、その後の芙美子のジャン・コクトーへの傾倒ぶりを引用する
(昭和7年1月14日付) 友人への手紙より(※)
"昨夜、ビン・コロンビエ、築地小劇場みたいな小さな小屋で、コクトウの声の入った映画「或詩人の血」を見た。君に見せたい。全く豊富な空想の世界、新しい世界だ"
※この手紙の部分は西方氏論文ではなく今井氏編纂本から直接引用
ここで友人とあるのは矢田津世子のこと、と今井氏は脚注に書いている
今井氏編纂本によれば この後もコクトーの記述が散見できるが今は省略
芙美子が気にって3度も観た「或詩人の血」ってどんな映画なのだろう?
つい好奇心に駆られてYoutube検索・・・約100年前の映画、あるワケ無いさ
ところがあった! 芙美子は新しい世界と書くが 不気味な世界でもある
もっとも「創造的」な世界というなら 今の時代でも十二分に創造的!
訪日時のコクトーの話を書くつもりだったが次回に回す
また 今井氏編纂「林芙美子 巴里の恋」についてはこの先もお世話になる
それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]